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沖縄に京阪京津線が走る?

 沖縄鉄軌道の話はからありますが、いろいろ検討しているばかりで、前に進んでいません。2010年度から、もう10年も調査をしています。

 内閣府は2020年度も調査を行いました。この2020年度の調査では、小型鉄道の検討も行っています。この小型鉄道の参考として紹介されたのが、京阪京津線の800系。京阪京津線は最大61パーミルの急勾配区間があります。これを沖縄鉄軌道に導入できないか、検討しました。メーカーに問い合わせたところ、保証はできないが技術的には対応できる可能性があるようです。ただ、京阪800系がそうであるように、車両の費用はかなりかかります。

 とは言っても、実際に採用されるかどうかは別です。今のところ、沖縄鉄軌道では、通常の鉄道のほかに、小型鉄道、スマート・リニアメトロ(リニア地下鉄の改良版)、高速AGT(高速新交通システム)、HSST(「リニモ」みたいなもの)、トラムトレイン(都心は路面電車、郊外は専用軌道)が考えられています。小型鉄道、スマート・リニアメトロ、高速AGT、HSSTいずれの方法でも、那覇(旭橋)-名護間を60分台で結びます。50分台の鉄道よりは遅いですが、2時間近くかかるトラムトレインよりは段違いに速いです。輸送力も大きい鉄道、小さいトラムトレインを除けば、似たようなものです。

 さて、今回の調査では、駅施設のコンパクト化も検討課題となっています。その検討材料として、各駅の想定乗降者数も公表されました。那覇の中心部から浦添にかけてが多く、名護寄りの中間駅の利用者は少ないです。その利用者の少ない区間では、分割併合をすることによって、コストを下げます。具体的には、うるま具志川-名護間を2両編成、そのほかの区間を4両編成にすることによって輸送力の調整を図ります。うるま具志川以北は駅と駅の間隔が開いているので、駅数は少なくても、距離にすれば半分近くが2両編成で走る区間ということになります。駅の配線案もあります。基本的には2面2線ですが、普天間飛行場は2面4線で追い越しができます。車庫もあります。

 このようにいろいろ検討していますが、どうやっても費用便益比を1にすることはできません。これでは、鉄道は整備されません。特に人口の少ないうるま具志川以北は厳しいでしょう。うるま具志川以南に絞ればできる可能性は上がりますが、そうなると名護までの全線ができる可能性は下がります。これでは通常の状態では鉄道の整備は無理です。できる唯一の方法は、普天間の基地機能を辺野古に動かし、その見返りの名目でつくることぐらいです。政治の話はここでは触れませんが、それぐらいのことをしないと沖縄鉄軌道の整備は難しいです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/okinawa202109/、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/railwaynews-297/)

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