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「THE ROYAL EXPRESS」の2本目ができる?

 東急が伊豆で走らせている「THE ROYAL EXPRESS」。2020年と2021年の夏に北海道を走らせます。

 ただ、本来伊豆で走らせる車両を北海道で走らせるので、当然ながらその間は伊豆で走らせることができません(もっとも、繁忙期の夏は定員の少なさから「THE ROYAL EXPRESS」を伊豆で走らせることができないようですが)。北海道に持って行くためにもいろいろ改造しないといけないこともあります。そこで東急サイドは、北海道で恒常的に走らせるため、「THE ROYAL EXPRESS」を増備することも考えているようです。

 東急が北海道に専属の観光列車を走らせるのは純粋に民間企業としての判断でしょうが、調子に乗るものもいます。それは北海道。JR北海道には厳しい経営が続き、新型コロナウイルスがさらに追い打ちをかけています。さすがにこのままではいけないので、国はJR北海道に対して支援を打ち出し、2021年度からの3年間で1300億円余りの財政支援を行うこととしています。北海道もこれに対応するかたちで地元自治体としての支援を行うのですが、やはり大したものではありません。観光列車をつくり、JR北海道に運行させるのです。単独で維持が難しいとされている8つの区間を中心に運行させるのです。観光列車は第三セクターの北海道高速鉄道開発が所有します。普通列車を観光列車用に改造した車両を所有するようです。

 ただ、これは愚策です。観光列車を走らせても利用促進にはつながらないのです。観光客は使ってくれるでしょうが、地元の人の利用にはつながりません。札幌などの主要都市に行くときに使ってくれないと意味がないのです。車ではなく鉄道を使ってみようと思わせるような高速化などの設備投資にお金を使わないと地元の人の利用にはつながりません。無理に遅い普通列車を使う必要はなく、札幌などの都市に行くときにたまに鉄道を使うぐらいの努力で解決するのです。

(追記)
 北海道は、22億円を出して特急1編成と観光列車用の普通列車8両を買い取ります。特急の1編成は「ラベンダー」編成(5月8日に富良野への特急としてデビューします)です。国も同額の22億円を出しますが、沿線自治体の負担はないようです。
(参考:東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/401672?page=3、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20210123/7000029719.html、https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20210218/7000030843.html、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC228M20S1A120C2000000、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/3f708427c5866db17b7170e2af121664c6b4a885、UHBニュースホームページ https://www.uhb.jp/news/single.html?id=18328、JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/6d47944b03887b6e7888bfcdf09cdb0a.pdf)

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