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小田急、VSEを引退させる

 昨日簡単に触れた通り、小田急も3月12日にダイヤ改正を行います。

 小田急も平日朝のラッシュ時に運転本数を見直します。小田原や新松田から相模大野行きの急行がありますが、それを5本減らします。代わりに本厚木発の各駅停車と通勤準急各1本を秦野や伊勢原始発にします。そしてやはり増えるのが、朝の「ロマンスカー」。「モーニングウェイ」を3本増発し、6~9時台に下北沢を通る列車を現行の9本から12本に増やします。町田に停車する列車も増えます。

 平日の日中は、新宿-町田間、多摩線などで見直します。新宿発新松田行きの急行を町田発小田原行きの急行(新松田-小田原間は各駅停車)に変え、6両編成で運転します。急行の減少をカバーするため、千代田線からの準急を急行にして、向ヶ丘遊園まで運転します。新宿発唐木田行きの急行を多摩線内各駅停車で走らせます。平日の夕方以降は、18~21時ごろに新宿を出る各駅停車を1時間8本から6本に変更します。千代田線から直通する準急も8本から6本になり、種別は準急に統一されます。急行は終日経堂に停車します。経堂や成城学園前において準急や各駅停車との接続を改善して、利便性を向上させます。新宿発江ノ島線方面行きの急行を快速急行に、多摩線方面行きの快速急行を急行に変更して、一部本数を見直します。

 「ロマンスカー」の本数は見直されます。平日の場合、「はこね」、「スーパーはこね」は45本(上下合計の数字、以下同じ)から30本に減りますが、「さがみ」は12本から15本に、「えのしま」は3本から4本に増えます。「ふじさん」の本数は変わりません。また、新宿-海老名間において「ロマンスカー」のスピードアップを行います。海老名から新宿まで46分かかっていたのが、38分に短縮されるものもあります(海老名発11~16時ごろ)。伊勢原や秦野に停車するものが増えます。平日の夕方以降の「ロマンスカー」も変わります。帰宅ラッシュ時間が早くなったのに対応して、17時以降に出発する下り「ロマンスカー」を「ホームウェイ」とします。「メトロホームウェイ」の運転時刻を1時間繰り上げます。反対に、22時以降に新宿を出る「ホームウェイ」を6本から3本に減らします。新宿発小田原方面行きの「ホームウェイ」は全て海老名に、千代田線からの「メトロホームウェイ」は全て成城学園前に停車させます。

 休日は終日、基本的には平日日中と同じダイヤで走ります。これに加えて、都心や観光地への移動需要に対応させるため、10~12時ごろまでの上りと16~19時ごろまでの下りについて、新宿-町田間、多摩線では1時間に3本の列車を走らせます。9~12時ごろと16~18時ごろの上下方面について、藤沢-片瀬江ノ島間では1時間に1本の列車を走らせます。「ロマンスカー」については、「はこね」、「スーパーはこね」は51本(上下合計の数字、以下同じ)から39本に減ります。「ふじさん」も8本から6本に減ります。代わりに「さがみ」は5本から12本に、「えのしま」は11本から14本に増えます。夕方以降については、平日と同じく17時以降の下りを「ホームウェイ」として、全て海老名に停車させます。22時以降に新宿を出る「ホームウェイ」を5本から3本に減らします。「メトロホームウェイ」については現行から概ね変更はありません。

 江ノ島線藤沢-片瀬江ノ島間については、「ロマンスカー」等の一部を除いて、藤沢-片瀬江ノ島間のみの折り返し運転とします。藤沢でのホームの使いかたを固定し、定時性を高め、車両運用の効率化を図ります。箱根登山鉄道においては、小田原-箱根湯本間で始発を20分程度繰り下げ、最終を30分程度繰り上げます。日中は1時間当たり上下8本走っていましたが、6本に減らします。箱根湯本-強羅間は朝夕で一部減便があります。

 今回のダイヤ改正において、もうひとつ重大なニュースが残っています。2005年にデビューした「ロマンスカー」、VSEが引退するのです。3月12日のダイヤ改正で定期運行を終了し(定期運行は3月11日までです)、その後はイベント列車などで走りますが、それも2023年秋までです。18年で引退するという、非常に短いものとなります。

 なぜVSEは引退するのでしょうか? 小田急によれば、車両の経年劣化や主要機器の更新が困難だからということですが、GSEを走らせた時点ではVSEも継続して走らせる予定でした。その予定が変わったのは、新型コロナウイルスで需要が大きく落ち込んだからでしょう。ホームドアや定員の少ないことはネックではなかったようで(VSEもホームドアの問題はクリアできていたようです)、車体傾斜制御や連節車であることがネックだったようです。それでも観光需要があればリニューアルして走り続けるのでしょうが、ここまで需要が冷え込んでしまったので、代替車両をつくらずに引退させるのでしょう。今回のダイヤ改正でも「はこね」が減り、箱根まで行かない「さがみ」が増えます。飲食のシートサービス車内販売が消え、展望席のある「ロマンスカー」はGSEだけという寂しい状態になってしまいます。
(参考:小田急ホームページ https://www.odakyu.jp/news/o5oaa100000214su-att/o5oaa100000214t1.pdf、https://www.odakyu.jp/news/o5oaa100000214sd-att/o5oaa100000214sk.pdf、箱根登山鉄道ホームページ https://www.hakone-tozan.co.jp/_wp/wp-content/uploads/2021/12/cac3a6e100ec84532b8ff1ac3d5e1450.pdf、東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/477761)

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