JR九州で不正乗車が増えている
JR九州は本業の鉄道事業の採算が取れないため、合理化を進めています。そのひとつが、駅の無人化。利用者の少ない駅は当然のこととして、ある程度いる駅でも、「スマートサポートステーション」として無人化を進めています。「スマートサポートステーション」は駅に防犯カメラ、インターホン、簡易改札機などを整備し、駅から離れたサポートセンターで管理するもので、現在5路線の41駅で採用されています。「スマートサポートステーション」によるものを含めると、無人駅の数は304駅と、JR九州の駅の数(568)の過半数を占めています。
しかし、この「スマートサポートステーション」が不正乗車の温床となっています。不正乗車の方法は様々で、全く運賃を払わない人もいますし、本来払うべき額より少ない額しか払っていない人もいます。ただ、どちらも不正乗車です。
もちろん、JR九州も不正乗車を防ぐために抜き打ちで検札を行うなどの対策を取っていますが、効果的な方法がないというのが現状です。鉄道営業法によれば不正乗車した人には運賃の3倍以内の金額を請求することができますが、定期券ならともかく、200~300円の切符で3倍の金額を追徴しても大した金額にはなりません。抑止力にならないのです。また、バスや路面電車なら乗車時に整理券をとってもらい、降りるときに精算するという方法があります。時間はかかりますが、運転士の目があるのでごまかしにくいです。しかし、JR九州の場合は路線網が複雑で車両数も多いので、そのまま導入することは難しいようです。
(参考:西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/620046/)
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Comments
不正乗車が横行するのはあまり良い事とは思えません。無人駅が悪いのではなく、システムの問題だと思います。
都市部の無人駅についてはバー付きの自動改札等の導入(自動改札ができない券を持っている場合はインターホン付きの物:遠隔操作でバーの開閉ができるもの)が必要になるでしょう。また、そういったものがもし高価ならば、安価なものをを業者と共に開発する時が来ていると思います。
風紀・モラルの問題についてはそれなりの初期投資を行うべきかと思います。それができないなら国、自治体に助けを求めても良いと思います。
まじめに料金を払っている利用者が不公平感を抱かないようにする仕組みを作る事も鉄道会社の使命だと思います。
Posted by: ゆめ | 2020.08.05 10:18 PM
不正乗車を放置するのはあまりいい事ではないと思います。
乗客のモラルもそうですが、乗務員・職員のモラル、士気も低下するのではないかと思います。
また、その事がファンを失う事につながらないか危惧しています。
西鉄等他の大手私鉄と比べてどうなのか、必死で経営している中小私鉄と比べてどうなのか、他社から取り入れられる不正乗車防止の仕組みはないのか、JR九州はもっと真剣に考えた方が良いと思います。
Posted by: 小春 | 2020.08.06 05:54 PM
ゆめさん、こんばんは。
* 都市部の無人駅についてはバー付きの自動改札等の導入
大手私鉄のように、機械仕掛けで対応するのはひとつの方法です。
* それができないなら国、自治体に助けを求めても良いと思います。
確かに地元の市町村に駅員の費用を負担してもらう、もしくは駅員の事務を受託してもらうという方法もあります。口だけで金を出さないのが通例の沿線自治体がちゃんとお金を出してくれるかはともかくとして。
Posted by: たべちゃん | 2020.08.06 09:31 PM
小春さん、こんばんは。
* 他社から取り入れられる不正乗車防止の仕組みはないのか、
JR特有の問題として、路線網が複雑すぎて、運賃の計算が複雑となるということがあります。それに対処する方法として、以前に紹介しましたが(
https://tabechan.cocolog-nifty.com/note/2016/01/post-5d95.html )、JR西日本では乗換駅に中間改札を設け、そこで長距離の切符の精算をさせるという方法もあります。
Posted by: たべちゃん | 2020.08.06 09:37 PM