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October 2021

2022年4月から「特得60バス定期」は昼間と休日のみに

 名古屋市交通局は、60歳以上だとバスがお得になる「特割60バス定期」というものがあります。3か月10370円と、タダ同然の「敬老パス」ほどお得ではありませんが、3か月通勤定期の26570円と比べると、4割ほどの値段になります。名古屋市以外の人も購入することができます。

 ところがこの「特割60バス定期」、2022年4月1日から平日朝夕(10時までと16時以降。基幹バス新出来町線、ゆとりーとライン(平面区間)を除いては、乗車時にバス料金箱に「manaca」をタッチした時刻で判定します)に使えなくなります。平日朝夕に使う場合、通常の運賃がかかります。バスのダイヤが遅れた場合も、例外なくかかります。休日は時間に関係なく利用できます。

 このように平日朝夕に使えないようになったのは定年延長や再雇用などで60歳を過ぎても働く人が増えたからでしょうか? 先ほども書いたように「特割60バス定期」は通勤定期に比べると半値以下なので、通勤定期代わりに使われることが増えたのでしょう。

 なお、平日朝夕に使えなくなることに伴い、一定の条件で手数料なしで払い戻す制度がつくられています。
(参考:名古屋市交通局ホームページ https://www.kotsu.city.nagoya.jp/jp/pc/TICKET/TRP0004340.htm)

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大学への通学手段に船

 通学手段としてバスを用意する学校はたくさんありますが、島に行くわけでもないのに船を用意する大学が出てきました。

 それは東海大学。静岡キャンパス(現在は海洋学部だけですが、2022年度に人文学部を新設するとともに、清水キャンパスから改称します)は静岡市清水区にあります。清水駅からバスに乗っていくのですが、約30分かかり、雨の日だと渋滞して、授業に遅れることもあります。

 そこで東海大学は2022年4月から清水駅前の桟橋から大学正門に近い桟橋まで船を運航することにしました。15分で結びます。1日に10往復する案と15往復する案があり、帰りはエスパルスドリームプラザがある日の出地区の桟橋を経由します。なお、実際の運航は三保半島の周遊などを行う富士山清水港クルーズに委託します。

 東海大学はこの船の運航により自宅から通学する学生が増えると考えています。4年後には船の利用者が1日500人を超えると見込んでいます。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20211016-OYT1T50235/)

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多気町の「VISON」に多数のバスが乗り入れ

 多気町にオープンした日本最大級の商業リゾート施設、「VISON」。宿泊施設、温浴施設、産直市場、レストランなど68店舗が出店し、年間800万人の来場を見込んでいます。

 この「VISON」ですが、バスの拠点にもなっています。バスターミナルが整備され、7月1日から路線バスのほか、高速バスも乗り入れています。乗り入れるバスは、名古屋南紀高速線(名古屋-新宮間)、津伊勢空港連絡線(津なぎさまち-鳥羽間、津なぎさまちで高速船に乗り換えて中部空港に行くことができます)、高速南紀大宮線(さいたま-勝浦間、夜行。ただいま運休中)、松阪熊野線(松阪駅前-熊野間)、大杉(シャープ)線(松阪駅前-VISON間)、大杉(三瀬谷)線(松阪駅前-大台間)、多気VISON線(多気駅前-VISON間、実証運行路線)です。現在運休中の夜行バスを除いても、名古屋、中部空港(津なぎさまちで高速船に乗り換え)、伊勢神宮、南紀といろいろなところに行くことができます。ちなみに主要停留所までの運賃は、池袋・新宿8200~10500円(変動運賃)、名古屋2000円、伊勢市内1000円、津なぎさまち1200円、松阪駅前750円、多気駅500円となっています。

 さて、「VISON」に乗り入れるバスのひとつである名古屋南紀高速線ですが、11月1日から座席の確保ができるようになります(10月29日以降に購入した人が対象です)。乗車前日までに乗車券を購入した人について、座席を確保しておくのです(座席の指定はできません)。インターネット、電話、窓口いずれの方法でも、前日までに切符の支払いまで終わっていれば、座席を確保してくれるのです。

 なお、これまで通り、満席でない限り、予約なしで乗車することも可能です。
(参考:三重交通ホームページ https://www.sanco.co.jp/other/release210520.pdf、https://www.sanco.co.jp/other/release20211028-2_3.pdf、https://www.sanco.co.jp/operation/2021/09/post.php)

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新型コロナの予防接種をすれば、東京モノレール割引

 新型コロナウイルスの感染者が減った今、いかに新型コロナウイルスに対応しながら行動するかが求められています。単純に家の中に閉じこもっていてはいけないのです。

 そんな中、東京モノレールは、ワクチン接種証明書やPCR陰性証明書を呈示した人に対して、通常東京モノレールでは発売していない(地方空港で発売しています。また、旅行商品とセットで購入することもできます)、「モノレール羽割往復きっぷ」を期間限定で発売します。

 東京モノレールの駅で「モノレール羽割往復きっぷ」を発売するのは11月の休日のみ。モノレール浜松町、羽田空港第3ターミナル、羽田空港第1ターミナル、羽田空港第1ターミナルの各駅で、ワクチン接種証明書や利用日から3日以内のPCR陰性証明書を呈示した人のみ購入することができます。「モノレール羽割往復きっぷ」はモノレール浜松町-羽田空港第3ターミナル・羽田空港第1ターミナル・羽田空港第2ターミナル間の往復利用ができます。切符は「ゆき券」と「かえり券」の2枚に分かれますが、1人での往復に使うことができます。同じ方向に2回利用することはできません。有効期間は発売日から10日間です。

 なお、「モノレール羽割往復きっぷ」の値段は800円(子供は400円)、正規の運賃は1000円(子供は500円)なので、200円(子供は100円)お得です。
(参考:東京モノレールホームページ www.tokyo-monorail.co.jp/info/detail.asp?cd=2021101501)

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JR北海道、「カムイ」を除いて冬季は平日運休なし

 JR北海道は、2021年春のダイヤ改正から、閑散期の平日、一部の特急を運休しています。

 しかし、12月から2月にかけての冬季は、「北斗」(5号、14号)、「大雪」(1~4号)、「サロベツ」(3号、4号)の運休はありません。平日も全ての便が走ります。「カムイ」(9号、28号、29号、42号)のみが休日及び年末年始(12月27日~2022年1月3日)の運転となります。

 実はこの運行計画は当初の通りです。「カムイ」以外は春と秋の一部の日のみ運休するだけなので、きちんと走る日のほうが断然多いのです。しかし、「カムイ」を除いて冬季は毎日運転するというプレスリリースを見て、むしろ意外に思いました。わずかでも運休する日があれば、事前に調べておかないと走る日が分からない臨時列車みたいに感じてしまいます。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/211015_KO_Keikaku.pdf)

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西九州新幹線の並行在来線に「ふたつ星4047」

 西九州新幹線が開業する2022年秋、JR九州は佐賀県、長崎県に新たな観光列車を走らせます。その列車の名前は「ふたつ星4047」、佐賀県と長崎県の2県を「ふたつの星」とし、キハ40、キハ47が使われることから、この名前にしました。普通列車用の車両を使いますが、特急です。

 「ふたつ星4047」は、休日を中心に運転します。午前に武雄温泉から長崎線を経由して長崎に行きます。午後は長崎から大村線経由で武雄温泉に戻ります。時計回りの格好で西九州エリアを1周するのです。

 「ふたつ星4047」は、全車指定席です。乗車には乗車券のほか、指定席特急券が必要です。主な区間の運賃及び料金(2022年4月以降の通常期の値段。なお、料金はB特急料金を適用します)は、行きの武雄温泉→長崎間が、運賃1850円、料金2330円の合わせて4180円、帰りの長崎→武雄温泉間が、運賃2170円、料金2330円の合わせて4500円です。

 なお、車両デザイン(これまで通り水戸岡氏が行います)、運転時刻(行き、帰りともに約3時間の予定です)、運転日、停車駅、車内サービスの内容(弁当やスイーツの車内販売を行うようです)については、決まり次第発表されます。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2021/10/27/211027_new_ds.pdf、西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/822630/)

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広島県内、往復10円

 週末の10月30、31日、広島では10円で往復切符を手に入れることができます。

 これは広島県観光連盟が企画したイベント。「広島10円きっぷ」と言います。広島駅構内に抽選器を置きます。中に入っているのは、広島県内の10駅への往復切符。どこの駅に行くかは開封するまでわかりません。有効期間は1~2か月あるので、その日に行かないといけない訳ではありません。各日先着250人限定で、誰でも参加可能です。

 行先は福山、尾道、三原、西条、海田市、宮島口、竹原、呉、備後庄原、三次の10駅。往復10円なのでどこへ行っても元が取れますが、一番近い海田市はJRの切符の世界では広島市内の駅。ところでその海田市で観光するようなところはあるのでしょうか? モデルコースがあるぐらいですから、何かはあるのでしょうが。

(追記)
 「広島10円きっぷ」は好評だったため、11月20日にも行われることになりました。ただ今回はインターネットでの事前申込が必要です。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC194LD0Z11C21A0000000/、中国新聞ホームページ https://www.chugoku-np.co.jp/localeco/article/article.php?comment_id=802665&comment_sub_id=0&category_id=113、railf.jp https://railf.jp/event/2021/11/10/152000.html)

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JR東日本等、2022年春からグリーン車も値上げ

 JR東日本のグリーン車は、ほかのJRより若干安いグリーン料金となっています。2002年に東北新幹線が八戸に延伸したときに、グリーン車の利用促進を目的に値下げしたのです。JR東日本の新幹線、在来線特急のグリーン料金のほか、JR西日本の北陸新幹線についても若干安いグリーン料金となっています。

 ところが、2022年春から、指定席料金に続いて、グリーン料金も変わることになりました。上がるときもあれば下がるときもある指定席料金とは違って、グリーン料金は301キロから400キロまでの区間(東京-仙台間、東京-新潟間など)を除いて値上げになります。値上げ後は、601キロから700キロまでの区間(東京-八戸間など)を除いて、JR6社共通のグリーン料金と同等の水準になります(601キロから700キロまでの区間のみ割安の料金となります)。なお、「成田エクスプレス」のグリーン料金は、距離にかかわらず現行は2100円ですが、これが2800円になります。

 また、グリーン料金が上がることに伴い、JR東日本、JR西日本の「グランクラス」の料金と「サフィール踊り子」のプレミアムグリーン、グリーン個室に適用する料金も上がります。なお、「なごみ」のグリーン車、「TRAIN SUITE 四季島」及び「スペーシア」の個室の料金は値上げの対象外です。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/20211026_ho01.pdf)

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空港への特急で運行本数を元に戻す動き

 新型コロナウイルスの影響で定期列車の中でも臨時に運休しているものがあります。悲惨なのが空港への特急。国際線需要がほとんどなくなったこともあり、利用者が激減しています。

 ところが新型コロナウイルスの新規感染者が減り、ワクチン接種が進みました。旅行にも行くことができる雰囲気になりました。航空需要も回復しつつあるようで、京成と南海は10月30日から運休している特急を元に戻します(南海は休日のみ)。

 京成は平日、休日ともに運休しているすべての「スカイライナー」の運転を再開します。上下合計82本、終日20分間隔での運行が復活します。現在、一部の列車で実施している青砥への臨時停車、平日朝に印旛日本医大から京成上野へ走らせている「臨時ライナー」の運行は、当分の間継続します。帰国者・入国者用の「KEISEI SMART ACCESS」も上り8~64号の8号車で行います。

 南海も休日だけですが、運休している「ラピート」の運転を再開します。上下合計48本の「ラピート」が走ります。ただ、南海は5月にダイヤ改正を行っていて、昼間時間帯の本数が毎時2本から毎時1本に減っています。なお南海は、休日の「ラピート」運転再開を記念して、「南海・特急チケットレスサービス」でのキャンペーンを計画しています。12月に行う予定です。
(参考:京成ホームページ www.keisei.co.jp/information/files/info/20211001_160018858129.pdf、南海ホームページ https://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/211021.pdf)

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仙台-盛岡間に直通の臨時快速

 15日のことですが、JR東日本から冬(12月から2022年2月まで)に運転する臨時列車についての発表がありました。新型コロナウイルスの影響で利用者が大幅に減っているので臨時列車も寂しいですが、ひとつ紹介したいものがあります。

 それは12月25日のみ運転される「クリスマスおでかけ号」、仙台-盛岡間に走る臨時快速です。ダイヤは盛岡8:01発仙台11:07着、仙台19:55発盛岡22:51着です。車両はキハ110系の2両編成で、全車自由席です。小牛田や一ノ関での乗り換えが不要で、仙台-盛岡間を結びます。快速なので、通常の普通列車よりも速いです。また仙台から盛岡への最終は仙台19:18発(小牛田行き。小牛田と一ノ関で乗り換え、盛岡22:45着)ですが、この臨時は仙台19:55発なので30分以上遅く滞在することができます。

 クリスマスを仙台で過ごしたいという人より、仙台-盛岡間を普通列車で速く移動したい、という鉄道ファンが使う列車になるかもしれません。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/sendai/20211015_s01.pdf)

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京都丹後鉄道、主要駅でクレジットカードと交通系ICカードが利用可能に

 これまで京都丹後鉄道では、「みどりの窓口」のある宮津、天橋立を除いてクレジットカードを使うことができませんでした。また、交通系ICカードを使うことができませんでした。ところがこの10月1日から、主要駅でクレジットカードや交通系ICカードを使うことができるようになりました。

 使えるようになる駅は、福知山、大江、西舞鶴、豊岡、久美浜、小天橋、夕日ヶ浦木津温泉、網野、峰山、京丹後大宮、与謝野、天橋立、宮津。特急停車駅が対象です。交通系ICカードは駅の自動改札機でタッチするために使うのではなく(京都丹後鉄道にはそういう設備はありません)、駅の窓口で切符を買うときの支払いで使います。店で商品を買うときと同じような使いかたです。ですから、交通系ICカードでも「PiTaPa」は使えません。
(参考:京都丹後鉄道ホームページ https://trains.willer.co.jp/info/クレジットカード決済取り扱い駅拡大と交通系icカ/)

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長良川鉄道に新型気動車

 長良川鉄道は2022年4月に新しいディーゼルカーを導入します。2009年以来の新型車両で、古い車両を置き換えます。

 その外観のイメージは急行「おくみの」。国鉄時代に名古屋と北濃とを結んでいた急行列車をイメージした塗装がなされます。国鉄の急行の塗装です。車両の購入費は1.9億円です。中はロングシート(急行みたいにボックスシートではないようです)で、定員は116人です。国鉄時代にはなかったですがその後の時代を反映して、車椅子スペースが2か所あります。内装は長良川をイメージした青です。

 車両は新車で、基本的には普通列車として長良川鉄道を走ります。しかし、年4回、イベント用としても走ります。どのようなイベントかと言えば、国鉄時代の再現をするイベント。乗務員の制服や車内販売のワゴンは国鉄時代のものを復刻します。切符は硬券で、タブレットを使ったかつての運行管理システムも実演します。改札は鋏を使い、美濃太田では駅弁の立ち売りを行います。

 これらの国鉄時代の再現は、クラウドファンディングで行われます。目標金額は100万円、期間は10月1日から11月末までです。寄付額に応じて1日乗車券のプレゼントや貸切列車の運行、初日に乗る権利といった返礼品がもらえます。
(参考:鉄道ホビダス https://rail.hobidas.com/news/345369/、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD29AID0Z20C21A9000000/、朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASPB86S35PB8OHGB00J.html)

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銚子電鉄、電気も売る

 鉄道業ではなく菓子製造業が本業とも言われている銚子電鉄。その銚子電鉄は新たな事業を始めます。

 その事業とは、電気の販売。銚子市が民間と共同で設立した電力小売会社、銚子電力と連携します。銚子電力は市内にある風力と太陽光の発電設備でつくられた電気を買い取り、市の施設などに売っている会社です。すでに2019年には、電気料金の1%を銚子電鉄に寄付するという「銚子電鉄プラン」というものを売り出していました。この度、銚子電鉄と銚子電力が連携して、「銚子電鉄 でんき」というものをつくりました。これを売ってお金を稼ぐのです。

 銚子電鉄によれば、電気代が月6000円の利用者が1件加入し1年間使えば、1往復を走らせるだけの電気代分の利益を稼ぐことができます。1万件加入すれば、1年間の電車運行にかかる電気代を稼ぐことができるようです。

 「銚子電鉄 でんき」の基本料金は0円(家族向け、小規模事業者向けの場合)。加入すれば、1日乗車券の「特別弧廻手形」が年1回もらえます。銚子市民以外でも、沖縄と一部の離島以外は加入することができます。電気を買うというかたちで銚子電鉄を支援することもできるのです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASP9Z7HX3P9YUDCB00K.html)

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木次線出雲横田-備後落合間の輸送密度は18人

 JR西日本は、2020年度の輸送密度を発表していました。

 JR東日本のところでも触れましたが、2020年度は新型コロナウイルスの影響で利用者は減っています。ですからここでも2019年度のものと併用して見ていきたいと思います。

 JR東日本のときもそうでしたが、JR西日本においてもいくつかの区間において分けかたが以前より細かくなっています。木次線もそのひとつ。2019年度のデータでは木次線全線で190人でしたが、2020年度では出雲横田で分割され、宍道-出雲横田間では198人、出雲横田-備後落合間では18人でした。木次線全体では133人なので、新型コロナウイルスの影響がなくなればもう少し上がるでしょうが、とても鉄道で維持するのは無理な状況です。保守で運休しているとき、出雲横田-備後落合間ではジャンボタクシーを使っています(そのときの乗車記はこちら)。それで足りるぐらいの需要なのです。宍道-出雲横田間でも厳しいぐらいです。

 芸備線も細かくなっています。2019年度は備中神代-東城間は81人、東城-備後落合間は11人、備後落合-三次間は215人、三次-狩留家間は713人、狩留家-広島間は7987人でした。ジャンボタクシーが適当な超ローカル線から地方交通線に位置づけるのが申し訳ないような大都市近郊の区間までバラエティに富んでいます。それが2020年度では備中神代-東城間は80人、東城-備後落合間は9人、備後落合-備後庄原間は63人、備後庄原-三次間は348人、三次-下深川間は929人、下深川-広島間は8444人となりました。備後庄原-三次間は意外とありますが、それより東は論外と言ったところです。ローカル線では加古川線も分割されました。2019年度は厄神-谷川間は1938人でしたが、2020年度では厄神-西脇市は2435人、西脇市-谷川間は215人となりました。西脇市までは鉄道としての役目を果たしますが、西脇市-谷川間については、阪神大震災で迂回路として役立った実績を差し引いても鉄路を維持すべきかどうか難しいところです。

 阪和線と山陽線では、枝線を分離しています。2020年度の鳳-東羽衣間は8883人、兵庫-和田岬間は8749人です。兵庫-和田岬間は朝夕しか走らないのに鉄道として十分な数字を稼いでいます。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/pdf/data2021_08.pdf、https://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/pdf/data2020_08.pdf、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/jrw-yusomitsudo2020/)

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「或る列車」の食事がコース料理に

 2015年8月に運行した「或る列車」。スイーツを提供する列車として知られています。この「或る列車」ですが、11月13日から食事の内容が大きく変わります。

 どのように変わるのかと言えば、食事がこれまでのスイーツコースからコース料理に変わるのです。前菜、スープ、メイン(九州の肉を使用)、スイーツ、ミニャルディーズ(食事の後の一口サイズのお茶菓子)の組み合わせです。料理の監修は引き続き「NARISAWA」の成澤由浩シェフが行います。ドリンクメニューも一新し、福岡県、大分県中心のものになります。

 運行区間は久大線。博多-由布院間を走ります。午前に博多から由布院に行き、午後に由布院から博多に戻ってきます。金、土、日、月、祝日に運行されますが(日によって走らないときもあります)、日曜日とその他の日(金、土、月、祝日)とでは運行ダイヤが異なります。申込はJR九州企画・実施分は「或る列車」専用ホームページ、JR九州トラベルデスク、駅旅行の窓口などで、旅行会社企画・実施分については全国の主な旅行会社で行います。値段は2人利用テーブルを2人で使用した場合、大人29000円、子供(10歳以上に限ります)24000円です。片道の切符にコース料理とフリードリンクが付いています。1人でも割高となりますが、予約できます。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2021/09/29/210929_aru_ressha_yufuin_course_2.pdf)

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沖縄に京阪京津線が走る?

 沖縄鉄軌道の話はからありますが、いろいろ検討しているばかりで、前に進んでいません。2010年度から、もう10年も調査をしています。

 内閣府は2020年度も調査を行いました。この2020年度の調査では、小型鉄道の検討も行っています。この小型鉄道の参考として紹介されたのが、京阪京津線の800系。京阪京津線は最大61パーミルの急勾配区間があります。これを沖縄鉄軌道に導入できないか、検討しました。メーカーに問い合わせたところ、保証はできないが技術的には対応できる可能性があるようです。ただ、京阪800系がそうであるように、車両の費用はかなりかかります。

 とは言っても、実際に採用されるかどうかは別です。今のところ、沖縄鉄軌道では、通常の鉄道のほかに、小型鉄道、スマート・リニアメトロ(リニア地下鉄の改良版)、高速AGT(高速新交通システム)、HSST(「リニモ」みたいなもの)、トラムトレイン(都心は路面電車、郊外は専用軌道)が考えられています。小型鉄道、スマート・リニアメトロ、高速AGT、HSSTいずれの方法でも、那覇(旭橋)-名護間を60分台で結びます。50分台の鉄道よりは遅いですが、2時間近くかかるトラムトレインよりは段違いに速いです。輸送力も大きい鉄道、小さいトラムトレインを除けば、似たようなものです。

 さて、今回の調査では、駅施設のコンパクト化も検討課題となっています。その検討材料として、各駅の想定乗降者数も公表されました。那覇の中心部から浦添にかけてが多く、名護寄りの中間駅の利用者は少ないです。その利用者の少ない区間では、分割併合をすることによって、コストを下げます。具体的には、うるま具志川-名護間を2両編成、そのほかの区間を4両編成にすることによって輸送力の調整を図ります。うるま具志川以北は駅と駅の間隔が開いているので、駅数は少なくても、距離にすれば半分近くが2両編成で走る区間ということになります。駅の配線案もあります。基本的には2面2線ですが、普天間飛行場は2面4線で追い越しができます。車庫もあります。

 このようにいろいろ検討していますが、どうやっても費用便益比を1にすることはできません。これでは、鉄道は整備されません。特に人口の少ないうるま具志川以北は厳しいでしょう。うるま具志川以南に絞ればできる可能性は上がりますが、そうなると名護までの全線ができる可能性は下がります。これでは通常の状態では鉄道の整備は無理です。できる唯一の方法は、普天間の基地機能を辺野古に動かし、その見返りの名目でつくることぐらいです。政治の話はここでは触れませんが、それぐらいのことをしないと沖縄鉄軌道の整備は難しいです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/okinawa202109/、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/railwaynews-297/)

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「リゾートしらかみ」にセルフレジ

 JR東日本はこの8日から、五能線の観光列車「リゾートしらかみ」の橅編成において、セルフレジを試験的に導入します(「リゾートしらかみ」の3編成のうち、車内販売のカウンターがあるのは橅編成のみです)。JR東日本としては初めてで、2022年3月ごろまで設置する予定です。新型コロナウイルスの感染が広がるなか、乗客とスタッフが接触する機会を減らすのが目的です。

 「リゾートしらかみ」では、商品のバーコードをセルフレジに読み取らせる方法で決済を行います。「Suica」や「PASMO」などの交通系ICカードやクレジットカードで支払うことができます。セルフレジは現金には対応していないので、その場合はスタッフに支払います。また、酒類や淹れ立てのコーヒーはセルフレジが使えないため、車内販売のスタッフに支払います。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC30DHT0Q1A930C2000000/、JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/akita/20210930_a03.pdf)

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仙台-気仙沼-宮古間の高速バス、10月22日から実証運行

 三陸沿いに三陸沿岸道路の整備が進み、この3月には仙台-宮古間の全線が開通しました。これで、仙台から宮古まで高速道路だけで行くことができるようになりました。当然ながら所要時間も大幅に短縮されます。

 そこで宮城交通と岩手県北自動車は明日10月22日から2022年1月31日までの102日間、仙台-宮古間で高速バスの実証運行を行います。仙台駅-道の駅シートピアなあど間を1日2往復、うち1往復は仙台空港まで乗り入れます。途中、気仙沼市まち・ひと・しごと交流プラザ、陸中山田駅、宮古駅前にも停まります。気仙沼に停まるのに大船渡や釜石に停まらないのは不思議なところです。釜石は仙台へのバスがあるからかもしれませんが、それなら気仙沼も事情は同じです。ダイヤは仙台駅8:00発道の駅シートピアなあど12:20着、仙台空港15:10発道の駅シートピアなあど20:20着(仙台駅16:00発)、道の駅シートピアなあど7:20発仙台空港12:20着(仙台駅11:40着)、道の駅シートピアなあど15:50発仙台駅20:10着です。仙台空港-仙台駅間、陸中山田駅-道の駅シートピアなあど間のみの利用はできません。運賃は仙台駅-宮古駅前・シートピアなあど間が片道3500円、往復6300円となっています。

 また、今回の実証運行は観光庁の既存観光拠点再生・高付加価値化推進事業の採択を受けて行うものです。そこでバスの運行に合わせてツアーも計画されています。三陸鉄道のフリー切符のついたモニターツアーもあります。

(追記)
 仙台-気仙沼-宮古間の高速バスですが、2022年4月16日から本格運行を行うこととなりました。なお、仙台空港発着を取りやめるなどダイヤの修正を行い、仙台駅-宮古駅前・シートピアなあど間の運賃を片道4000円、2回回数券7200円としています。
(参考:岩手県北自動車ホームページ www.iwate-kenpokubus.co.jp/uploads/20211014_sanrikuhighway_mi_ke_sen.pdf、www.iwate-kenpokubus.co.jp/uploads/040412_press.pdf)

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JR東日本等で4段階のシーズン別指定席特急料金

 これまで、新幹線や特急の指定席特急料金はシーズン別に3段階に分かれていました。繁忙期は通常期より200円高く、閑散期は通常期より200円安くなります。ところが以前にも書きましたが、JR東日本等は2022年4月1日乗車分からこの区分を4段階にします。

 4段階の対象となるのは、東北、山形、秋田、北海道、上越、北陸の各新幹線と、一部の特急、快速列車。JR北海道の北海道新幹線、JR西日本の北陸新幹線も対象になりますが、全車指定席で年間を通じて同額になっている「ひたち」、「スワローあかぎ」、「あずさ」、「踊り子」等は対象ではありません。

 それでは、どういう料金体系になるのかと言えば、最繁忙期、繁忙期、通常期、閑散期の4段階です。最繁忙期は利用が特に多い年末年始、ゴールデンウィーク、お盆に設定され、通常期より400円高くなっています。繁忙期、閑散期は現行と同じです。なお、快速は通常期と閑散期の2段階です。適用日も見直されます。繁忙期は利用が多い夏や秋の連休にも設定されます。また、混雑する時期を少しずらして利用してもらうために、最繁忙期や繁忙期のすぐ近くに通常期や閑散期を設定します。例えば、ゴールデンウィークの最繁忙期は4月27日から始まりますが(2022年度の場合、以下同じ)、その前日の4月26日は閑散期です。1日の違いで600円も変わります。お盆の最繁忙期は8月19日までですが、その翌日の8月20日は通常期です。1日で400円も違います。これまでの3段階の場合、繁忙期は84日、通常期は199日、閑散期は82日ありましたが、新しい4段階のシーズン別指定席料金になると、最繁忙期は30日、繁忙期は41日、通常期は188日、閑散期は106日です。繁忙期や通常期は減りますが、閑散期は増えています。また、現在の料金体系から見ると、値上げになるのが46日、値下げになるのが51日です。最繁忙期を設けることによって値上げになるように見えますが、実は値下げになる日のほうが多いのです。

 とは言っても、最繁忙期と閑散期の差は600円です。大した差ではありません。差をつけるためには、閑散期を中心に(インターネットでしか買えない)割引切符を売るのが望ましいと言えます。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/20211005_ho04.pdf)

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JR東日本の新幹線にも仕事ができる車両

 東海道・山陽新幹線ではこの10月から仕事ができる新幹線車両を走らせていますが、JR東日本でもそういう車両を走らせることになりました。この2月から「はやぶさ」等において通話やWEB会議ができる新幹線オフィスの実証実験を2回行い、ついに本格的に実施することになったのです。

 「新幹線オフィス車両」を本格的に実施するのは11月22日。休日や年末年始などの多客期を除いて行います。「つばさ」、「こまち」、「つるぎ」を除く東北、北海道、上越、北陸新幹線の全列車、全区間において8号車が対象となります(利用状況などにより、実施日や対象列車が変更となることもあります)。

 東北新幹線等の場合は、東海道・山陽新幹線と違って、席の予約はできません。新幹線の切符を持っていれば、自由に利用することができます。追加料金もかかりません。なお、一部列車において、Wi-Fiのルーターなどを有料で貸し出しする予定です。

 話は変わりますが、在宅勤務の普及に伴い、地方に住んで、時々都心部に通う人もいます。今までと違う都心部への新たな移動スタイルに対応するため、「タッチでGo!新幹線」、「新幹線eチケット」で、平日の閑散時間帯に一定区間、回数を利用した人に、「JRE POINT」で還元します。新幹線乗車時のほか、抽選でさらに「JRE POINT」を付与するキャンペーンも行う予定です。

 また、新幹線の移動前後の時間を有効に活用するため、シェアオフィスやコーヒーのサブスクリプションサービスも行う予定です。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/20211005_ho02.pdf)

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なにわ筋線、10月中に本格着工

 2030年度末に大阪(地下ホーム)とJR難波(JR西日本)、新今宮(南海)とを結ぶなにわ筋線が開業します。

 そのなにわ筋線ですが、この10月中に本格着工します。大阪府議会で大阪府が議員の質問にそのように回答したのです。中之島(駅名はいずれも仮称)、西本町で本格的な工事に着手する予定です。

 実は2020年に国交省から認可を得て以来、整備主体である関西高速鉄道は、用地交渉、鉄道施設の詳細設計、工事説明会など、工事着手に向けた準備を進めてきました。10月中に本格着工する中之島、西本町においても、4月から試掘調査が行われていました。既設埋設管の位置を把握するためです。その後、道路の分離帯を撤去し、信号機を移設し、車線の変更をするなどの準備工事を行うことによって工事用地を確保します。ここまで終わったら、現地に高さ30メートルの機械を組み、土留め用の杭と擁壁を打ち込みますが、これを本格的な工事と称するようです。

 なにわ筋線はまだまだ先の話と思っていたら、あと10年で開業します。それを考えると、そろそろ工事に着手しないと間に合いません。なにわ筋線が開業し、新大阪、大阪と関空、大阪南部が一直線で結ばれ、便利になることを期待したいです。
(参考:マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/railwaynews-298/)

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京都市営地下鉄に近鉄特急?

 京都市営地下鉄には烏丸線、東西線ともに私鉄の車両が乗り入れていますが、地下鉄では各駅に停まります。ところが、その京都市営地下鉄に特急を走らせるべき、と主張する人がいます。

 その人は、大塚江戸川大学教授。経営学が専門で、観光を通じた地域の発展や鉄道経営を維持する方策などを研究しています。近鉄が9年前に内部・八王子線をBRTに転換する話が出てきたとき、地元の人と協力して路線の存続案を作成したという実績もあります。

 京都市営地下鉄に走らせる特急は、近鉄からの乗り入れです。奈良や伊勢志摩と結ぶ近鉄の特急が烏丸線に入り、国際会館まで行くのです。大塚教授によれば、7分で結ぶ同じ京都市内の京都-近鉄丹波橋間でも特急の利用客がいるので(本当にそんな人がいるのでしょうか?)、約20分かかる国際会館-京都間ならもっと特急が使う人がいるというのです。もちろん、特急を使えば料金収入が入ります。烏丸線から奈良や伊勢志摩方面へのアクセスも向上します。都心の地下鉄の駅から郊外の私鉄まで直通の特急があるのですから、京都も同じようなことができると考えています。

 さて、近鉄特急が京都市営地下鉄に乗り入れるための投資額はいくらぐらいでしょうか? 大塚教授によれば、安全装置やホームドアの回収で数十億円かかるとしています。特急料金を400円とし、1日10本程度走らせるとすれば、10年余りで回収することができるとしています。

 実はこの案、京都市交通局も検討していたのです。2000年に近鉄の急行が乗り入れるようになったとき、特急についても考えられていたようです。詳しいことは資料が残っていないため分かりませんが、結局見送りになりました。現時点では、新型コロナウイルスの影響で特急を減らしているため、実現は難しいとしています。

 正直言って、京都市交通局が厳しい状態にある現時点では近鉄特急の烏丸線乗り入れは難しいでしょう。当面は烏丸線との乗り換え駅、竹田など、近鉄京都線の主要駅に通勤時間帯の特急を停めるところから始める段階です。
(参考:まいどなニュース https://nordot.app/822366195191054336)

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島原半島が乗り放題のフリーパス

 JR九州と島原鉄道は島原鉄道全線などに乗ることのできるフリー切符、「ぐるっと島原半島フリーきっぷ」を発売しています。

 「ぐるっと島原半島フリーきっぷ」の対象区間は、長崎線諫早-長崎間(快速、普通のみ)、島原鉄道全線、島原鉄道の路線バス全線、鬼池港と口之津港を結ぶフェリーです。発売期間及び利用期間は10月2日から2022年2月20日までの休日、値段は1日間用が2500円、2日間用が3500円です。JR九州の諫早、長崎の両駅、島原鉄道の有人駅とバス営業所、フェリーの営業所で発売します。1000枚限定です。

 ところでなぜ「ぐるっと島原半島フリーきっぷ」を売り出したのでしょうか? 西九州新幹線は2022年秋に暫定開業しますが、島原半島は駅から離れています。その二次交通を充実させるために、今回長崎県の実証事業として発売することにしたのです。西九州新幹線暫定開業時には本格的にこのようなフリー切符を発売するようです。
(参考:長崎新聞ホームページ https://nordot.app/813968041513877504)

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福井鉄道の駅名変更案、5案から投票

 越前市内につくられる北陸新幹線の駅の名前が、越前たけふになりました。

 そうなると、福井鉄道にある駅、越前武生と同じ読みになります。福井鉄道は越前武生の駅名を変えることにしましたが、5案の中から投票で決めることにしました。

 (1)歴史性や地域性が感じられる (2)路線や場所が分かる (3)読みやすい などの観点から選ばれたのは、福鉄たけふ、福鉄えちぜん、武生新、菊花たけふ、越前府中です。このうち武生新は1924年に開業してから2010年に現在の越前武生に改称されるまで使われていた駅名で、菊花たけふは名物の菊人形、越前府中はこの近くに国府があったことからきていると思われます。

 投票は10月16日から11月30日までの間、行われます。越前武生で窓口の営業時間内に応募用紙を受け取り、窓口付近にある投票箱に入れます。ほかの駅の窓口、電話、メール、郵送での対応はしていません。投票は1人1回限りです。12月下旬に新駅名を公表し、実際に変更されるのは2023年春です。北陸新幹線開業より1年早いです。

(追記1)
 福井鉄道越前武生の新駅名が、たけふ新となりました。かつての駅名、武生新をひらがなにしたものです。なぜひらがな表記かはよく分からないですが。

(追記2)
 福井鉄道越前武生の改称は、2023年2月25日に行われます。
(参考:福井新聞ホームページ https://nordot.app/819480441709264896、福井鉄道ホームページ https://fukutetsu.jp/newsDetail.php?213、https://fukutetsu.jp/cms/uploads/upload_058.pdf、https://fukutetsu.jp/cms/uploads/upload_105.pdf)

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乗り遅れた場合の「ぷらっとこだま」の扱い、変更か?

 「こだま」限定ですが、東海道新幹線を格安に旅行できる「ぷらっとこだま」という旅行商品があります。お得ですが、そういう商品にはいくつかの制約があります。そのひとつが、乗り遅れたら無効となること。払い戻しも利きません。

 ところが、この10月1日からその乗り遅れのときの取り扱いが若干変わっているようです。JR線(バスを除く、以下同じ)が遅れたときの対応です。どのようになったのかと言えば、9月30日まではJR線(「JR東海」と限定されていないので、JR東日本やJR西日本でも対象のようです)の遅延証明書(15分以上遅れたもの)と全てのクーポン類を購入した販売店に持参もしくは返送します。それが10月1日以降は、JRの遅延証明書をもって乗車当日に速やかにJR東海の駅窓口もしくはジェイアール東海ツアーズに行くことになりました。

 その後どうなるかは明文化されていないので、わかりません。どのような扱いになるのでしょうか?
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/purakoma202110/)

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小湊鐵道は安房小湊を目指していた

 小湊鐵道は五井と上総中野との間を結んでいますが、小湊鐵道の小湊はどこのことを指すのでしょうか? 

 それは安房小湊。日蓮聖人の生誕の地に建立された誕生寺で有名なところです。もともと小湊鐵道は五井から安房小湊に向かうためにつくられた鉄道でした。実際に認可も受け、工事も行われていましたが、結局完成せず、途中の上総中野で止まっています。小湊鐵道のホームページには五井から上総中野までの各駅の情報が載っていますが、それとともにかつて目指していた安房小湊の情報も載っています。

 さて、今回紹介したいのは、小湊鐵道の観光タクシー。GSSP(国際境界様式地)に認定されたチバニアンなど、駅から離れた観光地にも楽に行くことができます。行き止まりの久留里線の上総亀山に行くこともできます。いくつかモデルコースはありますが、自由に組むことができます。値段は4人乗りのセダンタイプの場合で、30分ごと3330円です。

 小湊鐵道のホームページには、安房小湊を目指すプランは載っていませんが、タクシーなら、本来の目的地の安房小湊に行くこともできそうです。
(参考:小湊鐵道ホームページ https://www.kominato.co.jp/train/station/awa-kominato/index.html、https://www.kominato.co.jp/taxi/index.html)

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「みんなの九州きっぷ」も10月6日から再発売

 2020年夏から2021年春にかけて発売された、JR九州の「みんなの九州きっぷ」、10月6日から再発売されています。

 以前に発売されたときと同じように、「みんなの九州きっぷ」には2種類あります。JR九州全線が対象の全九州版と、北部九州エリア(豊肥線、三角線以北)が対象の北部九州版です。どちらも普通車指定席には6回乗ることができ、新幹線や特急の自由席は乗り放題です。発売期間は10月6日から12月22日まで(利用開始日の3日前まで発売)、利用期間は10月9日から12月26日までの休日です。

 値段は全九州版が大人15000円、子供2000円、北部九州版が大人8000円、子供1000円です。前回に比べると大人がかなり高くなっています。大人は1人で利用できますが、子供1人だけでの利用はできません。「みどりの窓口」では発売せず、JR九州インターネット列車予約で購入することになります。

 また、男性は60歳以上、女性は50歳以上なら、「ハロー!自由時間クラブ」に入ることができます。この会員なら、10月9日から12月26日の間、曜日に関係なく利用することができます。その他の条件は「みんなの九州きっぷ」と同じです。

 なお、「みんなの九州きっぷ」を持っている人は、高速バス「B&Sみやざき」の10周年を記念して、通常4350円かかる新八代-宮崎・宮交シティ間を3000円で乗ることができます。

(追記1)
 JR九州の「みんなの九州きっぷ」の発売期間が2022年3月23日まで(利用開始日の3日前まで発売)、利用期間が2022年3月27日までの連続する休日(「ハロー!自由時間クラブ」会員は2022年3月31日までの平日も可)に延長になりました。

(追記2)
 JR九州の「みんなの九州きっぷ」が再発売されることになりました。発売期間が2022年3月25日から2022年5月25日まで(利用開始日の3日前まで発売)、利用期間が2022年4月2日から2022年5月29日までの連続する休日(「ハロー!自由時間クラブ」会員は2022年5月31日までの平日も可)です。なお、2022年5月3日から5日までの間は使えません。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2021/09/30/210930_minnano_kyushu.pdf、https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2021/12/20/211220_minna_kyushu_kippu.pdf、www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2022/03/23/220323_minna_kyushu_kippu.pdf)

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C寝台とD寝台からなる夜行

 もう満席になったため今から予約することはできませんが、10月23日、関東鉄道常総線で夜行列車、「急行夜空号」を走らせます。

 「急行夜空号」は守谷を23:45に出ます(受付は23:15~23:30の間に行います)。そして翌日5:40に守谷に戻ってきて、解散です。関東鉄道は夜行列車を走らせる距離があるわけではないので、何回も行ったり来たりするのでしょう。

 さて、車両は何を使うのでしょうか? 関東鉄道はロングシートばかりなので、「急行夜空号」もロングシートです。酔っ払いみたいにロングシートで寝るのです。どこで寝るのかといえば、そのロングシート。座席のモケット生地を使ったオリジナル枕をつけて、C寝台、D寝台としています。C寝台とD寝台の違いはベッドの長さ。C寝台は2メートル、D寝台は1.6メートルなので、小柄な女性か子供でない限り厳しいです。幅はどちらも45センチ。通勤用のロングシートをそのままベッドとして使うので、狭いです。寝相が悪いと床に落ちてしまいます。かつて戦前にはロングシートが寝台となるタイプのものがありましたが、それが復活することになります。もちろん、戦前のロングシート寝台車は2等寝台車(今風に言えばA寝台車)なので、通勤用の車両を使うことはあり得ないことでしたが。

 参考までに値段は、夜食がついて、C寝台が13000円、D寝台は12000円です。

(追記)
 この夜行列車の企画ですが、好評だったため、11月13日にも追加されることになりました。11月3日までにホームページで申し込み、抽選となります。
(参考:レスポンスホームページ https://response.jp/article/2021/10/01/349968.html、関東鉄道ホームページ https://www.kantetsu.co.jp、https://www.kantetsu.co.jp/img/news/2021/21102101_kankan/info.pdf)

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京都市交通局、2024年度ごろに値上げで初乗り250円

 京都市交通局の経営が厳しいことは以前にも記事にしましたが、一日乗車券等に続いて、正規の地下鉄、バスの運賃も値上げする方針です。

 値上げは2024年度ごろに行います。現在の地下鉄の初乗り運賃は220円、市バスは均一区間で230円ですが、地下鉄は30円、市バスは20円値上げして、初乗り運賃を250円にします。かなり高い初乗りとなりますが、これが実現すれば、単年度で地下鉄は26億円、市バスは16.4億円の増収効果が見込まれます。

 地下鉄は2021年度に経営改善についての計画策定が義務づけられる経営健全化団体に転落します。市バスは2023年度に経営健全化団体に転落する見込みです。ところが、経営が安定することを目指して、先ほど述べた値上げのほか、ダイヤ改正などの経費節減策も合わせて行うと、地下鉄は2024年度に(地下鉄は値上げしなくても利用者が回復すれば2024年度には経営健全化団体から脱却できるようですが、最大1377億円の累積資金不足が見込まれます)、市バスは2027年度に経営健全化団体から脱却できるとのことです。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF085BD0Y1A001C2000000/、https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF13567013082021000000/)

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京阪間乗り換えなしの新しい近鉄の観光列車は「あをによし」

 近鉄は2022年4月29日に大阪難波-近鉄奈良-京都間に新しい観光列車を走らせます。

 12200系を改造してつくられるその観光列車は、「あをによし」。すでに定期運用から外れ、11月にラストランを行う予定の車両ですが、観光列車として残ることになりました。みなさんも御存じの通り、「あをによし」は奈良にかかる枕詞で、都の美しさをイメージしたものとなっています。

 「あをによし」は4両編成です。座席配置は大幅にリニューアルされ、1、3、4号車は2人用のツインシートからなっています。ボックスシートみたいに向かい合わせになるものと、窓側に45度向いたものの2種類があります。2号車は3~4人用のサロンシートのほか、軽食や飲み物などを提供する販売カウンターがあります。車両の定員は84人です。車体の色は、天平時代において高貴な色とされている紫色のメタリックとし、天平模様が施されています。なお、投資額は約3.3億円とのことです。

 「あをによし」は週6日運行します。ただし、春休み、夏休み、ゴールデンウィークなどは休みなく運行することもあります。運行日は大阪難波-近鉄奈良-京都間を1往復、近鉄奈良-京都間を2往復します。かつて近鉄にも京阪間を乗り換えなしで結ぶ特急がありましたが、それが復活することになります(その当時は大和西大寺で折り返し、近鉄奈良には乗り入れていませんでした)。時間もお金もかかりますが、気分的にリッチな旅ができます。途中停車駅は大阪上本町、鶴橋、生駒、学園前、近鉄奈良、大和西大寺、近鉄丹波橋です。特急料金については未定ですが、停車駅は基本的に既存の特急と同じで、近鉄奈良-京都間で既存の特急のダイヤを使う以上、「青の交響曲」みたいに少々高い程度で済むのではないでしょうか?
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/awoniyosi.pdf)

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マキノ駅にレンタカー営業所

 駅から目的地へのアクセスとして、レンタカーが使われることもあります。主要駅にはレンタカーの営業所があり、そこで車を借りて目的地に行くことができます。

 そんなJR駅レンタカーの営業所ですが、11月1日から湖西線マキノ駅に設置されることになりました。6月15日にJR西日本と高島市との間で締結した「地方創生に関する連携協定」に基づき、高島市の観光振興のために、高島市内にレンタカー事務所を設置することになりました。それがマキノ駅でのJR駅レンタカー営業所設置です。「みどりの窓口」があり、ごく一部とはいえ特急が停まる近江今津駅ではなく、マキノ駅が選ばれたのはなぜでしょうか? 大体、開業式典に出席する駅長は近江今津駅長です。

 JR駅レンタカーマキノ営業所は、マキノ駅のマキノ駅観光案内所内に設けられます。営業期間は3月1日から12月28日までで、12月29日から2月末までの冬季は休業します。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210924_03_makino.pdf)

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西鉄天神大牟田線の特急でサイクルトレイン

 地方のローカル線ではなく、大都市の鉄道の中にもサイクルトレインを行うところが出てきましたが、九州唯一の大手私鉄、西鉄もサイクルトレインを行うことになりました。

 西鉄は10月23日から、実証実験というかたちでサイクルトレインを行います。どこでサイクルトレインを行うのかと言えば、天神大牟田線の特急。支線の普通列車ではなく、看板列車で行うのです。特急が使われるとは、意外です。10月23日から12月12日までの休日、始発駅を10:00から16:00の間に出る特急で行います(西鉄福岡(天神)16:00発まで含まれます)。座席配置の異なる「水都」を除き、上下10本ずつが対象です。

 自転車を持ち込むことができるのは、上下とも大牟田寄りの1両のみ。特急停車駅全10駅で利用でき、実証実験期間中は運賃以外の持ち込み料金は要りません。駅ではエレベータや階段を使ってホームまで行き、車内では固定ベルトを自転車に巻き付け、転倒しないように支えます。

(追記)
 11月6日から西鉄のサイクルトレインが拡大されます。西鉄福岡(天神)発は6:23発から16:00発まで、大牟田発は10:23発から21:24発までに発車する特急で行います。「水都」も利用可能です。
(参考:西鉄ホームページ https://www.nishitetsu.co.jp/release/2021/21_055.pdf、https://www.nishitetsu.co.jp/release/2021/21_064.pdf)

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佐渡航路、廃止の危機?

 佐渡に行くには、船に乗らないといけません。その船は佐渡汽船が運航しています。

 佐渡汽船については新型コロナウイルスの影響で需要が減り、2019年に比べて4割ほどになっています。すでに2020年の段階で約9億円の債務超過に陥っていて、新潟県や佐渡市の支援を受けています。債務超過の額は2021年になってからも増え続け、6月末には約27億円にもなっています。そして、尾崎佐渡汽船社長は9月28日、佐渡市議会の全員協議会に出席して、佐渡航路の運行停止の危険性があることを伝えました。債務超過が解消されないと、2022年4月以降の運営が困難になるというのです。

 佐渡汽船は経営改善計画案を修正して、人件費のさらなる削減、運賃値上げ、割引の見直し、営業所の廃止、広告宣伝費の削減などを行う予定です。佐渡市も佐渡汽船の支援のために第三者割当増資に応じ、約3.6億円の出資を行っています。ただ、それだけでは足らないようです。佐渡汽船がないと新潟と佐渡の行き来ができないので、会社が潰れたらどうにもなりません。佐渡汽船にはコストの削減を求めるとともに、佐渡市自らがお金を出すかもしくは国や新潟県からお金をもらうしか方法はありません。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASP9X6SW8P9XUOHB003.html)

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芸備線に臨時列車

 芸備線は一部の区間においてあまりにも利用者が少ないため、廃止のがあります。その芸備線ですが、芸備線庄原市・新見市エリアの利用促進等に関する検討会議を踏まえ、臨時列車を運行することになりました。

 まずひとつは、広島からのお出かけに便利な列車。芸備線は2018年西日本豪雨災害で大きな被害を受けましたが、全線復旧後の2019年秋の行楽シーズンから走っている快速「庄原ライナー」を2021年も走らせます。運転日は10月23日から12月12日までの休日、合計18日間。ダイヤは広島10:05発備後庄原11:56着です。広島10:05発の「みよしライナー」を備後庄原まで延長する格好となります。終点の備後庄原では、駅周辺へのアクセスに便利な「庄原市街地循環『ひまわりバス』」を増便します。

 国営備北丘陵公園では11月6日からナイトイルミネーションが行われます。これに合わせて、通常休日に運休している備後庄原19:23発の三次行きを休日も走らせます(もっとも、広島方面への接続はよくありません。次の列車に乗っても広島に着くのは同じです)。運転日は10月23日から12月12日までの休日、合計18日間です。

 休日に広島に出かけた人の帰宅に便利な臨時列車も走らせます。運転日は10月23日から12月12日までの休日、合計18日間、三次18:37発備後庄原行きを走らせます。通常のダイヤでは広島17:05発「みよしライナー」に乗っても備後庄原方面への接続はありませんでしたが、これで夕方に広島を出る「みよしライナー」3本全てが備後庄原方面への普通列車に接続することになります。

 最後に紹介するのが、芸備線を乗り潰したい鉄道ファンにとって重要な列車です。現在、芸備線の新見-三次間を明るい時間に乗り潰そうと思ったら、1往復しか使えません(夏場なら新見5:17発に乗っても良いですが、新見に泊まる必要があります)。どうしても昼間の1往復に鉄道ファンが集中します。そこで、10月23日から12月5日までの休日、合計16日間、新見-備後落合間及び備後落合-三次間に臨時列車を走らせることにしました。ダイヤは下りが新見10:57発備後落合12:21着と備後落合13:40発三次15:16着、上りが三次9:58発備後落合11:21着と備後落合12:30発新見13:54着です。備後落合では1時間以上待ちますが、この間に駅周辺の散策をしても良いでしょう。また、この臨時列車は備後落合で「奥出雲おろち号」とも接続します(下り「奥出雲おろち号」の備後落合到着は12:36着なので、新見行きには接続しません。惜しいところです)。「奥出雲おろち号」については、備後落合での接続が悪すぎるという問題がありましたが(特に上りに乗るためには、早朝に新見や三次を出ないと間に合いません)、これで解消できます。

 正直言って、芸備線の備後落合付近は通学などの日常的な利用は見込めず、鉄道ファンぐらいしか乗ってくれる人はいません。廃止までの間、「青春18きっぷ」のシーズンなどに、このように新見-三次間を乗り通すことができる臨時列車を出して、特定の列車に集中しないようにするのが望ましいでしょう。今回みたいに備後落合での接続待ち時間があれば、そこで地元の特産品などを売ることもできます。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/211007_02_press_geibizoubi.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/211008_05_press_geibi.pdf)

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ローカル鉄道に必要なのは地道な取り組み

 ひたちなか海浜鉄道の前身は、茨城交通湊線。廃線の危機にありましたが、2008年4月に引き継ぐかたちで誕生しました。

 誕生した2008年度には、リーマン・ショックに見舞われましたが、それでも輸送実績は前年度を上回りました。東日本大震災直後の2011年度は復旧に時間がかかったため利用者は減りましたが、2012年度から2019年度まではほぼ伸び続けています。ひたちなか海浜鉄道発足直前の2007年度の輸送人員は72万人でしたが、2019年度は約1.5倍の106万人。どうしてこんなに利用者は増えたのでしょうか?

 別に観光列車をつくって客を集めたわけではありません。車両自体は中古がほとんどでそれ目当ての鉄道ファンもいるでしょうが、ほとんどが平成になってからの車両で、むちゃくちゃ古いわけではありません。ちなみに、ひたちなか海浜鉄道が観光列車を走らせないのは、稼働率が低いのに検査費用がかかるからです。6年に一度ある全般検査が2000万円、その間の中間検査が1000万円なので、平均すると1年で500万円かかります。

 それではどうやっているのかと言えば、地元の客をこまめに集めているのです。始発を早め、最終を遅くし、行き違いのできる駅を増やしました。勝田-那珂湊間では朝夕の通勤、通学時間帯に40分間隔で運行していましたが、20分間隔にしました。駅も増やしました。2014年の高田の鉄橋、そして2021年の美乃浜学園です。学生については年間通学定期券も発行しています。120日分の運賃で1年間乗ることができるため安いのですが、それでもひたちなか海浜鉄道にとっては大きな収入です。ちなみに、美乃浜学園については、ひたちなか市は学校までの距離が所定の範囲を超える場合は鉄道での通学を求めています。その場合の定期券代はひたちなか市が負担します。

 そして、ひたちなか海浜鉄道には大きな話があります。2024年の春に延伸するのです。現在の終点の阿字ヶ浦から2駅、3.1キロ延ばして、国営ひたち海浜公園まで延ばすのです。国営ひたち海浜公園は年間来場者が200万人を超える人気の公園。8月の「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」では1日に6万人が訪れ、バスでの輸送ではとても間に合いません。この国営ひたち海浜公園の来場者の1割が使うだけでも2億円の増収になり、売上が今の倍になります。国営ひたち海浜公園の西側には大型ショッピングモールもあり、その買い物客も見込まれます。なお、延伸によって必要となる車両も増えます。現在8両が稼働していますが、中古で4両を調達して、12両にする予定です。

 延伸区間は高架がほとんどです。高架にすると事業費はかかりますが、原則として踏切をつくることが認められないからです。これについては吉田ひたちなか海浜鉄道社長は不満に思っていましたが、規則を変えるには時間がかかり、また高架にすることによって踏切事故がなくなるので、高架にすることにしました。

 事業費は78億円ですが、国が1/3、茨城県とひたちなか市が1/6ずつ、ひたちなか海浜鉄道が1/3を負担します。ひたちなか海浜鉄道の負担分は、ひたちなか市の債務保証を得た上で金融機関から借り入れるか、ひたちなか市から借り入れる予定です。しかし、国には延伸事業に対して負担する根拠がないようです。何らかの根拠を見つけてお金を引っ張ってこないと、せっかく1月に得た事業許可が活かされないことになってしまいます(工事の施工認可の申請は事業認可から1年以内にしないといけないようです)。

 ただ、どの鉄道でも明るい未来があるわけではありません。どうやっても鉄道での運営が無理なところもあります。そういうところは鉄道から撤退して適切な交通手段に置き換え、それなりに需要があるところには地元の人に使ってもらう取り組みをしていかないといけません。

(追記)
 ひたちなか海浜鉄道の延伸が遅れる見込みです。新型コロナウイルスの影響で地権者との協議が進まず、2022年1月となっている工事施工認可の申請期限を2023年3月末に延期するようです。
(参考:「鉄道ジャーナル」2021年7月号 鉄道ジャーナル社、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC163U30W1A211C2000000/)

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東急、60歳以上なら1か月乗り放題2000円

 東急は11月1日から、60歳以上の人のみが対象の切符、「東急線乗り放題パス(over60)」を1000人限定で発売します。

 「東急線乗り放題パス(over60)」は11月1日から30日までの1か月間、2000円で東急線全線が乗り放題となる電子乗車券です。ただ、駅に行けば買えるわけではありません。誰でも買えるわけではありません。60歳以上の「TOKYU CARD」、「TOKYU POINT CARD」会員で、「電車とバスで貯まるTOKYU POINT」に登録し、応募した人の中から1000人を上限に発売します。駅ではスマートフォンがそのまま切符となります。切符を買わずに画面を駅係員に見せるだけで、乗車することができます。

 東急が一日乗り放題になる「東急線ワンデーパス」は1枚680円です。3日乗れば元が取れます。片道200円の区間でも5往復すれば元が取れます。このような電子乗車券を発売することにより、これからの時代に対応した商品をつくることを考えているのでしょうか?
(参考:東急ホームページ https://www.tokyu.co.jp/company/news/list/Pid=post_364.html)

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「昼特急」が新東名経由になるのは10月28日から

 東京と大阪を結ぶJRの高速バスが東名経由から新東名経由になることは以前にも記事にしましたが、そのダイヤ改正日が決まりました。

 それは10月28日。これまで三ヶ日で乗務員の乗り継ぎを行ってきましたが、それを新東名新城インターチェンジ近くの道の駅で行うことによって、東名経由から新東名経由に変更します。新東名はカーブや勾配がゆるやかで、所要時間も最大で30分短縮されます。昼行の「昼特急」が新東名経由になることによりバス停の改廃があり、東名綾瀬、新城(道の駅もっくる新城)に停まりますが、東名富士、東名静岡、東名浜松北の3停留所には停まらなくなります。新城(道の駅もっくる新城)は乗降ともにできます。休憩場所は足柄サービスエリア、道の駅もっくる新城、甲南パーキングエリアの3つです。なお、今回の改正により「中央ドリーム」号は廃止になります。

 この新東名経由への変更に伴い様々なキャンペーンが行われますが、10月28日から12月31日までの限定で、東京-大阪間の得割運賃が2500円の臨時便、「超得得ドリーム号」が運行されます。「超得得ドリーム419号」が東京駅(八重洲南口)23:00発(始発は新木場駅)、大阪駅JR高速バスターミナル7:49着、「超得得ドリーム422号」が大阪駅JR高速バスターミナル22:40発、東京駅(日本橋口)7:26着(終着は新木場駅)です。4列シートの2階建て車両で運行されます。学生と65歳以上の人には、「学生・シニア応援割」があります。東京-京阪神間の夜行便の運賃が1500円引きになります。3列シート、4列シートどちらも対象となりますが、「超得得ドリーム号」は対象外です。また、今回のダイヤ改正で新たに停まる新城については、東京や大阪からの観光にお得な企画乗車券を発売する予定です。
(参考:ジェイアールバス関東ホームページ www.jrbuskanto.co.jp/topics01/post_741.html)

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高知の路面電車やバス、11月から2022年1月まで、日祝無料

 電車やバスに乗るにはお金が必要なのは常識です。しかし、高知では、期間限定ながらこの常識が当てはまらないようになります。新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ需要を喚起するため、高知市は1.2億円を出して(運賃負担の見込額。通常の2.5倍の50万人が利用すると見込んでいます)、11月から2022年1月までの日曜、祝日と年末年始(12月30日から1月3日まで)の合計20日間、高知市内を運行する路面電車や路線バスの運賃を無料にするのです(ただし、新型コロナウイルスの感染状況により、見直しがなされることもあります)。

 無料になるのは、とさでん交通など8社が運行している路面電車や路線バス。高知市外との路線や乗合タクシーも対象に含まれますが、高知空港とを結ぶ連絡バスは除きます。また、高知市民だけが無料の対象になるのではなく、観光客も対象になります。年齢の制限もありません。

 新型コロナウイルスの影響で公共交通機関の需要は落ち込んでいますが、国や自治体はお金を出し渋っています。そうこうしているうちに、公共交通機関を維持することができなくなってしまいます。この悪循環を防ぐためには、公共交通機関を公共で支えないといけません。また、2019年9月のことですが、一日だけ熊本県内の路線バスや鉄道が一部を除いて無料になりました。このときは公共交通機関の利用が増え、渋滞は減りました。そのときの試算では、熊本県内の全世帯が月1000円を負担するだけで、熊本県内の路線バスを年中無料にすることができるようです。今回無料にすることにより、どのような効果があったのか、まとめていただきたいものです。
(参考:東京新聞ホームページ https://www.tokyo-np.co.jp/article/135045、高知新聞ホームページ https://www.kochinews.co.jp/article/492354)

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「JR西日本 どこでもきっぷ」等、発売される

 発売の発表はあったものの、実際に発売開始になる前に中止になってしまった、「JR西日本 どこでもきっぷ」、「JR西日本 関西どこでもきっぷ」。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきたためか、発売されることになりました。

 「JR西日本 どこでもきっぷ」はJR西日本、智頭急行、JR西日本宮島フェリーが乗り放題。IRいしかわ鉄道の金沢-津幡間、あいの風とやま鉄道の富山-高岡間については通過利用する場合に限り、追加料金なしで乗車できます。新幹線や特急も乗り放題で、普通車指定席も6回まで使えます。「JR西日本 関西どこでもきっぷ」はJR西日本の関西エリア、智頭急行が乗り放題 。乗り放題のエリアなら新幹線や特急も乗り放題で、普通指定席も6回まで使えるのは「JR西日本 どこでもきっぷ」と同じです。利用期間は10月15日から12月26日まで(2日間用は12月25日出発分まで、3日間用は12月24日出発分まで)、発売期間は10月8日から12月18日まで(3日間用は12月17日まで)です。出発の1か月前から7日前まで発売します。値段は「JR西日本 どこでもきっぷ」の2日間用が18000円、3日間用が22000円、「JR西日本 関西どこでもきっぷ」は2日間用のみで10000円です(子供は全て半額で、子供だけの発売や利用はできません)。発売箇所はJR西日本ネット予約の「e5489」、JR西日本、JR九州(福岡県、佐賀県に限ります)管内の主な旅行会社で、「みどりの窓口」では発売しません。なお、「JR西日本 どこでもきっぷ」の2日間用は旅行会社のみで発売し、「e5489」での発売は行いません。

 これらの切符は、JR西日本にしては珍しく、1人でも利用できます。グループで旅行すればどうしても声が出てしまい、感染リスクが高まりますが、1人ならそのようなリスクは少なくなります。感染対策をきちんとしながら、出かけたいものです。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/211004_03_dokodemokippu.pdf)

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JR西日本、佐川急便とも組む

 福山通運と組んで山陽新幹線で荷物を運ぶ計画のJR西日本。そのJR西日本ですが、別の運送業者とも組むことになりました。

 その業者は、佐川急便。JR西日本、JR九州、佐川急便の三社で行います。JR西日本など三社は、受託した荷物を山陽・九州新幹線で運ぶ貨客混載輸送の事業化に向けた検討を開始していくことになりました。すでにJR九州と佐川急便は、九州新幹線において荷物の輸送を行っていますので、それを山陽新幹線に拡大したとも言えます。

 JR西日本、JR九州、佐川急便の三社で行う貨客混載輸送は、荷物を車内販売準備スペースに置きます。駅間の輸送はJR西日本区間においてはJR西日本グループが、JR九州区間においてはJR九州グループが行い、集荷先から駅及び駅から配達先までの輸送は佐川急便が行います。

 なお、今後、JR西日本と佐川急便は、山陽新幹線内で完結する荷物の輸送も検討するとのことです。山陽新幹線内のみで荷物を運ぶ福山通運と、九州新幹線にもまたがる佐川急便というように棲み分けをするものと思っていましたが。

 ところでこの貨客混載輸送ですが、早速実証実験を行いました。10月1日に串木野港で水揚げされた活車海老を大阪市内の飲食店まで運びました。朝6時に水揚げされた魚介類が14時には大阪に届いたのです。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210924_05_kakyakukonsai.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/211001_05_transport.pdf)

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能登をぐるりと回る定期観光バス

 西日本ジェイアールバスは、10月16日から、新たな定期観光バスを走らせます。

 10月16日から12月19日までの休日に走るこの定期観光バスの行先は能登。「能登路」という名前で、金沢駅東口(9:00発)から千里浜なぎさドライブウェイ、能登金剛・巌門、總持寺祖院、千枚田、奥能登塩田村など、能登半島の外浦(日本海側)を1日かけて回ります。終着金沢駅東口には19:00ごろ到着しますが、輪島ふらっと訪夢、和倉温泉などでも下車することができます。料金は金沢駅発着が大人6950円、和倉温泉下車が大人6600円、輪島市内下車が大人6150円です。

 この定期観光バス料金には總持寺祖院及び奥能登塩田村の入場料が含まれていますが、昼食は含まれていません。總持寺祖院付近での自由昼食になります。ただし、700円を出せば、總持寺祖院境内で「季節の精進うどんセット」を食べることができます。曹洞宗にとっては食べることも修行であり、うどんを食べることでその体験ができるのです。
(参考:西日本ジェイアールバスホームページ https://www.nishinihonjrbus.co.jp/upload/news/content/20210921notoji.pdf)

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休日の「京王ライナー」等、明大前にも停車

 休日に限りますが、10月30日から「京王ライナー」、「Mt.TAKAO号」の停車駅が増えます。新たに追加される停車駅は明大前。上りが降車専用、下りが乗車専用です。明大前に停まることにより、井の頭線沿線などでも使えるようになります。

 また、高尾山口方面の列車についてはこれまで、下りのみが「Mt.TAKAO号」と名乗り、上りは「京王ライナー」という名前でしたが、10月30日以降は、上りについても「Mt.TAKAO号」という名前になります。高尾山口から府中まで乗車専用で、明大前と新宿のみが降車専用です。また、この秋の「Mt.TAKAO号」の運行期間を11月28日まで延長します。

 さらに、「京王ライナー」等が明大前に停まるのに合わせて、「京王チケットレスサービス新規登録キャンペーン」を行います。キャンペーン期間中に、京王チケットレスサービスに新規登録し、座席指定券を1席以上購入した人に、「Amazonギフト券」を200円分プレゼントします。初日の10月30日には、一部の便で限定トレーディングカードの進呈もあります。

 話は変わりましてこの10月2日から12月26日までの休日、新宿発21時台までの「京王ライナー」、「Mt.TAKAO号」において、「こどもといっしょ割 座席指定券」を2席セット500円で発売します(車内では発売しません)。通常だと大人も子供も1席410円なので、320円お得になります。しかも、「こどもといっしょ割 座席指定券」を買った人同士、同じ車両に座ります。新宿から乗る人は9号車、明大前から乗る人は10号車です(明大前は10月30日から停車)。子供連れ同士なので、周囲に気兼ねする必要はありません。
(参考:京王ホームページ https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2021/nr20210924_Mt.TAKAOmeidaimae.pdf、https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2021/20210924_kodomowari.pdf)

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「近鉄全線3日間フリーきっぷ」等、10月4日から発売再開

 2020年、近鉄は「近鉄全線3日間フリーきっぷ」と「近鉄1dayおでかけきっぷ」を発売し、好評でした。私も「近鉄1dayおでかけきっぷ」を使って、関西に出かけました(そのときの旅行記はこちら)。その2種類のフリー切符が、復活します。

 「近鉄全線3日間フリーきっぷ」は近鉄全線が3日間乗り放題。値段は大人3000円、子供1500円です。有効期間は10月8日から2022年3月31日までのうち、乗車開始日から連続3日間(2022年3月29日乗車開始分まで発売します)、10月4日から2022年3月28日まで発売します(乗車開始日の1か月前から前日まで発売します)。近鉄主要駅の窓口などのほか、近鉄のホームページでも購入することができます。インターネットでは乗車開始日の5日前12時まで購入することができ、送料は購入者の負担となります。なお、「近鉄全線3日間フリーきっぷ」が使える間は、「近鉄週末フリーパス」の発売を停止します。

 「近鉄1dayおでかけきっぷ」は2種類あります。ひとつは三本松以西が1日乗り放題の大阪・奈良・京都版、もうひとつは赤目口以東が1日乗り放題の愛知・三重版です。値段は大阪・奈良・京都版が大人1000円、子供500円、愛知・三重版が大人1500円、子供750円です。どちらも有効期間は10月8日から12月30日までの乗車当日限り有効です。10月4日から12月29日まで発売します(乗車開始日の1か月前から前日まで発売します)。 大阪・奈良・京都版は大阪府、京都府、奈良県内の近鉄主要駅で、愛知・三重版は愛知県、三重県内の近鉄主要駅で発売しています。こちらはインターネットや近畿日本ツーリストでの発売はありません。
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/noridoudaitisan.pdf)

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東武の客車に12系

 東武がSL「大樹」等で使っている客車は14系です。ところが、11月4日から、12系も加わることになりました。

 12系はJR四国から来たものです。SLが活躍していた昭和30年代の客車をイメージして大幅にリニューアルします。窓は開き、車両の一部には開放型展望デッキを設置します。SLの煙や風を感じることができます。座席はボックスシートで、グループやファミリーで使いやすいものとなっています。大きなテーブルも設置します。やはりSLに牽引される客車なら、リクライニングシートよりボックスシートのほうが似合います。

 今回導入されるのは2両。11月4日にデビューするオハテ12-1はぶどう色に、11月13日にデビューするオハテ12-2は青色に塗られます。どちらも座席数は64席です。展望車は3両ある客車の中間に入ります。「ドリームカー」もあるので、日によって車両の組み合わせが変わるということになります。座席指定料金はSLの場合も、DLの場合も、従来と変わりありません。展望車には車両下部に車外向けのスピーカーが設置されます。メロディーを鳴らすこともできます。メロディーは栃木県出身のエレクトーン奏者、倉沢大樹氏が作曲した曲です。

 なお、11月のデビューに先立ち、10月17日と30日には、東武トップツアーズの旅行商品として、「DL『大樹』展望車お披露目ツアー」が開催されます。これに参加すれば、一足先に乗車することができます。9月24日からの東武鉄道公式ファンクラブ会員向けの先行募集に続いて、9月28日からは一般募集も開始しています。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/20210924164858G9ezLD6NypWgXQh45oCVVg.pdf)

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