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JR東日本、砕石輸送用ディーゼルカー&事業用電車を投入

 JRの旅客鉄道会社はもともと貨物の輸送がなく、かつてはブルートレイン等でみられた客車列車もSLが絡むものを除いては今はありません。しかし、そんな旅客鉄道会社にも機関車の出番があります。基本的に線路には、道床バラストと言われる砕石が敷き詰められています。その砕石は列車の走行により摩耗するので、適宜補充しなければなりません。この砕石の輸送や散布作業には機関車と専用の貨車が使われます。また、車両の入換や回送列車の牽引には機関車が使われます。

 ただ、これらの機関車は国鉄時代に導入されたもので、老朽化が進んでいます。新しい機関車を導入するにしてもJR貨物と違い、数が少なすぎるので効率的ではありません。そこでJR東日本は砕石輸送、砕石散布用の新型電気式ディーゼルカー及び入換作業、回送列車牽引用の新型電車を投入することにしました。電気式ディーゼルカーや電車ならこれからもつくられるからです。まず砕石輸送、砕石散布用の新型電気式ディーゼルカーについて説明します。

 砕石輸送、砕石散布用の新型電気式ディーゼルカーはGV-E197系といいます。今回は量産先行車として、高崎エリアで6両編成を1本投入します(牽引車のGV-E197形2両とホッパ車のGV-E196形4両の組み合わせ)。このGV-E197系はディーゼルカーなので、非電化区間でも走行可能です。また、編成の両端に運転台があるので、機関車の入換作業が要りません。ホッパ車を外せば、非電化区間の車両の入換作業や回送列車の牽引にも使えます。ディーゼルカー方式なので機関車、貨車特有のメンテナンスや運転操縦は不要となり、効率的になります。なお、これまでの機関車と砕石用の貨車の組み合わせだと最高速度は75キロでしたが、このGV-E197系は100キロとなります。

 入換作業、回送列車牽引用の新型電車はE493系といいます。交直流電車です。こちらも量産先行車として、首都圏エリアで2両編成を1本投入します(E493形とE492形の組み合わせ)。このE493系は交直流電車なので、直流でも交流でも走行可能です。また、電車方式なので機関車特有のメンテナンスや運転操縦は不要となり、効率的になります。なお、E493系の最高速度は100キロです。

 GV-E197系、E493系ともに2021年春以降に投入を開始し、性能試験を行ったあとに運用を開始する予定です。レール輸送のキヤE195系と合わせて、これまで機関車がやってきた仕事をディーゼルカーや電車で代替することになります。以前にも書きましたが、SLはともかく、ディーゼル機関車や電気機関車が牽引する列車は貴重な存在となります。

(追記)
 量産先行車による性能試験や技術的検証が完了したため、GV-E197系やE493系を量産することにしました。GV-E197系は6両編成を6本、そして牽引用の車両を2両新造します。E493系は2両編成を1本新造します。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2020/20210119_ho01.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220513_ho04.pdf)

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