北条鉄道の保安システムは全国初のシステム
これまで北条鉄道には途中ですれ違うことができませんでしたが、このたびほぼ中間にあたる法華口駅に交換設備を設置しました。以前にも書いたとおり、9月1日にダイヤ改正を行い、平日のラッシュ時に5往復を増発します。昼間にダイヤの合間を縫って観光列車を走らせることもできます。
さて、交換設備は線路を敷けば完成、というわけではありません。ちゃんと保安システムを整備しないといけないのです。昔はこういう駅には利用者が少なくても駅員がいましたが、人件費がかかります。信号を整備するのもコストがかかります。
そこで北条鉄道が大手メーカーの協力を得てつくったシステムは、「票券指令閉塞式」という全国初のもの。どういうものでしょうか? 今どきのシステムなので、タブレットの代わりにICカードを使います。これが通行許可証の代わりとなり、これを運転士間で手渡ししたり、手渡す人がいなければ法華口駅の票券箱に入れたりします。北条鉄道の運行状況はこれまで通り北条町駅で統括します。新たな人員を増やすことなく、ほかのシステムより安い予算で導入することができたようです。国の幹線鉄道等活性化事業を活用し、かかった費用は国、兵庫県、加西市の補助を含めて約1.5億円です。なお、このかかった費用のうち1/3は北条鉄道の負担となりますが、これも加西市の企業版「ふるさと納税」で確保しました。
北条鉄道も新型コロナウイルスの影響で通勤客が大きく落ち込むと見込まれています。しかし、この交換設備の設置で朝夕の利便性を向上させ、4000人の通勤客増加を狙っています。これまで車でJRや神戸電鉄の駅まで行き、そこから鉄道を利用していた人に北条鉄道も利用してもらうのです。2020年中は定期券購入時に商品券がもらえるキャンペーンも行います。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/region/news/200805/rgn2008050023-n1.html、神戸新聞NEXT https://www.kobe-np.co.jp/news/hokuban/202007/0013528230.shtml、railf.jp https://railf.jp/news/2020/08/20/063000.html)
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