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リニアの建設費、1.5兆円増加

 5.5兆円かけて品川-名古屋間にリニアをつくろうとしている、JR東海。社運をかけた超巨大プロジェクトです。

 そのリニアですが、建設費が増えることになりました。1.5兆円増えて、7兆円にもなります。増加する主な理由は、難工事への対応(0.5兆円)、地震対策の充実(0.6兆円)、発生土の活用先確保(0.3兆円)の3つです。まず、難工事の対応については、品川や名古屋のターミナル建設において、地質が不安定であることや場所が狭隘であることから起因する施工上の制約が厳しいことなどが判明したため、建設費が増加しました。地震対策の充実については、山梨リニア実験線や小牧研究施設で試験を重ねた中で得られたデータを基に、地震への更なる備えとして構造物全体を強化する必要が生じたためです。発生土の活用先確保については、これまで活用先の確保が困難であった都市部の発生土については横浜港新本牧ふ頭等の護岸工事等にお金を払って使ってもらうことにしました。山岳トンネルからの発生土については、活用先の状況を考えると、運搬費や受入費が増加するようです。

 さて、そんなに建設費が増えても大丈夫なのでしょうか? JR東海としては問題ないと考えているようです。工事費に充てる資金は日々の営業活動で稼ぐ営業キャッシュフローを主体にやっていきます。運輸収入は2024年度に完全に回復するという前提で考えると、不足するのは1兆円。この1兆円は返済可能な借入資金によって賄います。3%の金利を払っても返すことができるとみています。2028年度にはリニア建設に充当可能な資金の累計が、建設費を上回ることになり、資金調達の目途が立つのです。なお、その翌年度、つまり2029年度の長期債務残高は6.0兆円になります。なお、これまで行ってきた健全経営と安定配当ができないときは、工事のペースを調整することにより、リニアの完成を目指します。

 この見込みが正しいかどうかはわかりませんが、ともかく資金面での目途は立ちました。ただ問題は、静岡県内にリニアを通すことができるか、ということでしょう。泥沼化しているだけです。2027年名古屋暫定開業に向けての最大の問題は解決されていません。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000041054.pdf)

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