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813系の一部座席を撤去

 分割民営化直後、JR各社は一部を除いて快適な転換クロスシートの新車を登場させました。JR九州も811系を福岡都市圏に登場させました。

 ところがその福岡都市圏で、転換クロスシートの車両が減っています。817系の一部や821系は最初からロングシートになりました。また、811系や817系の中には転換クロスシートからロングシートに改造されたものもあります。そして、転換クロスシートの813系も短い編成で詰め込むため改造されました。

 しかし、ロングシートになったのではありません。813系は扉間に転換クロスシートが5脚ありましたが、扉に近い座席を撤去しました。扉付近の立席を増やしたことになります。座席は16減り、扉間には転換クロスシートが3脚だけ残っています。ただしこれは緊急避難的なもので、いずれはリニューアルされる可能性が高そうです。そしてそのときには、ロングシートに改造されるとの話があるようです。

 全国的に見ても転換クロスシートの車両は減っています。JR北海道は「エアポート」等に733系を投入しました。JR東海も中央線用に315系を投入します。転換クロスシートが幅を利かすのは、JR西日本を除けば、JR東海の東海道線の名古屋地区ぐらいでしょう。

 話は変わりまして、日中、博多からの列車は遠くても羽犬塚までで、大牟田まで行くものはありません。2018年3月のダイヤ改正でこうなったのですが、JR九州なりの論理があるようです。

 それは、博多での需要に合わせて6~9両での長い編成で大牟田まで走らせると、効率が悪くなってしまうというもの。これまで大牟田まで直通させてきたのは西鉄に対抗するためで、大牟田付近の需要に合わせるのなら、熊本を走っている2両編成のものを引っ張ってくるほうが効率的です。鳥栖-八代間で2両編成の列車をロングランさせ、半数を鳥栖-大牟田間で快速運転させることにしました。最初から勝負を諦めたのです。今では西鉄のほうもライバルがいないために手を抜く有様で、2021年3月のダイヤ改正で平日昼間の特急がなくなりました。JR九州は直通の列車すらありませんので、これでも十分に勝てると見込んだのでしょう。もっとも、鉄道が不便になると乗客が車に逃げるとか(文句も言わずに黙って逃げます)、そもそも住むところとして選択されなくなるとかいう問題も出てきます。悪循環です。
(参考:「鉄道ジャーナル」2021年10月号 鉄道ジャーナル社

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Comments

快適性の面からいうと座席撤去は少し乱暴な気がします。

転換クロスシートの撤去は経営の面からみると効率的かもしれませんが乗客の目から見るとそれは違います。

できれば福岡都市圏はJR西日本の大阪都市圏のように転換クロスシーとのままでも良かった気がするのですが。

完全民営になって少しJR九州の姿勢が変わった感じがします。

経営が苦しいのは分かりますが、発足当初のJR九州のような「わくわくする感じ」がもっと欲しいところです。

Posted by: リリィ | 2022.01.30 09:17 PM

 リリィさん、おはようございます。

* できれば福岡都市圏はJR西日本の大阪都市圏のように

 どうしても通勤電車だとドア付近に人が固まる傾向にあるので、ドア付近の立席部分を増やすのはある程度は理解できます。JR西日本も221系でその方法を採用しています。

* 完全民営になって少しJR九州の姿勢が変わった感じがします。

 完全に経営方針が変わったのでしょう。分割民営化当初の攻めの姿勢は見られません。水戸岡氏デザインの観光列車に乗る人以外は客と思っていないのでしょう。

 現状では、JR九州の株式上場は失敗だったと言わざるを得ないでしょう。

Posted by: たべちゃん | 2022.01.31 05:56 AM

居住性の観点から考えてもなんだか変に感じます。

デザインを重視しているJR九州だったのでは?
首をかしげざるを得ない状態です。

子供たちや家族連れがちょっとしたお出かけに乗りたくなるような空間とは言えなくなってしまっている感じがします。

鉄道を利用したお出かけが楽しければ将来、特急等の長距離利用にもつながります。

経営が苦しいのは分かりますが、将来の利用者を逃してはならないと思います。

Posted by: ゆめ | 2022.02.05 08:16 AM

 ゆめさん、こんにちは。

* 居住性の観点から考えてもなんだか変に感じます。

 大都市近郊の通勤列車のデザインは難しいところがあります。

* デザインを重視しているJR九州だったのでは?

 好評だった水戸岡氏のデザインも30年が経って違う方向に進んでいったのでしょう。観光列車に力を入れすぎて、それ以外の列車がおろそかになっている印象です。

 バスでも十分に運べそうなレベルの路線を維持する必要はありませんが、ある程度の需要がある路線については公共交通機関の本分を忘れてはいけません。

Posted by: たべちゃん | 2022.02.05 12:18 PM

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