金券ショップの業界団体、鉄道会社や国交省などに回数券の販売継続を求める
回数券は通常の切符よりも1枚当たりの値段は安いのですが、決められた有効期間では使い切れません。こういうときに役に立つのが金券ショップ。回数券をばら売りしていて、安く乗ることができます。
ところが回数券は縮小傾向です。単純に回数券を廃止するだけのところやICカードやインターネットを使った独自の割引を展開するところがありますが、これで困っているのが金券ショップ。主力商品の回数券の発売が終了し、新型コロナウイルスの影響もあって、売上が大幅に減っています。406店が加盟している日本チケット商協同組合によれば、2020年度に閉店した店舗の数は44,前年度の2倍になりました。古川駅前で唯一の金券ショップも、東北新幹線や仙台-古川間の高速バスで回数券の取り扱いを終了したため、7月30日で閉店します。業界自体がピンチということで、日本チケット商協同組合はこの2021年春、JR東海や国交省などに対して、回数券の販売継続を求める嘆願書を出しました。回数券の廃止は高齢者や情報弱者にとっての配慮が足らないというのです。
ただ、回数券を金券ショップでばら売りするのは本来の使いかたではありません。本来、回数券というものは、ある程度使う人に対する優遇策なのです。金券ショップのために存続させる必要はありません。金券ショップの業界は、回数券がなくなったら、ほかの儲かる商売を考えないといけないのです。鉄道会社やバス会社の立場から言えば、紙の切符や回数券をなくせば、印刷費や管理費を減らすことができます。ICカード等の普及で、紙の切符を縮小させることができるようになったのです。なお、小田急の新しい回数券は、表紙を持っておかないといけません。こういうタイプなら残念ながら金券ショップの利益に結びつきません。日本チケット商協同組合の指摘で理解できるのは、ICカードのポイント還元が渋いことぐらいです。
JR東海はこの日本チケット商協同組合の嘆願書に対して、「便利な『エクスプレス予約』を御利用ください」というだけで終わりでしょう。気になるのは、国交省。弱者のためなら、どんなことでもしようとします。多くの人が不便を被ってもです。その行動原理から考えると、弱者のためだけに回数券の存続を強制させることも考えられます。そもそも、情報を手に入れるのも努力が必要なので、それができない人は高い正規の切符を買うことになっても仕方がないのです。現に航空機はそういう体系になっています。それを新幹線でも採り入れるのがむしろ自然なのです。
(参考:河北新報ホームページ https://nordot.app/788511233139539968)
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