函館線余市-小樽間をBRT化するなら、どこを走るのか?
北海道新幹線が開業すると函館-小樽間は並行在来線として、JRから分離されます。このうち、長万部-余市間は需要が少なく、貨物も通らないことから、鉄道を廃止してバスにする案が有力のようです。これに対して余市-小樽間は一定の需要があることから鉄道のまま残すべきだという声もあります。
ただ、余市-小樽間については、BRT化するという案もあります。ただ、BRTだとバスは専用道を走るというイメージがありますが、この余市-小樽間の場合は違うようです。国道は整備され、トンネルも付け替えられているところがありますが、鉄道は築100年以上のトンネルもあり、しかも急勾配を避けるため国道に比べてカーブが多く、距離が伸びています。当然ながら単線で、すれ違いはできません。基本的には改良が進む国道を走ったほうが良いのです。市街地の小樽付近は渋滞を避けるために専用道にしたほうが良いようにみえますが、駅構内は塩谷側まで電化されているため、駅に乗り入れることができないのです。連節バスは一度に多くの人を運べますが、車両の値段が高く、塩谷付近の長い坂や小樽の市街地でちゃんと走行できるかどうか確認しないといけません。専用道がつくられるのは、余市の市街地ぐらいかもしれません。こうなると、普通のバスと大して変わらない状態になります。
ちなみに、余市-小樽間を第三セクターで残す場合、駅を追加します。駅の候補地は余市町内と小樽市内に1か所ずつ、2か所につくります。余市町のほうは余市協会病院、北星学園余市高校付近、小樽市のほうは小樽桜陽高校、長橋十字街付近にできます。余市町のほうは新駅設置によって2030年度の利用者が382人増え、小樽市のほうは新駅設置によって2030年度の利用者が604人増えます。また、新駅設置によって初期投資が1.2億円かかりますが、駅をつくることで単年度で9400万円の収入増が見込まれます(2030年度の場合、2.34億円から3.28億円に増えます)。2030年度のトータルの収支は4.85億円の赤字から3.95億円の赤字に改善されます。
本数を増やすことも考えています。現行では最小でも35分間隔ですが、これを終日28分間隔にします。1日でいうと16.5往復から39往復と倍以上に増えます。車両は3編成6両と予備2両の合計8両、運転士はほぼ倍に増えて31人になります。ただ、こちらのほうは収支がよくありません。仮に増発により利用者が5割増えても、2030年度の赤字は4.85億円から5.41億円に5600万円増えます。運転士の人件費が年間7000万円増えるのが影響しているようです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/hokkaido-heikozairaisen20211101/)
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