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August 2020

東海道新幹線日帰りが15200円

 新型コロナウイルスの影響により鉄道の需要が減り、鉄道会社は大変困っています。割引切符で対応するところも多いですが、JR東海は旅行商品というかたちでお得な商品を売っています。

 商品は日帰りタイプもホテルの付いたタイプもあります。先ほども述べたように値段もお得で、大阪から新幹線往復の東京日帰りで、15200円。新幹線片道の正規料金に少し足しただけで、往復できてしまいます。おまけに東京や品川の売店で利用することのできる金券500円もセットされています。今のところ設定は7月1日から9月30日までです。ただ、利用できる新幹線(「のぞみ」、「ひかり」)は限られています。また、条件が合えば、「Go To トラベル」の対象にもなります。

 東海道新幹線を使う用事があれば、検討してみても良いでしょう。
(参考:JR東海ホームページ https://recommend.jr-central.co.jp/hisabisa-tabi/?dp=4&ar=1&pl=1&so=1&tb=1)

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西日本ジェイアールバス、1人で2席利用できる「ダブルシート」の発売を開始

 4列シートのバスで隣に人が座ると、少し窮屈に感じます。新型コロナウイルスの感染が心配される状況ならなおさら避けたい事態です。そこで西日本ジェイアールバスは、東京と大阪を結ぶ一部のバスで、1人で2席を利用することができる、「ダブルシート」の発売を開始します。隣の席も確保しているので、知らない人が座るということはありません。

 「ダブルシート」があるのは、「グラン昼特急5号」、「グラン昼特急6号」、「グランドリーム14号」、「グランドリーム27号」の4本。4列シートの一部の座席が対象です。9月1日から2021年3月31日までの乗車分が対象で(日によっては設定がないこともあります)、8月25日から順次発売を行います。値段は乗車日及び購入日によって変わり、昼行は東京駅-大阪駅間が4300~8000円、夜行が東京駅-大阪駅間が6000~10000円です。

 なお、「ダブルシート」の購入については注意事項があります。まず、設定は大人のみで、子供や障害者の設定はありません。乗車変更もできません。変更したい場合は手数料を払って、払い戻しをする必要があります。当然ながら、「ダブルシート」は1人で使うもので、2席あるからと言って2人で使用することはできません。
(参考:西日本ジェイアールバスホームページ https://www.nishinihonjrbus.co.jp/news/detail/1023)

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沖縄に東京バス

 高速バスを中心に全国にバスを走らせている東京バスグループ。沖縄にも進出し、路線バス事業を行うことになりました。

 実は東京バスは1月に豊見城市内に営業所を開設し、沖縄での貸切バス事業を始めていました。その東京バスが、中部観光サービスの路線を引き継いで、9月から路線バスを運行します。中部観光サービスはWBFホールディングスの傘下にあった会社でしたが、WBFホールディングスは経営破綻してしまいました。その影響があるのでしょう。2000年以降で沖縄以外の会社が路線バス事業に参入するのは、琉球バス交通や那覇バスの親会社である第一交通産業グループ(本社:北九州市)、宮古島で子会社が路線バスを運行している中央交通(本社:川口市)に続いて3社目となるようです。余談ですが、東京バスの名義のままで行うのは、沖縄にはすでに沖縄バス、那覇バス、琉球バス交通といった沖縄をイメージさせるバス会社が存在していて、適当な名前のバス会社が思いつかなかったのでしょうか?

 東京バスが運行する路線は2路線あります。ひとつは中部観光サービスから引き継ぐ、那覇空港から瀬長島ホテル前を経由して美らSUNビーチ前に行く便。9月14日から運行します(中部観光サービスは前日の9月13日まで運行します)。もうひとつは新規路線で、那覇市のパレットくもじ前から那覇空港などを経由して糸満市役所に行く便。10月上旬に開設します。

 東京バスは沖縄でのバス事業のため、すでに22台のバスを導入していますが、路線バスの運行に合わせて新たに9台を導入します。運転士など21人も雇用しますが、そのうち8人は中部観光サービスの運転士です(中部運行サービスは観光バスだけの会社になります)。今は新型コロナウイルスの影響で厳しいですが、東京バスは長期的には将来性があるとして、沖縄での路線バス事業に参入することにしたのです。
(参考:琉球新報ホームページ https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1179291.html、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/4df8c46b391c70e8a7b7be403984ae15b95bab5a)

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上毛電鉄、朝ラッシュ時に臨時列車&サイクルトレイン早朝にも追加

 上毛電鉄は朝ラッシュ時において、混雑しないようにするため、9月1日からの当分の間の平日、臨時列車を増発します。9月中の運転については、国の地域公共交通感染拡大防止対策事業として実施します。また、今回の増発は、6月6日に行われたダイヤ改正に続いて、上毛電鉄の乗客の施策を増やすためのものであり、10月以降も継続して運転を継続する予定です。

 それでは、具体的にどの列車を増発するのでしょうか? 朝は大胡発の中央前橋行きを西桐生発にします。中央前橋に朝ラッシュ時間帯の7:30から8:30の間に到着するのは4本あります。内訳は西桐生発が3本と大胡発が1本です。ところが、大胡発の列車はほかのものに比べて混雑度が低く(西桐生発の混雑度は45.6~63.2%であるのに対して、大胡発の混雑度は20.8%)、その混雑度の格差を小さくするために大胡発を西桐生発にします。延長後の混雑度は35.6~56.4%になります。ただ、延長されるダイヤは既存のダイヤの合間を縫って設定されるので、ほかの列車に比べて時間がかかり、ほかの3本が西桐生から中央前橋まで53~56分で走るのに対して、延長するのは1時間1分かかります。これに伴い、大胡発西桐生行きの列車も1本増発されます。延長される列車の送り込み用で、大胡6:02発西桐生6:39着です。桐生市内やみどり市内の高校へのクラブ活動等のための早朝登校に対応するための便です。

 地方の私鉄の中には、サイクルトレインというものを走らせているところがあります。自転車を電車に乗せることができるのです。上毛電鉄でも導入していて、休日は終日できますが、平日は朝のラッシュが終わった概ね8時以降の列車だけが対象となっています。しかし、9月1日からは早朝の4本の列車でも、サイクルトレインが可能となります。大胡5:59発の中央前橋行き、西桐生5:49発の中央前橋行き、中央前橋5:25発の西桐生行き、大胡6:02発の西桐生行きの4本です。
(参考:上毛電鉄ホームページ www.jomorailway.com/img/info/202008rinji.pdf)

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北陸新幹線が敦賀まで開業したら高速バスはどうなるか?

 2022年度末に北陸新幹線金沢-敦賀間が開業します。このとき、ライバルの公共交通機関のひとつである高速バスはどうなるのでしょうか?

 まず、2015年のときの北陸新幹線金沢開業のときの状況を復習しておきましょう。首都圏と北陸との便は縮小しました。便数が減ったり、路線の統合があったりしました。新幹線が開業する前は鉄道の所要時間が長いので夜行の需要があり、また乗り換えがなく、航空機のような面倒な手続きがいらないため、直行する高速バスを選ぶ人もいました。北陸新幹線開業により、そういう人が鉄道を選ぶようになったのです。高速バスの売りは安さとなり、その安さを重要視する若い人が顧客の中心となっているようです。反面、新幹線は速いものの、短距離ではバスなどとの差が付きにくく、値段はかなり高いです。そこで、短距離便の富山-金沢間は増便し、30分間隔の時間帯もあります(以下、この記事では新型コロナウイルスの影響による減便等については考えないこととします)。バスは時間がかかるものの、住宅地が広がる富山市南部や金沢の中心部に乗り入れています。また、金沢での乗り換えが必要となったため、名古屋と富山県を結ぶ便(富山や高岡)が増便されました。北陸新幹線に接続するかたちで高山方面への便も増えたり、新設されたりしました。

 話を本題に戻します。北陸新幹線敦賀開業によって、首都圏と福井との便にマイナスの影響を与えるかもしれません。ただ、首都圏と福井とを結ぶ便は元々少ないので、そんなに問題にはならないでしょう。むしろ、敦賀で乗り換えをしないといけないので、北陸と関西、名古屋とを結ぶ便の需要が増えるとも考えられます。とは言っても、関西は面倒な乗り換えができるとは言え、新幹線と高速バスとでは所要時間の差がありすぎます。そのため、高速バスの本数はあまりなく、北陸新幹線開業を前に撤退したものもあるぐらいです。安さを重視する層を拾うことぐらいしかできないでしょう。増便が期待できるのは、北陸と名古屋とを結ぶ便のほうでしょう。京阪神方面と比べて所要時間の差が小さく、元々本数が多いので、利便性の面での競争できます。展開次第で乗り換えを嫌う客や安さを重要視する客をシフトさせることができるでしょう。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/99261)

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大井川鐵道、2日間乗り放題きっぷが半額

 大雨が降り続き、大井川鐵道の下泉-田野口間の大井川護岸が損傷していました。そのため大井川鐵道は家山-千頭間においてバスによる代行運転を行ってきましたが、現場の仮復旧を終えたため、8月28日の始発から運転を再開することにしました。

 ただし、全ての列車が元通りに運行するわけではありません。そもそも、この損傷した下泉-田野口間はあくまでも仮復旧のため、大井川の状況によっては再びバス代行運転になる可能性があります。また、臨時急行電車は引き続き運休し、「きかんしゃトーマス」は10月19日まで、新金谷-家山間での運転を継続します。それ以外のSLは、9月1日の運転再開を目指していましたが、車両整備に時間がかかるため、当分の間運行を行いません。なお、井川線は平常運転です。

 話は変わりまして、9月1日から大井川流域・奥大井周遊キャンペーンを実施します。このキャンペーン期間中は、通年販売の「大井川周遊きっぷ」に代えて、「大井川流域・奥大井周遊きっぷ」を枚数限定で発売します。大人1200枚、子供200枚で、なくなり次第終了します。値段はガイドブックやオリジナルマスクケースもついて、通常のほぼ半額の大人2450円、子供1230円です。片道乗るだけで十分元が取れてしまいます。大井川本線、井川線、バスの寸又峡線、閑蔵線が2日間乗り放題で、金谷、新金谷、千頭のほか、新金谷駅前プラザロコカウンターで発売します。
(参考:大井川鐵道ホームページ oigawa-railway.co.jp/archives/51875、oigawa-railway.co.jp/archives/51585)

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紀勢線紀伊田辺-新宮間に227系&「ICOCA」

 広島地区のほかに、和歌山線などでも走っている227系。紀勢線でも御坊-紀伊田辺間を中心に走っています

 その紀勢線ですが、紀伊田辺-新宮間は105系が走っています。和歌山線のと違い、3扉の車両なのですが、国鉄末期につくられたので40年近く経っています。その紀伊田辺-新宮間ですが、2021年春のダイヤ改正で227系に置き換えられることになりました。1000番台なのでロングシートです。

 紀伊田辺-新宮間に投入される227系は、車載型IC改札機を備えています。これにより、これまで「ICOCA」が使えなかった紀伊田辺-新宮間の小駅においても、「ICOCA」や「ICOCA定期券」を利用することができます。これで和歌山県の全駅で「ICOCA」が使えるようになります。なお、白浜や新宮など自動改札機がある駅については、その自動改札機を使います。

 このほか、2021年春には七尾線北近畿関西線非電化区間のほか、伯備線も「ICOCA」を使うことのできる駅が増えます。木野山(備中高梁の北隣の駅)から石蟹(新見の南隣の駅)までの5駅で使えるようになります。新見はすでに「ICOCA」を使うことができますから、これにより、備中高梁-新見間でも「ICOCA」や「ICOCA定期券」が使えるようになります。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200827_00_kinokunisen.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200826_00_hakubisen.pdf、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2020/08/27/337853.html)

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「はやとの風」、9月19日から当分の間運休

 JR九州は新型コロナウイルスの影響により利用が低迷しているため、いったん設定していた臨時列車の運転計画を見直すことにしました。9月18日以降が対象で、9月19日からの四連休も影響を受けます。

 運転を取りやめる臨時列車があるのは、山陽・九州新幹線の「さくら」、長崎線の「かもめ」、佐世保線の「ハウステンボス」、そして豊肥線の「あそ」。「あそ」は休日に走る熊本-宮地間の便が運休します。日豊線の「きらめき93号」は9月19日から22日と26、27日において、中津発博多行きから小倉発博多行きに短縮します。

 そして、肥薩線の「はやとの風」は9月19日から当分の間、2往復とも運休します。かつてのブームが消え低迷している上に、令和2年7月豪雨で一部区間が運休している影響があるのでしょう。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2020/08/17/200817-untenkeikaku.September.pdf)

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JR西日本、「はるか」等追加運休&臨時列車を設定するも一部を除いて発売せず

 新型コロナウイルス感染症によって鉄道の利用者は減っています。一旦は「はるか」を除いて定期列車の運転を再開したJR西日本ですが、9月1日から北陸新幹線と在来線特急について、定期列車でも再び一部を運休することにしました。

 北陸新幹線については休日のみ「つるぎ」1本(富山発金沢行き)が運休します。平日はこれまで通り走ります。在来線は「サンダーバード」が毎日2往復、「こうのとり」が毎日1往復、そして「はるか」が毎日7往復運休します。「はるか」は本来1日30往復していますが、4月24日から16往復に減らしています。これが9月1日からは9往復に減るのです。昼間は完全に運休し、朝夕に通常の半分程度が走るだけになるのです。

 一応、そのJR西日本も秋(10~11月)の臨時列車の設定はあります。とは言っても、北陸新幹線では指定席の販売は行いません。状況によって運転を取りやめることもできるのです。在来線に関しては、9月11日にデビューする「WEST EXPRESS 銀河」以外の設定は行いません。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200821_02_zairai_tsurugi.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200821_01_sanyo_1.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200821_01_hokuriku.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200821_03_zairai_rinji.pdf)

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JR西日本、北陸の37駅を無人化、「みどりの窓口」も大幅減

 新型コロナウイルスの影響で一時的には人が余るかもしれませんが、長期的には人手不足になります。

 そのような状況の中、8月24日、JR西日本金沢支社は、2030年ごろまでに北陸エリアの140駅のうち37駅を新たに無人化することを発表しました。現在77駅が無人駅ですが、それが114駅に増えます。今、「みどりの窓口」がある駅でも無人駅になってしまうところもあります。富山県では、戸出、福野、福光、城端、越中中川、伏木、雨晴、氷見、越中八尾が無人化され、砺波と速星も駅員はいるものの、窓口業務は券売機に移行されます。石川県では、西金沢、野々市、加賀笠間、美川、能美根上、粟津、大聖寺、本津幡、高松、能登部、良川が無人化されます。福井県では、丸岡、春江、森田、南条、今庄、美浜、三方、大鳥羽、上中、東小浜、加斗、若狭本郷、若狭和田、若狭高浜、青郷、九頭竜湖が無人化されます。

 現在、36駅にある「みどりの窓口」も大幅に減ります。有人の「みどりの窓口」が残るのは、富山から敦賀までの新幹線停車駅9駅のみです。糸魚川、黒部宇奈月温泉、羽咋、七尾、和倉温泉、越前大野、小浜の7駅は「みどりの券売機プラス」に置き換えられます。これらのうち和倉温泉を除いた6駅には駅員はいますが、「みどりの窓口」は消えて、機械で対応するのです。糸魚川や黒部宇奈月温泉は新幹線停車駅ですが、そういう駅でも有人の「みどりの窓口」が消えるのです。「みどりの窓口」や「みどりの券売機プラス」がないのに有人駅として残るのは10駅程度ということになります。機械にできることは機械に任せ、駅員は機械には難しい障害者のサポートや訪日外国人の対応などに当たります。なお、松任、鯖江、武生については、北陸新幹線が開業するまで、「みどりの窓口」は存続します。逆に言えば、北陸新幹線が開業すればこれらの駅からも「みどりの窓口」は消えるということになります。

 無人駅については、老朽化している地平駅を中心に、コンパクトになります。維持コストを下げるのが狙いでしょう。無人駅についてはトイレもなくなります。列車にはトイレがありますので、それを使ってもらうとのことです。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200824_00_taisei.pdf、福井新聞ホームページ https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1150539、https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1150634、https://this.kiji.is/671267562403234913?c=648454265403114593、新潟日報ホームページ https://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20200825563862.html、北日本新聞ホームページ https://webun.jp/item/7688019、北國新聞ホームページ https://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20200825101.htm)

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近江鉄道の改良のためにかかる費用

 近江鉄道は廃止にならずに存続する方向で動いていますが、このままではいけません。今後のことを考えたら、改善が必要となります。

 まず要望の強い運賃の値下げ、通学定期券の値下げについては、値下げによって増収になる保証がないので、近江鉄道としては消極的です。ただし、東近江市のワンコイン乗車キャンペーンのように誰かが値下げ分を補填してくれるのなら、対応できるとのことです。割引切符等については増収や需要喚起ができるのならやっていきたいとのことです。

 近江鉄道の列車の本数は30分間隔の八日市-近江八幡間を除けば、1時間に1本しかありません。思ったよりも少ないです。増発が望まれますが、お金がかかります。通勤、通学時間帯に増発する場合、運転士を1人増やすのに年間500万円、車両を1編成増やすのに1.2億円かかります。電力を増強するために変電所を増設すると2億円かかります。ダイヤによっては交換設備を増強する必要が出てきます。さらにお金がかかります。また、運転士はすぐに増やすことができるわけではありません。運転士の養成には1.5年の年月と1000万円の人件費がかかります。抜本的な改善のためには欠かせませんが、今の厳しい経営状況ではなかなか難しいとのことです。

 スピードアップのためには、路盤改良や重軌条化が欠かせません。また、路盤改良や重軌条化は乗り心地の改良にも資することになります。しかし、最高速度を70キロから100キロに引き上げるためには、路盤改良に50億円(改良する長さは50キロ)、重軌条化に50億円(重軌条化されていないのは50キロ)が必要です。これも抜本的な改善のためには欠かせませんが、今の厳しい経営状況ではなかなか難しいとのことです。

 「ICOCA」導入などのキャッシュレス化もお金がかかります。初期費用が5億円以上、維持費用に年間1000万円以上かかります。これも今の厳しい経営状況ではなかなか難しいとのことです。

 近江鉄道から厳しい見解が出ていることから、地元としても及び腰になっているようです。ただ、お金をかけて抜本的な改善をしない以上、ジリ貧になってしまいます。せっかくある鉄道という資産を活かすためには、地元自治体が積極的に支援する必要があるでしょう。
(参考:滋賀県ホームページ https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5195001.pdf)

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東京空港交通、成田空港へのリムジンバスが1400円に、子供は100円になるプランも

 都心から成田空港へのリムジンバスは、格安のものを除くと3000円ほどします。しかし、8月12日から、このリムジンバスが大幅に割引になる「スーパーWEB割 with ファミ割」というものを始めました。

 どういうものでしょうか? 東京空港交通のWebサイトで予約から決済までを行うと、最大で約56%割引になるのです。通常だと東京シティエアターミナル(TCAT)や東京駅から成田空港までの料金は大人片道2800円、子供片道1400円します。新宿駅西口やバスタ新宿だと大人片道3200円、子供片道1600円します。これが大人片道1400円、子供片道700円になります。話には続きがあります。大人料金の家族に同伴する中学生以下の料金が人数に関係なく、1人100円になります。中学生の兄弟でも、1人が1400円払えば、残りは1人100円です。

 先ほども書いたように、この割引を受けるためにはインターネットで決済まで完了させないといけません。窓口や自動券売機で買う場合のほか、インターネットで予約しても支払いを現地で行う場合は割引が受けられません。また、成田空港発でも割引を受けることができるよう、成田空港第3ターミナル発のWeb予約、決済サービスも開始します。
(参考:東京空港交通ホームページ https://www.limousinebus.co.jp/deliver/reserve_detail/200812/jp/)

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DMVの運行計画

 阿佐海岸鉄道は海部-甲浦間8.5キロを結ぶ第三セクター。過疎地帯のため利用者は少なく、年間たったの約5万人、1日当たりにすると140人ほどしかいません。このままではとても鉄道の維持ができません。そこで線路と道路の両方を走ることができるDMVという乗り物を導入することで、地域の活性化につなげるという試みが行われることになりました。DMVの営業運転は世界初。3両のDMVを導入して、2021年春に運転を開始します。そしてこのほど、このDMVの運行計画が明らかになりました。

 DMVは阿波海南文化村(町立海南病院)-阿波海南-海部-甲浦-海の駅東洋町-道の駅宍喰温泉(リビエラししくい)間を走ります。このうち阿波海南-甲浦間は鉄道(阿波海南-海部間(1.5キロ)はJR四国の牟岐線を編入します。DMVは構造上、片運転台で逆向きに走ることができないため、駅前にスペースがある阿波海南まで延長することにしたのです)、阿波海南文化村-阿波海南間(約1キロ)と甲浦-道の駅宍喰温泉間(約5キロ)はバスとして走ります。休日は1往復だけですが、道の駅東洋町から室戸方面に向かいます。モードインターチェンジは阿波海南の海部寄りと甲浦の高架上に設けられます。DMVは阿波海南の駅前に停まり(駅のホームには徳島方面からの列車のみが停まります)、甲浦は駅を過ぎたところに坂路を設け、そこを降りていきます。降りたところにDMVの停留所を設けます。海部と宍喰はホームを移設するなどの方法で、高さをDMVに合わせます。

 それでは、ダイヤはどうなるのでしょうか? 現在は途中の宍喰で乗り換えになるものを含めて1日16往復ありますが、減ることになります。平日は1日10往復、休日は1日13.5往復(うち室戸発着が1往復)です。ただ特徴があります。日中でも1時間半程度の間隔で走っていますが、18時台で店じまいしてしまいます。現行のダイヤでは最終は20時台なので、かなり繰り上がります。もともと阿佐海岸鉄道は県境をまたぐため通学需要は少なく、日中の9~15時の利用者が多かったのです。DMVのダイヤもそれを反映したものとなっていて、日中はそこそこ走るようになっています。夏場などの繁忙期には、9~17時ごろに臨時便を走らせることも考えています。運転士は平日2人、休日3人で対応することができます。

 運賃はどうなるのでしょうか? わかりやすくするために100円単位で、初乗り運賃は200円です。阿波海南-甲浦間は500円(現行450円)、阿波海南文化村-とろむ間は2400円(現行2100円)と一部の区間を除いて値上がりすることになりました。観光客向けに少々高めとなっていますが、地元の人向けに回数券などの設定も考えています。JR四国などとのフリーパスの適用も考えています。

 さて、DMVの導入によって、利用者は増えるのでしょうか? 徳島県の需要予測では約4割増え、運行後5年間の平均で7.5万人になるとしています。2019年度の利用者数は約5.3万人、このうち定期券利用者は1440人に過ぎません。この既存客はDMVの利用によっても増えず、むしろ人口減少の理由で若干減りますが、(1)阿波海南-海部間が編入されることによって増える利用者9000人、(2)バス区間での利用者5500人が増えます。そして、(3)DMVを目的にやってくる鉄道ファン8500人が期待されています。我々は期待されているのです。それによりDMV運行後8年間の収支は年間約1400万円改善します。ただ、依然として赤字で、年間約5400万円になります。さすがにDMVで黒字になることはないようです。もっとも、阿佐海岸鉄道としては赤字でも、経済波及効果はあります。年間2.1億円にもなり、赤字を埋めることはできます。すでにこのような効果は発生していて、徳島県によれば、鉄道ファンが工事状況を見学に訪れたり、引退する現行車両の乗車に訪れたりなどの動きがあります。公共交通機関の改善を図ると言うよりは、ある意味14億円かけて、遊園地のアトラクションをつくっていると考えたほうが適切な表現と言えます。面白いものなら、少々値段が高くなっても許されます。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/dmv202008/)

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西武、「秩父市応援 秩父漫遊きっぷ」を発売

 西武は8月7日から2021年3月10日までの期間限定で、「秩父市応援 秩父漫遊きっぷ」を発売しています。

 この「秩父市応援 秩父漫遊きっぷ」は、すでに発売している「秩父漫遊きっぷ」の内容を変えずに、秩父市の協力を受けて値下げしたもの。最大で大人640円、子供320円の値下げとなります。ですから、秩父市の補助金がなくなると、この切符の発売は終了します。

 「秩父市応援 秩父漫遊きっぷ」について詳しく説明していきましょう。発売箇所は西武線各駅(小竹向原、高麗-西武秩父間、多摩川線の各駅を除きます)の自動券売機及び窓口です。自動券売機は利用開始当日分のみを発売し(16時まで発売します)、駅窓口では1か月前からの前売りを行います(前売りは2021年2月10日まで)。有効期間は利用開始日から2日間ですが、高麗までの途中駅で下車した場合は前途無効になります。「秩父市応援 秩父漫遊きっぷ」の内容は、高麗までの往復乗車券と、高麗-西武秩父間が2日間乗り放題の切符のセット。これに、「西武秩父駅前温泉 祭の湯」温泉エリアの入館券など6種類の特典から1つを選ぶことができます。値段は発駅によって異なり、池袋、西武新宿、高田馬場からの場合、大人1590円、子供800円です。「秩父漫遊きっぷ」だと大人2230円、子供1120円なので、かなりお得になっています。
(参考:西武ホームページ https://www.seiburailway.jp/news/news-release/2020/20200731_chichibumanyu.pdf)

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東武、特急料金が50%オフに

 東武は乗車日基準で9月7日から10月6日までの間、特急料金が半額になる「特急料金 50%OFFキャンペーン」を行います。

 ただ、全ての特急が単純に半額になるわけではありません。対象となる列車は決まっていて、2タイプに分けられます。まずひとつは、浅草と東武日光、鬼怒川温泉とを結ぶ列車。「まるごと東武フリーパス」(3種類あります)を購入した人は特急券、特急個室の料金を50%引きで買うことができます。特急が割引になるのはフリーパス1枚につき2回までで、野岩鉄道を含む駅窓口と東武トップツアーズで購入する場合に限ります。野岩鉄道等に乗り入れる特急の場合、割引は東武分だけに限ります。なお、キャンペーン期間中、「まるごと日光・鬼怒川東武フリーパス」、「まるごと日光東武フリーパス」を呈示すれば、通常10%引きの中禅寺湖遊覧船の料金が50%引きになります。

 もうひとつは、平日の通勤時間帯の特急。平日朝の通勤時間帯の特急及び「スカイツリーライナー」、「アーバンパークライナー」の特急券をチケットレスサービスあるいはインターネット購入サービスで買えば、特急料金が50%引きになります。

 このキャンペーン期間中、奥日光への直通バス、「奥日光リゾートシャトル」が走ります。日光宇都宮道路経由で東武日光駅-中禅寺・奥日光間を走るので、日光市内の渋滞を回避できます。料金は往復で4000円(「湯元温泉フリーパス」つき)ですが、「まるごと日光・鬼怒川東武フリーパス」、「まるごと日光東武フリーパス」を呈示すると、「湯元温泉フリーパス」はないものの、50%引きになります。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/202008051205309CFZ82cifjLNNcWTv9uFwA.pdf)

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スルッとKANSAI、「2dayチケット」を4年ぶりに発売

 関西の五大私鉄や京阪神の地下鉄、それにバスまでが乗り放題のスルッとKANSAIの「3dayチケット」等は人気の商品でしたが、2016年に廃止されてしまいました。

 ところがこの切符、4年ぶりにこの秋、復活します。有効期間内なら任意の2日間乗り放題の「2dayチケット」として復活します。値段は大人4400円、子供2200円とこれまでより若干高くなっていますが、関西の38社局で使えます(スルッとKANSAI協議会に加盟していても使えない会社もありますし、使えるところでも近鉄青山町以東、壷阪山以南のように使えない区間が存在するところもあります)。

 販売期間や利用期間は関西で買うか、それ以外の地域で買うかによって変わります。関西では、「2dayチケット」が利用可能な区間の主要駅等で販売します。販売期間は9月1日から10月24日まで、利用期間は9月1日から10月31日までです。三重県を含む近畿2府5県以外の地域では、主要旅行会社やコンビニのマルチ端末等でバウチャーを買い、それを「2dayチケット」が利用可能な区間の主要駅等で引き換えます(引き換えることのできる駅は、「2dayチケット」販売駅よりかなり少なくなっています)。販売期間は9月24日から2021年3月14日まで、有効期間は10月1日から2021年3月21日までです。
(参考:スルッとKANSAI協議会ホームページ https://www.surutto.com/tickets/jp/、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/99393)

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土合駅に喫茶店

 下り線がトンネルの中にあり、駅から地下のホームまで10分かかるという上越線土合駅(過去訪れたときの旅行記はこちら)。駅舎はありますが、無人駅となっています。1985年から無人駅です。

 その土合駅ですが、8日、駅舎内に喫茶店(「mogura」)がオープンしました。昔駅務室として使われていたところをカフェスペースとして使っています。切符売り場は店のカウンターになっています。営業時間は11~18時(不定休)で、コーヒー、クラフトビール、軽食を提供します。運営はJR東日本の子会社などが行います。

 喫茶店をつくって完成ではありません。最終的にはキャンプ型の宿泊施設をつくるのです。無人駅グランピング施設「DOAI VILLAGE」をつくるのです。この秋に開業する予定です。なお、グランピングとはグラマラス(魅惑的な)とキャンピングを組み合わせた造語です。
(参考:マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20200807-1203988/、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62716240X10C20A8L60000/、一般社団法人日本グランピング協会ホームページ glamping.or.jp/about-glamping.html)

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留萌線、地元は深川-石狩沼田間の存続を求める

 留萌線はJR北海道が廃止を考えている路線のひとつ。深川-留萌間の全線が廃止の対象です。需要が少なく、赤字だからです。

 ところが、18日に沿線自治体(4市町)の会議が開かれ、留萌線深川-留萌間のうち、深川-石狩沼田間のみの存続を求めることを決めました。留萌市と秩父別町は廃止を容認しましたが、深川市と沼田町が全線廃止に反対したからです。深川-石狩沼田間は住民生活に欠かせないとしているのです。沿線4市町は9月にも、JR北海道と具体的な交渉を行う予定です。

 なぜ深川-石狩沼田間のみ存続を求めるのでしょうか? 以前にも書きましたが、廃止を容認した石狩沼田-留萌間と利用状況が異なるのです。深川-石狩沼田間は通学需要が見られますが(ほとんどが通学定期で、半分程度は深川を越えて函館線までの定期を持っています)、石狩沼田-留萌間にはそういう需要がなく、留萌市民にとって生活の足ではないのです。もともと留萌市は留萌線の存続は困難と考えていて、廃止を前提とした対策を採っているのです。なお、存続を求める区間内にあるにもかかわらず秩父別町が廃止を容認したのは、存続にかかる費用を線路の距離で按分した場合、秩父別町の負担額が多くなるからです。沼田町は1キロ程度しか残らないので、負担がかなり小さくなるのです。

 もっとも、残る深川-石狩沼田間に鉄道で残すほどの需要があるかと言えばそうではありません。留萌まで存続する場合に比べて赤字は圧縮できますが、8.5往復しかなく、割安な定期券利用者が大半を占めています。留萌からの乗客は少ないですが、全線を乗り通し、しかも通学定期券ではないので、それなりにお金を払ってくれます。札幌へ行くのなら、特急料金も払ってくれます。留萌線が部分廃止されると、そういう客はバスか車に逃げます。深川-石狩沼田間の輸送密度もその分だけ落ちます。将来にわたって存続させることができるかは疑わしく、バスを充実させれば十分対応できるレベルでしょう。第三セクターなどで自分たちで責任を取るのならともかく。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20200818/7000023979.html、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/rumoisen202008/)

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近鉄、一部特急を8月29日から運休

 近鉄は一時期、新型コロナウイルスの影響で休日の一部特急を運休していました。いったんその措置は解消しましたが、再び8月29日から一部の特急を運休することにしました。

 運休するのは休日の京都-近鉄奈良間と大阪阿部野橋-吉野間。夜間(19時以降)の便をそれぞれ8本、12本を運休します(大阪阿部野橋-吉野間は運転区間を短縮する便を含みます)。通常、京都-近鉄奈良間は60本、大阪阿部野橋-吉野間は66本運転していますので、運休率はそれぞれ13%、18%となります。近鉄特急全体に対する運休率は4%です。

 京都-近鉄奈良間で運休するのは、下り(近鉄奈良行き)が5本、上り(京都行き)が3本です。大阪阿部野橋-吉野間で運休するのは、下りが吉野行き2本、橿原神宮前行き2本。このほか、吉野行き3本は橿原神宮前行きに短縮されます。上り(大阪阿部野橋行き)は5本が運休します。
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/yakannunnkyuu.pdf)

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信楽高原鐵道、信楽駅で超小型EV「COMS」のレンタル開始

 鉄道などの公共交通機関で出かけた場合、ネックになるのが目的地への足。駅から近いところばかりではありません。

 そこで、信楽高原鐵道はトヨタ車体の超小型EV、「COMS」を用意して、信楽を訪れた人に貸し出していました。信楽の観光地は駅から離れたところに多く、バスも充実していないのです。「COMS」は1人乗りのミニカーで(普通免許が必要です)、最高速度は時速60キロ、1回の充電で57キロ(JC08モード相当での走行パターンによるトヨタ車体の測定値です)走ることができるので、駅からのちょっとした移動なら使えます。車が小さいので、駐車スペースも取りません。

 2019年9月から信楽高原鐵道は「COMS」の運用実証実験をしてきましたが、8月3日から正式にレンタルを開始しています。信楽駅に2台置き、10:00から15:30の間、2000円で貸し出しています。なお、レンタルの予約は行っていません。
(参考:信楽高原鐵道ホームページ https://koka-skr.co.jp/news/archives/1305、トヨタ車体ホームページ coms.toyotabody.jp、産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/west/news/190921/wst1909210006-n1.html)

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箱根の登山電車とケーブルカーが乗り放題の「トコトコきっぷ」

 箱根登山鉄道のフリー切符でまず最初に思い浮かべるのが、「箱根フリーパス」。箱根登山電車、箱根登山ケーブルカー、箱根ロープウェイ、箱根海賊船、箱根登山バスが2日間乗り放題になり、4600円です。

 ところが、箱根登山電車、箱根登山ケーブルカーだけでいいのなら、安い切符があります。「トコトコきっぷ」というもので、箱根登山電車、箱根登山ケーブルに1日乗り放題で、大人1570円、子供790円です。この切符を見せると、約30の観光施設で割引になります。

 乗り放題になる乗り物はかなり限られますが、行きたい場所が箱根登山電車や箱根登山ケーブル沿線なら、使えるでしょう。
(参考:箱根登山鉄道ホームページ https://www.hakone-tozan.co.jp/ticket/tokotoko.php)

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沿岸バス、10月1日から「特急はぼろ号」増毛経由便を「特急ましけ号」に

 沿岸バスの高速バス「特急はぼろ号」は原則として道央道を経由しますが、1往復だけ道央道を経由せず、増毛を経由する便があります。1990年に開設され、30年の歴史があります。

 ところがこの10月1日から、この増毛経由の「特急はぼろ号」が留萌発着に短縮され、名前も「特急ましけ号」に変わります。時刻や運賃は従来と変わらず、留萌駅前7:18発札幌駅前ターミナル10:15着、札幌駅前ターミナル16:10発留萌駅前18:56着です。札幌~留萌間の運賃は2410円です。すでに「特急はぼろ号」の乗車券を持っている場合は、これを「特急ましけ号」に読み替えてそのまま使うことができます。

 実は、増毛経由の「特急はぼろ号」は、新型コロナウイルスの影響で留萌駅前以北を運休しています。「特急はぼろ号」と言いながら、羽幌まで行かずに札幌-留萌間のみを走っているのです。このままの状態で9月30日まで走り、10月1日からは名前だけ「特急ましけ号」になるのです。
(参考:沿岸バスホームページ www.engan-bus.co.jp/10_pdf/kaisei/20201001_mashike_express.pdf)

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神戸市交通局、均一区間でもバス乗車時にICカードのタッチが必要となる

 神戸市交通局のバスは一部を除いて210円の均一料金です。この均一料金の区間をICカードで乗る場合は、降車時だけICカードを料金箱のIC読み取り機にタッチすれば良いのです。

 ところが、2021年春からは均一料金の区間での支払い方法が変わります。均一料金の区間でも、乗車時と降車時の両方でICカードを読み取り機にタッチしなければならないのです。神戸市営交通局のバスでも、郊外のほうでは距離に応じて料金が変わります。この場合はすでに乗車時と降車時の両方でICカードをタッチしますが、それと同じように乗車時と降車時の両方でタッチしなければいけないのです。なぜこのようにするのでしょうか? 均一料金の区間でも乗車時と降車時の両方でタッチすることによって、停留所ごとの乗降客数が正確に把握できます。これで得られる正確なデータを元に、ダイヤや路線の検討を進めていくのです。

 また、ICカードを使ったサービスも始まります。乗車料金に応じてポイントが貯まる、「市バス乗車ポイントサービス」を始めるのです。貯めたポイントは、市バスの乗車に使えます。詳細は後ほど発表される予定です。なお、「市バス乗車ポイントサービス」が始まるのに伴い、これまであった「市バス専用カード」、「市バス専用昼間カード」、連絡定期券等を除く「市バス磁気定期券」については発売及び使用の終了を予定しています。
(参考:神戸市交通局ホームページ https://www.city.kobe.lg.jp/a90404/buss2touch.html)

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茨城大学生が考えた2種類の切符

 茨城交通は6月1日から2種類の切符を発売しています。

 2種類の切符の名前は、「路線バスの旅 御前山トレッキングコース」と、「往復乗車券付き1日フリーきっぷ 大洗ふらりバスの旅」です。「路線バスの旅 御前山トレッキングコース」は、水戸と御前山の往復乗車券と、道の駅かつら名物のかつどら(どら焼き)の引換券がセットになっています。御前山でトレッキングをして(トレッキングコースは3.7キロと10.2キロの2種類が用意されています)、リフレッシュをすることができます。この切符の値段は大人1200円、子供650円です。通常より160円お得です。

 「往復乗車券付き1日フリーきっぷ 大洗ふらりバスの旅」は、茨城大学前、水戸駅から大洗、那珂湊までの往復乗車券と大洗町内の1日乗車券がセットになっています。大洗や那珂湊の町を散策することができます。この切符の値段は大人1500円、子供750円です。通常より最大600円安いです。

 そして、2つの切符に共通する特徴は、茨城大学生が考えたものであるということ。茨城大学人文社会科学部プロジェクト演習チーム「KoMiKo」と共同で考案しました。「KoMiKo」は公共交通と水戸などを掛け合わせた造語で、水戸市交通政策課などと一緒に、路線バスの利用者増加を目的に2019年度の授業で考えました。元々は2月に発売する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で発売が6月になってしまいました。
(参考:茨城交通ホームページ www.ibako.co.jp/contents/newsrelease/2020/06/21559.html、茨城新聞ホームページ https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15959320090781)

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東京九州フェリーは2021年7月デビュー

 横須賀と北九州を結ぶフェリーについての続報です。

 予定より若干遅くなりましたが、横須賀(横須賀新港の予定、横須賀新港は京急の横須賀中央から徒歩15分程度)と北九州(新門司)を結ぶフェリー(東京九州フェリーと言います)は2021年7月に就航します。日曜日を除く週6回運航し、横須賀23:45発新門司翌21:00着、新門司0:00発横須賀同日20:45着のダイヤで走ります。横須賀-新門司間は976キロありますので、フェリーとしてはかなりの高速です。このフェリーによって、関東-九州間の貨物輸送で3日目の配達が可能となります。トラックに比べて渋滞や事故のリスクが減ります。また、フェリーには青果物、生鮮食品、冷凍食品などの鮮度を保持する電源設備や、トラックのドライバーが休息できるように、ドライバー専用の浴室や食堂もあります。

 東京九州フェリーに投入されるフェリーのうち、8月7日に進水したものは横須賀市の花から「はまゆう」と名付けられました。ちなみに花言葉は「どこか遠くへ」です。それでは、「はまゆう」はどのようなフェリーでしょうか? 定員は当初の予定からかなり減って268人(トラックは約154台、乗用車は約30台積み込むことができます)。一番下のランクでも2段寝台で、雑魚寝の2等はありません。船内には3層吹き抜けのエントランスとシースルーエレベータがあり、レストランやバーベキューコーナーでは海を眺めながらの食事ができます。最上階には太平洋の風を肌で感じながら入ることのできる露天風呂、プラネタリウムや映画を鑑賞することのできるシアターが備え付けられています。環境にも配慮されていて、これまでの船に比べて約6%の省エネルギーとなっています。硫黄酸化物の排出規制にも対応しています。
(参考:新日本海フェリーホームページ https://www.snf.jp/東京九州フェリーに就航する新造船の命名進水式/、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/99062)

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三重交通、8月11日から深夜時間帯のバスを運休

 新型コロナウイルスの感染者が再び増えているので、バスを運休させる動きが出ています。長距離の高速バスが中心ですが、深夜時間帯の路線バスを運休するところも出ています。

 三重交通では、8月11日から平日は23時以降(一部は22時台)、休日は22時以降の一部便を運休することにしました。平日に走っていた深夜バスは全便運休します。桑名、四日市、津、名張の各エリアにおいて、運休する便が発生します。名古屋や栄からネオポリスに向かう便も深夜において運休する便が出ます。
(参考:三重交通ホームページ https://www.sanco.co.jp/shuttle/genbin-list20200811.pdf、https://www.sanco.co.jp/shuttle/post-31.php)

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JRバス、高雄地域まで均一運賃に

 京都にはJRバスの路線バスも走っています。京都駅から栂ノ尾、周山への路線です。このJRバスですが、均一運賃の230円が適用されるのは途中の福王子までで、そこからは距離に応じた運賃になっています。京都駅・四条駅から高雄地域は530円です。

 しかし、2021年3月から大きく変わります。京都駅・四条駅から栂ノ尾まで230円均一になります。区間によっては半額以下になるのです(区間によっては値上げになることもあります)。

 均一運賃になることによって、2021年3月からはいろいろなことができるようになります。まず、均一運賃区間が適用範囲である京都市交通局の「市内中心フリー」定期券(通勤・通学(大学生))について、栂ノ尾まで乗ることができます(現在、市バスは高雄までの運行となっていますが、栂ノ尾まで延伸されます)。「ICOCA定期券」の場合、すでに2020年4月から均一運賃区間において共通利用ができますので、JRバスにも栂ノ尾までは乗車することができます。また、均一運賃区間が適用範囲の「バス一日券」について、栂ノ尾まで乗車することができるようになります。そして、これまでは均一運賃区間であってもJRバスには乗車することができなかったのですが、2021年3月からは「バス一日券」及び「地下鉄・バス一日(二日)券」でJRバスにも乗車できるようになります。

 ただ、栂ノ尾以南が均一運賃になることによって、栂ノ尾以北の運賃との間に大きな差が出てきます。それを緩和するため、栂ノ尾以北の運賃も見直します。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200812_00_jrbus.pdf)

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肥薩おれんじ鉄道は11月運転再開見込み

 令和2年7月豪雨は、肥薩おれんじ鉄道にも大きな被害をもたらしました。60か所以上で線路や電力、信号設備等が被災しました。8月8日から佐敷-水俣間の運転を再開しましたが、八代-佐敷間は運休したままです。代替バスが走っていますが、上田浦には停まらず、本数も減っています。特に休日は3往復しか走りません。

 さて、運休区間のうち、一番被害が大きいのは佐敷トンネル出口付近。大きな土砂崩れが発生したため、大量の土砂がトンネルの出口を完全に塞ぎ、約250メートルにわたって線路が見えない状態になっています。土砂は最大で7メートルの高さとなっていますので、それを取り除かないと列車を走らせることはできません。

 全線での運転再開は概ね3か月後、つまり11月を見込んでいます。
(参考:肥薩おれんじ鉄道ホームページ https://www.hs-orange.com/page570.html、https://www.hs-orange.com/page569.html、https://www.hs-orange.com/page571.html、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2020/08/03/337164.html)



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日高線鵡川-様似間、2021年3月廃止へ

 日高線鵡川-様似間(116キロ)は2015年の高波によって大きな被害を受け、運休したままとなっています。すでにこの区間はバスに転換することが決まっていて、今は代わりに走るバスのダイヤを検討している段階です。

 12日のことですが、沿線の7つの町と北海道の幹部らが非公開の会議を開きました。この会議で鉄道の廃止の手続きを進めていくことを決めました。9月に沿線自治体とJR北海道が協定を結び、2021年4月からバスを走らせるための協議を行います。つまり、鉄道は2021年3月に廃止になるのです。廃線を惜しむファンで賑わうこともなく、そのまま自然消滅してしまうのです。

(追記)
 代替バスはジェイ・アール北海道バスと道南バスが運行する予定です。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62595810T10C20A8L41000/、NHKホームページ www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20200812/7000023804.html、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/hidakasen-haishi/)

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博多南線でもコンパートメント使用可

 700系のコンパートメントは、8月6日から山陽新幹線の一部「こだま」でも利用できるようになりましたが、話には続きがあります。700系は博多南線でも走りますが、その博多南線でもコンパートメントが使えるようになるのです。

 博多南線でコンパートメントが使えるのは、8月17日から11月30日までの平日。朝夕通勤時間帯の7本(博多行きが朝7、8時台の3本、博多南行きが17、18時台の4本)のみが対象です。ほかの車両同様、自由席として使用します。

 ただ博多南線のコンパートメントはすぐに到着するためでしょうか、扉を開けたまま利用することが求められています。またボックスシートだと話が弾みやすいですが、会話を控えめにすることが求められています。旅行気分でしゃべってはいけないのです。感染予防のためにも忘れてはいけません。

(追記)
 博多南線の一部列車で使えるようになっているコンパートメントですが、12月1日以降の平日も引き続き使えるようになりました。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200807_00_hakataminamisen.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/201020_00_hakataminamisen.pdf)

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徳島線にトロッコ列車

 10月10日から徳島線にトロッコ列車が走ることになりました。

 徳島線のトロッコ列車は2両編成。キハ185とキクハ32の組み合わせで、定員56人です。徳島-阿波池田間を走り(トロッコ車両に乗車することができるのは石井-阿波池田間です)、列車名は下りが「藍よしのがわトロッコ さとめぐみの風」、上りが「藍よしのがわトロッコ かちどきの風」です。列車名の通り、藍色と白が目立ったデザインとなっています。乗車には運賃のほかに座席指定料金(大人530円、子供260円)が必要です。なお、「藍よしのがわトロッコ」は2019年11月末で運行を終えた土讃線のトロッコ列車、「志国高知 幕末維新号」を転用したものです。

 「藍よしのがわトロッコ」に合わせて、駅弁も復活します。徳島県は全国で唯一駅弁がない都道府県ですが(モノレールしか鉄道がない沖縄県を除きます)、有限会社栗尾商店が販売していた駅弁、「阿波尾鶏とりめし」をアレンジして車内限定で販売します。乗車日4日前までの平日に栗尾商店に電話して予約する必要があります。

 「藍よしのがわトロッコ」は10月10日以降、10月と11月の休日に1日1往復走ります。2021年は3月27日と28日に走り、4~5月と9~11月にも運転する予定です。ダイヤは「四国まんなか千年ものがたり」との接続が考慮されたものとなっています。「四国まんなか千年ものがたり」は上下ともに阿波池田には停まらないので、「藍よしのがわトロッコ さとめぐみの風」から「四国まんなか千年ものがたり」に乗り継ぐには、「南風」で大歩危まで行く必要があります。「四国まんなか千年ものがたり」から「藍よしのがわトロッコ かちどきの風」に乗り継ぐには、「南風」で阿波池田まで行く必要があります。
(参考:JR四国ホームページ www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2020%2007%2027%2001.pdf、朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASN706X1PN7QPTLC033.html)

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パ・リーグの公式戦、アメリカで生中継へ

 日本のプロ野球のパ・リーグ公式戦が、アメリカで生中継されることになりました。

 パ・リーグの公式戦を200試合以上も生中継するのは、アメリカのスポーツ専門チャンネル「For the Fans」。ケーブルテレビとインターネットで生中継します。「For the Fans」は様々なジャンルのスポーツを放送していて、8月から11月にかけて日本のパ・リーグも放送するのです。

 新型コロナウイルスの影響でスポーツの試合も減っているのでしょう。これまで放送しているスポーツだけでは足らないので、日本のパ・リーグにも声がかかったのでしょう。もちろん、パ・リーグ側の努力もありますが。

 ともかく、これがきっかけで日本のプロ野球に興味を持ってもらい、キャリアアップの一環としてでもアメリカの選手に来てもらえば、日本のプロ野球の発展につながることでしょう。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200810/k10012560211000.html)

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地方の有料道路に交通系ICカード

 有料道路なのにETCが使えずに、代わりに交通系ICカードが使える、というところがあります。埼玉県道路公社が管理する新見沼大橋有料道路は2009年から交通系ICカードに対応していますから、10年以上の歴史があります。なぜなのでしょうか?

 その理由は、ETCよりも交通系ICカードのほうが導入費用が安かったからです。有料道路の通行料金は距離が比較的短いことから数百円と安く、数千円の料金がかかることもある高速道路の料金を前提としたETCのシステムより、数百円の運賃を前提とした交通系ICカードのシステムのほうが合っていたのです。実際に有料道路に導入したときは、コンビニのレジのシステムに近いものを導入したとのことです。

 ただ、交通系ICカードのシステムには欠点があります。車種を自動で判別することができず、有人で対応しないといけないのです。それなら無人の料金収受機のほうがいいのではないかとも思いますが、機械の更新には費用がかかり、左ハンドル車のためにレーンの両側に機械を置かないといけないのです。それなら、有人で対応したほうがいいという判断です。

 とは言っても、高速道路での料金支払いにETCが普及しているという現状から、ETC導入を決めるところもあります。ただ、高速道路で導入されているノンストップのETCは高価です。そこで、神奈川県道路公社は横須賀の本町山中有料道路において、2020年3月から5月の間、スマートETCと同じように一時停止はいるものの、安価に導入することができる「ネットワーク型ETC」のシステムを社会実験というかたちで導入しました。「ネットワーク型ETC」がなぜ安いのかと言えば、セキュリティ処理を遠隔地で行うため、現場の機器を減らすことができるからです。普通のETCが料金所1か所当たり10億円かかりますが、「ネットワーク型ETC」なら1/4で済むそうです。事実、神奈川県道路公社は、管理する4つの有料道路全てに「ネットワーク型ETC」を導入するようです。

 今後、ETCがないと高速道路に乗ることができないようになるかもしれません。そのときに地方の有料道路のETC導入を促進するため、「ネットワーク型ETC」を導入することが出てくるかもしれません。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/98931)

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下津井電鉄、与島への路線を廃止

 瀬戸大橋には多くの高速バスが通っていますが、瀬戸大橋は一本の橋ではなく、いくつかの島を橋脚代わりにして本州と四国を結んでいます。そのいくつかの小さな島へのアクセスとして、下電バスが児島駅前-櫃石-与島第二駐車場前間に瀬戸大橋(与島)線を走らせています。島民の生活交通路線として、国、岡山県、香川県から補助金の交付を受けて、運行しています。与島では琴参バスと接続し、坂出に行くことができます。

 ところが、諸般の事情により、この瀬戸大橋(与島)線を廃止することになりました。今は1日6往復走っていますが、10月1日のダイヤ改正で3往復に減らし(琴参バスとの乗継ぎは引き続き継続します)、2021年3月31日にはそれもなくなってしまいます。

 瀬戸大橋(与島)線が廃止になる2021年4月以降、櫃石島や岩黒島へのアクセスはどうするのでしょうか? 地元民向けのコミュニティバスを走らせるのでしょうか? それとも櫃石島や岩黒島はどちらも香川県に属しているので琴参バスに補助金を出して延長してもらうのでしょうか?
(参考:下電バスホームページ shimoden.net/rosen/info/20200801/setoohashi.pdf、shimoden.net/rosen/rosen/setoohashi.html)

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北条鉄道の保安システムは全国初のシステム

 これまで北条鉄道には途中ですれ違うことができませんでしたが、このたびほぼ中間にあたる法華口駅に交換設備を設置しました。以前にも書いたとおり、9月1日にダイヤ改正を行い、平日のラッシュ時に5往復を増発します。昼間にダイヤの合間を縫って観光列車を走らせることもできます。

 さて、交換設備は線路を敷けば完成、というわけではありません。ちゃんと保安システムを整備しないといけないのです。昔はこういう駅には利用者が少なくても駅員がいましたが、人件費がかかります。信号を整備するのもコストがかかります。

 そこで北条鉄道が大手メーカーの協力を得てつくったシステムは、「票券指令閉塞式」という全国初のもの。どういうものでしょうか? 今どきのシステムなので、タブレットの代わりにICカードを使います。これが通行許可証の代わりとなり、これを運転士間で手渡ししたり、手渡す人がいなければ法華口駅の票券箱に入れたりします。北条鉄道の運行状況はこれまで通り北条町駅で統括します。新たな人員を増やすことなく、ほかのシステムより安い予算で導入することができたようです。国の幹線鉄道等活性化事業を活用し、かかった費用は国、兵庫県、加西市の補助を含めて約1.5億円です。なお、このかかった費用のうち1/3は北条鉄道の負担となりますが、これも加西市の企業版「ふるさと納税」で確保しました。

 北条鉄道も新型コロナウイルスの影響で通勤客が大きく落ち込むと見込まれています。しかし、この交換設備の設置で朝夕の利便性を向上させ、4000人の通勤客増加を狙っています。これまで車でJRや神戸電鉄の駅まで行き、そこから鉄道を利用していた人に北条鉄道も利用してもらうのです。2020年中は定期券購入時に商品券がもらえるキャンペーンも行います。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/region/news/200805/rgn2008050023-n1.html、神戸新聞NEXT https://www.kobe-np.co.jp/news/hokuban/202007/0013528230.shtml、railf.jp https://railf.jp/news/2020/08/20/063000.html)

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淡路屋とまねき食品で飛沫感染防止の弁当

 神戸の駅弁業者、淡路屋と姫路の駅弁業者、まねき食品が新型コロナウイルス感染予防対策を施した弁当を開発しました。

 淡路屋が開発したのは、飛沫感染予防シールド付き弁当箱。8月から一部商品で使用を開始しています。蓋を開けると、中に飛沫感染を予防するためのシールドが折り込まれていて、指示された通りに組み立てると、三方向に壁ができます。マスクを外して弁当を食べるときでも、向かいや隣の人に飛沫が飛ばないようにしています。また、この弁当箱は持ちやすいようにつくられています。大きさは従来の弁当箱と同じで、シールドの下部に親指が入る穴を設けています。なお、飛沫感染予防シールドには疫病封じとして知られるようになった妖怪「アマビエ」を描いています。

 まねき食品は、弁当を三方で囲み、内外からの飛沫を最小限に抑えることができる、使い捨ての「お弁当シールド」を7月1日から単体で発売しています。紙とOPPフィルムでできていて、値段は1枚150円(税別)。弁当とセットで買えば100円(税別)です。
(参考:淡路屋ホームページ https://www.awajiya.co.jp/『飛沫感染予防シールド付き弁当箱』を開発。/、まねき食品ホームページ https://www.maneki-co.com/2020/06/29/喫食環境における安心のご提供とおもてなしの心/)

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クレジットカードをかざして高速バスの運賃決済

 高速バスでの運賃支払方法として、交通系ICカードを導入しているところがありますが、茨城交通の勝田・東海-東京線では、新たな方法でのキャシュレス決済を取り入れています。

 7月29日からできるようになったキャッシュレス決済は、QRコード決済(楽天ペイは8月中旬以降を予定)とVisaのタッチ決済。カードや携帯電話を運賃箱と組み合わせたタブレット端末にかざしたり、画面をスキャンしたりするだけで決済できるのです。なお、Visaのタッチ決済がバス車内でできるのは、日本初とのことです(海外では結構実績があります)。ちなみに、交通系ICカードに対応しなかったのは、地方では交通系ICカードがあまり普及しておらず、高速バスでは運賃がそれなりになるからです。QRコード決済やVisaのタッチ決済の処理速度は交通系ICカードに比べて遅いですが、高速バスは乗降のスピードが遅いので、それほど問題にならないのです。

 なお、キャッシュレス決済を行った人は、割引を受けることができます。勝田・東海-東京線の片道運賃は2200~2300円ですが、キャッシュレス決済を使うと2050円になります。「2枚チケット」の1枚当たりの運賃と同額です。なお、キャッシュレス決済は大人のみの対応です。子供や障害者には対応していません。

 そして、このキャッシュレス決済は、みちのりグループのほかの高速バスにも展開します。9月下旬には岩手県北バスの「106急行」に、10月下旬には福島交通、会津バスの会津若松・福島・相馬-仙台空港線に導入する予定です。クレジットカードもJCBやMasterCardに対応できるようにしたいとのことです。
(参考:茨城交通ホームページ www.ibako.co.jp/contents/newsrelease/2020/07/21905.html、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/98724)

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福井鉄道、路面電車の混雑緩和のために急行バスを走らせる

 福井鉄道は新型コロナウイルス感染症対策として、7月20日から当分の間(平日に限ります)、神明から福井城址大名町・田原町に直通する臨時急行バスを走らせています。

 臨時急行バスのダイヤは神明7:20発、福井城址大名町8:10着、田原町8:15着です(遅れることもあります)。このほかの駅には停まりません。この区間に有効な鉄道の乗車券(定期券、回数券、フリー券などを含みます)があれば乗車できます。もっとも、神明7:23発の急行に乗れば、福井城址大名町に7:47、田原町に7:54に着きます。バスと違って、遅れる心配はありません。時間に余裕があって座りたい人でなければ、バスを選ぶ可能性は低いでしょう。

 さて、このようにバスを路面電車の補完に使う話はほかにもあるようです。路面電車は車両が小さく、緊急事態宣言が解除されたので通勤通学客が戻ってきていて、車内が混雑するのです。そこで国交省は観光需要の低迷から稼働率が大幅に落ち込んでいる観光バスを活用することを考えています。

 実際に観光バスを使っているところもあります。熊本市交通局がそれで、4月下旬からバスを走らせています。平日の7時から9時まで10分間隔で、主な停留所の近くに設けた臨時バス停に停まりながら走っています。このバスのおかげで路面電車の乗車率は若干減っているようです。
(参考:福井鉄道ホームページ https://fukutetsu.jp/newsDetail.php?155、「鉄道ファン」2020年9月号 交友社

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神戸市交通局&神戸電鉄、「おでかけ乗車券」を発売

 北神急行線は6月に市営化されました。それを記念して神戸市交通局は神戸電鉄と協力して、「おでかけ乗車券」を発売します。

 この「おでかけ乗車券」は、神戸と三田の間の買い物やおでかけ等での交流を促進させるためのもの。神戸市営地下鉄の北神線(谷上-新神戸間)、西神・山手線(新神戸-県庁前間)、海岸線(三宮・花時計前-みなと元町間)、神戸電鉄の有馬線(鈴蘭台-有馬温泉間)、三田線(有馬口-三田間)、公園都市線(横山-ウッディタウン中央間)が1日乗り放題です。発売期間及び通用期間は8月10日から10月11日で、神戸市営地下鉄及び神戸電鉄の有効区間の主要駅で発売します。値段は大人のみで、1000円です。

 三宮と三田を谷上経由で行けば、810円かかります。阪急とJRを乗り継いでも、610円です。それが1日乗り放題で1000円とは、結構お得です。
(参考:神戸市交通局ホームページ https://www.city.kobe.lg.jp/a90404/20200720.html)

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くま川鉄道も国がほとんどを負担して復旧か?

 くま川鉄道は肥薩線同様、7月の豪雨で橋梁が流出するという大きな被害を受けました。さらには保有する車両5両全てが浸水しています。現在、全線が運休し、被害総額は数十億円に上るとも言われています。

 ところが、このくま川鉄道ですが、国のお金で復旧させるという話があるようです。復旧費の97.5%を国が実質的に負担する支援制度を活用する方法を使います。熊本県と沿線市町村がすでに話を始めていて、これが実現すれば鉄道施設は自治体などが所有するなどの条件があるものの、くま川鉄道は負担ゼロで復旧させることができます。

 枝線の第三セクターなので目立たないですが、盆地を走るくま川鉄道は通学需要が多く(利用者の8割を通学客が占めています)、せっかくの観光列車もロングシートにしてしまう事態になっています。今はバスを走らせていますが、朝夕に利用者が集中するという特性から、鉄道を廃止すると多くのバスが必要となり、運転士もその分必要となります。ですから、鉄道を維持したいのはわかりますが、ローカル線の復旧費用をほとんど国のお金で賄うのはしっくりこないものもあります。

 なお、今のところお隣の肥薩線には、復旧の話はありません。肥薩線はJR九州の路線なので、JR九州にお金を出させれば済むと思っているかもしれませんが、残念ながら肥薩線の輸送密度は低く、赤字も大きいです(2018年度の八代-人吉間の営業赤字は5.7億円です)。どうしてもJR九州が維持しなければならない路線ではありません。モタモタすると、日田彦山線のようになってしまうかもしれません。
(参考:熊本日日新聞ホームページ https://this.kiji.is/663184934334907489?c=92619697908483575、https://this.kiji.is/663932363641570401?c=92619697908483575)

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東武日光発着のSLは「ふたら」

 東武のSL「大樹」は、鬼怒川線下今市-鬼怒川温泉間を走っていますが、東武日光に行くというが以前からあります。そして、その話が実現することになりました。

 10月以降、月に一度程度の割合で走る東武日光へのSLは、SL「大樹ふたら」と言います。最初に走るのは、10月3日、東武トップツアーズの団体列車です。東武日光線下今市-東武日光間7.1キロを約17~23分かけて走ります。東武日光側から、SL、車掌車、客車(3両)、DLの順で走ります。列車名の「ふたら」は、日光の地名の由来ともなった男体山のかつての名前、二荒山<ふたらさん>から来ています。ヘッドマークも男体山及び男体山のシンボルである「大剣<だいけん>」を大きくデザインしていて、左右には風を切るような躍動感をイメージした雲を配置しているとのことです。男体山と「大剣」を組み合わせると兜のように見えますが、それは外国人にも人気のある侍や武士をイメージさせているもので、また日光に向けて坂を登るSLの力強さ(最大の勾配は鬼怒川線のほうが35パーミルときついですが、東武日光線はずっと20パーミルの上り坂が続きます)や日光エリアの活性化を力強く牽引するという思いも入っています。ヘッドマークに書かれる「ふたら」の文字は、書道家で日光観光大使を務め、さらにはSL「大樹」の文字を揮毫した涼風花氏が書いています。なお、東武鬼怒川線下今市-鬼怒川温泉間で走るSLの名称は、SL「大樹」のままです。と言うより、SL「大樹」は東武のSLのブランドとなり、東武日光発着のものだけがSL「大樹ふたら」と名乗るのです。

 以前にも書きましたが、この12月には真岡鐵道から譲受したC11 325の営業運転が始まります。従来からあるC11 207と合わせて2機体制で1日4往復のSL運転を行いますが、すぐ2021年1月にはC11 207が中間検査に入ります。中間検査は2021年夏ごろまでかかりますが、その後はC11 207とC11 325の2機で、平日も含めて毎日運転するようになります。

(追記)
 SL「大樹」の場合、鬼怒川温泉にJR西日本からもらった転車台があるため、帰りは向きを変えて走ることができます。しかしSL「大樹ふたら」の場合、東武日光に転車台がないため、帰りはDE10を先頭にして折り返します。SLは逆向きのままです。帰りは下り坂なので、東武日光を出るときにDE10の出力を少し上げると、後はブレーキをかけながら坂を下るだけです。SLはほとんど使わず、ただぶら下がるだけのようです。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/20200805104034foZlmdtZZmG5jqhNoKs41Q.pdf、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2020/08/07/337311.html)

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JR四国にも「みどりの券売機プラス」

 全国的に有人の「みどりの窓口」が減り、券売機による対応に変わっていますが、JR四国にもそのような券売機が登場しました。

 JR四国も、JR西日本の「みどりの券売機プラス」を導入しました。8月3日から、詫間、善通寺、今治の3駅に1台ずつ設置しています。利用者自身の操作でJR全線の乗車券、特急券、定期券などを購入することができるほか(日本語のほか、英語、簡体中国語、繁体中国語、韓国語に対応しています)、オペレーターを介することで割引証や資格確認が必要となる学割、ジパング割引、身障者割引にも対応することができます。また、5:15~22:00まで対応している今治はともかく、詫間や善通寺は12時間程度しか「みどりの窓口」を開けていませんが、「みどりの券売機プラス」は5:30(今治は5:15)から23:55まで使えます。オペレーターの対応時間は若干短いですが、それでも今の「みどりの窓口」よりは長くなります。

 ただ、JR西日本がそうであるように、有人の「みどりの窓口」は減り、「みどりの券売機プラス」に置き換えられます。今治はともかく、詫間や善通寺はそのうち有人の「みどりの窓口」は消えそうです。
(参考:JR四国ホームページ www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2020%2007%2028%2002.pdf)

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北海道新幹線の配線

 北陸新幹線金沢-敦賀間北陸新幹線敦賀-新大阪間長崎新幹線武雄温泉-長崎間リニア品川-名古屋間の中間駅の駅の配線については当blogで紹介しましたが、北海道新幹線新函館北斗-札幌間はどうなのでしょうか?

 北海道新幹線の中間駅は、新八雲、長万部、倶知安、新小樽の4駅。新八雲は相対式2面2線の地平駅、長万部は島式2面4線の高架駅、倶知安と新小樽は相対式2面2線の高架駅です。ちなみに、終着駅の札幌は「修正東側案」です。相対式2面2線で到着ホームと出発ホームが分かれています。
(参考:北海道建設新聞ホームページ https://e-kensin.net/news/106275.html)

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宮古島に鉄道建設か?

 沖縄本島からもはるかに離れたところにある宮古島に、鉄道をつくる構想があります。

 鉄道をつくることを考えているのは、宮古島の南岸にリゾート開発を行っている南西楽園リゾートという会社。つくる区間は下地入江から城辺仲原までの約11キロで、宮古島の南部を東西に走るようです。南西楽園リゾートのリゾート施設を巡るルートにする計画です。コンサルタントや関係者と協議し、環境アセスメントなどの手続きをして、2024年の着手を目指します。将来的には宮古空港への路線もつくるようです。

 具体的な話ではないのでよくわからないのですが、宮古島に鉄道の構想があるとは驚きです。
(参考:宮古毎日新聞ホームページ www.miyakomainichi.com/2020/07/131737/)

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JR九州で不正乗車が増えている

 JR九州は本業の鉄道事業の採算が取れないため、合理化を進めています。そのひとつが、駅の無人化。利用者の少ない駅は当然のこととして、ある程度いる駅でも、「スマートサポートステーション」として無人化を進めています。「スマートサポートステーション」は駅に防犯カメラ、インターホン、簡易改札機などを整備し、駅から離れたサポートセンターで管理するもので、現在5路線の41駅で採用されています。「スマートサポートステーション」によるものを含めると、無人駅の数は304駅と、JR九州の駅の数(568)の過半数を占めています。

 しかし、この「スマートサポートステーション」が不正乗車の温床となっています。不正乗車の方法は様々で、全く運賃を払わない人もいますし、本来払うべき額より少ない額しか払っていない人もいます。ただ、どちらも不正乗車です。

 もちろん、JR九州も不正乗車を防ぐために抜き打ちで検札を行うなどの対策を取っていますが、効果的な方法がないというのが現状です。鉄道営業法によれば不正乗車した人には運賃の3倍以内の金額を請求することができますが、定期券ならともかく、200~300円の切符で3倍の金額を追徴しても大した金額にはなりません。抑止力にならないのです。また、バスや路面電車なら乗車時に整理券をとってもらい、降りるときに精算するという方法があります。時間はかかりますが、運転士の目があるのでごまかしにくいです。しかし、JR九州の場合は路線網が複雑で車両数も多いので、そのまま導入することは難しいようです。
(参考:西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/620046/)

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九州はバス乗り放題もお得に

 JR九州はJR九州全線あるいは北部九州エリア(豊肥線、三角線以北)の九州新幹線、特急に2日間乗り放題の切符、「みんなの九州きっぷ」 を発売していますが、 ライバルの高速バスもお得な切符を発売します。

 九州・山口の47のバス・船舶事業者が加盟するSUNQパス運営委員会は、九州島内及び下関周辺の高速バス及び路線バスのほぼ全線と一部の船舶が乗り放題となるフリー乗車券、「SUNQパス」を発売しています。これがパワーアップするのです。7月23日から9月27日までの間、「今こそ、SUNQ!元気割」キャンペーンを行い、その中で、休日のみ利用可能な「北部九州+下関2日券」を国内で期間限定で発売します。宮崎、鹿児島2県を除く九州5県と下関が休日のうち連続する2日間乗り放題で、たったの4500円です(韓国で発売している価格と同一です)。天神-長崎間の往復が4720円、天神-熊本間の往復が4100円なので、かなりお得です。

 また、宮崎や鹿児島に行きたい人には、「全九州+下関3日券」を週末(金曜日から月曜日、前後に祝日はあればその祝日も含みます)に限り1000円引きの10000円で発売します。
(参考:西鉄ホームページ www.nishitetsu.co.jp/release/2020/20_020.pdf)

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京阪、12月30日で回数券廃止、代替は「京阪電車ポイント還元サービス」

 京阪は、回数券の利用が減少していることと、交通系ICカードの利用が増えていることを理由として、京阪線及び鋼索線の回数券の発売及び利用を終了します(大津線ではすでに終了しています)。普通回数券、時差回数券、土・休日割引回数券が終了する回数券で、発売終了日は12月30日、利用終了日は2021年3月31日です。

 代わりに12月1日から京阪線と鋼索線で始まるのが、「ICOCA」によるポイントサービス、「京阪電車ポイント還元サービス」です。事前に無料の利用登録を済ませた「ICOCA」で、同一運賃区間を1か月(1日から末日)の間に11回以上利用した場合、11回目以降の利用について、運賃合算額の10%分をポイントとしてもらえます(10回目までの利用についてはポイントは全くありません)。ポイントは翌月15日以降に自動券売機等でチャージすれば、1ポイント1円の割合で乗車や買い物に使うことができます。チャージを利用月から数えて3か月後の末日までに行わなかった場合、ポイントは消えてしまいます。

 回数券を廃止してICカードによるポイントサービスに置き換えるという方向性は間違ってはいないでしょう。しかし、サービスはかなり悪くなっています。代わりのポイントサービスがあることはあるのですが、あまりにももらえるポイントは少ないのです。回数券なら3か月で11回使えばいいのですが、このポイント還元サービスは1か月で11回以上使わないといけないのです。しかも、ポイントは11回目からもらえますが、運賃の10%相当額しかもらえないのです。回数券より率が悪いのです。また、回数券ならば昼間や休日ならもっとお得になりますが、「京阪電車ポイント還元サービス」にはそういう配慮はありません。
(参考:京阪ホームページ https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/2020-07-10_icoca.pdf、https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/2020-07-10_kaisuken.pdf)

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JR北海道6日間乗り放題で12000円

 JR北海道は、新型コロナウイルスの影響で大きく減った交通需要や観光需要を取り戻すため、北海道の「ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン」を活用して、お得な切符をいくつかつくりました。

 まずひとつは、「HOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パス」。JR北海道全線(新幹線を除きます)の特急自由席とJRバス(高速バスを除きます)が6日間乗り放題です。普通車指定席も4回までなら乗ることができます。発売期間は7月17日から2021年1月25日まで(利用開始日の1か月前から前日まで)、利用期間は7月23日から2021年1月31日まで(8月10日から19日、12月28日から1月6日は対象外です)。そして、肝心の値段は北海道の補助金があるため、50%割引となって12000円です(子供用はありません)。

 ただし、注意しなければならないことがあります。先ほども書いたように切符は前日までの発売で、発売箇所はJR北海道の駅などです。北海道内でしか買えないのです(道外で買えるのは奥津軽いまべつのみか?)。航空機などで北海道に着いてからでないと買えないのです。しかも、北海道からの補助金が上限に達すれば、発売期間中でも発売を打ち切られてしまいます(後で述べる2つの切符も同じです)。北海道に住んでいる人ならともかく、道外の人にとってはリスクが高いです。札幌から函館まで往復すれば元が取れてしまいますので、ビジネス需要で補助金を食い潰すかもしれません。

 二つ目は、「開業記念ウポポイきっぷ」。7月12日に白老にオープンした「ウポポイ」への割引切符で、札幌から白老までの特急自由席で往復することができます(日帰りです)。購入するときは「ウポポイ」の入場券あるいは事前予約が確認できるものを呈示する必要があります。発売期間は7月17日から8月30日まで、利用期間は7月23日から8月30日までで、「ウポポイ」の閉園日は使えません。値段は北海道からの補助金があるため、約30%引きの3800円です。

 この切符でお得なのは、小中学生。「開業記念ウポポイきっぷU15」を何と500円で買うことができるのです(「開業記念ウポポイきっぷ」1枚につき、4枚まで購入できます。中学生は学生証等を呈示する必要があります)。札幌に住む家族にお勧めの切符です。夏休みの思い出づくりに最適でしょう。

 最後に紹介するのは、「はこだて旅するパスポート(特別設定)」。函館近郊のJR、函館バス、市電、道南いさりび鉄道が乗り放題という、これまでも発売している切符ですが、北海道の補助金でお得になります。最大50%割引で、1日間用が大人1350円、子供670円、2日間用が大人1830円、子供910円です。発売期間は7月17日から8月31日まで(2日間用は8月30日まで)、利用期間は7月23日から8月31日までです。

(追記1)
 9月6日現在、「HOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パス」 に関する補助金は6割以上を消化しているとのことです。

(追記2)
 補助金の枠を全て消化したため、「HOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パス」の発売は9月29日で終了しました。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200710_KO_HOKKAIDO%20LOVE.pdf、https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Otoku/006417/、https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/news/pdf/20200907_KO_ticket.pdf、https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/news/pdf/202009291400_KO_ticket.pdf)

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島原鉄道の高速バス、隣にいるのは猫

 新型コロナウイルス感染防止のため、2人掛けの高速バスの座席を1人で使わせるところがあります。

 島原鉄道の福岡-島原間の高速バスもそのひとつ。4月13日から一時運休していましたが、6月18日から本来35人の定員を17人に減らして運行を再開しています。2人掛けの座席のうち、通路側を空けているのです。

 しかも、通路側に座らないように、ある工夫をしています。あらかじめ通路側の座席に、猫を座らせているのです。使わない18席に猫型のクッションを置いているのです。大きさは縦約50センチ、横約40センチで、三毛やキジトラなど6種類の猫がいます。猫には「着いたら起こしてにゃ」などの吹き出しが書かれています。
(参考:長崎新聞ホームページ https://this.kiji.is/655416990260102241?c=648454265403114593)

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日田彦山線のBRTは2023年にできる

 2017年7月の豪雨で大きな被害を受け、添田以南が不通となっていた日田彦山線ですが、ようやく方針が決まりました。7月16日に福岡市内で開かれた、沿線自治体とJR九州のトップによる会議で決まったのです。

 不通となっていた添田-夜明間(29.2キロ)は、BRTに転換して復旧することになりました。合意した復旧案は、福岡県の案を採用しています。彦山-筑前岩屋間7.9キロのみを専用道としていたJR九州の案より長く、専用道は彦山-宝珠山間14.1キロにもなります。半分近くになります。東峰村全体に専用道をつくるためで、そのため当然ながらかかる費用は膨れ上がります。約26億円になり、復旧後の維持費が下がるのでJR九州が全額負担します。もっとも、JR九州が福岡県の案を受け入れたのは大人の事情によるもので、合理的なものではありません。バスならば集落に近いところにきめ細かくバス停を設けることができるからです(BRT化によって停留所は鉄道時代の3倍程度に増えます)。もし筑前岩屋-大行司間が当初の案通り一般道を走るのであれば、途中に停留所が3つできます。3つの停留所の近く(300メートル以内でかつ大きな高低差なし)に住んでいる世帯は64世帯あり、この人たちにとってはJR九州の案のほうが使いやすかったのです。東峰村全体ではそのような世帯は86世帯あります。JR九州のホームページには、主張を通すことのできなかった無念がにじみ出ています。

 なお、BRTの工事は8月から始め、2023までに完成する予定です。着工から約2年という当初の見込み通りで完成するようです。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/company/other/hitahiko/pdf/200716_shiryo.pdf、西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/626881/、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2020/07/17/336678.html)

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