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JR九州、長崎新幹線の最終形が決まらないままでの暫定開業は望まない&並行在来線を維持する方針か?

 長崎新幹線は2022年秋に武雄温泉-長崎間が開業しますが、この長崎新幹線はほかのどの新幹線ともつながらない、離れ小島の新幹線です。

 もちろん、こんな姿では使い勝手は良くありません。少々速くなりますが武雄温泉での乗り換えが発生します。しかも、残る区間の新鳥栖-武雄温泉間の整備方針について、決まっていません。国、長崎県、JR九州は圧倒的なスピードで便利になるフル規格をつくることを望んでいますが、福岡に近い佐賀県は投資する気はありません。一歩も前に進まず、利用者を人質にしています。

 これは実際に鉄道を運営するJR九州にとっても、困った事態です。そんな中、青柳JR九州社長は、22日に長崎新幹線について、発言を行いました。2022年秋に部分開業するまでに、残る区間の整備方針を決めておくべきだというのです。その整備方針が決まらない限り、部分開業すべきではないというのです。ある意味当然の話で、フル規格にするにしろ、スーパー特急にするにしろ、方針を決めておかないといけません。ただ、つくるならフル規格でないと意味はありません。在来線程度のスピードなら、車でも出せます。車より圧倒的に速いから、鉄道の意味があるのです。また、青柳JR九州社長は、フル規格でつくる場合、佐賀県の負担を軽減するためにJR九州が支払う貸付料の支払期間を30年から50年に延ばすという案について、JR九州の受益の範囲であれば容認するという考えを示しています。

 もし、フル規格になれば、長崎線の鳥栖-肥前山口間は並行在来線となり、第三セクターに移管される可能性があります。これについてJR九州は、フル規格開業後も第三セクターに移管せず、JR九州のまま運営する考えです。特急がなくなっても需要がある区間なので、JR九州が同意するなら妥当なところでしょう。
(参考:サガテレビホームページ https://www.sagatv.co.jp/news/archives/2020122204470、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/nagasaki-heiko/)

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Comments

歯に衣着せぬ本ブログをいつも楽しく読んでいます。
さて、長崎新幹線の残りの区間の整備についてですが、
佐賀県は費用負担よりも、並行在来線のサービス低下を恐れています。
並行在来線のJRでの維持や在来線特急の存続(主に新幹線の通らない鹿島等の利便性維持)、特急料金値上げ幅の抑制(主に佐賀→福岡の移動の際の負担増抑制)が約束されなければ、佐賀県は首を縦には振らないでしょう。
これまで新鳥栖〜武雄温泉間は在来線活用で合意しており、新たな方針を立てるなら、関係者が同意できる条件を整えなければなりません。
私も、ここまで来たらフル整備が最善と思いますが、JRが佐賀県の懸念払拭のための条件提示をしないなら、リレー方式が固定されても仕方ないと思います。

Posted by: 電車おじさん | 2020.12.26 12:42 PM

 電車おじさんさん、こんばんは。

* 並行在来線のJRでの維持や在来線特急の存続(主に

 新幹線が停まる佐賀はともかく(割引切符で対応すれば良い)、肥前鹿島へは朝夕の通勤特急ぐらいは残しておいたほうがよいでしょう。名前も「有明」がうまい具合に空きました。

* 私も、ここまで来たらフル整備が最善と思いますが、

 フル規格ができるなら暫定としての「リレー方式」は容認できますが、フル規格ができないから「リレー方式」は百害あって一利なしです。誰も「リレー方式」で便利になる人はいません。

Posted by: たべちゃん | 2020.12.26 05:56 PM

JR九州の発言は経営者から見れば妥当だと思います。

佐賀県は一度FGTとはいえ新幹線構想そのものに合意・賛成したのは事実です。しかし、構想・合意に対して責任を持とうという意志が感じられませんでした。難技術であるFGT開発に対しても県の組織から技術者を参加させたりすることもなく安全な立場から傍観していただけでした。

もう、武雄温泉以南は仕上げの段階です。
。建設前とも合意当初とも時代・背景がちがいます。
いつまで建設前の理屈を持ち上げるのでしょうか?

利用者と経営者が共に泣きを見る新幹線を黙殺するのでしょうか。

国、長崎、佐賀県は2022年の部分開業までに技術・事実をベースに議論の上、完成の形を示すべきかと思います。

それが交通網整備に対する行政の責任というものだと思います。

Posted by: リリィ | 2020.12.27 11:08 AM

 リリィさん、こんばんは。

* もう、武雄温泉以南は仕上げの段階です。

 長崎新幹線をつくる段階なら何とでも言えますが、武雄温泉-長崎間が完成間近の状況で、かつフリーゲージトレインは使えないという現実を踏まえた議論でないといけません。

* 利用者と経営者が共に泣きを見る新幹線を

 佐賀県としては佐賀市さえ不便でなければ良く、長崎なんかどうでも良い話でしょうが、それ以外は利用者も関係者も迷惑な話です。

Posted by: たべちゃん | 2020.12.27 06:39 PM

(先ほどの投稿を一部修正しました。)
リリィさんのコメントに一言

佐賀県が新幹線構想に合意した、というのは、スーパー特急やFGTといった、新鳥栖〜武雄温泉間は在来線を走行するもので、この区間をフルで整備することを想定した合意は一切ありません。新鳥栖〜武雄温泉間のフル整備は、これまでの合意にない「新たな提案」なのです。
そのことを、所管省庁である国交省はよく承知しており、だからこそ大臣や幹部が佐賀県まで行って説得に当たっているのです。
そして佐賀県は、建設費負担の問題もあるけど、それ以上に並行在来線の利便性低下を懸念しています。
建設費問題は最悪、国がFGT開発断念の責任をとって佐賀県の負担ゼロとか思い切った手を打つことも考えられますが、並行在来線問題はJRしか対応出来ないのです。
JRが、佐賀県の懸念払拭に繋がるような提案をしなければ、佐賀県は新鳥栖〜武雄温泉間のフル整備という「新たな提案」に合意はしないでしょう。
残念ながらリレー方式固定となってしまうと思います。

Posted by: 電車おじさん | 2020.12.29 12:53 PM

 電車おじさんさん、こんにちは。

* 佐賀県が新幹線構想に合意した、というのは、

 もちろん、新鳥栖-武雄温泉間のフル規格整備については新たな合意が必要です。ただし、その議論には、まもなく武雄温泉-長崎間が完成することを踏まえないといけません。ベストはフル規格新幹線、容認できるのが博多-長崎間の直通ができるスーパー特急です。

 この合意ができるまでは、武雄温泉-長崎間の開業をしてはいけないでしょう。「リレー方式」は佐賀より先のことを全く考えていない、最悪の悪夢です。JR九州が危惧するのはもっともなことです。

* それ以上に並行在来線の利便性低下を懸念しています。

 並行在来線についてはしばらくの間特急を走らせたらいいのでしょう。肥前鹿島への利用実績が悪ければ廃止すればいいのです。

Posted by: たべちゃん | 2020.12.29 03:10 PM

電車おじさんさん

ここで私が言った新幹線構想とは「FGT(一部在来線)を活用した」新幹線構想の事です「フル」とは言っていません。ご了承ください。

FGT開発は難航していました。

佐賀県は当初の合意内容が出来きそうにないと分かった時点で手を打つべきだったと思います。

本気で在来線の利便・活用を守りたければ県の技術者をFGT開発現場に投入し一緒に開発を進めるぐらいの事は出来たはずです。

でも見て見ぬふりをしていたのが事実でした。

FGTが出来そうにないならば新たな案を作り国、長崎県と話し合い軌道修正しても良かったのですがそれもしませんでした。

早めに手を打っておけば利便性確保も含め佐賀県主導で議論を進められたでしょう。

武雄温泉以南は開業直前です。国、長崎県、佐賀県は2022年開業までに最終形を示すべきでしょう。設備を無駄にしないためにも3者の知恵が問われていると思います。

経営者の視点、利用者の視点に立った議論を国や自治体にはお願いしたいです。

Posted by: リリィ | 2020.12.30 07:57 PM

 リリィさん、こんばんは。

* 武雄温泉以南は開業直前です。国、長崎県、佐賀県は

 確かに関係者間で長崎新幹線の完成形についてすりあわせをしておく必要があるでしょう。

Posted by: たべちゃん | 2020.12.30 10:54 PM

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