新幹線等の建設に私鉄の技術者も協力
北陸新幹線金沢-敦賀間の開業は、予定より1年遅れることになりました。敦賀駅の建設が遅れたことや石川県と福井県にまたがる加賀トンネルで追加工事が出たことなどが原因です。国交省は建設主体の鉄道施設・運輸施設整備支援機構に業務改善命令を出しました。
その鉄道建設・運輸施設整備支援機構ですが、業務の見直しを行ったところ、技術者が足らないことが判明しました。採用を減らしたこともあって、新幹線の延伸工事を行うのに必要な人材を確保できないのが現状のようです。
そこで鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、従来から出向者のいたJRに加えて、私鉄からも出向の要請を行いました。それに応えたのは、近鉄、東京メトロ、京王、京阪、東急、相鉄、名鉄の7社。7社で合計28人(うち、近鉄が12人、東京メトロが9人です)が10月までに出向することになりました。残る私鉄との話し合いも行われていて、人数はさらに増える見込みです。
出向した人は何をするのでしょうか? 出向期間は2~3年のようで、その間、北陸新幹線金沢-敦賀間、北海道新幹線新函館北斗-札幌間、相鉄と東急が乗り入れる神奈川東部方面線の3つの事業で作業をするようです。東急や相鉄の人は縁のある神奈川東部方面線で作業をするのでしょうか? 出向者は、トンネル掘削やレール敷設、駅舎や通信施設の整備などの分野で、設計、発注、現場監督を行います。
これによって鉄道建設・運輸施設整備支援機構は新幹線の工事を当初の予定通りのスケジュールで行うことができます。出向元の私鉄の立場に立てば、高度の技術が必要な新幹線の建設を行うことによって、技術力の向上につながると考えられています。人件費の抑制にもつながります。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210720-OYT1T50118/)
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