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May 2021

汐見橋の観光案内図が復活

 汐見橋は1900年に開業しました。高野山方面へのターミナルだったのですが、1925年に難波への連絡線が完成したことにより、汐見橋の地位が低下。今は岸里玉出までのローカル電車が時々走るだけの路線となっています。

 その汐見橋の改札には、かつて大きな観光案内図が掲げられていました。昭和30年代に掲げられ、時代の変化に応じて変わることなく、レトロな雰囲気を出していました。しかしそのレトロな観光案内図は2016年に廃棄されてしまいました。ところが、その汐見橋の観光案内図が復活したのです。

 観光案内図が復活したのは5月28日。以前に掲げられていた観光案内図の雰囲気を残し、描かれている内容は今の状況に合わせています。難波エリア、関空エリア、高野山エリア、加太エリア等が特に変わっているとのことです。どのように変わったのか、現物を見てみたいです。
(参考:南海ホームページ www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/210526_01.pdf)

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西信貴ケーブル、6月16日から9月16日まで2回に分けて運休

 近鉄は信貴山口と高安山とを結ぶ西信貴ケーブルについて、ケーブルカーの車体補修工事のため、6月16日から9月16日までの間、2回に分けて運休することにします。

 運休する期間は6月16日から7月16日までの31日間と、8月17日から9月16日までの31日間(途中の7月17日から8月15日までは運転します)。この間は終日運休し、代替バスなどもありません。この運休期間中に信貴山に行く人は、奈良側から行くことになります。信貴山下から奈良交通バスを使えば良いのです。

 なお、この西信貴ケーブルの運休に伴い、高安山で接続する近鉄バス信貴山上線(高安山-信貴山門間)も運休します。運休する期間はケーブルカーと同じです。
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/nisisigikebu.pdf)

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京都タワーの大浴場、6月30日で閉店

 京都駅に近い京都タワーには大浴場があります。朝7時から午後10時まで開いていて(今は新型コロナウイルスの影響で、営業時間を短縮しています)、夜行バスに乗る前や到着した後に使うことができます。夜行バスには風呂はないですから、とても助かります。

 ところが京都タワーを運営する京阪ホテルズ&リゾーツは、大浴場を6月30日で閉店することを発表しました。もともと低迷していたわけではなく(一番利用者数が多かったのは、2017年度の延べ18万人でした)、新型コロナウイルスで利用者が激減したのが原因のようです。
(参考:TRAICY https://www.traicy.com/posts/20210516209638/、熊本日日新聞ホームページ https://kumanichi.com/articles/233550)

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大阪シティバス、5月31日で紙の回数券発売終了

 大阪シティバスは意外なことに今でも紙の回数券を発売していますが、明日31日で終了します。

 31日で発売を終了する回数券は、普通回数券210円券22枚綴り4200円、普通回数券110円券20枚綴り2000円、昼間割引回数券210円券12枚綴り2100円の3種類で、発売終了後も2022年5月31日まで使うことができます。

 代わりとなるものがあります。スマホがそのまま回数券になる「モバイルチケットバス回数券」(4月1日から発売しています。210円券11枚綴り2000円です)のほか、「PiTaPa」を使う方法もあります。「PiTaPa」の割引は渋いものが多いですが、Osaka Metroや大阪シティバスは1回目の乗車から割引になります。
(参考:大阪シティバスホームページ https://citybus-osaka.co.jp/notice/バス回数券(紙券)の発売終了について/)

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東急、東横線でワンマン運転&「Q SEAT」を他路線に拡大か?

 東急は5月13日に中期3か年経営計画を発表しています。その中から気になるところをピックアップしたいと思います。

 まず、3月13日に終電の繰り上げや本数の削減などのダイヤ改正を行いましたが、さらに駅の業務シフトや配置人員の見直しなどを検討、実施します。東横線ではテクノロジーを活用し、ワンマン運転を行う方針です。

 目黒線は8両化されますが、速達化のために奥沢の上り線を改修し、待避設備を設けます。相模鉄道との直通を踏まえての対応でしょうか? また、大井町線で走っている「Q SEAT」ですが、他の路線にも拡大する方針です。どこの路線に走らせるのでしょうか?
(参考:東急ホームページ https://www.tokyu.co.jp/company/news/list/Pid=post_323.html)

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キハ66、67形、6月30日で引退

 1975年の山陽新幹線博多開業に合わせて、筑豊地区のサービス改善のためにつくられた車両がキハ66、67形。2扉転換クロスシート(この2扉転換クロスシートの客室構造は117系にほぼそのまま採用されました)、冷房付きという優れた接客設備で、洗面所とデッキがないことを除けば、急行レベルのものでした。ですから、キハ66、67形は、普通や快速列車だけでなく、急行列車にも使われていました。その後、2001年に筑豊線や篠栗線が電化されたことに伴い、15編成30両全てが長崎に転属し、大村線の「シーサイドライナー」などで活躍していました。

 ところが、この6月30日にキハ66、67形は引退することになりました。いつの間にか古い部類になっていて(JR九州では一番古いディーゼルカーになっていました)、YC1系に置き換えられるのです。すでに3月のダイヤ改正でキハ200形やキハ220形が撤退しているので、大村線はYC1系に統一されるということになります。YC1系はほとんどがロングシートで座席数が少なく、「シーサイドライナー」で長崎と佐世保の間を移動するには厳しい接客設備です。回数券ベースでほぼ同じ値段の高速バスのほうが速くて快適です。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2021/05/28/210527_lastrun_6667.pdf、「鉄道ジャーナル」2021年1月号 鉄道ジャーナル社、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2021/05/28/346231.html

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「奥出雲おろち号」、2023年度で運行終了?

 木次線の観光列車、「奥出雲おろち号」、1998年に運行を始めましたが、2023年度で運行終了するようです(以前にも廃止の話はありましたが、その後も運行を続けていました)。26日にJR西日本から島根県側に伝えられました(JR西日本からの正式発表は今のところありません。近日中に発表されるようです)。JR西日本は「奥出雲おろち号」の運行を廃止する理由を車両の老朽化のためとしています。ディーゼル機関車も客車(12系)も古いのです。

 丸山島根県知事は「奥出雲おろち号」は木次線の観光振興のために欠かせない存在で、地元の市町と協力して運行の継続をすることを求めていく考えですが、木次線の利用者はあまりにも少ないです。輸送密度は2019年度はたったの190人でした。木次線の輸送密度は宍道から備後落合までの全線のデータで、区間ごとの数字は発表されていません。もし区間ごとの数字が発表されていたなら、出雲横田-備後落合間は悲惨な数字になっていることでしょう。すでに代替となる道路が整備され、鉄道が保線工事で運休するときに走るバスも鉄道と同じ所要時間で走っています。鉄道を存続させる社会的意義はすでにないのです。第三セクターでも運営できない程度の需要しかない路線を、JR西日本に維持させることはもっとできないのです。島根県は集客対策で予算を組んでいますが、その程度ではどうにもならないのです。
(参考:毎日jp https://mainichi.jp/articles/20210527/k00/00m/040/222000c、中国新聞ホームページ https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=758491&comment_sub_id=0&category_id=112)

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西東京バス、新宿駅南口-八王子市内間に通勤用高速バス

 京王グループの西東京バスは6月1日から、新宿駅西口-八王子市内間に高速バスを走らせます。

 その高速バスの名前は「通勤ライナー」、東京への通勤に特化した便で、平日(お盆や年末年始は運休します)に行き(新宿駅西口行き)を1本、帰り(八王子方面行き)を2本走らせます。行きと帰りとでは運行経路が違い、行きは横川(八王子駅と西八王子駅の間にあります)を4:39に出ます。北八王子駅入口や日野駅には停まりますが、八王子駅には寄りません。八王子側では9か所に停まります。中央道や首都高速を通って新宿駅西口に着くのは6:48です。帰りは2本あります。新宿駅西口を17:30に出るのは、日野駅などを経由して、北八王子駅入口に19:25に着きます。八王子側では5か所に停まります。新宿駅西口を21:35に出るのは、八王子駅にも立ち寄ります。JR八王子駅北口に23:12に、京王八王子駅に23:16に着きます。終着は高尾駅南口、23:37に着きます。八王子側には10か所に停まります。

 運賃は交通系ICカードで支払った場合やクレジットカードで事前決済したときは大人1000円(子供は半額、以下同じ)、現金で支払ったときは大人1100円です。トイレもある高速バス車両(42席)を使い、座席定員制です。高速を通るため、必ず座っていくことができます。行きはWEBでの予約もできます。
(参考:西東京バスホームページ https://www.nisitokyobus.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/05/nr21-03.pdf)

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皿倉山ケーブルカー&北九州銀行レトロライン、緊急事態宣言で運行休止

 北九州市内には2つの観光鉄道があります。皿倉山ケーブルカーと北九州銀行レトロラインです。しかし、このどちらにも今は乗ることができません。緊急事態宣言が福岡県にも出ているため、運行を休止しているのです。

 運行休止期間は皿倉山ケーブルカーが5月12日から31日まで、北九州銀行レトロラインは5月15日から30日までです。北九州銀行レトロラインのほうが運行休止期間が短いのは、北九州銀行レトロラインの運行日が原則として休日のみだからです。

 もっとも、感染状況が大幅に良くなったわけではないので、緊急事態宣言が延長されることは十分考えられます。6月以降も運行休止が続くことは予想されます。
(参考:皿倉山ケーブルカーホームページ www.sarakurayama-cablecar.co.jp/news/新型コロナウィルス感染拡大防止に伴う「ケーブ/、平成筑豊鉄道ホームページ www.retro-line.net/blog/2021/05/08/「潮風号」運行休止のおしらせ/)

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名鉄、6月26日に「ミュースカイ」用2000系と9500系の併結で河和線へ

 通常は中部国際空港方面に走っている「ミュースカイ」。2000系だけで、全車特別車の列車として走っています。

 ところが、6月26日に、この2000系が河和線を走ります。河和線開業90周年を記念してのことで(河和線太田川-成岩間は1931年4月1日に開業しました)、定期列車(特急)として名鉄名古屋-河和間を2往復します。名鉄名古屋10:41発、13:41発と河和11:57発、14:57発です。

 しかも、2000系だけが単独で走るわけではありません。通常、名鉄名古屋-河和間の特急は一部特別車として走っているのですから、一般車とセットになって走ります。一般車は、2019年にデビューした通勤型車両、9500系です。2000系4両と9500系4両の8両編成で走ります。

 2000系が河和線を走ること自体が珍しいのに、9500系と一緒になって走ります。通常、2000系は単独で走るものなので、その組み合わせは大変貴重です。あと1か月ほどで、なかなか見ることはできないものを見ることができるのです。実際に乗りたいのなら、「ミューチケット」は乗車1か月前の5月26日から発売されます。
(参考:名鉄ホームページ https://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2021/__icsFiles/afieldfile/2021/05/24/210524_kowasen_tokubetsuhenseiunko03.pdf?_ga=2.70305232.1187574214.1621863033-551564652.1621764834)

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函館線余市-小樽間はBRTになる?

 北海道新幹線が全線開業すると、函館線函館-小樽間はJRから分離されます。このうち、長万部-小樽間は一部区間を除いてもともと需要が少なく、また函館-長万部間のように貨物列車の需要がないことから、鉄道を残す必要性はありません。鉄道を存続させると毎年20億円の赤字が出ますが、それを払ってまで存続させる理由が見当たりません。また、地元からも一部を除いて鉄道を存続させたいという強い意思を見せているところは少ないです。

 ただ、余市-小樽間は事情が異なります。2018年度のデータでは、この区間の輸送密度が2144もあります。北海道で当てはめると根室線の帯広-釧路間よりも多いです。根室線のほうが当然ながら特急の利用者も含むので、普通列車しかない余市-小樽間はかなり優秀だと言えます。

 とはいえ、この区間も北海道新幹線が開通すると、JRから分離されます。この区間を第三セクターで運営すると、かなりの額の負担がかかります。それを線路のある余市町と小樽市でカバーしないといけません。

 そこで出てきたアイデアが、余市-小樽間をBRTにするという案。線路用地をBRTの専用道路にして走らせるのです。具体的なプランはこれからのようですが、鉄道の代わりにBRTを走らせるかたちで解決させる可能性もあります。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/hokkaido-heikozairaisen20210520/)

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「つくば号」等、6月7日から平日も東京駅直行へ

 常磐道を走る高速バスの弱点は、首都高速の渋滞。平日は東京駅日本橋口に直行せず、浅草駅と上野駅に停まっています。ところが、東京外かく環状道路の開通や首都高速の拡幅工事によって、問題となっていた首都高速の渋滞は大幅に緩和されたようです。

 そこでジェイアールバス関東など「つくば号」、「みと号」、「ひたち号」を運行する各社は、6月7日から、平日も休日と同じように、東京駅日本橋口に直行させることにしました。浅草駅と上野駅には寄らないようになるため、平日の東京駅到着時刻が繰り上がります。

 なお、今後も、首都高速の通行止めや大幅な遅延が見込まれる渋滞が発生するときは、一般道に迂回することもあります。
(参考:ジェイアールバス関東ホームページ www.jrbuskanto.co.jp/uatf/pdf/uatf.pdf)

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関東鉄道の駅に1~2人用カラオケボックス

 カラオケはしたいけど、新型コロナウイルスが気になる人。こういうカラオケボックスはいかがでしょうか?

 4月28日から下妻駅待合所、下館駅南口コンコースに設置されているのが、「COCOKARA」という小型カラオケボックス。第一興商が展開しているサービスですが、駅に設置されるのはこれが初めてです。

 ところで、「COCOKARA」の特徴はどこにあるのでしょうか? 「COCOKARA」のコンセプトは、「カラオケをいつでもどこでも簡単に」。少人数(定員は2人です)でカラオケを1曲から楽しむことができます。料金は1曲単位で、1曲100円。列車の待ち時間にちょっと歌うことができます。営業時間は9時から21時までで、係員はいないので、混雑しているときは自主的に譲り合って使うことになります。

 新型コロナウイルス対策として、使用時にマイクや端末等を自分で消毒することを求め、またマスクをしたまま歌うことができる機能を備えています。ただ、どうしても狭い空間で声を出すことから、カラオケで新型コロナウイルスの感染が広がる危険性があります。当分は1人で使うほうが良いでしょう。
(参考:関東鉄道ホームページ https://www.kantetsu.co.jp/img/news/2021/21042801_train/info.pdf)

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名鉄バス、平針運転免許試験場へのバス廃止

 愛知県の人が運転免許の更新のために訪れるのが、平針運転免許試験場(豊川にある東三河運転免許センターなどでも更新できます)。鉄道の駅から離れているので、公共交通機関で行くなら名古屋市交通局の市バスか、鳴海からの名鉄バスに乗る必要があります。

 ところが6月1日に名鉄バスのダイヤ改正があり、鳴海から平針運転免許試験場に行くバスが廃止されます(鳴海から平針運転免許試験場に行く場合、市バスを乗り継ぐ必要があります)。鳴海を発着する系統は統合され、鳴海駅から池上、鹿山、税務大学を経て鳴子みどりヶ丘に行くもののみになります。本数も朝夕を中心に減り、平日の朝夕で1時間に2本程度、そのほかは毎時1本程度になります。

 なお、平針運転免許試験場の建替工事に伴い増便されていた市バスですが、5月9日で増便は終了しました。平針運転免許試験場には約700台分の駐車場がありますが、5月10日から有料となっています。500円です。名古屋市交通局の「一日乗車券」(平日は870円、休日、毎月8日は「ドニチエコきっぷ」という名前で620円)の利用を考えるのも手でしょう。
(参考:名鉄バスホームページ www.meitetsu-bus.co.jp/info/detail/791、名古屋市交通局ホームページ https://www.kotsu.city.nagoya.jp/jp/pc/BUS/TRP0004196.htm、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/aa67cfb37104c629a25cfde6c44713aa4f3a5834)

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上信電鉄、上州一ノ宮-神農原間に新駅構想&上州新屋が観光施設の前に移転

 上信電鉄について2つの新駅構想があります。

 ひとつは上州一ノ宮-神農原間。この区間は2.3キロありますが、この駅間には住宅が多く、またこの区間には工業団地があり、駅ができれば従業員などが利用することも考えられます。地元住民から新駅の設置を求められたこともあり富岡市は、この区間について新駅を設置することを考えることにしました。民間事業者に測量などを委託し、駅の候補地を選ぶところから始めます。

 もうひとつは既存の駅の移転の話。甘楽町にある上州新屋が2022年3月に移転します。駅の西側を走っている県道を拡幅するためで、今の駅舎とホームは取り壊されます。新しい駅舎とホームは線路を挟んだ北側に移り、タクシーや送迎用の車が使うことのできる駅前ロータリーもつくられます。駅が移転する2022年には上州新屋の近くには明太子をテーマにした「めんたいパーク」が駅から歩いて行くことができるところにできます。「めんたいパーク」を訪れる観光客へのアクセスにもなります。

 上州新屋の移転費用は7800万円を見込んでいますが、群馬県と甘楽町が半分ずつ負担します。駅前ロータリーは群馬県の負担で行いますが、費用の額は未定です。

(追記)
 上州新屋の新駅舎は2022年8月26日に供用を開始しました。古い駅舎は2022年10月に取り壊されます。
(参考:上毛新聞ホームページ https://this.kiji.is/756621110174171136?c=648454265403114593、https://this.kiji.is/766405730540699648?c=648454265403114593、https://nordot.app/935099445784674304?c=648454265403114593)

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「SL北びわこ号」運行終了&「Aシート」指定席増加

 北陸線米原-木ノ本間で時々走っているSL、「SL北びわこ号」。湖北地域の観光振興を目的に1995年から走り始め、京阪神や名古屋からそれほど離れていないところを走るSLとして知られていました。車両は12系のオリジナル車両が使われ、国鉄時代の普段の姿を感じさせるものでした。わざとらしくなく、逆に好感を持てるものとなっていました。

 しかしこの「SL北びわこ号」、新型コロナウイルスの影響で2020年春から運行を休止しています。そしてそのまま復活することなく、運行を終了することにしました。新型コロナウイルスの感染防止のためには適切な換気が必要なのですが、それが十分に行うことができないことを理由に挙げています。どういうことかはわかりませんが、ともかく「SL北びわこ号」は消えることになります。

 なお、これからも京都でSLの検査を行うため、その後に試運転を行います。その場所として北陸線が使われるので、引き続き北陸線でSLの走る姿を見ることはできます。

 話は変わりまして、2往復の新快速に連結されている「Aシート」。もともとは乗車整理券で対応していましたが、2020年12月から一部を指定席として営業しています。指定席の営業は期間限定でしたが、度々延長され、今回も9月30日まで延長されることになりました。また、好評なのでしょうか、指定席の座席数もこれまでの12席から20席に増やします。指定席料金は840円ですが、「チケットレス指定席券」もあります。1、2、4号は600円、3号は450円です。3号だけ安くなっていますが、走る時間が平日は野洲20:59発(網干23:16着)、休日は野洲19:28発(姫路21:34着)と遅いからでしょうか?

(追記)
 SLつながりで書きますが、釜石線を走る「SL銀河」が機関車の点検整備を終え、1年ぶりに復活することになりました。復活初日の8月21日には、普段回送として走っている盛岡から花巻までも営業列車として走ります。盛岡8:00発、矢幅8:18着8:24発、日詰8:39着9:01発、花巻空港9:22着9:56発、花巻10:07着10:36発、遠野12:12着13:31発、釜石15:10着のダイヤで走ります(花巻から先は一部停車駅のみ掲載)。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210521_00_slkitabiwako.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210521_00_aseat.pdf、JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/morioka/20210521_mr04.pdf)

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東京メトロ、有楽町線や南北線の延伸を評価か?

 東京には、地下鉄の建設計画がいくつかあります。このうち、都心部で計画されているのは、(1)有楽町線豊洲-住吉間(2)南北線白金高輪-品川間(3)つくばエクスプレスの臨海部延伸 です。これらの路線で建設、運行主体になると考えられているのが東京メトロですが、その東京メトロは営団地下鉄から民間会社になったときの経緯から、新規路線の建設、運行主体になることを拒否しています。建設にお金がかかるからです。東京メトロは、2027年度までに国や東京都が保有している株式を売却して完全民営化する計画ですが、それに悪影響を及ぼす危険性があります。しかし東京都としては、地下鉄の整備が必要だとしています。そこで国も巻き込んでの議論が行われています。

 しかし、東京メトロとしては、(1)や(2)については、自ら建設は行わないという根本は崩していないものの、一定の評価をしています。整備がなされれば、東京メトロにとってもメリットがあるとしています。これに対して(3)については、東京メトロとしてのメリットはないとしています。

 国交省も(1)や(2)について整備するだけの効果があるというように考えています。後は誰がつくるかですが、ほかの鉄道でも見られるように(参考にした記事では相模鉄道の相鉄・JR直通線を挙げています)、鉄道を建設する公的な法人をつくり、そこが建設を行い、実際の運行は東京メトロが行うなどの方法が浮かび上がってくる可能性もあります。
(参考:Yahoo!ニュース https://article.yahoo.co.jp/detail/630da6f99b0ef773c032be827076ab1b5e9645f3)

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JR西日本、10月にダイヤ改正で約130本減便へ

 新型コロナウイルスの影響で、JR西日本の鉄道利用者も大きく落ち込んでいます。新型コロナウイルスの感染が広がる前と比較して、在来線特急は約3割、普通列車は約6~7割にまで減っています。JR西日本はたとえ新型コロナウイルスの影響がなくなったとしても完全には元に戻らないと考えています。また、大阪、京都、三ノ宮の3駅の利用状況を時間帯別に見ると、朝ラッシュ時や夕方のラッシュ時は約7割に減っていますが、昼間は約6割、21時以降の夜間に至っては約4割にまで減少しています。

 そこでJR西日本はダイヤの見直しを行っています。在来線特急は2月から一部定期列車の運転休止などを行っています。普通列車は3月のダイヤ改正で深夜時間帯等でダイヤの見直しを行いました。約300本見直しました。これだけでは終わりません。2022年春にもダイヤ改正を行います。全てのエリア、全ての時間帯において、利用実態に合わせたダイヤにします。そして、この10月に利用者の減少度合が大きい昼間時間帯を中心に、一部路線のダイヤを見直します。

 10月のダイヤ改正では列車本数と利用状況の乖離が大きい線区、区間において、約130本の列車を見直します。どうやらJR西日本だけでできる範囲のダイヤ改正を秋に行い、新快速など他社に影響を与えるものは今回の見直しの対象にはしていないようです。対象となる主な線区、区間は近畿エリアが琵琶湖線(長浜-米原間)、JR京都線(京都-高槻間)、JR神戸線(須磨-西明石間)、山陽線(姫路-上郡間)、赤穂線(相生-播州赤穂間)、大和路線(奈良-加茂間)で、約60本を見直します。JR京都線やJR神戸線を除くと1時間に2本列車があるところなので、1時間に1本に減るということになります。それ以外のエリアでは、朝や夜間などそのほかの時間帯も見直します。北陸エリアは小浜線、越美北線、北近畿エリアは山陰線、南紀エリアは紀勢線、和歌山線、瀬戸内エリアは山陽線、瀬戸大橋線、山陰エリアは山陰線、伯備線、因美線、境線を見直します。約70本を見直します。

 見直しの詳細は7月に公表する予定ですが、小浜線や越美北線ではかなりの見直しが行われるようです。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2021/05/page_17873.html、福井新聞ホームページ https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1319966、https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1321204、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/202010dia/)

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アルペンルートに期間限定のオープンバス

 室堂の雪の大谷は春の時期しか見ることのできない景色。バスよりもはるかに高い雪の壁が道の両側に迫ってきます。その景色を期間限定でオープンバスで楽しむことができます。

 オープンバスが走るのは5月21日から30日までの間。室堂を出て雪の大谷を見てまた室堂に戻ってくるという約15分のコースです。10:00から14:40まで40分間隔(12:40発はありません)で7本走ります。運賃は大人1200円、子供600円で、予約は不要です。

 そして、このオープンバスを室堂まで運ぶためでしょうか、5月20日に富山から室堂へ、そして5月30日には室堂から富山へと直通バスが走ります。5月20日は富山駅前を7:00に出て、室堂まで向かいます。5月30日は室堂を15:20に出て、富山駅前に向かいます。予約制ですが(富山地鉄乗車券センターで予約を受け付けています)、空席があれば予約なしでも乗車することができます。運賃は大人3500円、子供1750円です。
(参考:富山地鉄ホームページ https://www.chitetsu.co.jp/?p=56383、https://www.chitetsu.co.jp/?p=56367)

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新宮駅等の「みどりの窓口」閉鎖で、有人の「みどりの窓口」は100キロ先

 有人の「みどりの窓口」を大幅に減らしている、JR西日本。和歌山県内ではこの5月に、橋本、周参見、串本、新宮の各駅から「みどりの窓口」が消えます。橋本は14日に、串本は18日に、新宮は20日に「みどりの券売機プラス」に置き換えられ、有人の「みどりの窓口」は消えます。周参見は5月末で窓口での切符販売業務自体が終了します。駅で切符を買うことすらできないのです。

 紀勢線の白浜以南では周参見、串本、紀伊勝浦、新宮の各駅に「みどりの窓口」がありましたが、すでに紀伊勝浦は「みどりの券売機プラス」に置き換えられ、この5月で有人の「みどりの窓口」が相次いで廃止になるので、新宮から一番近い有人の「みどりの窓口」のある駅は、100キロ近く離れた白浜ということになります。JR西日本にこだわらないのなら、JR東海の熊野市のほうが明らかに近いです。
(参考:JRおでかけネット https://www.jr-odekake.net/eki/top?id=0621814、https://www.jr-odekake.net/eki/top?id=0622060、https://www.jr-odekake.net/eki/top?id=0622053、https://www.jr-odekake.net/eki/top?id=0622045、https://www.jr-odekake.net/eki/top?id=0622038)

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フランスで短距離国内線を禁止する法案

 フランスでは、列車を使って2時間半未満で移動することができる区間の国内航空路線を禁止する法案が出されています。すでに下院を通過しており、今は上院で審議をしている段階です。

 日本で言えば羽田-伊丹間や羽田-小松間の航空路線が廃止になる法案。なぜこのような法案をつくったのでしょうか? その理由は、二酸化炭素の排出量を減らすためです。欧州環境機関(EEA)のデータによれば、列車で乗客1人が1マイルを移動したときに排出される二酸化炭素は14グラムです。これに対して同じ条件で航空機なら285グラム、エンジンで動く車なら158グラムです。航空機や車の利用を減らし、鉄道をできるだけ使うことが環境にとって望ましいのです。

 以前にも書きましたが、鉄道の得意とするところは大都市の通勤輸送と新幹線に代表されるような都市間の高速鉄道。整備新幹線クラスはもっと力を入れて整備しなければならないのです。そして航空機は外国など長距離を、車は短距離の分野を中心に担当してもらうのです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/774c1233b3078f469db7ef73439b4ae6de0cc01c)

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豊橋鉄道、5月22日にダイヤ改正

 豊橋鉄道は5月22日にダイヤ改正を行います。名鉄と同じ日です。

 渥美線は朝時間帯(7~8時台)において、運行本数は変わりませんが、運行時分の一部見直しを行います。22時台については、運行本数を4本から3本に減らします。約20分間隔とします。それ以外の時間帯については大きな変更はありません。

 市内線は平日朝6時台の運動公園前発の始発を繰り上げ6:05発とします。運行本数も2本から4本に増えます。9時台から17時台までの日中時間帯は運行本数を毎時9本から8本に減らしますが、赤岩口行き、運動公園前行きとも15分間隔のわかりやすいダイヤになります。最終は名鉄やJRとの乗り継ぎを考慮し、駅前発赤岩口行きを5分繰り下げ、23:50発とします。また、終日運行時分を見直し、定時性の確保に努めます。
(参考:豊橋鉄道ホームページ https://www.toyotetsu.com/news/000262.html)

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東急、初乗り運賃を10円程度値上げか?

 新型コロナウイルスの影響で鉄道会社の経営は厳しくなっています。利用者が大きく減りましたが、国等から何の補助もないからです。

 そこで東急は2023年度までに初乗り運賃を10円程度値上げすることにしました。東急の初乗り運賃は130円なので、10円値上げすると140円ということになります。消費税率の引き上げを除いては、1995年の値上げ(このときは初乗りが90円から110円になりました)以来ということになります。

 運賃の値上げについては、JR東日本やJR西日本などがラッシュの時間帯を対象に値上げする、時間帯別運賃の運賃の導入を検討していますが、はっきり言って複雑でややこしいです。東急のように薄く広く値上げするほうが正直で好感が持てます。その上で以前にも書きましたが、ラッシュ時以外に利用した人にICカードのポイントを多く付与するとか、昼間や休日のみ使える割安の定期券をつくるとかすればよいでしょう。

 東急ではありませんが、新幹線などの長距離列車については予約状況に応じて値段を上げ下げする、ダイナミック・プライシングを導入する余地があります。インターネットで切符を買う人には条件次第で割引切符を売るのです。 「みどりの窓口」で買うような人にはいつでもお盆や正月用の高い値段で売れば良いです。有人の「みどりの窓口」(JR東日本やJR西日本は、大幅に有人の「みどりの窓口」を減らす計画です)の利用者を減らす効果も出ます。航空機なら当たり前にやっていることを長距離列車の世界にも広げるのです。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210514-OYT1T50148/)

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相鉄、21000系を導入

 相模鉄道は4月28日、2021年度の鉄道・バス設備投資計画を発表しました。

 その中で発表されたのが新型車両の投入。21000系を4編成導入します。21000系は8両編成なので、32両つくることになります。2022年度下期に開業する予定の相鉄・東急直通線用なのですが、その相鉄・東急直通線用にこれまでつくられてきたのが、20000系。すでに7編成あります。20000系は16編成つくられる予定だったのですが、計画が変わったのでしょうか? そもそも、20000系ではなく21000系を新たにつくるようになったのはなぜなのでしょうか?

(追記)
 10両編成の20000系は東急東横線直通用であるのに対し、8両編成の21000系は東急目黒線直通用という違いがあります。車椅子スペースと優先席の位置などが異なります。なお、21000系は9月6日から相鉄線内で使用されています。
(参考:相模鉄道ホームページ https://www.sotetsu.co.jp/pressrelease/train/r21-52/、「鉄道ファン」2021年11月号 交友社

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「WEST EXPRESS 銀河」紀南コースは7月16日から

 117系を改造してつくった「WEST EXPRESS 銀河」。以前にも記事にしたとおり、紀南方面に行くことになったのですが、その運行開始の日が明らかになりました。

 その運行開始日は7月16日。7月16日から12月22日まで、お盆の時期と10月4、6日を除いて、京都発新宮行きが毎週月曜日と金曜日、新宮発京都行きが毎週水曜日と日曜日です。新型コロナウイルス感染症対策のため、旅行会社が企画、実施する旅行商品として発売します(京阪神発、紀南発ともに現地ホテルへの宿泊を伴う往復プランばかりで、片道のツアーはありません)。また、本来の定員は85人ですが、54人に抑えて発売します。応募多数のときは抽選です。

 停車駅は新宮行きが新大阪、天王寺、日根野、和歌山、串本、紀伊勝浦です。京都21:15発、新宮9:37着です。途中和歌山で約1時間20分、串本で約2時間の停車時間があります。和歌山では駅を出て中華そばを食べることができます。串本では橋杭岩を鑑賞し、カツオをつかったタタキ丼を食べることができます。京都行きが紀伊勝浦、太地、古座、串本、周参見、白浜、海南、和歌山、日根野、天王寺、新大阪です。新宮12:00発、京都22:24着です。途中串本で約1時間、周参見で約50分、海南で約40分の停車時間があります。太地では鯨の竜田揚げの振る舞いがあります。周参見では駅に隣接している避難タワーから太平洋の眺望を楽しむことができます。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210513_00_ginga.pdf、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20210514-gingakinan/、日本旅行ホームページ https://www.nta.co.jp/jr/train/westexpressginga/)

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近鉄7月3日ダイヤ改正で日中青山峠を越える一般列車は1時間に1本に

 近鉄は7月3日にダイヤ改正を行います。

 まず、快速急行以下の一般列車については、夜間の利用が大きく減っているため(大阪難波、大阪上本町、大阪阿部野橋、京都の主要4駅で2019年4月と2021年4月の22時以降の乗降者数を比較したところ、平日、休日ともに2021年4月は2019年4月の3~4割程度の数字になっています)、最終列車の繰り上げなど深夜時間帯の運転本数の見直しを行います。いくつか例を挙げると、大阪線の最終は大阪上本町0:28発普通高安行きから大阪上本町0:08発普通高安行きに、南大阪線の最終は大阪阿部野橋0:27発普通河内天美行きから大阪阿部野橋0:02発普通古市行きに、奈良線の最終は大阪難波0:25発普通東花園行きから大阪難波0:05発普通東花園行きになります。このほか、京都線、長野線、道明寺線、山田線、鳥羽線、志摩線などで最終列車の見直しを行います。

 一部区間では昼間の列車も減ります。大阪線では名張発及び伊勢中川発11時台から14時台において、名張-伊勢中川間の普通列車の運転を取りやめます。青山峠を越える一般列車は毎時1本(急行?)のみとなります。橿原線では大和西大寺発11時台から20時台(休日は10時台から21時台)と天理発12時台から20時台(休日は9時台から21時台)において、大和西大寺-天理間を直通運転する普通列車を原則として天理線のみの折り返し運転にします。大和西大寺-平端間の普通列車は昼間毎時3本、夕方や夜間は概ね毎時4本となります。南大阪線では昼間時間帯の急行を区間急行に変更し、古市発10時台から15時台と橿原神宮前発10時台から14時台の古市-橿原神宮前間の普通列車(毎時2本)の運転を取りやめます。古市-尺土間の急行通過駅の停車本数が毎時4本から2本になります。御所線では尺土発及び御所発10時台から14時台において、尺土-御所間の普通列車毎時2本の運転を取りやめ、毎時4本から2本にします。田原本線では毎時2本の時間帯を西田原本発9時台から15時台と新王寺発10時台から16時台に拡大します。夕方から夜間にかけては、毎時4本から3本にします。名古屋線では四日市発10時台から15時台と津新町発9時台から14時台において、四日市-津新町間の普通列車毎時1本を四日市-塩浜間にします。塩浜-津新町間の普通列車は毎時3本から2本になります。志摩線では鳥羽発8時台から13時台と賢島発9時台から14時台において、普通列車を概ね毎時2本から1本にします。

 特急も本数が減ります。10本以上減るのは大阪難波(大阪上本町)-伊勢志摩間、平日の京都-奈良間、休日の大阪難波-奈良間、休日の大阪阿部野橋-吉野間です。昼間時間帯を中心に特急の一部を臨時列車化します。近鉄全体の特急の本数は、平日が417本(+臨時列車13本)から366本(+臨時列車38本)に、休日が446本(+臨時列車2本)から387本(+臨時列車31本)になります。また、吉野線の「青の交響曲」は水曜日に代走の特急が走っていましたが、これを取りやめます。水曜日は完全に運休するのです。

(追記)
 昼間の大阪線の急行は大阪上本町-伊勢中川間の運転となります。伊勢方面には行かなくなります。
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/daiyahenkou.pdf、https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/saisyuukuriage.pdf、桑名駅の掲示)

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JR九州、新幹線での荷物輸送、最速2時間40分で1個900円から

 以前にも記事にした九州新幹線での荷物輸送ですが、2020年8月に佐川急便との間で基本合意がなされた後も実証実験を重ね、ついに5月18日から本格的に始めることになりました。

 5月18日から始めるのは、九州新幹線における荷物輸送。佐川急便の宅配便を九州新幹線の業務用室に乗せて運びます。使用する新幹線は上下とも毎日1便ずつ。「さくら407号」(博多13:13発鹿児島中央14:49着)と「さくら402号」(鹿児島中央12:00発博多13:37着)を使います。熊本など途中駅での取り扱いは行いません。新幹線を使うことにより、福岡市と鹿児島市の間で宅配便の当日配達が可能になります。

 これだけではありません。同じ5月18日から、JR九州自ら新幹線での荷物輸送サービスを行います。かつて車販準備室として使われていたところを使って荷物を運ぶのです。この荷物輸送サービスの名前は、「はやっ!便」、博多と鹿児島中央との間で高速で運びます(途中駅の熊本などでの取り扱いはありません)。

 「はやっ!便」で使われる新幹線は鹿児島中央行きが午前と夕方の2本、博多行きが午前と昼、そして夕方の3本です。博多(もしくは鹿児島中央)の「みどりの窓口」で荷物を預けると、新幹線で運んでくれます。荷物の受け取りは鹿児島中央(もしくは博多)の「みどりの窓口」です。受付及び引き渡し場所が「みどりの窓口」とわかりやすく、最速2時間40分で荷物を運んでくれます。値段は荷物の大きさと重さで異なり、1個900円~2000円で運んでくれます。急ぎの書類、機械部品、生鮮食料品の輸送に威力を発揮しそうです。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2021/05/10/210510_sagawa_jrkyushu.pdf、https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2021/05/10/210510_train_nimotsu_1.pdf)

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2060年度の新函館北斗-長万部間の輸送密度、81人

 北海道新幹線が開業すると、並行在来線の函館線函館-小樽間はJRから分離されます。現在でもローカル線の長万部-小樽間はともかく、函館-長万部間は特急が消えても貨物列車は残ります。しかし、この区間が安泰かと言えばそうではありません。貨物専用の鉄道になることも十分考えられるのです。

 それはなぜでしょうか? 2018年度の旅客流動調査を基に、普通列車だけの需要予測をやってみると、ものすごい数字が出てくるのです。函館-長万部間の2018年度の輸送密度(普通列車に限ります)は、685人。新函館北斗で区切ると、函館-新函館北斗間が4261人、新函館北斗-長万部間は191人です。新幹線が開業すると、これまで特急「北斗」に乗っていた人は新幹線に移ります。しかし、新幹線で函館に来た人は、「はこだてライナー」に乗って函館の中心部に向かいます。つまり、函館-新函館北斗間の普通列車の利用者が増えると考えられます。また、新函館北斗以北でも、大沼公園や森ぐらいなら普通列車に乗る人も多少はいるでしょう。若干ですが、新函館北斗以北の普通列車の利用者も増えるようです。結局、北海道新幹線が全線開業する2030年度の輸送密度は、函館-長万部間が850人、函館-新函館北斗間が5592人、新函館北斗-長万部間が195人となります。その後は減少し、2060年度には函館-長万部間が431人、函館-新函館北斗間が2963人、新函館北斗-長万部間が81人となります。函館-新函館北斗間を除いては、いくら赤字覚悟の第三セクターでも経営できません。

 なお、赤字を減らそうと思ったら、函館-新函館北斗間もバス転換したほうが赤字額は小さくなります。しかし、この区間をバスにするのは逆に厳しいです。というのも、この区間は函館への需要があり、朝7~8時台は700人ほどの利用者がいます。バスで置き換えるわけにはいかないのです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/hokkaido-heikozairaisen20210426/)

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木次線、定期券の補助制度をつくっても増えたのはたった1人

 木次線は利用者の極めて少ない路線として知られています。輸送密度は1987年時点で663人いましたが、2019年度は190人までに減っています。このままでは廃止の対象になっても何の文句も言えません。

 その木次線の沿線自治体は、路線存続のためにいろいろな取り組みを行っています。4月から島根県民を対象に、5人以上の団体で乗車した場合、鉄道の運賃のほか貸切バスの運賃も半額(上限は10万円)まで補助します。また、新たに木次線に乗って通勤、通院する人に1か月分の定期代か11枚綴りの回数券代を負担します。1回しか使わない観光客と使い、通勤客は1回1回の金額は少ないものの、毎日使ってくれます。安定的な収入が見込まれるのです。ところが、新規に利用を始めた人は4月27日現在で、たったの1人しかいません。

 出雲横田以南では1日3往復しか列車がない木次線ですが、出雲横田以北はもう少し本数があります。ただ、新規の定期券利用者が1人しか増えなかった現状では、将来はかなり厳しいと言わざるを得ないでしょう。将来のことを早めに考えておいたほうが良さそうです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASP546KP6P54PTIB003.html)

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西武鉄道が訪日外国人向けフリー切符を日本人に発売

 1000円で多摩川線を除く西武鉄道全線が乗り放題となる(特急料金は別払い)、「SEIBU 1Day Pass」。訪日外国人向けのフリー切符なのですが、これを期間限定で日本人にも発売しています。

 その期間は4月15日から5月31日までですが、この「SEIBU 1Day Pass」、駅では売っていません。事前にTwitterで手続きを行い、その画面を西武ツーリストインフォメーションセンター池袋で呈示します。そうすると「SEIBU 1Day Pass」を1枚1000円(子供は500円)で買うことができます。1人で4枚まで買うことができます。

 ちなみに駅の窓口では、沿線にあるプリンスホテルのランチと西武鉄道のフリー切符(多摩線以外が全線乗り放題)がセットになった、「西武線沿線 プリンスホテル ランチきっぷ」というものもあります。3月15日から6月30日までの期間限定で、大人2500円、子供1550円です。なお、ランチは発売当日でなくても構わないので、鉄道に乗りまくる日とランチを楽しむ日を分けるということもできます。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/seibu1day2021/、西武鉄道ホームページ https://www.seiburailway.jp/ticket/otoku/princehotellunch/index.html)

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無人駅の後閑に学習室

 上越線の後閑は2018年に無人駅になりましたが、かつて事務室として使われていたところをリニューアルして、学生向けの学習室としました。すでに4月20日から使用を始めています。

 学習室の面積は約70平方メートル、20席が用意され、各机にはデスクライトや電源コンセントがついています。勉強に集中できるよう、机には仕切り板がついています。無料のWi-Fiも近いうちに整備する予定です。学習室の利用時間は平日が15時から20時半まで、土曜が13時から19時までで、日曜日と祝日はお休みです。学習室の利用は無料で、開いている時間なら、何時間いても構いません。鉄道の利用は条件とされておらず、送迎の待ち時間や路線バスの待ち時間でも利用することができます。また、学習室が開いている時間にはみなかみ町から委託された運営会社のスタッフが常駐しています。

 リニューアルの費用は約2000万円、学習室を設けることを提案したみなかみ町が負担しました。みなかみ町は無人駅の事務室を学習室とすることによって、賑わいをもたらしてくれることを狙っているようです。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/takasaki/20210414_ta02.pdf、東京新聞ホームページ https://www.tokyo-np.co.jp/article/98887)

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山形鉄道長井駅の駅舎に市役所

 長井市役所の庁舎はつくられてから60年以上が経ち、老朽化しています。しかも、洪水時には浸水の恐れがあります。

 そこで、市役所が移転することになりました。6日から業務を始めていますが、新しい市役所の場所は、何と駅。山形鉄道の長井駅に併設するかたちを取りました。約54億円をかけてつくられた庁舎は、鉄骨鉄筋コンクリートの一部4階建て。延べ約8300平方メートルで、市の名前に因んでか、南北170メートルの長さがあります。これまで市役所の機能が7か所に分散されていましたが、1か所に集約されました。

 長井市としては、この新しい市役所を都市機能の中心となる施設としたいとしています。車の利用を減らし、公共交通機関の利用を増やすためにも、市役所等の公共施設や集客力のある施設を鉄道の近くにつくることが望ましいでしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASP536SS2P4VUZHB004.html)

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JR東日本が鉄道の非電化、単線化を推進&「みどりの窓口」削減へ

 鉄道は需要が増えたら、電化されたり、複線化されたりします。逆の事例はあまりありません。

 ところがJR東日本は、4月30日に公表された2021年3月期の決算説明会資料において、設備をスリム化することを明らかにしました。具体的には、蓄電池駆動電車、電気式気動車、ハイブリッド気動車などを積極的に導入し、電化設備を撤去します。運転本数が比較的少なく、特急や貨物列車がないところが候補になると思われます。距離の短い枝線あたりは、蓄電池駆動電車で置き換えることも可能でしょう。新幹線の開業などで需要が減った区間については、複線を撤去して単線にしたり、交換設備を減らしたりします。これまで複線の単線化は工事費が高くつくとされ、先ほども書いたようにあまり事例はなかったのですが、参考とした記事で挙げられた上越線水上-越後湯沢間の場合、新幹線開業によって在来線の旅客列車は激減しているのですから、ループ線の上り線を潰して単線化することも考えられます。貨物列車とのすれ違いを考えて、土合の待避線を復活させるなどの対策が必要なのかもしれません。

 話は変わりますが、新幹線の切符を買うのに使われるのが、「みどりの窓口」。JR東日本もJR西日本に引き続いて、大幅に削減するようです。経営の効率化が目的で、2024年度末までに70~80%減り、残るのは、新幹線や特急停車駅、拠点駅ぐらいとなります。「みどりの窓口」が残るのは、首都圏とそれ以外でそれぞれ70駅ほどになります。地方の小さな駅については一挙に無人化することも考えています。「みどりの窓口」を減らしてインターネットで買ってもらいたいのはわかりますが(ただ、意外なことに近距離切符を除いても、発売枚数ベースで見ると、券売機やインターネットで切符を買うのが8割もあるようです)、それなら、インターネットを安く、有人の窓口で買うのを高くしたほうがよいでしょう。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/jre-denka/、共同通信ホームページ https://this.kiji.is/763334566362431488?c=648454265403114593、JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/20210511_ho01.pdf)

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宇都宮のLRT、19停留所の名称が決定

 2023年に開業する予定の宇都宮のLRT。全部で19の停留所ができますが、4月にその名称が決まりました。

 その19の停留所の名称は、宇都宮駅東口、東宿郷、駅東公園前、峰、陽東3丁目、宇都宮大学陽東キャンパス、平石、平石中央小学校前、飛山城跡、清陵高校前、清原地区市民センター前、グリーンスタジアム前、ゆいの杜西、ゆいの杜中央、ゆいの杜東、芳賀台、芳賀町工業団地管理センター前、かしの森公園前、芳賀・高見沢工業団地です。停留所の名称を決める委員会が公共施設の名称などから候補を選び、地域の住民にアンケートを行い、その結果も踏まえて決めました。特定の個人名、法人名を排除する方針に従い、仮称にあったJR宇都宮駅東口、ベルモール前、作新学院北、本田技研北門はそれぞれ宇都宮駅北口、宇都宮大学陽東キャンパス、清陵高校前(清陵高校は県立高校です)、芳賀・高根沢工業団地になっています。停留所の名称から特定の法人名をつけることを避けたのは、法人名を停留所の名称とした場合、法人が廃業したり移転したりしたときに停留所の名称を変える必要があるからということと、ネーミングライツを売るためです。

 また、LRT車両の愛称も決まりました。宇都宮市民、芳賀町民にアンケートを行い、4つの案の中から選んでもらいました。その中から最多得票で選ばれた愛称がライトラインです。雷都(宇都宮は雷が多いことから、雷都と呼ばれています)とLINEをつなげたもので、雷都とLIGHTの音が同じことから、「未来への光の道筋」というメッセージも込められています。
(参考:宇都宮市ホームページ https://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/kurashi/kotsu/lrt/1022203.html、https://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/kurashi/kotsu/lrt/1025819.html、下野新聞ホームページ https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/440886、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/railwaynews-275/)

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札沼線の代替バス、利用低迷

 札沼線北海道医療大学以北の運行が新型コロナウイルスの影響で急遽打ち切られてから1年が過ぎました。代替のバスは打ち切り前の2020年4月1日から走っていますが、その利用状況はどうなのでしょうか?

 やはりというか、何というか、利用は低迷しています。廃線区間内の月形町からは石狩当別と浦臼に向かう代替バスがありますが、月形町内の乗降客数は目標の3割に留まっています。もっとも、新型コロナウイルスの影響で通学や通院の需要が大きく減ったことが要因とされていて、鉄道がなくなったから需要が減ったのか、新型コロナウイルスの影響なのかははっきりとしません。ただ、代替バスの車両は小柄で、代替バス化に伴って需要が縮小することは織り込み済みだったとも言えます。

(追記)
 札沼線代替バスのひとつである北海道中央バスの滝川浦臼線が2022年9月で廃止になるようです。沿線の新十津川町、浦臼町は更なる代替交通を考えているようです。
(参考:北海道新聞ホームページ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/534183、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/111124)

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JR貨物、九州にEF510

 JR貨物は分割民営化後、新型の機関車を大量に投入してきましたが、九州にはまだ国鉄型の機関車が残っています。

 しかし、3月31日に発表された2021年度事業計画によれば、九州にEF510を投入するようです。主に北陸地方で見られる機関車ですが、九州用に仕様を変更するようです。

 置き換えの対象となるのは、ED76とEF81のようです。門司機関区にそれぞれ10両、18両配置されています。国鉄型の機関車を置き換え、すでに九州で走っているEH500(門司機関区に13両配置されています)と新たに投入されるEF510でまとめようということのようです。

(追記1)
 JR貨物から九州へのEF510投入についての発表がありました。

 九州向けのは本州で走っているものと異なる仕様になるため、まず量産先行車を1両つくります。301号機なので、300番台になるようです。銀色に塗られますが、愛称は「ECO-POWER レッドサンダー」を継承します。

 車両メーカーからは12月中に出場しますが、実際に運行を開始するのは2023年3月の予定です。

(追記2)
 九州用のEF510は、2023年度から数年かけて17両を配備する予定です。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/106078、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2021/04/01/344546.html、JR貨物ホームページ https://www.jrfreight.co.jp/storage/upload/08c9a4240c5fbab9404997b3ffc5e00f.pdf、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20211216-2229191/)

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JR九州、2024年度に磯新駅を設置

 日豊線竜ヶ水-鹿児島間は6.9キロ離れていますが、この間に駅ができます。

 駅ができるのは磯地区、磯新駅と言われています。以前からのあったもので、竜ヶ水から4.8キロ、鹿児島から2.1キロのところにできます。観光名所の磯庭園の近くで、駅の場所は景観に与える影響も考え、尚古集成館の海側にすることにしました。3月31日にJR九州と磯新駅設置協議会(鹿児島経済同友会、鹿児島県経営者協会、鹿児島県中小企業団体中央会の経済3団体から成ります)との間で覚書が交換され、新駅設置に向けて準備を進めることになりました。駅の開業予定は2024年度です。また、整備費は約3.9億円ですが、これは協議会のほか、鹿児島県、鹿児島市、民間で負担することにします。

 なお、東隣の竜ヶ水は利用者が極めて少なく、普通列車でも通過するものがあります。そこで、竜ヶ水を移設するかたちで磯新駅をつくるという話もあります。

(追記)
 竜ヶ水-鹿児島間に2025年3月にできる予定の新駅の名前が仙巌園に決まりました。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2021/03/31/210331_shinekioboegaki_1.pdf、https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2024/03/26/240327_nippo-line_new_station.pdf、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2021/03/31/344505.html、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kagoshima/news/20210331-OYTNT50066/)

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北大阪急行の箕面延伸の事業費、224億円増加

 北大阪急行は現在、千里中央から箕面萱野へ延伸工事中です。約2.5キロの延伸で総事業費は650億円です。2023年度開業予定です。

 ところがこの北大阪急行の延伸事業ですが、総事業費が増えるのです。耐震性や安全性を向上させるためですが、資材単価や人件費の上昇も影響しています。

 さて、増える事業費の額は224億円。650億円から874億円に増えます。協定によって大阪府と北大阪急行は負担の上限が決まっているため、増額分は国と箕面市が半分ずつ負担します(以前の記事とは違うようですが)。新しい内訳は、国が382億円、大阪府が100億円、箕面市が282億円、北大阪急行が110億円です。箕面市の負担分は、住ノ江競艇場での収益や基金を充てます。

 なお、開業時期の変更はないとのことです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASP3Q6SJMP3QPTIL01V.html)

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新金貨物線の旅客化、先行開業も?

 新小岩と金町とを結ぶ新金貨物線というものがあります。この貨物線に旅客列車を走らせるという構想があります。途中、東新小岩、奥戸、細田、高砂、新宿<にいじゅく>の5駅ができます(駅名は全て仮称、途中駅の数は7~10という話もあります)。ピーク時には10分間隔で走り、新小岩と金町との間を約20分で結びます。

 ここでネックになるのは、新宿付近の国道6号線との交差。平面交差なので踏切があります。今の貨物線なら列車は少なく、問題はなかったのですが、旅客化に伴い列車が増えると、そこで渋滞が発生する危険性が出てきます。国交省によれば立体交差にする必要はなく、踏切で一時停止しなくても良いように、信号と遮断機を併用して対応するようです。ただ、鉄道に関する技術基準との整合性、道路信号と鉄道信号との情報の連携方法、旅客列車と貨物列車の識別についての問題があり、これからも検討を続けるようです。国道6号線の問題を避けるため、新小岩-新宿間のみを先行開業させるという案もあります。暫定的な終端駅となる新宿については島式ホームとし、貨物用の待避線も備えます。中ほどにある高砂は、京成高砂から500メートルほどのところにできます。乗り換え用の通路として、京成の立体交差に合わせて整備される側道を活用します。

 この貨物線の施設は、貨物線と言いながら旅客鉄道のJR東日本が所有しています。今後、誰が運行主体になるか、設備は誰が保有するかなどの具体的な事業スキームの検討等を本格化させる予定です。

 なお、今回の調査では、貨物線を改良する以外で旅客化ができないかも検討しています。モノレールや新交通システムを貨物線の上に敷くのです。ただこの場合、1キロ当たりの建設費は80~100億円にもなります。ただし、貨物線の上には門型鉄塔の高圧線があるため、その問題を解決する必要があります。
(参考:建設通信新聞ホームページ https://www.kensetsunews.com/archives/552937、「鉄道ファン」2022年3月号 交友社

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大阪市南部にデマンドバス

 ダイヤを決めずに、利用者から電話等があればそれに合わせて走る、デマンドバスという乗りものがあります。地方では時々見られる形態ですが、3月30日から9月末までの間、大阪市南部の生野区、平野区で試行しています。大阪市内では初めての事例です。

 デマンドバスが走っているのは、生野区の西部、平野区の加美周辺と長吉東部周辺の3か所。いずれも高齢者が多く、目的地に行くのに乗り継ぎが必要なところが選ばれています。運行時間は6~23時で、バス停は約300メートルごとに設けられています。各地区で50~70か所程度の停留所があります。8人乗りのワンボックスカーを使い、運賃はバスと同じ210円ですが(アプリで予約すれば、クレジットカード払いもできます)、「敬老パス」は使えません。

 ただ、バスと同じ210円では安すぎるという識者の声もあります。バスと言うよりタクシーに近い存在なので、それなりの運賃を取らないと経営としてはやっていけないでしょう。似たようなサービスであるタクシーの需要を食ってしまうため、タクシー会社が影響を受ける危険性もあります。大阪市内なら鉄道やバスが充実しているので、下手にデマンドバスを考えるより、タクシーの補助券を渡したほうがいいのかもしれません。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASP3S6SF6P34PTIL01F.html、Yahoo!ニュースhttps://news.yahoo.co.jp/articles/b56a64fa696b6ec8ccfdec6d8ce76359e6ee36ea)

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西鉄の100円バス、7月から150円に

 福岡の市内の交通は地下鉄が福岡市交通局、バスが西鉄バスです。どうしても地下鉄とバスはライバル関係になります。バスを運営している西鉄バスは福岡の都心部において、運賃を100円にしています(このほか、福岡地区と北九州地区の合わせて13駅から半径1キロ以内にある区間までのバス運賃が100円になっています)。JRのターミナル博多と西鉄のターミナル福岡(天神)との間も100円です。

 ところが西鉄は、新型コロナウイルスの影響で利用者が減り、このままでは持続的な公共交通サービスが維持できないため、値上げすることにしました。実施日は7月1日からで、これまで100円だった区間は150円になります。これに伴い、定期券についてもサービス内容の変更があります。「福岡都心100円エリアフリー定期券」等が廃止になり、「グランドパス65」は値上げになります。1日フリー乗車券の値上げも行います。「福岡市内1日フリー乗車券」の場合、900円から1000円になります。

 また、7月1日から2022年3月31日までの間に限りますが、福岡都心フリーエリアにおいて、「nimoca」で隣のバス停までの短区間の利用をした場合、「おとなりポイント」が50ポイントもらえます。150円の区間の場合、50ポイントがもらえるので、実質的な運賃は100円です。
(参考:西鉄ホームページ www.nishitetsu.co.jp/release/2020/20_115.pdf)

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札幌市電の延伸、採算取れず

 2015年に西4丁目-すすきの間が開業し、環状線になった札幌市電ですが(ただし、1日に起きた信号設備の故障で、西4丁目-すすきの間が運休しています。復旧には数か月かかるようです)、以前にも記事にしたように、延伸の構想があります。

 延伸先は、札幌駅前方面、桑園方面、苗穂方面の3つが考えられています。かつて札幌市電はこの3方面にも延びていましたが、廃止されたのです。札幌市はこの延伸について、シミュレーションや国などとの勉強会を行ってきましたが、融雪対策に必要なロードヒーティング化に伴う整備費用やランニングコストなどを考えると、現時点では黒字になる見込みがないことがわかりました。

 環状化によって利用者が増加した札幌市電ですが、依然として赤字です。2020年4月から上下分離が行われているぐらいです。2022年度には延伸の可否が決定されるようですが、現時点で黒字の見込みがない状態では、厳しいと言わざるを得ないのかもしれません。特に札幌駅前方面はすでに地下鉄がありますから、あえてさらに鉄道を整備するという大義名分が立ちにくいというのもマイナスに働きます。

(追記)
 運休していた西4丁目-すすきの間ですが、5月4日に運行を再開しました。
(参考:レスポンスホームページ https://response.jp/article/2021/03/26/344348.html、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/b8f05f91aea388e0a44e29c816633d0958d1f5ea、https://news.yahoo.co.jp/articles/bb2be08af15424af098cebb209f6946814a83b6e、札幌市交通事業振興公社ホームページ https://www.stsp.or.jp/sc20210502c/)

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あおなみ線、名古屋競馬場前の駅名変更

 あおなみ線には名古屋競馬場前という駅があります。しかし、駅名の基になった名古屋競馬場は2022年3月に移転します。弥富市の弥富トレーニングセンターに移りますが、伊勢湾岸道の湾岸弥富インターチェンジに近いところにあるので、公共交通で行くことは難しそうです。また、名古屋競馬場の跡地は2026年のアジア大会の選手村になります。

 そこであおなみ線も名古屋競馬場前の駅名を変更することにしました。学識経験者や地域代表等からなる駅名称懇談会の意見を踏まえて決まった駅名は、港北。駅名の候補には付近の地名の土古<どんご>、正保<しょうほう>、小碓<おうす>も挙がりましたが、名古屋市がこの付近を港北エリアと呼んでまちづくり計画を進めていることから、港北にすることにしたのです。土古など名古屋らしい地名ではなく、(横浜に港北区があることから)横浜のイメージが強い名前です。

 駅名の変更は2022年3月12日に行われます。あおなみ線の駅名が変わるのはこれが初めてのことです。
(参考:あおなみ線ホームページ https://www.aonamiline.co.jp/pc/pdf/20210428ekimeisyouhenkou.pdf、https://www.aonamiline.co.jp/pc/pdf/20211221ekimei.pdf、朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASP4X567DP4XOIPE00P.html、名古屋市ホームページ https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/53-10-21-0-0-0-0-0-0-0.html)

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WILLER、2キロ以内の短距離移動を何度でも利用できるサブスクリプション(定額課金)サービスを始める

 鉄道など公共交通機関で行き来するときに不便なことは、駅との間の移動。駅まで行くとき、あるいは駅から目的地に行くときが問題なのです。駅のすぐそばにあるとは限らず、バスも便利とは限らず、タクシーだと高くつきます。

 そこでWILLERは、「mobi」という新サービスを始めることにしました。専用のアプリで配車を依頼すると、10分以内に乗り合いタクシーやバスがやって来て、約2キロ以内の短距離移動なら何回でも一定額でできます。月額5000円程度で、5月ごろから東京都豊島区、渋谷区、京丹後市でサービスを始める予定です。地方でも参加者が200世帯あれば、乗り合いタクシー2台でサービスを行うことができるようです。

 この「mobi」というサービスですが、実際に行うのは地元の鉄道会社、バス会社、タクシー会社で、ウイラーそのものはシステムの開発や運用、データ分析に専念します。地域の会社に実際の運営を任せるのは、地元の問題点は地元の会社がよく知っているからと考えているからです。

(追記)
 12月6日から、名古屋市千種エリアでも「mobi」のサービスを始めました。おおよそ、千種駅、今池駅、吹上駅、鶴舞駅を結ぶエリアです。
(参考:日経ビジネスホームページ https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00258/031200003/?n_cid=nbpnb_mled_mre#、WILLERホームページ https://travel.willer.co.jp/maas/mobi/nagoya/)

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5月4日の臨時列車は社長自らが運転

 銚子電鉄は5月1日から4日までの4日間、午後に臨時列車4往復を走らせます。新型コロナウイルス感染予防のためで、この時間帯は1時間に2本走ることになります。また5月2日から4日までの3日間は10時から17時に限り、犬吠駅前近くに臨時駐車場を開設します。ここまで車で来て、銚子電鉄に乗るという使いかたができます。

 なお、5月4日は社長の竹本氏が自ら列車の運転を行います。竹本氏の本職は税理士(税理士になるにはかなりの勉強量がいる試験に合格することが必要です)なのですが、2016年に鉄道の免許を取得されていたようです。
(参考:銚子電鉄ホームページ https://www.choshi-dentetsu.jp/news/2296/、三田評論ONLINE https://www.mita-hyoron.keio.ac.jp/spotlight/201902-1.html)

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「ユーロスター」がコロナで経営危機

 ドーバー海峡をくぐって、イギリスとヨーロッパ大陸を結ぶ「ユーロスター」。新型コロナウイルスの感染が広がる前は、1日当たり片道約50本の列車が走っていました。ロンドンとパリの間は早朝から夕方まで毎時1本程度走っていました。

 しかし新型コロナウイルスの影響で他国との移動が厳しく制限され、「ユーロスター」の本数は激減しています。ロンドン-パリ間とロンドン-アムステルダム間を1往復ずつするだけで、乗車率もかつての80%から1%に激減しています。当然ながら運営会社のユーロスター社の経営は悪化。日本とは違って、鉄道会社に政府からの支援があるヨーロッパですが、ユーロスター社にはそのような支援がなく、破綻の危機に陥っています。なぜでしょうか?

 その理由はユーロスター社がどこの国の会社か、ということ。法的にはイギリスの会社ですが、資本面から言うと、フランスの会社なのです。もともとは、イギリス運輸省が出資するイギリスの鉄道会社も株を持っていましたが、2014年に売却され、イギリス政府やイギリスの鉄道会社は全く株を持たなくなったのです。ですから、イギリスはユーロスター社を支援しないのです。ところが株を持っているフランスの立場から言えば、法的にはイギリスの会社、ですからフランスもユーロスター社を支援しないのです。

 このままでは、資金繰りがつかないことから夏にも経営破綻すると言われています。どこが支援するのでしょうか、あるいは支援せずに破綻に向かうのでしょうか? 環境面からも鉄道がこの効果を発揮することができる区間だけに、破綻することだけは避けたいところです。
(参考:東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/417127)

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最大3週間東海道新幹線乗り放題&ホテル泊まり放題、「エクスプレス予約」で1年前の予約が可能に

 ジェイアール東海ツアーズから、東海道新幹線は乗り放題、指定されたホテルが泊まり放題という商品が出ました。

 商品の名前は「東海道新幹線乗り放題&お好きなホテルと組み合わせてMYワーケーション」、東海道新幹線はグリーン席プランがグリーン車、指定席プランが普通車指定席乗り放題で、ホテルは4グループ(JR東海ホテルズ、東急ホテルズ、プリンスホテルズ&リゾーツ、都ホテルズ&リゾーツ)から1つを選び、そのグループの指定されたホテルが泊まり放題です。いずれも東京から大阪の間にあるホテルが対象で、一番多い東急ホテルズの場合、21か所あります。

 設定期間は5月6日から7月20日までで、6泊7日プラン、13泊14日プラン、20泊21日プランのうちの3つから選びます。そして値段は期間、泊まるホテル、乗る車両(グリーン車か普通車か)、人数(1人1室、2人1室)によって決まり、6泊7日、東急ホテルズ、普通車プラン、1人1室の場合、95000円となります。この間、何回新幹線に乗っても、何回泊まっても良いのです。申込の締切は出発7日前までです。

 話は変わりまして、「EXサービス」(「エクスプレス予約」及び「スマートEX」)ですが、2023年夏にサービスの拡大を行います。新幹線と一緒に沿線のホテルなどの予約ができたり、旅行先での観光プランを組み合わせたりすることができます。また、現在1か月と1週間前からしか予約を受け付けてはいませんが、1年前からできるようになります。もっとも、ダイヤが決まるのは1か月前なので、乗車する列車が決まるのはこれまで通り1か月前ということになります。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000041049.pdf、https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000041051.pdf)

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「トワイライトエクスプレス」塗装のEF65が「やまぐち号」の35系を引っ張る

 1901年5月27日、山陽線厚狭-下関間が開業しました。つまり、まもなくこの区間は開業して120年を迎えることになります。

 その開業120周年を記念してJR西日本はイベント等を開催します。そのひとつが「山陽本線(厚狭~下関間)開業120周年記念列車」。5月30日に柳井-下関間を往復運転します。下関10:38発柳井12:55着、柳井14:45発下関17:05着ですが、何と車両は電気機関車が「トワイライトエクスプレス」塗装のEF65、そして客車が「やまぐち号」で使われている35系です。SL以上に貴重な電気機関車との組み合わせなのです。

 この列車は日本旅行の旅行商品というかたちで販売されます。4月28日から発売されていますので、乗りたいならば早めに申し込まないといけないでしょう。

(追記)
 5月30日に運行される予定だった「山陽本線(厚狭~下関間)開業120周年記念列車」でしたが、新型コロナウイルスの影響で運行が中止になりました。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210427_04_atsusa120th.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210517_00_sanyou.pdf)

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