無人駅での車椅子の乗降、運転士や車掌にさせる?
無人駅で車椅子で列車に乗ろうとする人がいます。事前に連絡があるなら近くの主要駅から駅員を派遣しますが、そのような連絡がなかったらどうすればよいでしょうか? 24日のことですが、国交省は無人駅で障害者がスムーズに乗り降りできるようにするためのバリアフリー対策素案をまとめました。それによれば、車椅子の人の乗り降りを手助けする駅員がいない場合には、運転士や車掌が列車から降りて介助することになります。2020年度中に具体的な指針を定めます。
さすがに、いくら突然のこととは言え、車椅子の人の乗り降りを拒否することはできないでしょう。緊急避難的に、運転士や車掌にやってもらうのはやむを得ないです。ただ、特に運転士が介助すると、列車が遅れる原因になってしまいます。多くの人に迷惑をかけてしまいます。このために今まで運転士による介助が行われなかったのです。よほどの急用でない限りは、事前に駅に連絡しておくのが望ましいでしょう。鉄道会社に負担させずに、地元自治体が介助する人をレンタルするのも良いです。
そもそも、車椅子の人がどうやって駅に来るのかということを考えたら、長距離でない限りは介護タクシーで直接目的地に運んでもらったほうが速いような気がします。無人駅だらけのローカル線で、車椅子の人を乗せなければならない必要性は薄いような気がします。国交省は鉄道会社に負担を押しつけるだけで、お金を出そうとはしません。車椅子の人の介助が必要だからと言って、駅員を置く費用を負担してくれるわけではありません。道路は整備されるのに鉄道にはほとんどお金を出さず、ジリ貧になるだけです。このままでは、ローカル線や無人駅が潰れ(もしくは減便でされ)、車椅子以外の人も不便になるだけです。
(追記1)
2022年3月12日から当分の間、JR東日本は、小海線の一部駅などで、乗務員(運転士または車掌)が車椅子の人を介助する試行を行います。
(追記2)
2022年2月1日から香椎線の一部の駅において、事前に連絡がなくても乗務員が車椅子の人の乗降の手伝いをするという試行を行います。なお、駅の構造により対応できない駅も結構あるようです。また対応する駅も、乗務員が対応するのはホームでの乗り降りだけで、ホームまでの移動は自分で行わないといけません。どうやら鉄道で対応するのは不向きのようです。
(参考:毎日jp https://mainichi.jp/articles/20210924/k00/00m/040/222000c、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20220128-2259284/、JR九州ホームページ www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2022/01/31/220131_jyoukou_jyoumuin_otetsudai.pdf)
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Comments
言われることが分からないわけではありませんが、
路線バスでは運転士が車いすの乗降補助をしています。駅やバス停に一人で自力で移動する車いす利用者もいます。今後、本当に鉄道やバスなどの公共交通を残すなら、交通弱者対策がないと少子高齢化のなかではかえって自滅に向かうような気もします。
Posted by: 長谷川大治 | 2021.09.30 06:39 AM
長谷川大治さん、こんばんは。
* 路線バスでは運転士が車いすの乗降補助をしています。
確かに路線バスに車椅子の人が乗ることもありますが、そうなると5分近く遅れます。さほど急がない帰りのバスなのでまだ待っていられますが。
* 今後、本当に鉄道やバスなどの公共交通を残すなら、
オーダーメイドできめ細かくできるのは車の得意なところです。鉄道だけが交通機関ではありませんので、特性に合わせて分担していけば良いです。
さらに言えば、国交省は大した補助もなく、障害者対策を鉄道会社に押しつけています。そういうことをさせたいのなら、まず予算措置が先です。
Posted by: たべちゃん | 2021.09.30 09:05 PM
予算措置の拡充は必要ですね。しかし、公共交通は自家用車を運転できない人にいかに使ってもらうかを考えないと、生き残れないと思います。
Posted by: 長谷川大治 | 2021.10.01 09:01 PM
長谷川大治さん、おはようございます。
* しかし、公共交通は自家用車を運転できない人に
逆に車を使えない人しか乗ってくれないような公共交通では、先が暗いです。コストを抑えるのが第一となり、ますます車を持つような人は乗ってくれないです。悪循環です。
Posted by: たべちゃん | 2021.10.02 09:44 AM
公共交通は首都圏と大阪中心部を除き、民間主体でしかも基本的に独立採算で運営すること自体、近い将来成り立たないと思います。ある程度の規模の都市でも公共交通を使うのは、年に数回程度という人の割合は多いのではないでしょうか。それが、コロナ禍で加速しています。論点がずれてきて平行線になりそうなので、これで終わりにしますが、道路と同様にもっと公共交通自体に税金を投入していかないといけないかなと考えます。
Posted by: 長谷川大治 | 2021.10.02 07:09 PM
国交省は新しい道路を作るばかりでなくこういったことにお金を出していいと思います。新しい道路を作るより少額で済むと思います。
そうすれば地方にある存続すべき公共交通は存続できますし、立派な道路はできるのに人口流出が続くというおかしな現象を防ぐ事もできると思います。
高規格の道路が出来た→並行する鉄道が廃止になった→気が付くと不便になってしまっていた→近くに店もない→もう住めない→都会へ移住・・・
という悪循環を防ぐ事にもつながると思います。
Posted by: ゆめ | 2021.10.02 11:27 PM
長谷川大治さん、おはようございます。
* 公共交通は首都圏と大阪中心部を除き、
純粋な民間企業で成り立つ鉄道はごくわずかです。利用者の少ない鉄道は思い切ってバスに転換すれば良いですが、それなりにいるところは公的支援が必要です。整備新幹線などの設備投資も必要です。
Posted by: たべちゃん | 2021.10.03 07:22 AM
ゆめさん、おはようございます。
* 国交省は新しい道路を作るばかりでなく
すでに国道があるのに新たに国の税金で高速道路をつくるのは無駄です。どうしても欲しければ、地元が自分の金でつくればよいのです。ただし、その場合は、並行する鉄道の廃止を承認したとみなされても仕方がありません。
* そうすれば地方にある存続すべき公共交通は存続できますし、
一路線にすると赤字は数億円の単位なので、それほど大きくはありません。鉄道が必要ならばJRや大手私鉄から切り離したうえで税金を投入するのが望ましいと言えます。
Posted by: たべちゃん | 2021.10.03 07:30 AM