2060年度の新函館北斗-長万部間の輸送密度、81人
北海道新幹線が開業すると、並行在来線の函館線函館-小樽間はJRから分離されます。現在でもローカル線の長万部-小樽間はともかく、函館-長万部間は特急が消えても貨物列車は残ります。しかし、この区間が安泰かと言えばそうではありません。貨物専用の鉄道になることも十分考えられるのです。
それはなぜでしょうか? 2018年度の旅客流動調査を基に、普通列車だけの需要予測をやってみると、ものすごい数字が出てくるのです。函館-長万部間の2018年度の輸送密度(普通列車に限ります)は、685人。新函館北斗で区切ると、函館-新函館北斗間が4261人、新函館北斗-長万部間は191人です。新幹線が開業すると、これまで特急「北斗」に乗っていた人は新幹線に移ります。しかし、新幹線で函館に来た人は、「はこだてライナー」に乗って函館の中心部に向かいます。つまり、函館-新函館北斗間の普通列車の利用者が増えると考えられます。また、新函館北斗以北でも、大沼公園や森ぐらいなら普通列車に乗る人も多少はいるでしょう。若干ですが、新函館北斗以北の普通列車の利用者も増えるようです。結局、北海道新幹線が全線開業する2030年度の輸送密度は、函館-長万部間が850人、函館-新函館北斗間が5592人、新函館北斗-長万部間が195人となります。その後は減少し、2060年度には函館-長万部間が431人、函館-新函館北斗間が2963人、新函館北斗-長万部間が81人となります。函館-新函館北斗間を除いては、いくら赤字覚悟の第三セクターでも経営できません。
なお、赤字を減らそうと思ったら、函館-新函館北斗間もバス転換したほうが赤字額は小さくなります。しかし、この区間をバスにするのは逆に厳しいです。というのも、この区間は函館への需要があり、朝7~8時台は700人ほどの利用者がいます。バスで置き換えるわけにはいかないのです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/hokkaido-heikozairaisen20210426/)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- 名古屋市営地下鉄東山線、9月に減便のダイヤ改正(2022.07.05)
「JR北海道」カテゴリの記事
- 抜海、2023年に廃止か?(2022.06.10)
- H100形が観光列車に(2022.06.18)
- JR北海道、キハ183系の運転席のすぐ右後ろの席を指定席に(2022.05.31)
- 鉄道を廃止して、どうやって駅を残すのか?(2022.06.15)
- 「HOKKAIDO LOVE! ひとめぐり号」、2022年は稚内や根室にも(2022.06.05)
「北海道・東北私鉄」カテゴリの記事
- IGRいわて銀河鉄道&青い森鉄道、20周年で盛岡-青森間に直通快速(2022.06.27)
- 三陸鉄道、夕方に増発の実証実験(2022.05.22)
- 福島交通、第4種踏切を原則廃止(2022.05.03)
- 阿武隈急行も地震で代行バス(2022.04.21)
- 貨物列車の重さは旅客列車の88倍(2022.03.08)
Comments