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近江鉄道の改良のためにかかる費用

 近江鉄道は廃止にならずに存続する方向で動いていますが、このままではいけません。今後のことを考えたら、改善が必要となります。

 まず要望の強い運賃の値下げ、通学定期券の値下げについては、値下げによって増収になる保証がないので、近江鉄道としては消極的です。ただし、東近江市のワンコイン乗車キャンペーンのように誰かが値下げ分を補填してくれるのなら、対応できるとのことです。割引切符等については増収や需要喚起ができるのならやっていきたいとのことです。

 近江鉄道の列車の本数は30分間隔の八日市-近江八幡間を除けば、1時間に1本しかありません。思ったよりも少ないです。増発が望まれますが、お金がかかります。通勤、通学時間帯に増発する場合、運転士を1人増やすのに年間500万円、車両を1編成増やすのに1.2億円かかります。電力を増強するために変電所を増設すると2億円かかります。ダイヤによっては交換設備を増強する必要が出てきます。さらにお金がかかります。また、運転士はすぐに増やすことができるわけではありません。運転士の養成には1.5年の年月と1000万円の人件費がかかります。抜本的な改善のためには欠かせませんが、今の厳しい経営状況ではなかなか難しいとのことです。

 スピードアップのためには、路盤改良や重軌条化が欠かせません。また、路盤改良や重軌条化は乗り心地の改良にも資することになります。しかし、最高速度を70キロから100キロに引き上げるためには、路盤改良に50億円(改良する長さは50キロ)、重軌条化に50億円(重軌条化されていないのは50キロ)が必要です。これも抜本的な改善のためには欠かせませんが、今の厳しい経営状況ではなかなか難しいとのことです。

 「ICOCA」導入などのキャッシュレス化もお金がかかります。初期費用が5億円以上、維持費用に年間1000万円以上かかります。これも今の厳しい経営状況ではなかなか難しいとのことです。

 近江鉄道から厳しい見解が出ていることから、地元としても及び腰になっているようです。ただ、お金をかけて抜本的な改善をしない以上、ジリ貧になってしまいます。せっかくある鉄道という資産を活かすためには、地元自治体が積極的に支援する必要があるでしょう。
(参考:滋賀県ホームページ https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5195001.pdf)

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