京都市営地下鉄に近鉄特急?
京都市営地下鉄には烏丸線、東西線ともに私鉄の車両が乗り入れていますが、地下鉄では各駅に停まります。ところが、その京都市営地下鉄に特急を走らせるべき、と主張する人がいます。
その人は、大塚江戸川大学教授。経営学が専門で、観光を通じた地域の発展や鉄道経営を維持する方策などを研究しています。近鉄が9年前に内部・八王子線をBRTに転換する話が出てきたとき、地元の人と協力して路線の存続案を作成したという実績もあります。
京都市営地下鉄に走らせる特急は、近鉄からの乗り入れです。奈良や伊勢志摩と結ぶ近鉄の特急が烏丸線に入り、国際会館まで行くのです。大塚教授によれば、7分で結ぶ同じ京都市内の京都-近鉄丹波橋間でも特急の利用客がいるので(本当にそんな人がいるのでしょうか?)、約20分かかる国際会館-京都間ならもっと特急が使う人がいるというのです。もちろん、特急を使えば料金収入が入ります。烏丸線から奈良や伊勢志摩方面へのアクセスも向上します。都心の地下鉄の駅から郊外の私鉄まで直通の特急があるのですから、京都も同じようなことができると考えています。
さて、近鉄特急が京都市営地下鉄に乗り入れるための投資額はいくらぐらいでしょうか? 大塚教授によれば、安全装置やホームドアの回収で数十億円かかるとしています。特急料金を400円とし、1日10本程度走らせるとすれば、10年余りで回収することができるとしています。
実はこの案、京都市交通局も検討していたのです。2000年に近鉄の急行が乗り入れるようになったとき、特急についても考えられていたようです。詳しいことは資料が残っていないため分かりませんが、結局見送りになりました。現時点では、新型コロナウイルスの影響で特急を減らしているため、実現は難しいとしています。
正直言って、京都市交通局が厳しい状態にある現時点では近鉄特急の烏丸線乗り入れは難しいでしょう。当面は烏丸線との乗り換え駅、竹田など、近鉄京都線の主要駅に通勤時間帯の特急を停めるところから始める段階です。
(参考:まいどなニュース https://nordot.app/822366195191054336)
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