弘南鉄道に沿線市町村が9.5億円の支援、大鰐線は廃止も考える?
津軽地方を走る弘南鉄道は以前から厳しい状況になっていますが、弘前市など沿線5市町村などが9.5億円の支援を行うことになりました。
支援を行うのは、沿線の弘前市、黒石市、平川市、大鰐町、田舎館村。今後10年間で、設備の安全対策と利用促進のため、総額9.5億円の支援を行います。設備修繕など安全対策については、国や青森県などとともに沿線5市町村も必要額の支援を行い、弘南鉄道の負担を軽減します。また、利用促進のため、通勤、通学定期の割引、企画乗車券の販売等を行い、新型コロナウイルスの状況にもよりますが、ほかの地域や外国からの誘客にも取り組みます。大鰐線についてはこのような取り組みを行っても赤字になりますので、2019年度から行っている赤字の補填を引き続き行います。2021年度から2030年度までの支援額の合計は弘南線が約4.4億円、大鰐線が約5.1億円です。
ただし、経営状態の厳しい大鰐線はこれだけでは済みません。いったん2023年度末に支援の効果の検証を行います。収支が改善しないならば、支援の期間を2025年度末までとし、大鰐線について今後どうするのかを検討します。一時期あった廃線の話が再び出るのです。ちなみに、行政の支援がなかったら、10年間の赤字は弘南線が約5.1億円、大鰐線は約9.9億円にまで膨れ上がります。かつては弘南線の黒字で大鰐線の赤字を埋めていましたが、弘南線が赤字になったのでその方策は使えないようになっているのです。
(追記)
大鰐線については、2023年度末時点で2019年度に比べて約2000万円増収するという目標が与えられています。これが実現しなければ廃線の話が再浮上するのですが、利用者の増加だけでこの目標を達成しようと思えば、今の1.5倍に増やさないといけません。
(参考:東奥日報ホームページ https://this.kiji.is/731717022282088448?c=648454265403114593、「鉄道ジャーナル」2021年5月号 鉄道ジャーナル社)
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