くま川鉄道も国がほとんどを負担して復旧か?
くま川鉄道は肥薩線同様、7月の豪雨で橋梁が流出するという大きな被害を受けました。さらには保有する車両5両全てが浸水しています。現在、全線が運休し、被害総額は数十億円に上るとも言われています。
ところが、このくま川鉄道ですが、国のお金で復旧させるという話があるようです。復旧費の97.5%を国が実質的に負担する支援制度を活用する方法を使います。熊本県と沿線市町村がすでに話を始めていて、これが実現すれば鉄道施設は自治体などが所有するなどの条件があるものの、くま川鉄道は負担ゼロで復旧させることができます。
枝線の第三セクターなので目立たないですが、盆地を走るくま川鉄道は通学需要が多く(利用者の8割を通学客が占めています)、せっかくの観光列車もロングシートにしてしまう事態になっています。今はバスを走らせていますが、朝夕に利用者が集中するという特性から、鉄道を廃止すると多くのバスが必要となり、運転士もその分必要となります。ですから、鉄道を維持したいのはわかりますが、ローカル線の復旧費用をほとんど国のお金で賄うのはしっくりこないものもあります。
なお、今のところお隣の肥薩線には、復旧の話はありません。肥薩線はJR九州の路線なので、JR九州にお金を出させれば済むと思っているかもしれませんが、残念ながら肥薩線の輸送密度は低く、赤字も大きいです(2018年度の八代-人吉間の営業赤字は5.7億円です)。どうしてもJR九州が維持しなければならない路線ではありません。モタモタすると、日田彦山線のようになってしまうかもしれません。
(参考:熊本日日新聞ホームページ https://this.kiji.is/663184934334907489?c=92619697908483575、https://this.kiji.is/663932363641570401?c=92619697908483575)
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Comments
経営側のやる気があれば復旧について必要なインフラの費用を国が負担する事については問題ないと思います。他の地域の第3セクターについても同じことです。経営については国に頼らずこれまでもこれからも出資者がきちんと行うからです。
JR九州は肥薩線をどのようにするか早めに表明した方が良いと思います。
まずはJR九州の意志が尊重されるべきかと思います。意志表示の段階ですから鉄路であってもそうでなくても私は良いと思っています。
日田彦山線はBRTの決着がつくまで3年かかりました。一番いけないのは復旧の形でもめてその間に地元客や観光客が離れる事です。地元にとってもJR九州にとってもマイナスとなります。利用者本位かつ持続的な経営のできる復旧を私は望みます。
Posted by: ゆめ | 2020.08.09 05:45 PM
ゆめさん、おはようございます。
* 経営側のやる気があれば復旧について必要なインフラの費用を
現在の規定では、バスで足りるような需要のところでも、国にお金を出させて復旧させることができます。輸送密度などの指標で一定の需要が証明できるところは国が主体となって出すのは構いませんが、そうでなければバスで十分と言うことで地元に出させたほうが良さそうです。
* JR九州は肥薩線をどのようにするか早めに表明した方が良いと思います。
確かにそれは言えます。鉄道で維持するのが無理なら無理で地元と早急に話し合わないといけないでしょう。
Posted by: たべちゃん | 2020.08.10 06:59 AM
国の補助の条件は自治体による上下分離方式の受諾がありますので適用に関しては問題ないと思います。
自然災害は国内どこにでも起こり得ますし、経営の怠慢によるインフラの損傷ではありませんから。(人間の病気と同じようなものです。誰が悪いわけでもありません。)
「口だけしか出さず路線維持ができない自治体」と「経営に関与した上て責任を負う自治体」の差が明確になる制度だと私は思います。
Posted by: 小春 | 2020.09.02 11:41 AM
小春さん、こんばんは。
* 自然災害は国内どこにでも起こり得ますし、
確かにそれは言えますが、バスで足りる需要のところを鉄道で延命する必要はありません。地方自治体がそういうところを負担覚悟で支えるのは否定しませんが、国がほとんどのお金を出す必要はないでしょう。国には基幹路線となる幹線鉄道に力を注いでほしいのです。
* 「口だけしか出さず路線維持ができない自治体」と
口しか出さないところは論外です。
Posted by: たべちゃん | 2020.09.02 09:52 PM