「アーバンライナー」で貨物を運ぶ
大阪難波と近鉄名古屋とを結ぶ「アーバンライナー」。「ひのとり」のデビューで看板列車ではなくなったものの、沿線の主要駅に停まる名阪特急として1日17往復しています。その「アーバンライナー」に新たな役割が与えられることになりました。人間だけではなく、貨物も運ぶのです。福山通運と組んで、貨物を運ぶのです。貨物はかつて車内販売で使っていたスペースに載せ、夏ごろから1日5往復程度を運行する予定です。
「アーバンライナー」で貨物を運ぶメリットは何でしょうか? 通常、大阪と名古屋の間のトラック輸送では、翌日以降に配送になります。当日中に送りたいのであれば、トラックをチャーターしないといけません。しかし、「アーバンライナー」で運ぶと、当日中に運ぶことができます。午前中に集まった荷物を夕方までに相手先に届けます。値段も安く。工業製品・部品、日用品や衣料品の配送に使われると想定しています。また、鉄道を使うことによって、トラックを使う距離を減らし、そのことがCO2削減につながります。ドライバー不足にも対応できます。
列車の空きスペースで貨物を運ぶ動きは、JRでは見られますが、関西の私鉄で特急を使って定期的に運んでいるところは今のところありません。しかも今回運ぶのは、宅配便ではなく、本格的な貨物です。近鉄は新型コロナウイルスの影響で鉄道のみならず、グループ会社も苦しんでいます。貨物を運ぶことで、減収を補う存在になることを期待しているようです。
(追記)
「アーバンライナー」を使用した貨客混載事業は7月1日から始めます。名古屋市内もしくは大阪市内で午前中に集めた荷物を「アーバンライナー」で運び、当日の夕方に大阪市内もしくは名古屋市内の配達先に運びます。
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/kakyakukonnsaiul.pdf、https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/kakyakukonsaininnka.pdf、朝日新聞3月29日朝刊 中部14版)
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