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三重県、伊勢鉄道に公的資金投入か?

 伊勢鉄道は第三セクター路線。関西線と紀勢線を短絡する目的でつくられたのですが、国鉄の経営が下手だったため利用者が少なく、第三セクターになってしまいました。第三セクターになってからは、特急「南紀」のほか、名古屋と伊勢とを結ぶ快速「みえ」が走り、第三セクターの中で優秀な部類となっています。

 ところが、新型コロナウイルスの影響を強く受けています。通過旅客主体の経営構造が災いして、運賃収入が大きく減っているのです。2020年度の上半期の運賃収入は2019年度の1/3。1年を通してみても大幅な赤字は避けられません。

 そこで三重県は、伊勢鉄道に対して公的資金を投入して支援をする方針です。沿線など15市町(伊勢鉄道は単なるローカル線の枝線ではなく、南紀方面への短絡線であるので、鉄道があることで利益を受ける自治体は沿線以外にもあります)が積み立てている基金を取り崩して、3年間支援する方針です。

 三重県議会の議員の中には、伊勢鉄道の経営努力が足りないと非難するのもいますが、この状況では誰がどうやっても苦しい状況です。また、バスで足りるような需要しかない枝線ならともかく(この場合の最善の処方箋は鉄道を諦めることです)、伊勢鉄道は利用者が多く、また受益の範囲も北勢や伊賀を除く三重県全域に及ぶのですから、支援に値する鉄道です。公共交通に対する勉強が足らないのでしょう。
(参考:中日新聞ホームページ https://www.chunichi.co.jp/article/168288)

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