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北海道新幹線の輸送密度、524人

 9日のことですが、JR北海道から2020年度第一四半期の各線区ごとの収支、利用状況についての発表がありました。

 やはり、新型コロナウイルスの影響で営業収益は大幅に減少し、営業損失は拡大しました。JR北海道全体では、前年同期の営業損失が約116億円だったのに対して、2020年は約219億円にもなりました。特に悪化しているのは、インバウンド等の観光や出張での利用が多い路線です。反対に、利用者が元々少ない路線の中には、修繕費が減ったためにむしろ収支が改善しているところもあります。こうなると、利用者が少々増えた程度では収支改善にならず、むしろ利用しないこと、極論すると廃止に応じることが最大の収支改善策になっています。ローカル線はいらないのです。

 利用者が減ったので、輸送密度も減っています。やはり長距離需要が大きい路線の落ち込みが激しく、北海道新幹線新青森-新函館北斗間の輸送密度は何と524人です(前年同期比9%)。鉄道の存続意義が疑われるローカル線レベルの数字になっています。そのほかの特急が通る幹線も厳しく、函館線函館-長万部間は761人(前年同期比21%)、石勝線南千歳-帯広間は769人(前年同期比24%)、函館線岩見沢-旭川間は2563人(前年同期比33%)、宗谷線名寄-稚内間は92人(前年同期比29%)と悲惨な数字になっています。札幌近郊について言えば、千歳線白石-苫小牧間は空港輸送が低迷したので19008人(前年同期比40%)とかなり下がっていますが、それ以外の函館線小樽-札幌間、函館線札幌-岩見沢間、札沼線桑園-北海道医療大学間については前年同期比で50%台です。長距離需要に比べて通勤需要の落ち込みは小さいのです。

 あまり落ち込んでいないのは、通学需要しか見込めないようなローカル線。日高線苫小牧-鵡川間の輸送密度は521人で、前年同期比は90%です。10%しか減っていません。室蘭線沼ノ端-岩見沢間、富良野線富良野-旭川間も前年同期比70%台です。全部もしくは一部がバスでの代替輸送になっている区間も、需要の落ち込みは小さいです。

 JR北海道の路線で唯一増えたのは、札沼線北海道医療大学-新十津川間。輸送密度は112人で、前年同期比で75%も増えました。もともとゴールデンウィークまで走らせる予定が途中でいきなり打ち切られてもこの数字です。当初の予定通り走らせていれば、もっと良い数字になったことでしょう。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200909_KO_Section.pdf、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/jrh202001/)

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