JR東日本、2020年度の輸送密度を公表
JR東日本は2020年度の輸送密度を公表しました。
2020年度は新型コロナウイルスの影響でどこの路線も減っていますが、2020年度の特徴としては、区間の分けかたが以前より細かくなっていることが挙げられます。細かくなっていることにより、今まで以上に極端に利用が少ない区間が浮き彫りになるのです。
さすがに2020年度は新型コロナウイルスの影響で輸送密度が下がっていますから、新型コロナウイルスの影響がない2019年度の数字で見ていきましょう(特に注記がない限り輸送密度は2019年度の数字です)。この中で利用者が少ない区間を挙げていくと、水郡線常陸大子-磐城塙間が152人、磐越西線野沢-津川間が124人、久留里線久留里-上総亀山間が85人、陸羽東線鳴子温泉-最上間が79人、飯山線戸狩野沢温泉-津南間が106人、津軽線中小国-三厩間が107人、花輪線荒屋新町-鹿角花輪間が78人、米坂線小国-坂町間が169人、只見線会津坂下-会津川口間が179人、会津川口-只見間が27人、只見-小出間が101人、北上線ほっとゆだ-横手間が132人、山田線上米内-宮古間が154人です。東北、上越新幹線開業前なら県庁所在地等から急行が走っていた区間でも、ここまで落ち込んでいます。全体としてはそれなりに利用者が多い路線でも、区間を絞れば少ないところもあり、外房線勝浦-安房鴨川間が1543人、内房線館山-安房鴨川間が1596人、左沢線寒河江-左沢間が875人、奥羽線新庄-湯沢間が416人、大糸線白馬-南小谷間が215人しか乗っていません。ちなみに福島第一原発の事故で大きな被害を受け、2020年3月に復旧した常磐線いわき-原ノ町間の輸送密度(2020年度)は、1286人でした。
今までならバスで十分なローカル線でも、首都圏や新幹線の利益をつぎ込むことで維持することができました。しかし、新型コロナウイルスの影響でドル箱のこれらの路線の利用者が大きく減り、社会的にも必要とされないレベルのローカル線を維持する余裕が消えました。ローカル線沿線自治体は、これら話にならないローカル線の運営をJRに押しつけるのではなく、自ら負担することを考えたり、バスなどの維持費の安い交通機関に切り替えるなどの対策を考えないといけません。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/rosen_avr/、https://www.jreast.co.jp/rosen_avr/pdf/2016-2020.pdf、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/jre-yusomitsudo2020/)
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