JR九州、29駅で終日無人化、48駅で切符販売窓口廃止
鉄道業界は元々、少子高齢化や人口減少によって、将来の労働力を確保することが重要な課題となっていました。これに追い打ちをかけたのが新型コロナウイルス。鉄道需要が減り、2020年度の鉄道旅客運輸収入は会社発足以来最低の数字でした。2021年度も回復せず、2020年度に次ぐ低い水準となっています。
このような状態に対応するため、3月12日から、駅体制の見直しを行います。29駅で終日無人駅になり、48駅の切符の販売窓口を廃止します。終日無人駅になる駅では係員が定期的に巡回し、また終日無人駅となる駅、切符の販売窓口が廃止になる駅でも、駅にある券売機で切符を買うことはできます。
具体的にどこが対象になるのでしょうか? 終日無人駅になるのは新田原、東唐津、彼杵、天ヶ瀬、長洲、串木野、吉松など、切符の販売窓口が廃止になるのは荒木、宇島、飯塚、長与、南熊本などです。福岡都市圏で切符の販売窓口が廃止になる駅が目立ちます。また、切符の販売窓口が廃止になる駅でなくても、窓口の営業時間は短縮されます。県庁所在地駅などエリアの中核を担う駅などは7:00~21:00、福岡都市圏の駅や新幹線、特急が停まる一部の駅などでは7:30~19:00とします。それ以外の駅については利用状況を勘案し、7:30~15:00、7:30~12:00等とします。営業時間を短くすることによって、駅員1人で対応できるのです。もちろん、営業時間外も駅にある券売機で切符を買うことができます。なお、宮崎県内の駅は地元関係者が駅業務を請け負う簡易委託にするため、新たに無人駅になるところはありません。
このように無人駅が増加し、切符の販売期間が短くなったことにより、1月から切符のルールも変わります。福岡市内または北九州市内の駅係員が終日不在になる駅や一部時間帯に駅係員が不在になる駅、インターネットで予約した切符を受け取ることができない駅から乗車するときで、利用当日に最寄りの販売窓口がある駅まで列車を利用したときは、その運賃を払い戻します。JR九州の改札口(JR西日本の駅は対象外です)で自動改札機に切符を入れず、改札口の係員に申し出る必要があります。新規の定期券の発売日も2021年3月からは有効開始日の7日前から14日前になりました。2018年3月からは駅係員が終日不在になる駅や一部時間帯に駅係員が不在になる駅を発駅とする定期券を買うために、最寄りの販売窓口がある駅まで列車を利用したときは、その運賃を払い戻しています。ICカードでも1月から対象です。
切符のネット化は進んでいます。新型コロナウイルスの前は割引切符のネット販売の比率は在来線で3~4割、新幹線は5割程度でした。それが現在では在来線は5~6割、新幹線は紙の回数券を廃止したため100%になりました。ある意味以前の目標を達成することができたのです。1月7日から3月31日までの期間限定ですが、門司港・行橋-博多間の特急列車において、「PayPay」のQRコード決済機能を使った特急券の実証実験も行っています。これなら「みどりの窓口」で切符を引き換える必要もありません。スマホが定期券になる取り組みも沿線の高校の協力を得て試験的に導入していきます。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2021/12/23/211223_ekitaisei_minaoshi.pdf、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20211231/k00/00m/020/057000c、西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/852150/)
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