「クイーンビートル」、日本に来たが活用できず
以前、JR九州が博多-釜山間に新しい高速船を投入するという記事を書きました。その新しい高速船は「クイーンビートル」と言い、2020年7月15日に就航する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で就航日は未定となりました。
しかし、高速船はオーストラリアでつくられています。当初の予定より遅れましたが、完成し、10月15日、博多港に到着しました。ところがこの新しい「クイーンビートル」、活躍の舞台がないのです。
もちろん、従来からある「ビートル」も新型コロナウイルスの影響で本来の仕事である釜山とを結ぶ路線は運休しています。しかし、「ビートル」は博多港から呼子や平戸に行く日帰りツアーで使われています。しかし、「クイーンビートル」はそれができません。なぜかと言えば、船の船籍。「ビートル」は日本なので国内線に転用してもいいのですが、パナマ船籍の「クイーンビートル」は規制の関係で暫定的なものでも国内線に使うことができないのです。国際航路が運航できる状況になればいいのですが、最悪の場合、航路が廃止され、せっかく購入した船が使われないまま終わるということもあり得るそうです。
(追記)
JR九州は、2020年3月期決算において、「クイーンビートル」の資産61億円を全額減損損失として計上しています。まだ就航していないのに、収益を生み出す価値がないとみなしているのです。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/region/news/200924/rgn2009240006-n1.html、西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/item/o/654613/、「鉄道ジャーナル」2020年8月号 鉄道ジャーナル社)
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