2021年3月ダイヤ改正発表(3)(JR東海、JR西日本)
東海道新幹線では、一部「のぞみ」の所要時間を短縮し、東京-新大阪間を2時間27分で走る「のぞみ」を増やします。東京を20~21時台に発車する下り「のぞみ」3本(岡山行きや姫路行き最終が含まれます)と東京を21時台に到着する「のぞみ」1本の所要時間を東京-新大阪間で3分短縮し、2時間27分で結びます。定期列車と臨時列車を入れ替え、定期列車で東京-新大阪間を2時間27分で走るものを増やします。広島始発の「のぞみ88号」の東京到着時間を6分繰り上げ、9時台(9:57)に到着できるようにします。これらの施策によって山陽方面からの東京滞在時間を若干増やし、東京-新大阪間を2時間27分で結ぶ定期「のぞみ」の割合を増やします。現行ダイヤでは4割ほどしかありませんでしたが、改正後は半分が東京-新大阪間を2時間27分で結びます。また、山陽新幹線に直通する臨時「のぞみ」を11本増やし、1時間当たり最大6本運転可能な時間帯を増やします。「こだま807号」の東京発車時刻を6分繰り上げ、20:51にすることによって、東京を20~21時台に出る「こだま」の運転間隔を均等化します。山陽新幹線は「こだま」の一部列車の運転を取りやめたり、休日運休になったりします。
JR西日本の在来線特急に話を移します。新型コロナウイルスの影響でしょうか、今後も利用状況が低迷すると予想されるため、一部の特急を週末中心の臨時列車にします。該当するのは「サンダーバード」4往復、「くろしお」3往復、「こうのとり」2往復、「きのさき」1往復です。また、一部の列車が運休している「はるか」については、国際線需要が見込めないためか、19往復の運行を取りやめ、朝夕のみの11往復にします。阪和線沿線などへの通勤特急みたいな存在になります。
北陸線では、「ダイナスター」1往復の運転を取りやめます。七尾線の「能登かがり火」は1往復を除いてグリーン車のない3両編成になります。普通列車は521系になり(北陸線金沢-敦賀間も521系に統一されます)、「ICOCA」が使えるようになります。詳しくは別記事で書きます。朝夕の通勤時間帯に増発を行うところもありますが、早朝や深夜、休日を中心に運転を取りやめるところもあり、越前大野5:00発九頭竜湖行きが廃止になる越美北線の始発は10:16になります。あいの風とやま鉄道では、増発は行いませんが、増車を行います。
京阪神エリアでは、深夜時間帯のダイヤを見直すほか、通勤時間帯の特急が充実します。琵琶湖線やJR京都線では、「はるか」や「びわこエクスプレス」が南草津に停車するようになり、山科に停まる便が増えます。ただし「はるか」の米原乗り入れはなくなり、一番東でも野洲になります。JR神戸線は「らくラクはりま」が新大阪発着になり、新たに大久保に停まります。JR宝塚線の「こうのとり」が夕方に3本、西宮名塩に停まります。阪和線では「はるか」のうち4本が9両編成になります。271系も一部使われます。湖西線、嵯峨野線、大阪環状線では日中の一部列車の運転を取りやめます。
紀勢線では白浜発着の全ての「くろしお」が箕島、藤並、湯浅、南部に停まります。急行みたいにこまめに停まって、近距離の客を拾うようです。「パンダくろしお」が使われる列車が代わり、新宮にも顔を出すようになります。紀伊田辺-新宮間の普通列車が227系2両編成に統一されます。早朝や深夜の便の見直しがあり、「はやたま」の流れを汲む列車が和歌山止まりとなります。日中、4往復の列車が和歌山-御坊間の運転から和歌山-湯浅間に短縮されます。北近畿方面では、各地で最終列車の繰り上げが行われます。また、一部の小さな駅だけを通過する快速がありましたが、各駅に停まるようになります。
岡山地区では、吉備線の夕方がパターンダイヤ化されます。津山線では始発が20分ほど繰り下がり、最終が15分ほど繰り上がります。山陽線と赤穂線では昼間の列車の運転区間が短縮されます。和気発着の列車が瀬戸発着になり、長船発着が西大寺発着になります。休日の快速「サンライナー」が大幅に削減され、上下16本が3本に減ってしまいます。
広島地区では、以前にも記事にした通り、最終の繰り上げがなされます。広島近郊で深夜まで走っているところだけでなく、昼間に列車を運休して保線工事をやっても問題がなさそうな福塩線府中-三次間、小野田線、山陰線(益田-東萩間)あたりでも繰り上がりがなされます。三次発府中行きの最終は36分繰り上がり三次19:05発、小野田発宇部新川行きの最終は137分繰り上がり小野田20:03発、益田行き東萩行きの最終は136分繰り上がり益田19:11発です。広島近郊では昼間の列車の削減が行われます。糸崎-白市間では1時間2本が1本に減り、平日の大野浦-岩国間は1時間に3本から2本に減ります。休日は快速「シティライナー」が大幅に減り(朝夕のみになります)、平日と同じように岩国発着2本、大野浦発着2本となります。可部線緑井-あき亀山間では1時間3本が2本に減ります。緑井までは3本あるので、20分間隔と40分間隔の繰り返しになるようです。また、芸備線も快速「みよしライナー」が減ります。山口県内でも昼間の列車の見直しがあり、山陽線岩国-小月間では概ね30~60分間隔から概ね60~80分間隔になり、山陰線小串-下関間では概ね40~60分間隔から概ね50~80分間隔になります。山陰地区でも、最終の繰り上げを行うところがあります。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000040882.pdf、JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2020/12/page_17103.html、あいの風とやま鉄道ホームページ https://ainokaze.co.jp/wp-content/uploads/2020/12/f7839437d7785073207c2291adef3926.pdf)
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