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July 2021

60年前のパターンダイヤ

 2021年3月のダイヤ改正で、JR四国は徳島線の一部区間でパターンダイヤを導入しました。阿波川島まではほぼ30分間隔、穴吹まではほぼ60分間隔です。このほか徳島地区では、牟岐線徳島-阿南間で2019年3月からパターンダイヤを導入しています。このようなパターンダイヤは、昔から大都市圏の国鉄や私鉄などで採用されてきました。時刻表を見なくても列車の発車時間がわかるので、利用しやすいです。ところでこのパターンダイヤ、徳島で約60年前に採用していた時期がありました。どういうことでしょうか?

 当時の国鉄は、SLが中心。しかしSLは、煙を出します。そこでSLをディーゼルカーに置き換える無煙化計画が出てきて、四国にディーゼルカーが導入されました。そのときの幹部が、コストをかけずに無煙化を行うため、SLを朝夕のみとし、昼間はディーゼルカー1両にして増発させました。ダイヤが不均等だと特定の列車に混雑が集中するので、等間隔となるパターンダイヤにしたのです。幸い、当時の徳島地区で優等列車は高徳線の準急1往復だけだったので、パターンダイヤが組みやすかったのです。30~60分間隔のパターンダイヤとなり、国鉄はPRのため、路線図の入ったカードをつくりました。このようやパターンダイヤは、土讃線土佐山田-須崎間、予讃線松山-伊予市間、高徳線でも行われました。

 パターンダイヤのダイヤにより乗客は増えましたが、そのために1両では運びきることが難しくなりました。2~3両に増結すると、車両が足らなくなり、一部列車を運休しないといけないようになりました。そうこうしているうちに道路事情が改善し、舗装された道路をバスや車が走るようになりました。パターンダイヤは数年で消滅したそうです。

 ここ近年でパターンダイヤを導入した区間は、それなりに利用者がいる区間です。そういうところにはサービスの状況を図り、使われる鉄道を目指さないといけません。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASP796WYPP6BPTLC02D.html)

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無料の高速道路をなくす方針

 基本的には高速道路は同じ区間ならば、いつ利用しても同じ料金です。しかし、その原則が変わる方針です。国交省が混雑時に値上げをする新料金制度「ロードプライシング」を本格的に導入する予定です。これが導入されれば、混雑が予想される道路や時間帯で料金が高くなります。ゴールデンウィークやお盆などの繁忙期には休日割引がなくなります。深夜割引は適用となる時間帯が増えるようですが、深夜に走行した分だけが割引となります。逆に空いている時間では、料金を安くするケースもつくります。すでに現在、首都高速では、東京オリンピック・パラリンピック開催期間限定で、このような「ロードプライシング」が行われています。日中から夜間にかけては乗用車の場合1000円高くなり、深夜から未明にかけては半額になります。

 「ロードプライシング」の本格導入が考えられているのは、大都市圏の渋滞する区間。具体的な区間や時間帯、金額は今後の検討課題のようですが、中央道の小仏トンネルや東京湾アクアラインなどで2022年以降の休日に試行を行います。値上げする区間、時間帯、金額があらかじめわかるようにしておくことや「ロードプライシング」で増収になった部分は混雑する区間の渋滞解消対策に充てることが求められるでしょう。

 そして、高速道路は基本的に有料ですが、2065年までに無料とする方針です。元々は2050年までだったのですが、老朽化に伴う費用が必要だとして、2014年に15年間延長されました。この方針が変わります。いずれ無料化することには変わりありませんが、その時期は決めないことにします。事実上の永久有料化ということでしょうが、高速道路の維持にはお金がかかりますので、そのコストを利用者に負担させるのはおかしい話ではありません。高速道路とは別に一般道がありますから、急ぐなら追加料金を払うことはある意味理にかなっています。地方にある無料の高速道路については、原則有料に切り替えていきます。これは大賛成です。需要のある区間は利用者の払った料金でつくられますが、そうでない区間が税金でつくられ、無料となっているのですが、そういうところは本来つくるべきではなかったのです。国道で十分だったのです。地方の自治体が自らの負担でつくるのまでは否定しませんが、少なくとも国のお金を投じるところではなかったのです。これからは維持費をどうやって賄うかが重要で、無駄な高速道路をつくる誘因は潰しておかないといけません。
(参考:朝日新聞7月27日朝刊 中部14版)

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JR西日本、10月2日に大幅減便のダイヤ改正

 JR西日本が10月に大幅な減便を行うことは以前にも記事にしましたが、28日、JR西日本から詳細が発表されました。ダイヤの改正日は10月2日、近畿エリアで60本、その他の西日本エリアで67本減便されます。それでは、各路線ごとに見ていきましょう。

(1)近畿エリア
 琵琶湖線の長浜-米原間では10~15時台において、1時間に2本ある新快速を1本にします。10本減ります。JR京都線の京都-高槻間では休日の10~13、15時台において、1時間に8本ある普通を4本にします。休日に限り16本減ります。JR神戸線の須磨-西明石間では休日の10~11時台において、1時間に8本ある普通を4本にします。休日に限り8本減ります。山陽線の姫路-上郡間では10~15時台において、1時間に2本ある新快速、普通を1本にします(姫路-網干間は4本から3本に減ります)。10本減ります。赤穂線の相生-播州赤穂間では10~14時台において、1時間に2本ある新快速、普通を1本にします。8本減ります。大和路線の奈良-加茂間では11~15時台において、1時間に2本ある「大和路快速」を1本にします(奈良-木津間は6本から5本に減ります)。8本減ります。

(2)北陸エリア
 小浜線の敦賀-小浜間では平日30本、休日28本の列車が走っていますが、改正後は24本に減ります。小浜-東舞鶴間は26本から24本に減ります。また、1往復の列車は保守工事等で運休することがあります。越美北線の福井-越前大野間は18本から15本に減ります。越美北線の九頭竜湖方面への始発は9:08。越美北線も1往復が保守工事等により運休することがあります。福井9:08発もそれに該当し、そのときは始発が午後の12:50になります。越前大野-九頭竜湖間は9本のままで変わりません。このほか、城端線では全列車がワンマン列車になります。

(3)和歌山・南紀・北近畿エリア
 紀勢線の紀伊田辺-周参見間、紀伊勝浦-新宮間では、休日に朝夕時間帯の一部列車の運転を取りやめます。紀伊田辺-周参見間では2本、紀伊勝浦-新宮間は4本減ります。和歌山線の粉河-和歌山間では昼間時間帯において、1時間に2本ある普通を1本にします。8本減ります。

 北近畿エリアでは山陰線園部-胡麻間で休日のみ4本の運転を取りやめます。豊岡-城崎温泉間も休日の朝に1本減ります。浜坂-鳥取間では最終の繰り上げが行われます。

(4)中国エリア
 山陽線、瀬戸大橋線、津山線、吉備線、福塩線、因美線で一部列車の運転を取りやめます。一部区間では最終列車の繰り上げも行われます。

 山陰では、山陰線を中心に、一部列車の運転を取りやめます。最終列車の繰り上げも行われ、1時間以上繰り上がるところもあります。一部の快速の停車駅が増え、各駅停車化されます。

 芸備線では、三次19:32発備後落合行きが備後庄原行きになります。備後落合への最終は89分繰り上がります。山陽線では、岩国-小月間において、毎週月曜日、合計3本の列車の運転を取りやめ、設備点検や保守工事を行います。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2021/07/page_18200.html)

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「B.B.BASE」、一部座席を「みどりの窓口」で発売

 房総方面へ走る「B.B.BASE」。自転車を解体せずに積むことができるのが特徴です。これまで旅行商品として発売され、駅で購入することができませんでした。

 ところが9月1日から、1号車と2号車について、指定席として発売することにしました(3、5、6号車はこれまで通り旅行商品として発売します。4号車はフリースペースです)。乗車券と指定席券(大人840円、通年同額)があれば、「B.B.BASE」に乗ることができるのです。「みどりの窓口」等で切符を買うことができるのです。

 なお、1号車、2号車に乗る場合は、自転車をそのまま持ち込むことができません。折りたたむか、解体して専用の袋に収納する必要があります。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/chiba/20210727_c01.pdf)

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JR東日本、秋田県との間に秋田新幹線新仙岩トンネル整備計画の推進に関する覚書を締結

 秋田新幹線の盛岡-秋田間は、在来線を改軌してつくった区間です。レールの幅は1435ミリですが、単にレールの幅を広げただけなので、場所によっては厳しいところもあります。

 岩手と秋田の県境は、その厳しいところです。ここを解消するため、JR東日本は、秋田県との間に新仙岩トンネル整備計画の推進に関する覚書を締結しました。

 この覚書はどういうものでしょうか? 岩手、秋田両県の県境にある赤渕-田沢湖間に約15キロの長さのトンネルを掘ります。途中にはすれ違いができる信号所を設けます。工期は着工から約11年、事業費は約700億円を見込んでいます。このうちJR東日本が6割を負担し、残りの4割は国や地方自治体で負担します。トンネル内は時速160キロ走行ができるため、所要時間は約7分短縮すると見込まれ、社会的損失の回避・低減、運休・遅延による損失回避、安定運行による鉄道の信頼性向上が見込まれます。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/20210726_ho01.pdf、秋田魁新報ホームページ https://www.sakigake.jp/news/article/20210727AK0002/、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/shinsengan/)

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新幹線等の建設に私鉄の技術者も協力

 北陸新幹線金沢-敦賀間の開業は、予定より1年遅れることになりました。敦賀駅の建設が遅れたことや石川県と福井県にまたがる加賀トンネルで追加工事が出たことなどが原因です。国交省は建設主体の鉄道施設・運輸施設整備支援機構に業務改善命令を出しました。

 その鉄道建設・運輸施設整備支援機構ですが、業務の見直しを行ったところ、技術者が足らないことが判明しました。採用を減らしたこともあって、新幹線の延伸工事を行うのに必要な人材を確保できないのが現状のようです。

 そこで鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、従来から出向者のいたJRに加えて、私鉄からも出向の要請を行いました。それに応えたのは、近鉄、東京メトロ、京王、京阪、東急、相鉄、名鉄の7社。7社で合計28人(うち、近鉄が12人、東京メトロが9人です)が10月までに出向することになりました。残る私鉄との話し合いも行われていて、人数はさらに増える見込みです。

 出向した人は何をするのでしょうか? 出向期間は2~3年のようで、その間、北陸新幹線金沢-敦賀間、北海道新幹線新函館北斗-札幌間、相鉄と東急が乗り入れる神奈川東部方面線の3つの事業で作業をするようです。東急や相鉄の人は縁のある神奈川東部方面線で作業をするのでしょうか? 出向者は、トンネル掘削やレール敷設、駅舎や通信施設の整備などの分野で、設計、発注、現場監督を行います。

 これによって鉄道建設・運輸施設整備支援機構は新幹線の工事を当初の予定通りのスケジュールで行うことができます。出向元の私鉄の立場に立てば、高度の技術が必要な新幹線の建設を行うことによって、技術力の向上につながると考えられています。人件費の抑制にもつながります。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210720-OYT1T50118/)

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YouTuberとのコラボで水間鉄道、無料

 17日のことですが、水間鉄道は鉄道系YouTuberの西園寺氏とコラボして、「西園寺鉄道」を走らせました。

 「西園寺鉄道」のイベントが行われたのは17日の10時から17時までですが、この間、水間鉄道の運賃が無料となりました(バスは対象外でした)。また、臨時列車として、ノンストップの「特急西園寺」、「特急水間」が2本ずつ走りました。水間観音発貝塚行きの「特急西園寺」は、西園寺氏が車掌を務めます。出発前に配られる整理券が必要になります。整理券はグッズを購入した人がもらえます。貝塚発水間観音行きの「特急水間」は、西園寺氏の乗務はありませんが、「特急水間」限定の自動放送が流れます。「特急水間」は先着順で乗車できますが、人数が多くなると乗車人数を制限されることがあります。当日は水間観音隣接の車両基地も無料開放されます。運転台の見学やドアの開閉体験、車内放送体験ができます。普段車庫に留置している元東急7000系の撮影もできます。
(参考:水間鉄道ホームページ https://www.suitetsu.com/event/2021.0628saionzitetudou.pdf)

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えちごトキめき鉄道、「直江津D51レールパーク」へは回送電車でGo!

 D51(客車の代わりに車掌車を2両つないでいます。そこに客は乗ります)に乗ることができる「直江津D51レールパーク」。直江津駅から少し歩いて行ったところにあります。

 ところが7月31日から、直江津駅ホームから回送電車に乗って、「直江津D51レールパーク」に行くことができます。「直江津D51レールパーク」の入場券があれば追加料金はかからないのですが、どうすれば良いでしょうか?

 まず、直江津駅6番線ホームで受付を行います。9:15から9:30の間です。インターネットもしくは直江津駅で買った「直江津D51レールパーク」の入場券を持っておく必要があります。回送電車は直江津駅を9:35に出て、「直江津D51レールパーク」に10:00ごろに着きます。途中、電車を洗車しますが、それを車内から見ることができます。なお、10:05から始まる「直江津D51レールパーク」のSLの乗車体験には乗車することができません。乗車したい人は11:20からの2回目になります。
(参考:えちごトキめき鉄道ホームページ https://www.echigo-tokimeki.co.jp/information/detail?id=1384、「鉄道ジャーナル」2021年7月号 鉄道ジャーナル社

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肥薩おれんじ鉄道に格安の一日乗車券

 肥薩おれんじ鉄道は新型コロナウイルスのほか、2020年7月の豪雨でも大きな被害を受けました。その肥薩おれんじ鉄道ですが、2021年7月17日から12月31日までの間、1日全線乗り放題の「期間限定1dayのれる切符」を発売しています。

 「期間限定1dayのれる切符」の有効期間も7月17日から12月31日までの間。1か月前から主要駅や車内で発売しています。値段は大人1500円、子供や65歳以上の人は750円です。65歳以上の人は運転免許証など年齢を証明できるものを呈示する必要があります。

 それにしてもこの「期間限定1dayのれる切符」、お得です。八代-川内間の運賃が2670円なので、全線通しで乗れば完全に元が取れます。往復なら、さらに短くとも元が取れます。

(追記)
 「期間限定1dayのれる切符」ですが、2022年3月31日まで延長されました。
(参考:肥薩おれんじ鉄道ホームページ https://www.hs-orange.com/page681.html、南日本新聞ホームページ https://nordot.app/844020371369213952)

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JR東日本、2020年度の輸送密度を公表

 JR東日本は2020年度の輸送密度を公表しました。

 2020年度は新型コロナウイルスの影響でどこの路線も減っていますが、2020年度の特徴としては、区間の分けかたが以前より細かくなっていることが挙げられます。細かくなっていることにより、今まで以上に極端に利用が少ない区間が浮き彫りになるのです。

 さすがに2020年度は新型コロナウイルスの影響で輸送密度が下がっていますから、新型コロナウイルスの影響がない2019年度の数字で見ていきましょう(特に注記がない限り輸送密度は2019年度の数字です)。この中で利用者が少ない区間を挙げていくと、水郡線常陸大子-磐城塙間が152人、磐越西線野沢-津川間が124人、久留里線久留里-上総亀山間が85人、陸羽東線鳴子温泉-最上間が79人、飯山線戸狩野沢温泉-津南間が106人、津軽線中小国-三厩間が107人、花輪線荒屋新町-鹿角花輪間が78人、米坂線小国-坂町間が169人、只見線会津坂下-会津川口間が179人、会津川口-只見間が27人、只見-小出間が101人、北上線ほっとゆだ-横手間が132人、山田線上米内-宮古間が154人です。東北、上越新幹線開業前なら県庁所在地等から急行が走っていた区間でも、ここまで落ち込んでいます。全体としてはそれなりに利用者が多い路線でも、区間を絞れば少ないところもあり、外房線勝浦-安房鴨川間が1543人、内房線館山-安房鴨川間が1596人、左沢線寒河江-左沢間が875人、奥羽線新庄-湯沢間が416人、大糸線白馬-南小谷間が215人しか乗っていません。ちなみに福島第一原発の事故で大きな被害を受け、2020年3月に復旧した常磐線いわき-原ノ町間の輸送密度(2020年度)は、1286人でした。

 今までならバスで十分なローカル線でも、首都圏や新幹線の利益をつぎ込むことで維持することができました。しかし、新型コロナウイルスの影響でドル箱のこれらの路線の利用者が大きく減り、社会的にも必要とされないレベルのローカル線を維持する余裕が消えました。ローカル線沿線自治体は、これら話にならないローカル線の運営をJRに押しつけるのではなく、自ら負担することを考えたり、バスなどの維持費の安い交通機関に切り替えるなどの対策を考えないといけません。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/rosen_avr/、https://www.jreast.co.jp/rosen_avr/pdf/2016-2020.pdf、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/jre-yusomitsudo2020/)

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国交相、JR西日本に対して芸備線の廃止に慎重な判断を求める

 赤羽国交相は17日、大雨によって被災した三原市を訪れ、記者団の取材に答えました。その取材の中で赤羽国交相は、芸備線について安易な廃線をしないことをJR西日本に求めました。芸備線が地域住民の生活の足となっていることに加えて、地方創生の効果で将来的に利用者数が増える可能性があるというのです。

 このblogの読者なら赤羽国交相の発言はピンボケであることがわかります。問題となっている区間はあまりにも利用者が少ないのです。2桁の輸送密度ではとても地域住民の生活の足と言えないですし、すでに並行して走る高速道路が輸送の主役で、バスでも十分すぎるほどです。地元自治体はJR西日本に鉄道の維持を求めるのではなく、自らの負担で使いやすいコミュニティバスをつくることを考えないといけません。

 なお、赤羽国交相は全国の赤字路線について、「鉄道会社に全て任せて良いのか」(この部分は参考にした新聞記事からの引用)とも述べています。ただ、これも限界があります。芸備線で言えば、三次-狩留家間あたりが対象となる話です。この区間の2019年度の輸送密度は713人ですが、豪雨の前の2017年度は1410人いました。豪雨による運休が解消したのは2019年10月のことで、2019年度の数字には豪雨の影響が現れています。ですからもう少し数字は良くなるでしょうが、三次からは広島方面に高速バスが頻発しています。芸備線も高速化を行い、227系みたいな転換クロスの車両が走るようにならないと、「狩留家以遠は廃止になっても仕方がない」と判断されてしまうようになるかもしれません。山間部の話にならない区間はあきらめ、こういう亜幹線クラスに手を入れておかないといずれ危なくなることでしょう。

(追記)
 湯崎広島県知事は、地方ローカル線の廃線手続きの見直しを求めています。もっと国や地方の関与を強めることを求めています。

 これは全く見当外れです。芸備線東部みたいに極端に需要が少ない路線や並行して無料の高速道路が走っている区間については、むしろ地元への説明なしに廃線しても差し支えはないでしょう。嫌なら地方自治体がお金を出して第三セクターにすればいいのです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASP7K729DP7KPITB00N.html、JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/pdf/data2018_08.pdf、https://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/pdf/data2020_08.pdf、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/185128acbbe7ad6f728d5e5c6ac6cdba729ede1c)

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限定デザインの「西武線1日フリーきっぷ」を発売

 基本的に全線フリー切符の類がない西武(デジタル版やホテルのランチとセットにしたものはこの春に発売されていましたが)。しかしこの夏、多摩川線を除く西武線が1日乗り放題のフリー切符が発売されています。7月21日から9月12日まで、池袋、西武新宿、所沢、西武秩父の各駅で発売されています(有効期間も同じく7月21日から9月12日のうちの1日です)。値段は大人1500円です。子供の設定はありません。

 ところでこの「西武線1日フリーきっぷ」、西武線沿線の2作品とコラボした、限定デザインのフリー切符となっています。2作品とは、所沢が舞台の映画「妖怪大戦争 ガーディアンズ」、秩父が舞台のアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」です。「妖怪大戦争~」は映画の公開、「あの花~」は放送開始10周年を記念しています。切符は9000枚限定で、「妖怪大戦争~」は2種類の券面デザインが1500枚ずつ、「あの花~」は2種類の券面デザインが3000枚ずつ発売されます。発売する駅によって買うことのできる券面デザインは決まっていますが、4駅とも「妖怪大戦争~」、「あの花~」の両方を買うことができます。なお、1回の購入で買うことができるのは5枚までです。

 西武ではこの夏、埼玉県横瀬町と共同でキャンペーンも行っています。7月31日から8月31日の間、一部特急が芦ヶ久保に臨時停車するとともに、池袋や所沢から芦ヶ久保、横瀬、西武秩父着の特急を利用する子供限定で、「往復小児特急料金 実質無料キャンペーン」を行っています。

(追記)
 東急の各駅からは、西武線全線乗り放題の「東急線西武線まるごときっぷ」というものが発売されています。出発駅により値段は異なり、横浜からは1850円です。
(参考:西武ホームページ https://www.seiburailway.jp/news/news-release/2021/20210712_1dayfree.pdf、東急ホームページ 東急ホームページ https://www.tokyu.co.jp/railway/ticket/types/value_ticket/marugoto_ticket.html)

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金券ショップの業界団体、鉄道会社や国交省などに回数券の販売継続を求める

 回数券は通常の切符よりも1枚当たりの値段は安いのですが、決められた有効期間では使い切れません。こういうときに役に立つのが金券ショップ。回数券をばら売りしていて、安く乗ることができます。

 ところが回数券は縮小傾向です。単純に回数券を廃止するだけのところやICカードやインターネットを使った独自の割引を展開するところがありますが、これで困っているのが金券ショップ。主力商品の回数券の発売が終了し、新型コロナウイルスの影響もあって、売上が大幅に減っています。406店が加盟している日本チケット商協同組合によれば、2020年度に閉店した店舗の数は44,前年度の2倍になりました。古川駅前で唯一の金券ショップも、東北新幹線や仙台-古川間の高速バスで回数券の取り扱いを終了したため、7月30日で閉店します。業界自体がピンチということで、日本チケット商協同組合はこの2021年春、JR東海や国交省などに対して、回数券の販売継続を求める嘆願書を出しました。回数券の廃止は高齢者や情報弱者にとっての配慮が足らないというのです。

 ただ、回数券を金券ショップでばら売りするのは本来の使いかたではありません。本来、回数券というものは、ある程度使う人に対する優遇策なのです。金券ショップのために存続させる必要はありません。金券ショップの業界は、回数券がなくなったら、ほかの儲かる商売を考えないといけないのです。鉄道会社やバス会社の立場から言えば、紙の切符や回数券をなくせば、印刷費や管理費を減らすことができます。ICカード等の普及で、紙の切符を縮小させることができるようになったのです。なお、小田急の新しい回数券は、表紙を持っておかないといけません。こういうタイプなら残念ながら金券ショップの利益に結びつきません。日本チケット商協同組合の指摘で理解できるのは、ICカードのポイント還元が渋いことぐらいです。

 JR東海はこの日本チケット商協同組合の嘆願書に対して、「便利な『エクスプレス予約』を御利用ください」というだけで終わりでしょう。気になるのは、国交省。弱者のためなら、どんなことでもしようとします。多くの人が不便を被ってもです。その行動原理から考えると、弱者のためだけに回数券の存続を強制させることも考えられます。そもそも、情報を手に入れるのも努力が必要なので、それができない人は高い正規の切符を買うことになっても仕方がないのです。現に航空機はそういう体系になっています。それを新幹線でも採り入れるのがむしろ自然なのです。
(参考:河北新報ホームページ https://nordot.app/788511233139539968)

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「ドリームスリーパー」、貸切バスに

 新型コロナウイルスの影響で運休している夜行バスも多いですが、それまでは東京-大阪間に多くの夜行バスが走っていました。高級なものから安いものまでいろいろなものがありましたが、その中で高級なのは両備グループホールディングスと関東バスが共同運行している、「ドリームスリーパー東京大阪号」。片道2万円もしますが、たった11席しかなく、その11席は床から天井部までパーティションで区切られています。

 ところがこの「ドリームスリーパー東京大阪号」に使われていたバスのうち1台が、ニッコー観光バス(本社:東京都品川区)に売却されていました。名前を「グレースドリーマー」に変え、側面のロゴも「ドリームスリーパー」時代とよく似たデザインになっています。どうやら夜行ではなく昼行の観光バスとして使われるようです(今のところ催行されたツアーはないようです)。

 実はニッコー観光バスは両備グループの貸切バス会社。グループ間だったので、移籍がスムーズに進んだようです。先ほども述べましたがニッコー観光バスでは昼行として使うため、いくつかの改造が施されています。個室全てにディスプレイが装備され、反対側の車窓と前面のカメラ映像が映し出されます。個室だと反対側が見えないからです。このことにより、各個室でDVDやテレビも見ることができるようになりました。

 ところで「ドリームスリーパー東京大阪号」はどうなるのでしょうか? 「ドリームスリーパー東京大阪号」用の車両は、関東バスが1台、両備グループが1台持っていて、さらに予備車として両備グループがもう1台持っています。今回ニッコー観光バスに移籍したのは、予備車の1台です。そして肝心の「ドリームスリーパー東京大阪号」は運休を続けていて、当初は7月20日から運行を再開する予定でしたが、再び東京都に緊急事態宣言が出されたため、取りやめとなりました。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/108914)

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東武、スカイツリー展望台入場券つき2日間フリー切符を3000円で発売

 東武は7月15日から9月29日までの期間限定で、スカイツリー展望台入場券つき2日間フリー切符、「東京スカイツリー天望回廊付き東武本線乗り放題デジタルきっぷ」を発売しています。

 このフリー切符は、東上線、越生線を除く東武全線の2日間フリー切符と、東京スカイツリーの天望デッキ及び天望回廊入場券がセットになっています。東武グループ観光施設での特典もついています。東京スカイツリー展望台入場料金は3400円(休日、大人)ですが、このフリー切符は東武全線の2日間フリー切符もついていながら大人3000円です。安いです。また、中高生は2700円、小学生以下は1700円となっています。有効期間は7月16日から9月30日までの期間内で、東京スカイツリー入場日から2日間です。利用日前日までに購入が必要で、東京スカイツリーの入場日時は購入時に決めておく必要があります。

 ところで、このフリー切符は駅で売っているわけではありません。インターネット上の特設サイトで購入するのですが、紙の切符ではありません。駅で切符に引き換える必要もありません。携帯の端末が切符になります。携帯のアニメーション画面(スクリーンショットや画面メモ等は不可)を駅改札の係員に見せて改札を通過します。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/20210715114349POpDQvFK0O0nPawYP9Ak2w.pdf)

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定期を使っている人が乗り越せば、ポイントで還元

 会社員や学生は、会社や学校に行くために定期券を買います。毎日切符を買うより、定期券を買ったほうが安いからです。

 ところがテレワークやオンラインでの授業が増えると、定期券を買うよりも回数券ぐらいのほうが安いということもあります(もっとも、東武も9月30日で回数券の発売を終了します。10月以降はポイントサービスが始まります)。そこで東武は定期券利用者に新たなサービスを行うことになりました。「定期区間外おでかけキャンペーン」です。

 それは、東武の通勤、通学用「PASMO定期券」(モバイルを含みます)を持っている人が、「トブポアプリ」で「PASMO定期券」を登録し、7月20日から8月9日までの間にこのキャンペーンに登録し、7月22日から8月31日までの間にその「PASMO定期券」で定期区間外に乗った場合、東武線部分の運賃相当額を3000円分まで「TOBU POINT」で還元します。ポイントの還元は10月末を予定しています。

 この「定期区間外おでかけキャンペーン」は社会実証として行います。東武としては、定期券利用者に、普段はあまり乗ることはない定期区間外の鉄道利用をしてもらうことを狙っています。東武はこのキャンペーンによる利用状況を分析して、定期券を持つことによるメリットを感じてもらうよう、新たな付加価値創造施策を検討するとのことです。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/20210712134706WgW1YbSkmn4FnHuNfUg2cg.pdf、https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/news/20210713155415jzjsfgFRzSYdwhbKIyVceg.pdf、https://www.tobupoint.jp/cp/tobupomile/)

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山手線、10月の週末に52時間運休

 朝から晩まで東京をぐるぐる回る山手線。その山手線ですが、10月の週末に52時間運休します。

 山手線が運休するのは、10月23日(土)と24日(日)(悪天候等により工事ができないときは、11月19日~22日に延期します)。渋谷駅の山手線内回りホームを拡幅するため、山手線内回りの池袋→渋谷→大崎間の全ての列車を運休します。22日の終電後から25日の始発前までの52時間、列車が走らないので、その間に線路の切換工事ができるのです。渋谷駅の線路切換工事は全部で5回に分けて行われますが、今回がその3回目です(前回のは2回目でした)。

 線路切換工事で影響があるのは山手線内回りだけではありません。外回りも大崎→渋谷→池袋間で本数を減らして運転します(日中で約4~7分間隔)。外回りの一部は大崎駅で、内回りは池袋駅で折り返し運転します。内回りの大崎→東京→池袋間は運休しませんが、大幅に本数が減ります(日中で約10分間隔)。京浜東北線は快速運転を中止して、終日各駅停車で運転します。埼京線・りんかい線は新木場-大崎-赤羽間を増発します。相鉄線からの直通列車は池袋まで延長運転され、湘南新宿ラインは通常運転します。また、山手貨物線の線路を使って、1時間に1~2本程度品川-新宿間で臨時列車を走らせます。途中停車駅は恵比寿と渋谷です。

 振替輸送は東京メトロ、都営地下鉄、りんかい線の全線のほか、西武、東急、京急の一部で行われます。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/tokyo/20210719_to01.pdf)

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東京メトロ上場で地下鉄2路線建設か?

 東京には2つの地下鉄があります。東京メトロと都営地下鉄です。

 このうち東京メトロですが、現在、国が53.4%、東京都が46.6%の株式を保有しています。国と東京都で100%の株を保有しています。この東京メトロの株について、半分ずつ売却することを求める交通政策審議会の答申が出ました。そして、有楽町線豊洲-住吉間と南北線白金高輪-品川間の建設が進むことになります。東京メトロが事業主体となります。

 有楽町線豊洲-住吉間は5.2キロ。東陽町のほか、豊洲-東陽町間、東陽町-住吉間に1駅ずつ合わせて3駅ができます。総事業費は1560億円を見込んでいます。白金高輪-品川間は2.5キロで、途中駅はありません。総事業費は800億円を見込んでいます。先ほども述べたように東京メトロが事業主体となりますが、東京メトロの経営に悪い影響を及ぼさないよう、国や東京都による十分な支援を行うことを答申は求めています。

 もともと東京都は東京メトロと都営地下鉄を一元化することを考えていました。国が東京メトロの株を売却したときには東京都が買うことを考えていました。このことが東京メトロの上場のネックになっていましたが、国も東京都も所有する株式の半分を売却することになり、上場が実現することになりました。当面は半分の株を国や東京都が持つことになりますが、有楽町線豊洲-住吉間、南北線白金高輪-品川間が開業したらその分も売却し、完全民営化を果たします。

 ただこのことは、東京メトロと都営地下鉄の一元化を取りやめるということです。今後も東京には2つの地下鉄が存在し、乗りかたによっては初乗り運賃が2回かかることになります。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/toyosumi-shinagawa202107/、https://tabiris.com/archives/tokyometro-network2021/)

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岐阜の郊外から名古屋への高速バス

 名阪近鉄バスは7月17日から、名古屋駅-パレットピアおおの(道の駅パレットピアおおのに隣接)間に高速バス「にしみのライナー」を走らせています。

 「にしみのライナー」は1日7.5往復。名古屋駅-パレットピアおおの間を1時間10分で結びます。途中、安八(安八スマートインター)、名神大垣の2か所に停まりますが、どちらも乗車、降車ともにできます。運賃は名古屋駅-パレットピアおおの間で1150円、4枚綴りの回数券も売っています。車両はトイレ付きの42人乗りのバス、新型コロナウイルスの時代にふさわしく、抗ウイルス加工済みの車両を使います。パレットピアおおののある大野町はかつて名鉄が走っていましたが、廃止になっています。安八や名神大垣も近くに鉄道はありません。そういう隙間を狙ったルートのようです。

 話は変わりまして、少し前の記事で6月にできたばかりの山県バスターミナルについて触れましたが、こちらにも休日の1往復のみですが名古屋への高速バスが走っています。山県バスターミナルのある山県市も鉄道のない町なのです。
(参考:名阪近鉄バスホームページ https://www.mkb.co.jp/nishiminoliner/、岐阜バスホームページ https://www.gifubus.co.jp/highway/nagoya/、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/107649、https://trafficnews.jp/post/108264)

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豊橋鉄道で夜行列車

 豊橋鉄道は豊橋市と隣の田原市を結ぶ鉄道と豊橋市内の路面電車しかない、規模の小さいローカル私鉄です。しかし、その豊橋鉄道がこの夏に、夜行列車を走らせます。

 夜行列車が走るのは8月22日(21日深夜)。雨天決行です。まず集合場所の高師に21日23:30から22日0:20の間に集合します(高師への最終列車は新豊橋23:50発です)。夜行列車は0:50に出発します。通常の列車ならできない、本線上の駅間に特別に停車した後、新豊橋に2:15に着きます。当然ながらこの時間の新豊橋はシャッターが降りていますので、内部からそれを見るという貴重な体験ができます。新豊橋は3:20に出ます。三河田原には4:00に着きます。その三河田原では「渥美線カラフルトレイン」を5編成並べています。線路に降りて撮影をすることができます。解散は三河田原5:00です。22日に有効の一日乗車券がもらえますから、それを使って変えることになります。

 料金は軽食を含んで、16000円から21000円です。車端部のロングシートを独り占めできる21000円のプランを除いて、ロングシートを2~4人で使うことになります。座席は豊橋鉄道側が決めます。なお、豊橋鉄道は海岸に沿って走っているわけではありませんので、車内から海は見えません。

 申込は豊鉄観光バス企画販売センターにメールにて行います。電話や郵便はがきなどでは行いません。7月26日9:00必着です。応募者多数のときは抽選を行います。また、当日の受付では、顔写真付きの身分証明書の呈示が必要です。
(参考:豊橋鉄道ホームページ https://www.toyotetsu.com/news/000268.html)

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長良川鉄道に乗ってきました

 16日のことですが、長良川鉄道に乗ってきました。

 

 朝は犬山城に行ってきたので、美濃太田に着いたのは11時半近く。長良川鉄道ホームにある切符売り場で、一日乗車券を買う。長良川鉄道開業35周年記念のデザインだった。

 美濃太田11:34発の北濃行きは1両のみのワンマンカー。セミクロスのディーゼルカーだが、トイレはない。北濃まで2時間かかるので(しかも途中駅での停車時間は短く、トイレに行く余裕はない)、事前にトイレに行っておいたほうが良いだろう。

 長良川鉄道は全線72キロの鉄道だが、第三セクター転換時以降に駅が増設されたため、駅は結構多い。両端を入れると38もあり、平均すると2キロに1駅の割合である。美濃太田側だけでなく、北濃のほうでも駅の間隔が狭いところがある。さて、美濃太田を出た時点ではそれなりに乗っていた長良川鉄道だが、関や美濃市あたりで降りる人が多く、残っている人も郡上八幡や美濃白鳥で降り、北濃まで乗ったのは私一人のみ。

 折り返しの列車は北濃14:06発。駅に併設されている食堂も閉店していて、静まりかえっている。30分ほどの時間があるが、することはないので、車内に戻る。折り返し列車が北濃を出ても、乗客は私一人。国道156号線に沿ってバスも走っているので、少なくとも美濃白鳥以北の鉄道の必要性はなさそうだ。

 ただこの帰りの便は、高校生の通学輸送もある。そう多くはないが美濃白鳥や郡上八幡で高校生が乗ってくる。彼らは徐々に降りていき、大矢のあたりで誰もいなくなった。美濃市方面から郡上の高校に通う生徒はいないようだ。ちなみに、この北濃14:06発の便、「ゆら~り眺めて清流列車2号」という名前で走っていて、郡上八幡から湯の洞温泉口までは眺めの良いところで徐行することになっているが、あまりスピードが落ちているとは感じられなかった。そもそも乗っているのは生徒が主体で、眺めが良いからと言って徐行しても意味がない。

 状況が変わったのは高校が目の前にある梅山。長良川沿いの谷間を抜け、濃尾平野に入っている。ここで高校生がたくさん乗ってきたのだ。その後も関下有知などで高校生が乗ってくる。高校生以外の乗客も見られ、美濃市あたりからは鉄道が日常の足として利用されている様子がよくわかる。本数を増やして使いやすいダイヤにしたほうがいい。現状では1時間半以上運転間隔が開いているところもあり、残念なところだ。

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中百舌鳥をリニューアルしてOsaka Metroとの乗り換え距離を縮める

 南海と泉北は中百舌鳥で相互直通していますが、その中百舌鳥ではOsaka Metroと乗り換えることもできます。とは言っても、大幅な値下げ特急「泉北ライナー」の設定や区間急行の大増発など利便性の向上策が目立つ南海&泉北と違い、Osaka Metroとの乗り換えは不便です。大体、御堂筋線中百舌鳥延長に合わせてこれまでなかった区間急行をつくったという歴史がありますから。

 その南海&泉北ですが、中百舌鳥をリニューアルしてOsaka Metroとの乗り換えを便利にするようです。南側の改札口をOsaka Metroと乗り換えしやすいよう、東側に移します(移設は2022年12月の予定で、現在の改札口は閉鎖されます)。南改札内コンコースから下りホームへの階段はエスカレータがあるため狭かったのですが、階段を増設することにより解消します。また、南改札内コンコース内のトイレをリニューアルします。ただし、7月27日から12月下旬までの間、リニューアル工事を行うため、南改札内コンコースのトイレは使えません。また、北改札内コンコースのトイレは2022年12月ごろに撤去する予定です。

(追記)
 2022年9月17日から、中百舌鳥の東改札口の供用を開始します。当初の予定から3か月早くなりました。

 また、中百舌鳥の4番線にホームドアを設置します。
(参考:南海ホームページ https://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/210715.pdf、https://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/220824.pdf)

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山陽新幹線でも福山通運と組んで荷物輸送

 JR西日本、株式会社ジェイアール西日本マルニックス、福山通運の3社は、受託した荷物を山陽新幹線で運ぶ、貨客混載輸送を行うことを検討しています。トラックではなく新幹線で運ぶことにより、環境問題や労働問題を解決します。また、新幹線は定時性に優れていますので、それによって新しい価値の創出を目指すとのことです。

 今検討中の計画では、新大阪と荷主・お届け先の間と、博多と荷主・お届け先との間は、福山通運が担当します。荷物は福山通運で開発中の専用ボックスに入れ、山陽新幹線では車内販売準備スペースに置きます。福山通運は近鉄の「アーバンライナー」でも荷物を運んでいますので、そのときの経験を活かすのでしょうか?
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210706_01_kakyakukonsai_kentou.pdf)

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関西広域連合、JR西日本の減便に要望書

 新型コロナウイルスの影響で利用者が大きく減っているJR西日本は、ダイヤ改正を行い、大きく本数を減らします。このことについて近畿2府4県や鳥取、徳島県からなる関西広域連合は、13日に地元自治体への十分な事前説明や利用者の利便性確保を求める要望書を提出しました。

 JR西日本が大幅な減便を行うのは、利用者が減っているからです。利用者が減っているのに、本数が減らなかったら、赤字が増えるばかりです。JR西日本としてもやむを得ない経営判断でしょう。そういう事情を考えず、地方での運転間隔を考慮しろとか、コロナが収束したら元のダイヤに戻せとか、お金は出さないのに口だけは立派です。

 減便されたくなかったら、口を出すのではなく、お金を出せば良いでしょう。本数を維持することによってかかるコストを追加するのです。赤字をいくら出しても損失補填してくれるならともかく、JRにはそのようなお金は出ません。そういうところに負担だけを押しつけることはできません。
(参考:共同通信ホームページ https://nordot.app/787610236141895680?c=39546741839462401)

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長良川鉄道から越美北線に乗り継ぐことができるバスツアー

 長良川鉄道は元々国鉄越美南線。越美北線とつながって越美線となって、美濃太田と福井を直結するのが本来目指していたかたちです。しかし、越美南線は第三セクター化され、長良川鉄道と越美北線とを結んでいたJRバスも廃止されて久しく、越美南線と越美北線を乗り継ぐことがかなり難しくなっていました。

 ところが8月6日、21日、22日、28日の4日間、長良川鉄道から越美北線に乗り継ぐことのできるツアーが開催されます。集合は長良川鉄道北濃駅。13:20に出発します。雄大な九頭竜湖を臨む夢のかけはしを車窓から楽しみ、九頭竜湖駅ではJRに乗り換え、越前大野駅ではボランティアガイドによる観光ガイドがあります。解散はお城に近い、越前おおの結ステーション。16:40解散です。バスは国道158号線を走るので、越美線として想定されていたルートとは異なります。旅行代金は5500円で、大野の地酒もつきます。

 このツアーに参加すれば、長良川鉄道と越美北線を効率的に乗り潰すことができます。また、8月だと都合が悪い人は、10月、11月にもこのツアーが計画されています。そのときに乗ることもできます。

(追記)
 8月のツアーは、新型コロナウイルスの影響で中止となりました。
(参考:大野市ホームページ https://www.city.ono.fukui.jp/kurashi/douro-kotsu/tetsudou/etsumi_bus_tour.html、https://www.city.ono.fukui.jp/kurashi/douro-kotsu/tetsudou/etsumi_bus_tour.html)

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JR西日本、新大阪駅の「みどりの券売機」でタッチレスパネルの実証実験

 自動券売機というものは、ボタンかタッチパネルに触って操作します。ところが新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、接触しなくても使えるようなサービスが求められています。そこでJR西日本は、新大阪駅東口の「みどりの券売機」(1台)でタッチレスパネルの実証実験を行っています。7月2日から2か月程度行っています。

 どうやってタッチレスパネルにするのかと言えば、「みどりの券売機」のディスプレイ部分にタッチレスパネルを取り付けます。画面から数センチ離れていても、タッチレスセンサーが検知して、画面に直接触れることなく、券売機の操作や切符の購入ができるようになります。もちろん、これまで通り画面に直接触れても切符を買うことができます。

(追記)
 タッチレスパネルの指定席券売機は、JR九州の博多駅にもあります。7月6日から約2か月間の予定で実証実験を行っています。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210702_01_touchless_panel.pdf、JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2021/07/05/210705_touchless_mv_syuusei.pdf)

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岐阜バスに郊外同士を結ぶ路線

 路線バスは中心部と郊外とを結ぶものが多く、郊外同士を結ぶものはあまりありません。岐阜バスの場合、コミュニティバスの類を除けば、約9割が岐阜駅、名鉄岐阜駅に乗り入れています。ところがその岐阜バスは10月1日から、郊外同士を結ぶバス路線を2路線走らせます。

 その2つの路線とは、名鉄の笠松駅とJRの西岐阜駅とを結ぶ笠松県庁線(仮称)と、山県市の山県バスターミナルと本巣市のモレラ岐阜とを結ぶ山県モレラ線(仮称)です。笠松県庁線は約7.5キロで、所要時間は約30分です。平日のみ1日13往復を走らせます。沿線には岐阜工業高校や岐阜聖徳学園大学、県庁などがあり、学生などの利用を見込んでいます。山県モレラ線は約18キロで、岐阜市の長良北町や岐大口バス停を経由します。こちらは休日のみ1日5往復します。モレラ岐阜はショッピングセンターとして有名ですが、山県バスターミナルも隣にはJAぎふの販売施設が開業していて、買い物客の利用を狙っています。
(参考:岐阜新聞ホームページ https://www.gifu-np.co.jp/news/20210706/20210706-84736.html)

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五條に空港?

 奈良県は、2011年の紀伊半島大水害の経験を受け、またさらに将来発生が予想される南海トラフ地震などに備えることを目的として、大規模広域防災拠点の整備を検討しています。

 そこで拠点に選ばれたのが、五條。奈良県内に限らず広く紀伊半島をカバーすることができ、津波被害の問題がなく、高速道路(京奈和自動車道)や救急医療ができる病院があることから選ばれました。

 この広域防災拠点ですが、かなり大規模です。大量かつ迅速な人員、物資の輸送を行うため、最新の大型輸送機や多数のヘリコプターの離発着ができるよう、2000メートル級の滑走路が整備されます。ボーイング767などの中型機も離発着できます。近隣の空港では、南紀白浜空港の滑走路も2000メートル、但馬空港は1200メートル、伊丹空港(A滑走路)は1828メートル(もうひとつのB滑走路は3000メートル)なので、航空機の発着ができるレベルです。実施に航空機が飛ぶかは別として。

 ただ、ここまで整備するには時間がかかります。3段階に分かれて整備しますが、最終的なかたちの2000メートル級滑走路ができるには、整備開始から20年かかるようです。
(参考:TRAICY https://www.traicy.com/posts/20210707213929/)

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仙台-釜石間高速バス、三陸道経由で運行再開

 仙台と釜石を結ぶ高速バスは岩手県交通が運行していましたが、新型コロナウイルスの影響で利用者が大幅に減り、2020年8月17日から運休していました。

 しかし、この7月2日から運行を再開しました。運休前までは内陸の東北道を経由していましたが、今回からは3月に気仙沼市内が開通し、仙台と宮古がつながった三陸道を経由することになります。これにより運行距離が238キロから198キロに短縮され、所要時間も3時間44分から3時間10分に短縮されます。三陸道は大部分が無料なので、高速料金も下がります。仙台側は仙台駅前のみに停まり、釜石側は釜石駅前など4か所に停まります。仙台東インターチェンジ-釜石中央インターチェンジ間は三陸道を走り、途中、登米市にある道の駅三滝堂(三陸道三滝堂インターチェンジに隣接)にて10分間休憩します。

 片道運賃は東北道を経由していたときよりも100円安い3300円。8月末まではキャンペーンを行っているため、2900円になります。
(参考:岩手県交通ホームページ www.iwatekenkotsu.co.jp/kamaishi_sendai-saikai20210702.html、産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20210702-E5CIA6ACTRMVXMOQJFYWZJJGQI/)

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JR四国も「みどりの窓口」半減

 有人の「みどりの窓口」を減らそうという動きが各地でありますが、JR四国も同じように「みどりの窓口」を減らしていく方針です。現在「みどりの窓口」がある駅は32ありますが、そのうち半分の16駅について、2020年度中(10月以降)に廃止して機械化します。

 対象となる駅は徳島県が阿波池田など3駅、香川県は琴平など4駅、愛媛県は宇和島など5駅、高知県は朝倉など4駅です。これらの駅では「みどりの窓口」の代わりにオペレータと会話しながら切符を購入することができる機械を置き、特急券等が買えるようにします。すでに5つの駅に設置されている「みどりの券売機プラス」に置き換えるものと思われます。

 高知に近い朝倉はともかく、阿波池田や宇和島から「みどりの窓口」が消えたら、「みどりの窓口」のある駅はかなり遠くになりそうです。将来的に有人の「みどりの窓口」が残るのは県庁所在地クラスだけになるのでしょうか?
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20210701-FR6UMVJCMNJMRJYV2GUEPQBSIM/、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210701/k10013112611000.html)

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根室線富良野-新得間、バス転換容認か?

 根室線の富良野-新得間はかつて道央と道東とを結ぶ幹線の一部として、特急列車なども走っていました。しかし石勝線の開業により幹線ルートから外れ、利用者は激減しています。しかも、この区間の一部は2016年8月の台風被害で不通となっています。JR北海道は復旧工事を行わず、バスを走らせています。

 沿線自治体はこれまで鉄路の復旧と全区間の存続を求めてきましたが、利用者が少ないという事実には変わりはありません。しかも、JR北海道から、鉄路で存続するには年間10.9億円の維持費を負担することを求められました。そこで沿線7市町村(滝川市、赤平市、芦別市、富良野市、南富良野町、新得町、占冠村)からなる根室本線対策協議会は6日、バス転換も視野に入れてJR北海道と協議を行うことにしました。

 富良野-新得間の状況を考えればバス転換は受け入れざるを得ないでしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASP7672J3P76IIPE004.html、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20210707/k00/00m/020/016000c)

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京阪、9月25日ダイヤ改正で15分パターンダイヤに

 以前にも予告はされていましたが、京阪は9月25日にダイヤ改正を行います。

 今回のダイヤ改正の特徴は、利用状況に応じた運転本数の見直しと最終列車の繰り上げ。新型コロナウイルスの影響で鉄道の利用者は減っています。2019年と2021年を比較すると、平日は29%、休日は38%減っています。特に減りが大きいのは0時以降の深夜時間帯。平日は70%、休日は64%も減っています。反対に平日朝夕のラッシュ時はそれほど減っていません。朝は19%、夕方は23%に留まっています。また、鉄道の保守は最終列車の営業終了後から始発列車までの限られた時間で行います。近年は鉄道施設の種類が増え、保守作業量は増えています。それに対して、鉄道施設の保守を行う建設業界では慢性的な人員不足に苦しんでいます。そこで最終列車を繰り上げて保守をすることができる時間を確保します。

 それでは改正の内容を見ていきましょう。現行の昼間のダイヤは京阪本線が特急、準急、普通(中之島発着)が毎時6本走る、10分パターンのダイヤですが、これを15分パターンとします。特急、準急、普通(中之島発着)が毎時4本、快速急行が毎時2本走るダイヤです。快速急行は「プレミアムカー」サービスも行います。交野線や宇治線も毎時6本から4本に減ります。早朝、淀屋橋の始発は約30分繰り下がり、朝ラッシュ、夕方以降も減便が行われます。最終列車の繰り上げについては、淀屋橋発が0:22発普通萱島行き(4月30日から運休中、現在の最終列車は0:02発準急淀行き)から0:02発普通萱島行きになります。珍しい種別の深夜急行もなくなります。増えるのは全車座席指定の「ライナー」、朝の淀屋橋行きは1本増えて5本、帰りの出町柳行きは2本増えて4本です。休日も平日と同じように見直しを行います。昼間の見直しや最終列車の繰り上げは、平日と同じように行います。

 石山坂本線については、昼間の一部列車の運転区間見直しを行います。現在、石山寺-坂本比叡山口間を毎時6本走っていますが、それを石山寺-坂本比叡山口間毎時3本と石山寺-近江神宮前間毎時3本の組み合わせに変えます。石山坂本線においては、沿線の学校が休みになる期間において、学休期ダイヤというものをつくります。朝ラッシュ時の運転本数を減らしたものです。2021年冬から実施します。

(追記1)
 運行本数が減ったことにより、快速特急「洛楽」や特急の所要時間が短くなります。淀屋橋-出町柳間で快速特急が最大2分、特急が最大1分短縮されます。また、昼間、淀屋橋-枚方市間では特急だけでなく快速急行や準急も先着するようになります。これまでは1時間に6本しか先着する列車はなかったのですが、ダイヤ改正は準急以上の10本に増えます。

(追記2)
 京阪は8月28日から休日の臨時ダイヤ(本数を減らしています)を実施してきましたが、ダイヤ改正に合わせて終了します。9月25日からは新しいダイヤで運行し、休日の「プレミアムカー」サービスも再開します。

 終電の繰り上げも9月24日で終了し、9月25日からは新しいダイヤで運行します。

(追記3)
 9月25日のダイヤ改正によって、朝夕を除いて特急は8000系、快速急行は3000系に統一されるようになりました。
(参考:京阪ホームページ https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/2021-07-08_diagram.pdf、https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/2021-08-20_keihan-diagram.pdf、https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/2021-09-10_keihan-rinji-dialogue-end.pdf、https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/2021-09-10_premium-car.pdf、「鉄道ジャーナル」2022年1月号 鉄道ジャーナル社

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千葉の209系が伊豆急に

 JR東日本の209系の一部は、東京を離れ、房総半島を走っているものもいます。しかし、その209系もE131系導入によって活躍の場が失われつつあります。

 しかし、その209系を買うところが出てきました。それは伊豆急。今のところ6両編成1本が譲渡され(秋までにもう1本譲渡を受けるようです)、2022年春の運行開始を目指して、検査や改造などの準備を進めています。

 伊豆急には元東急の通勤型車両(改造されて海側にボックスシートがあります)が普通列車用として走っていますが、かつてはJR東日本の113系や115系が走っていたことがありました。今回の209系は本来はロングシートの通勤型車両ですが、千葉に行くときにセミクロスシートに改造され、トイレも付いているので、ローカル用として使えるようになっています。

(追記)
 伊豆急が2022年春から運行を始める、209系改造の車両は、3000系と言います。4両編成を2本導入します。
(参考:伊豆急ホームページ https://camel3.com/cms/files/izukyu/MASTER/0300/3WB9BtWe.pdf、https://camel3.com/cms/files/izukyu/MASTER/0100/uW54p435.pdf、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2021/07/08/347477.html、あなたの静岡新聞ホームページ https://www.at-s.com/sp/news/article/shizuoka/926296.html)

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JR九州、西九州新幹線並行在来線維持に否定的?

 西九州新幹線は武雄温泉-長崎間だけの、飛び地の新幹線。博多に行くときでさえ、武雄温泉での乗り換えが必要になります。

 この中途半端な状態を解消するためには、新鳥栖-武雄温泉間もフル規格にして、博多-長崎間をフル規格1本の新幹線にしなければなりません。ところが沿線の佐賀県が反対し、全体像が見えてきません。

 西九州新幹線についての与党の検討委員会は、佐賀県の同意を得るためには、JR九州が並行在来線(長崎線、佐世保線の新鳥栖-武雄温泉間)を維持することを求めています。新幹線が開業しても分離せずに維持し続けるのです。しかし青柳JR九州社長は、この与党の方針について否定的な見解を述べています。

 新鳥栖-武雄温泉間にフル規格新幹線をつくるためには、JR九州に並行在来線を維持させるのが近道でしょう。しかし、特急がなくなった並行在来線を維持すれば、赤字になります。新幹線が開業すれば並行在来線が分離されるのは、特急がなくなった並行在来線が赤字になるのが確実だからであり、儲かるのならばほかの新幹線も並行在来線は分離されずに維持されるはずです。並行在来線の維持に難色を示すJR九州を非難することはできません。とは言ってもこのままでは中途半端な新幹線が永久に残るだけです。頭の痛い話です。

 話は変わりますが、佐賀県内のルートについては佐賀市の北部や南部を通過する案もありますが、JR九州としては佐賀駅を通るルートを最適だとしています。
(参考:佐賀新聞ホームページ https://www.saga-s.co.jp/articles/-/699458)

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「大樹」を新藤原発として運転

 東武のSLは、下今市-鬼怒川温泉間及び下今市-東武日光間(「ふたら」)を走っています。その東武のSLですが、7月20日に限り、新藤原発として運転されることになりました。 新藤原発となるのは、7月20日新藤原12:34発のSL「大樹4号」。SLとは言いながら実際にはDLが先頭になって走ります。下今市到着は13:29ですが、通常だと停車する鬼怒川温泉や東武ワールドスクウェアでは、扉が開きません。

 また、座席指定券の発売方法も独特です。インターネットや駅窓口での発売はなく、新藤原駅改札付近の特設ブースのみで発売します。乗車当日の10:30から12:30までです。発売席数は192席、座席指定料金は通常と同じ大人760円、子供380円ですが、客が座席を指定することはできません。座席指定券を買う客に順番に渡していくだけでしょう。

 ところで、どうやってSL「大樹」を新藤原まで持って行くのでしょう? 行きはオリンピック観戦ツアーの一部として使われるのです。7月21日に福島県あづま球場でソフトボールが行われます。浅草から乗り継いで福島に行くのです。1日かけてSLに乗り、会津鶴ヶ城を見、ようやく会津若松までたどり着くのです。

(追記)
 7月20日の新藤原発のSL「大樹4号」の運行及び東京から東武経由で福島に行くツアーの催行が中止されました。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/news/20210701093800b19bmYfL4Vg9nCzM-GBhQA.pdf、https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/news/20210709153235VwHp9wwudSq0-SWvuxXRcw.pdf)

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「はるか」が奈良に行く?

 JR西日本の「Fact Sheets 2021」を読んでいると、2023年春の東海道線支線地下化、うめきた(大阪)地下駅開業に関してこのような話がありました。

 うめきたに駅ができることによって「はるか」や「くろしお」は大阪に停まるようになりますが、新大阪の先で特急の走る線路が枝分かれします。ひとつは京都へ延びますが、もうひとつは放出、久宝寺を経て奈良に行きます。かなり遠回りのルートですが、「はるか」などが大阪、新大阪を経由して奈良に行くのでしょうか? 時間はかかるものの関空から奈良に直通することができますし、新大阪から新幹線乗り継ぎ客を乗せて奈良に運ぶこともできます。奈良に行く人から特急料金ももらえます。

 新大阪から放出、久宝寺を経て奈良に向かうルートは、臨時特急の「まほろば」が走っていたルートです。「まほろば」を走らせたのは、そのあたりのことを考えてのことでしょうか?
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/company/ir/library/fact/pdf/2021/fact2021.pdf)

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自動車学校へのスクールバスを路線バスで代替

 自動車学校では無料の送迎バスを運行することがよくあります。ところが、尼崎市にある尼崎ドライブスクールは7月31日から無料送迎バスの一部路線を廃止して、路線バスに委ねることにしました。

 路線バスを運行するのは阪神バス。尼崎市内線の既存3路線の一部便を尼崎ドライブスクールまで延伸します。これにより、尼崎ドライブスクールが運行する尼崎市内の6コースある無料送迎バスのうち、3コースを廃止します。尼崎ドライブスクールはスクールバス運行費用を削減し、事故のリスクも減らすことができます。

 ただこれだけでは教習生にとってマイナスです。ところが、ちゃんと教習生にも特典が用意されています。教習所に在籍している間は尼崎ドライブスクールの負担で、阪神バス全線のフリー乗車券がもらえるのです。無料送迎バスのルートから外れていても無料で乗ることができるのですから、これはお得です。阪神バスはこのフリー乗車券分だけ、固定収入が入るのです。また、高齢者向けの1日講習など、1回だけの利用の人についても、特典があります。行きは一旦運賃を払いますが、そのときに運転士からQRコード付きの乗車証明書をもらえます。この乗車証明書を尼崎ドライブスクールの窓口で係員に渡せば、片道分のバス運賃を現金で返金してもらえ、帰りの切符ももらえます。実質無料となるのです。
(参考:阪神バスホームページ https://www.hanshin-bus.co.jp/files/whatsnew/0731_amadora_press.pdf)

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気仙沼市内にBRT新駅3駅

 気仙沼線、大船渡線のBRTですが、気仙沼市からの要望により、2022年春にさらに3駅ができます。

 できる駅はいずれも気仙沼市内で、気仙沼線が2駅、大船渡線が1駅です。

 気仙沼線にできる新駅は、大谷海岸-陸前階上間の大谷まちと、不動の沢-気仙沼間の東新城。いずれも専用道上にできる駅です(大谷まち付近は2021年度中に専用道を延伸します。気仙沼までずっと専用道上を走ります)。それぞれ7月と10月に着工する予定で、2022年春に開業する予定です。

 大船渡線にできる新駅は、気仙沼-鹿折唐桑間の内湾入口(八日町)。市役所の山側の専用道上にできる駅です。9月に着工する予定で、2022年春に開業する予定です。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/morioka/20210625_mr02.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2021/morioka/20210625_mr01.pdf、河北新報ホームページ https://kahoku.news/articles/20210625khn000052.html)

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大分-滝尾間に新駅

 豊肥線で大分の隣の駅は、滝尾。5.1キロあり、ほかの隣の駅(西大分、牧、古国府)に比べて離れています。

 そのため、地元の自治会などが大分-滝尾間に新駅をつくることを求めています。2019年に期成会をつくっています。下郡地区がその候補に挙がっているようです。

 大分市は駅の設置を求めている期成会と協力して、新駅候補地の半径2キロ以内にある約1.1万世帯及び約300の事業所などに対してアンケートを行います。新駅ができた場合、どれくらいの人が利用するか調べるためです。

 アンケートは7月下旬から配布を始め、12月に結果を公表する予定です。
(参考:FNNホームページ https://www.fnn.jp/articles/-/201023)

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アルピコ交通に東武20000系

 以前に書いた記事で車両の更新先送りと書いたアルピコ交通ですが、車両の更新を行うことが明らかになりました。

 新たに導入される車両は東武の20000系。東京メトロ日比谷線直通列車用に使われていた車両です。2両1編成を購入し(運転席のない中間車両に先頭部を取り付けます。顔の形状は従来とは異なるものになります)、2022年3月に運行を始めます。今走っている3000形は元京王井の頭線の車両で、製造から50年を経過しています。松本に来たのは1999年なので、そこから数えても20年以上経っています。老朽化が進んでいるので、昭和末期から平成初期にかけてつくられた20000系はちょうどいい車両になります。

 20000系は1編成だけ導入されるわけではありません。1年に1編成のペースで導入し、今ある3000形4編成を全て置き換える計画です。
(参考:信毎web https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021062200031)

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DMVの運行開始、半年遅れる

 以前の記事で予告していた、DMVに関する話です。

 DMVはこの2021年夏から走り始める予定でしたが、さらに遅くなりました。数か月ほど遅くなるようです。

 なぜさらに遅くなったのかと言えば、前輪を支えるアームと呼ばれる部品に補強が必要になったからです。アームとは、厚さの異なる4枚の鉄板を箱形に組み合わせたもので、車体と車輪とをつないでいるものです。1月から阿佐海岸鉄道で行われてきた性能試験で、一部が基準を満たさない結果に終わり、中長期的な耐久性に問題があるとされました(アーム以外については問題はありませんでした)。鉄板を分厚くするなどの改良をした部品に取り替えてから再度測定をして、国交省内にあるDMVの技術評価検討会に諮ります。そこまで数か月かかるようなので、DMVの運行開始時期が再び遅れることとなったのです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASP6V03P4P6TPTLC023.html、徳島新聞ホームページ https://nordot.app/781250616232935424

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さよなら「ドレミファインバータ」

 京急には音楽を奏でて走る電車があります。京急創立100周年に当たる1998年に登場した2100形及びその後に登場した新1000形(一部)がそれに該当します。電車の発車時に音階を奏で、その音階から「ドレミファインバータ」などと言われていました。しかし、2008年からは車両の更新により音楽を奏でる電車は減っていき、そしてついにこの2021年夏に、音楽を奏でる車両はなくなることになりました。以前に記事にしたときの予定からは遅くはなりましたが、ついに「ドレミファインバータ」は消えてなくなるのです。

 そこで京急グループは、「ドレミファインバータ」の引退を記念して、様々なイベントを行います。記念切符や「プラレール」の発売、特別列車の運行を行います。

(追記)
 「ドレミファインバータ」の運行は7月20日をもって終了しました。
(参考:京急ホームページ https://www.keikyu.co.jp/company/news/2021/20210625HP_21053SO.html、https://www.keikyu.co.jp/report/2021/post_305.html)

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オリンピックで東北新幹線夜行運転

 ようやくオリンピック開催期間中の終電の延長が決まりました。JR東日本では、7月23日から8月8日までの開催期間中、首都圏の21路線で終電の延長を行います。路線によって状況は異なりますが、2時台まで走るところもあります。なお、東海道線の最終は品川1:29発ですが、大船までは横須賀線の線路を通るという変わったルートで走ります(川崎には停まりません)。首都圏の私鉄でも終電を延長するところがあります。

 東北新幹線は深夜の臨時便もあります。7月21、24、27、28日(競技開始日が基準)に走る「やまびこ422号」は仙台0:45発、東京4:20着。東京に着くころには明け方になっています。最速の「はやぶさ」で1時間半ほどの東京-仙台間ですが、この「やまびこ422号」は倍以上の3時間半ほどをかけて着くのです。深夜なので騒音軽減のためにスピードを落として走るのでしょうか? なお、この「やまびこ422号」など仙台発の東北新幹線の臨時列車は普通車自由席のみとなり、「グランクラス」やグリーン車の設定はありません。

 また、そもそも、感染状況が悪化している中、観客を入れて行うべきかという話があります。

(追記1)
 新型コロナウイルスの感染者が再び増えているため、東京都など1都3県で行われる分は無観客となりました。そこでJR東日本は首都圏21線区で計画していた終電の延長を取りやめることにしました。

(追記2)
 東北新幹線の深夜の臨時便も運転を取りやめることになりました。この取りやめの理由に、大会組織委員会は鉄道ファンが乗るために訪れることが予想されることを挙げています。めったにない機会ですから、鉄道ファンが乗りたくなるのはある意味仕方がないのかもしれません。夜行の新幹線を走らせようとした大会組織委員会側が間違っていたのです。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/20210630_ho04.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2021/20210709_ho01.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2021/20210713_ho01.pdf、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2021/06/30/347223.html、河北新報ホームページ https://kahoku.news/articles/20210716khn000057.html)

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