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長万部町、並行在来線の廃止を主張

 北海道新幹線が全線開業すると、函館線函館-小樽間はJRから分離されます。通常なら第三セクター鉄道がつくられ、貨物列車を走らせることによって得られる線路使用料を当てにして、鉄路は存続します(旅客列車を増やすとJR貨物からの線路使用料は減るので、旅客列車の充実が進まないぐらいです)。

 話を北海道新幹線に戻します。貨物列車が走らず、需要も少ない長万部-余市間はともかく、函館-長万部間は貨物列車が多数通ることから第三セクターとして旅客運送を行うというのがこれまでの常識でした。ところが、これに反対し、長万部以南も旅客運送については廃止すべきだというところが出てきました。

 それは長万部町。町の広報誌で、町内の駅(国縫、中ノ沢、二股)で聞き取りした調査の結果が発表されました。5月中の5日間に32人に聞き取りをしました。その結果、既存のバスでは不十分なものの、バスを増便すれば代替は可能だとして、長万部以南においてもバスに転換すべきだとしています。

 バスに転換するメリットは何でしょうか? 地元の負担が著しく減るのです。同じく町の広報誌によれば、鉄道を存続させた場合、赤字の額を沿線の自治体数で割ると、函館-長万部間は年間約4.4億円、長万部-小樽間は年間約3.4億円にもなります。ところが、新函館北斗-余市間をバスに転換すると、新函館北斗-長万部間は年間3800万円、長万部-余市間は年間2100万円に抑えられます。少々増便をしても少ない負担で済むのです。函館-長万部間には貨物鉄道として並行在来線が残りますが、その負担は国や北海道にさせればよいのです。

 どうやら国交省でも、新函館北斗-長万部間は従来の並行在来線の仕組みでは鉄道が維持できないとして、新たな枠組みの検討が行われているようです。並行在来線と言っても、北陸新幹線の並行在来線のように、沿線に県庁所在地などの主要都市があり、通勤の足として期待できるところとは違います。特急がいなくなったら単なる超ローカル線になってしまうところで、無理に需要のない普通列車を走らせる必要があるのかというところから話を始めないといけません。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/oshamanbe-haishi/)

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Comments

鉄道の存廃は長万部町の判断で良いと思います。

ただし、バスにするなら鉄道路線のトレースにこだわらないことが必要だと思います。

地元の通学・通勤利用だけではなく文化・商業施設への地元住民のお出かけ利用、及び観光客の利用にも便利な形にした方が良いと思います。

街の拠点となる長万部の駅も新幹線を含む列車ホームとバス乗り場が離れすぎないよう工夫が必要でしょう。

利用しやすい、持続できる公共交通体系を構築するためにも長万部町にはバス路線と駅・街づくりを一体で行ってほしいです(在来線廃止の決断ならば)。

住民や観光客に愛顧されるバス路線を構築できるかが今後のカギとなると思います。

Posted by: あかり | 2021.08.29 11:31 AM

 あかりさん、こんにちは。

* ただし、バスにするなら鉄道路線のトレースに

 函館-長万部間には路線バスがありますので、鉄道の代替はそれで足りるでしょう。追加しないといけないのは、町内の細かな需要に応える部分です。

Posted by: たべちゃん | 2021.08.29 03:02 PM

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