くま川鉄道は鉄道復旧を決定だが肥薩線で流出した橋、そのままの姿では復旧できず
7月の豪雨で大きな被害を受け、全線で運休となっているくま川鉄道。8月27日のことですが臨時取締役会が開かれ、鉄道を復旧させることを決めました。被害額や復旧費はまだ正確な数字を出していませんが、以前にも書いたとおり復旧費の97.5%は国が負担します。なお、完全に復旧するには数年かかるようです。
このようにくま川鉄道の方針は決まりました。それでは、JR九州過去最大の100億円以上の被害(これまでの最高額は熊本地震のときの約90億円でした)とされる肥薩線はどうなのでしょうか? ようやく10日から一部区間において9人乗りのジャンボタクシーでの代替輸送が始まった段階です。平日に限り、八代-坂本間と一勝地-人吉間で1日に5往復(どちらも朝2往復、夕3往復)運行しています。ただ初日の10日には利用者はいませんでした。
ところがそれより先には進んでいません。明治時代につくられた肥薩線は、元の姿で復旧することができないのです。流出した橋は1976年につくられた現行の基準を満たさないため、つくり直す場合にはそのままの姿では復旧できないのです。今の基準を満たそうとすれば、橋桁を2メートルほど高くして橋の前後も緩やかな傾斜をつけて上げないといけないのです。その分復旧にかかる費用は増えます。場所によってはトンネルを出てすぐに川にかかるところがあり、そういうところではトンネル自体に手をつけないといけないのかもしれません。被害が大きいので、鉄道だけの復旧では済みません。並行する道路などを含めた、将来の治水計画と合わせて行う必要も出てきます。沿線自治体と協力して進めていく必要があります。具体的な復旧方法は、国と話し合う必要があります。復旧費用が多額ならば、国と自治体が半分を負担する鉄道軌道整備法の適用を申請することも考えています。
(参考:毎日jp https://mainichi.jp/articles/20200827/k00/00m/040/270000c、熊本日日新聞ホームページ https://this.kiji.is/671882243476931681?c=648454265403114593、https://this.kiji.is/676638562440201313?c=92619697908483575、JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/railway/notice/hisatsu_taxi/、共同通信ホームページ https://this.kiji.is/676674837972272225?c=648454265403114593)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- 中央線のグリーン車は10月13日から(2024.09.11)
- 小田急、新型「ロマンスカー」投入(2024.09.10)
「JR九州」カテゴリの記事
- 日田彦山線BRTの利用者の6割は観光客(2024.09.07)
- JR九州、熊本・宮崎・鹿児島3県乗り放題で15000円(2024.09.01)
- 長崎線江北-諫早間の輸送密度は激減(2024.08.22)
- 小倉総合車両センター、移転へ(2024.08.03)
- 肥薩線、指宿枕崎線が1日乗り放題で1000円(2024.07.28)
「中四国・九州私鉄」カテゴリの記事
- ゆいレール、普天間方面に延伸か?(2024.08.17)
- 新幹線、路面電車になる(2024.08.18)
- 一畑電車の新車、1両4億円以上(2024.08.11)
- 岡山電気軌道、7月20日ダイヤ改正で東山線増発(2024.07.21)
- 若桜鉄道、期間限定で一日乗車券半額に(2024.07.28)
Comments