新金貨物線の旅客化、先行開業も?
新小岩と金町とを結ぶ新金貨物線というものがあります。この貨物線に旅客列車を走らせるという構想があります。途中、東新小岩、奥戸、細田、高砂、新宿<にいじゅく>の5駅ができます(駅名は全て仮称、途中駅の数は7~10という話もあります)。ピーク時には10分間隔で走り、新小岩と金町との間を約20分で結びます。
ここでネックになるのは、新宿付近の国道6号線との交差。平面交差なので踏切があります。今の貨物線なら列車は少なく、問題はなかったのですが、旅客化に伴い列車が増えると、そこで渋滞が発生する危険性が出てきます。国交省によれば立体交差にする必要はなく、踏切で一時停止しなくても良いように、信号と遮断機を併用して対応するようです。ただ、鉄道に関する技術基準との整合性、道路信号と鉄道信号との情報の連携方法、旅客列車と貨物列車の識別についての問題があり、これからも検討を続けるようです。国道6号線の問題を避けるため、新小岩-新宿間のみを先行開業させるという案もあります。暫定的な終端駅となる新宿については島式ホームとし、貨物用の待避線も備えます。中ほどにある高砂は、京成高砂から500メートルほどのところにできます。乗り換え用の通路として、京成の立体交差に合わせて整備される側道を活用します。
この貨物線の施設は、貨物線と言いながら旅客鉄道のJR東日本が所有しています。今後、誰が運行主体になるか、設備は誰が保有するかなどの具体的な事業スキームの検討等を本格化させる予定です。
なお、今回の調査では、貨物線を改良する以外で旅客化ができないかも検討しています。モノレールや新交通システムを貨物線の上に敷くのです。ただこの場合、1キロ当たりの建設費は80~100億円にもなります。ただし、貨物線の上には門型鉄塔の高圧線があるため、その問題を解決する必要があります。
(参考:建設通信新聞ホームページ https://www.kensetsunews.com/archives/552937、「鉄道ファン」2022年3月号 交友社)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- JR北海道のキハ40、2025年3月に引退か?(2023.11.26)
- 阪神、オリックス優勝パレードでノンストップ列車(2023.11.23)
「JR東日本」カテゴリの記事
- 宇都宮のLRTと茨城の私鉄に乗る(3)(2023.11.29)
- 宇都宮のLRTと茨城の私鉄に乗る(2)(2023.11.28)
- 宇都宮のLRTと茨城の私鉄に乗る(1)(2023.11.27)
「JR貨物」カテゴリの記事
- 休日運休の貨物列車で米を運ぶ(2023.09.15)
- 函館線函館-長万部間、新幹線開業後も鉄路維持へ(2023.07.20)
- 国交相、並行在来線の函館線を基幹鉄道区間として認識(2023.05.05)
- 貨物新幹線での貨物の積み替え方法(2023.05.06)
- JR貨物が貨物船を所有(2023.05.04)
「首都圏私鉄」カテゴリの記事
- 宇都宮のLRTと茨城の私鉄に乗る(1)(2023.11.27)
- 宇都宮のLRTと茨城の私鉄に乗る(0)(2023.11.26)
- 京成、新京成を合併へ(2023.11.01)
- 流鉄、7月1日に減便していた(2023.09.03)
- 上野動物園のモノレール、廃止へ(2023.07.22)
「路面電車」カテゴリの記事
- 宇都宮のLRTと茨城の私鉄に乗る(2)(2023.11.28)
- 宇都宮のLRTと茨城の私鉄に乗る(0)(2023.11.26)
- ライトラインに一日乗車券(2023.10.29)
Comments