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February 2022

地下鉄直通の通勤ライナーは不振?

 首都圏の私鉄では、ロングシートにもクロスシートにもなる車両を使った有料の通勤ライナーを走らせているところがあります。さて、これらの通勤ライナーはどれだけ利用されているのでしょうか?

 どうやら地下鉄など複数の会社にまたがるのは不振のようです。通勤ライナーは追加料金が500円以下に収まるようになっているので、気軽に乗ることができます。しかし、これが地下鉄など複数の会社にまたがると各社で追加料金がかかるので、どうしても高くなってしまいます。通勤ライナーの椅子は特急としてはレベルが低いですが(近鉄は同様の車両を、追加料金が要らない急行等として走らせています。この程度で追加料金が取れるのは東京だからです)、まだワンコインで収まるのなら許せます。これが高くなるとわざわざお金を払ってまで、という気持ちになるのかもしれません。
(参考:「鉄道ジャーナル」2021年11月号 鉄道ジャーナル社

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長良川鉄道、3月12日ダイヤ改正で夕方に1往復増発

 長良川鉄道は3月12日にダイヤ改正を行います。

 今回のダイヤ改正では、夕方に美濃太田-関間を1往復増発します。増発するのは関17:59発と美濃太田18:02発。美濃太田18:02発は2021年秋に臨時増便していたもので、定期列車に昇格することになりました。2021年秋の利用状況が良かったからでしょうか? ともかく、利用の望める美濃太田-関間を増発することにより、通勤や通学でも使いやすくなります。

 また、同じ3月12日から、刃物会館前がせきてらす前に改称されます。せきてらすは2021年3月に開業した、関の魅力を発信する観光施設。その観光施設に駅名を合わせたのです。
(参考:長良川鉄道ホームページ www.nagatetsu.co.jp/info/3789/、www.nagatetsu.co.jp/info/3793/)

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日高線代替バス、3月で一部廃止

 2021年4月に日高線鵡川以遠が廃止されましたが、代替のバスはいろいろ用意されていました。路線バスのほかに、高速バスまで用意されていました。

 新千歳空港と浦河町とを結ぶ高速バス、「特急ひだか優駿号」もそのひとつ。当初は道南バスが運行していましたが、2021年4月からはジェイ・アール北海道バスが走らせていました。休日のみの運行でした。

 しかしその「特急ひだか優駿号」ですが、3月27日で廃止になることになりました。新千歳空港には特急「とまも号」などで沼ノ端に行き、そこからJRや道南バスにのることになります。札幌へもほかの高速バスを使えば対応できます。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/115525、ジェイ・アール北海道バスホームページ https://www.jrhokkaidobus.com/wp/wp-content/uploads/2022/02/220215yusunn.pdf)

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近鉄南大阪線等、急行や準急の運転区間短縮、末端は2両ワンマンへ

 近鉄は4月23日にダイヤ改正を行います。

 今回ダイヤ改正を行うのは南大阪線、吉野線、長野線、御所線。元々長期にわたって利用者が減っている傾向にある中、新型コロナウイルスの影響でさらに利用が減っているので、それを考慮したダイヤにします。昼間時間帯を中心に一部列車の行先及び車両編成の変更、一部列車のワンマン化を行います。本数はできるだけ減らさずに車両編成を実態に合わせたものにすることで対応しています。

 もう少し細かく見ていきましょう。大阪阿部野橋-吉野間を走る一部の急行(上下合わせて平日は9本、休日は7本)を大阪阿部野橋-橿原神宮前間に短縮します。橿原神宮前-吉野間は代わりに2両編成のワンマン運転の列車が走ります。上下合わせて平日24本(このほかに区間運転4本)、休日20本です。運転区間を短縮する本数に比べてワンマン列車になる本数が多いことから、2021年7月のダイヤ改正で大幅に増えた区間急行を受ける列車も2両編成のワンマン列車になると思われます。4月23日なら吉野の桜も終わっているので、車両編成が短くなっても問題はないのでしょう。

 大阪阿部野橋-橿原神宮前間を走る一部の準急(上下合わせて平日は22本、休日は26本)を大阪阿部野橋-古市間に短縮します。古市-橿原神宮前間は代わりに2両編成(一部ワンマン運転)の列車が走ります。上下合わせて平日57本(このほか区間運転や御所線直通6本)、休日53本(このほか区間運転や御所線直通9本)です。

 平日については、大阪阿部野橋-古市間の普通のうち4本を大阪阿部野橋-藤井寺間に短縮します。藤井寺-古市間は本数が減りますが、普通は遅くて藤井寺に着くまでに準急などに抜かれていますので、実質的な損害は軽微でしょう。
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/2022daiyahenkou.pdf)

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新名神八幡-高槻間の開通、4年遅れる

 四日市と神戸を結ぶ新名神で、未開通の区間は大津ジャンクション-城陽ジャンクション間と八幡京田辺ジャンクション-高槻ジャンクション間。このうち大津ジャンクション-城陽ジャンクション間は2024年度に開通する予定です。

 そして、八幡京田辺ジャンクション-高槻ジャンクション間は2023年度に開通する予定でしたが、4年遅くなります。用地買収の遅れが原因で、2027年度開通予定となります。

 そもそもこれらの区間は経済的な理由ではなく政治的な理由で採算が取れないとされ、長い間着工が凍結されていました。その後凍結は解除され、工事が行われていますが、スタートが遅くなったのが響いています。2024年度には大津ジャンクション-城陽ジャンクション間が開通するので、名神を通らずに大阪に行くことができますが(八幡京田辺ジャンクションから第二京阪を利用)、山陽道方面に行くには大津ジャンクションから名神等を通らないといけません。ミッシングリングの状態がしばらく続きます。
(参考:京都新聞ホームページ https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/728683)

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宮島への船、減便

 宮島口から宮島に渡る船はJR西日本宮島フェリーと宮島松大汽船(広電グループ)の2社があります。通常、JR西日本宮島フェリーは15分間隔、宮島松大汽船は10~15分間隔で運航しています。

 ところが新型コロナウイルスの影響で、JR西日本宮島フェリーは2月1日から、宮島松大汽船は1月29日から減便しています。どちらも30分間隔に半減しています。ただし、宮島松大汽船のほうは旅客便とカーフェリー便を交互に走らせることによって、実質15分間隔での運航を行っています。

 しかし、この減便もまもなく終わります。JR西日本宮島フェリーは今日26日から通常ダイヤに戻り、宮島松大汽船も3月5日に通常ダイヤになります。もうすぐです。
(参考:JR西日本宮島フェリーホームページ https://jr-miyajimaferry.co.jp、宮島松大汽船ホームページ miyajima-matsudai.co.jp)

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ヤマト運輸、専用の貨物機を導入

 宅配便の輸送には、トラック、鉄道、フェリー、航空機が距離等に応じて使い分けられています。航空機は旅客機の床下貨物スペースを使っています。

 ところがヤマト運輸は2024年4月から、首都圏から北海道、九州、沖縄地域への長距離輸送に貨物専用の航空機を使います。中古の旅客機(エアバスA321ceo)を貨物専用機に改修し(ヤマト運輸のロゴが入っています)、1機あたりの最大搭載重量は28トンです。10トン車約5~6台分です。実際の運航はJALグループのLCC、ジェットスター・ジャパンが行います。昼は成田と新千歳、北九州、那覇を結び、夜は羽田と新千歳、北九州、那覇とを結びます。なお、ヤマト運輸が貨物専用機を保有するのは、これが初めてのことです。

 宅配便を航空機で運ぶのは、JALにとってもメリットがあります。新型コロナウイルスの影響で旅客需要は減少していますが、貨物需要は底堅いです。ヤマト運輸の宅配便をJALが運ぶことにより、JALの貨物輸送量も増えます。ヤマト運輸の貨物専用機が運ぶ貨物の量は新型コロナウイルスの感染が広がる前にJALが運んだ国内貨物量の4割程度になるとも言われています。しかも航空機はヤマト運輸が持ち、JALグループは単に運ぶだけですから、リスクは小さいのです。

 先ほど宅配便の輸送にはいろいろな交通機関を使うと書きましたが、トラックに頼る部分が大きいです。ほかの交通手段が考えられない短距離はともかく、長距離でのトラックの運転は超過勤務を招き(2019年施行の働き方改革関連法が2024年4月から運送業などにも適用されます。トラックドライバーの年間残業時間の上限が960時間になります)、環境にも良くないです。トラック以外の輸送手段が考えられない短距離はともかく、それなりの距離なら鉄道、フェリーを使い分けるのが好ましいでしょう。もっとも、航空機で荷物を運ぶのはコストの面でも環境の面でも良くないです。2007年度の国土交通白書によれば、東京と福岡の間で貨物を運んだ場合、航空機はトラックに比べてコストは8倍、二酸化炭素排出量は10倍になります。沖縄以外で航空機を使うのはその費用を環境面を含めて負担してもらわないといけません。すぐには無理ですが、輸送の高速化は貨物新幹線が担うのが良いでしょう。

(追記)
 宅配便の輸送を行う航空会社が、ジェットスター・ジャパンからスプリング・ジャパンに変更になりました。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/114725、https://trafficnews.jp/post/122928、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC277P30X20C22A1000000/)

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サウジアラビアの女子大構内に鉄道

 世界最大の女子大は、サウジアラビアのプリンセス・ヌーラ大学と言われています。面積は1300万平方メートル(13平方キロメートル)、東京ドーム278個分の広さです。学生は6万人います。ちなみに国営大学なので、授業料はもちろん、住居も無料のようです。

 この巨大な大学構内の交通手段は鉄道。電気で動く鉄道は二酸化炭素の排出量が少なく、持続可能な交通手段だからです。日立が2011年に完成し、4つの高架路線があり、11.5キロの間に14駅があります。自動運転の電車は2両編成で110人が乗ることができ、最高速度60キロで走ります。

 大学構内の移動で自転車を使うというのはよく聞きますが、バスではなく鉄道を使うというのは驚きです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/114669)

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京都市交通局、3月19日ダイヤ改正で地下鉄、バス減便

 新型コロナウイルスで頼みにしていたインバウンドが消え、経営に苦しんでいる京都市交通局。その京都市交通局ですが、3月19日にダイヤ改正を行います。

 簡単にダイヤ改正の概要を述べると、地下鉄は朝夕のラッシュ時の輸送力は維持しますが、利用状況に応じてダイヤの見直しを行います。夜間は減便します。バスも朝の通勤・通学時間帯や最終便は維持しますが、利用状況に応じて路線やダイヤの見直しを行い、車両数を削減します。民間バス事業者(京都バス、西日本ジェイアールバス)との連携強化も行います。一部路線において、他社のバスと共同で運行するのです。

 地下鉄は2回に分けて減便を行います。まず3月19日には21時以降に、烏丸線、東西線ともに2往復減らします。秋ごろからは、昼間時間帯において烏丸線、東西線ともに4往復の減便を予定しています。なお、始発や最終の時刻の変更はありません。

 バスで目立つのは急行系統等の廃止。2020年4月から断続的に運休していますが、急行系統等がなくてもほかのバスで十分対応できているため、急行系統等の休止を行います。深夜バスについても2020年4月から断続的に運休していますが、こちらも終電の繰り上げ等によって需要が減っていると考えられるため、廃止します。運行回数の多い路線を中心に、昼間時間帯以降にバスの運行間隔を広げます。2~10分程度拡大します。
(参考:京都市交通局ホームページ https://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/page/0000293856.html)

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JAL、普通運賃を廃止

 2023年4月、JALの運賃制度が大きく変わります。2023年4月12日搭乗分から、国内線の運賃制度が大きく変わるのです。

 まず大きく変わるのは、普通運賃がなくなること。確かに普通運賃は異様に高く、こんな運賃で乗る人はいない、というぐらいのものですが、概念そのものがなくなるとは意外です。代わりに用意されるのが、フレックス。フレックスは予約時点での最終的な空席予測に連動して運賃が変わるものです。ですから、同じ日の同じ便でも予約した日によっては、運賃が変わるのです。また、フレックスは正規運賃なので、変更は自由で、取消手数料もありません。出発後でも20%の取消手数料で済みます。空席さえあれば当日でも予約できます。

 割引切符も名前が変わります。前日まで発売のセイバーと、28日前まで発売のスペシャルセイバーです。JALの割引もいろいろありましたが、この2種類に減るようです。世界的にも航空運賃を正規料金、割引料金、早期割引料金の3タイプにまとめる傾向のようです。なお、セイバー、スペシャルセイバーともに、価格は予測残席数に応じて変動します。

 これまで往復割引は普通運賃の場合しか適用されなかったのですが、新しい運賃制度では、セイバーやスペシャルセイバーでも適用することができます。フレックスとセイバーといった別の種類の組み合わせでも適用できます。5%の割引です。ただし、往復割引を使うと、フレックスでも予約の変更はできません。また、小児運賃も普通運賃の場合しか適用されなかったのですが、新しい運賃制度では、セイバーやスペシャルセイバーでも適用されます。フレックスも含めて25%引きです。

 直行便がなく、やむなく乗り継ぎになるケースがあります。これまでは乗り継ぎの場合、区間ごとの運賃を合算していましたが、新しい運賃制度では、直行便でも乗り継ぎでも同じ運賃になります。

 これ以外にもいろいろ変更点はありますが、それにしても思うのは、鉄道の運賃の硬直さ。お盆や年末年始でもそれほど高くはならず、「みどりの窓口」で切符を買っても追加料金はかかりません。航空機のような柔軟な運賃制度は難しいでしょうが、ある程度は需要やコストを反映させたものにしたほうが良いと思われます。そのためにも地方路線を中心に値上げし、競争のある区間はインターネットの割引切符で対応したほうが良いと思われます。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/jal-fare2022/)

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大人と一緒なら、子供高速バス100円

 伊予鉄バスは2月16日から3月15日まで(京都線は4月10日まで)の期間限定で、「こども格安キャンペーン」を行っています。

 「こども格安キャンペーン」は一部路線のみが対象。東京線、京都線、福岡線は1000円で、新尾道・福山線、高知線は100円で乗車できます。しかし、この「こども格安キャンペーン」を使うには、条件があります。各路線とも座席数限定で、インターネット予約サイト(発車オ~ライネット、楽天トラベル、ウィラートラベル、高速バスドットコム)で申し込まないといけません。また、この「こども格安キャンペーン」を受けることができるのは、大人(通常片道運賃)と一緒に乗車する小学生です。大人1人につき小学生1人までです。

 格安キャンペーンならではの条件が色々付きますが、最大で95%引きで乗ることができます。伊予鉄バスとしては、この「こども格安キャンペーン」で新たな需要を喚起したいとのことです。
(参考:伊予鉄道ホームページ https://www.iyotetsu.co.jp/topics/press/2022/0117_bkkc.pdf)

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高蔵寺地区で一日乗車券の実証実験

 名鉄バスは期間限定で、高蔵寺地区の路線バス(名鉄バス、サンマルシェ循環バス、かすがいシティバス)が乗り放題となる一日乗車券、「高蔵寺1DAYフリーパス」を発売します。

 「高蔵寺1DAYフリーパス」は大人700円、子供350円。乗車日を1か所、コインなどで削り取って使います。発売期間は2月21日から3月31日まで、利用期間は3月1日から31日までです。名鉄バス高蔵寺インフォメーション、名鉄バス春日井営業所、サンマルシェ南館インフォメーションのほか、対象のバス車内でも購入することができます。

 なお、この「高蔵寺1DAYフリーパス」は公共交通全体の利用促進や利用者の利便性向上などを目的に、実証実験として行います。今回のフリーパスのエリアに入っている高蔵寺ニュータウンは、かなり高齢化が進んでいるところ。かつては若い家族が中心だったのですが、子どもが成人して家を出て、年老いた親だけが残ったのです。こういうところにフリーパスを設定することによって、車がなくても生活できるようにするのが目的でしょう。
(参考:名鉄バスホームページ www.meitetsu-bus.co.jp/info/detail/852)

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3人の運転士でリレーする夜行バス

 JRバスグループの夜行バスには、途中で運転士を交替するものがあります。中間地点あたりに拠点を設け、そこで運転士を交替します。

 東京と松江、出雲とを結ぶ中国ジェイアールバスの「スサノオ号」もそのひとつ。途中で運転士が交替します。ところがこの「スサノオ号」、800キロを超える長距離のバスであるため、交替は2回行います。3人の運転士がリレーして走らせるのです。

 どこで運転士が交替するのかと言えば、ひとつは三ヶ日(ただし、今は新城に移っているものと思われます)。もうひとつは中国道の勝央サービスエリアです。勝央サービスエリアで交替するのは「中国ハイウェイバス」の目的地、津山に近いので、運転士の宿泊施設が完備しているからなのでしょうか? 東京駅・TDL-三ヶ日間はジェイアールバス関東の運転士が、三ヶ日-勝央サービスエリア間と勝央サービスエリア-松江・出雲市間は中国ジェイアールバスの運転士が担当します。
(参考:「鉄道ジャーナル」2021年11月号 鉄道ジャーナル社

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トンネル施工のため陸羽西線約2年間運休

 新庄と余目とを結ぶ陸羽西線。この陸羽西線ですが、5月14日から約2年間運休します。

 なぜ運休するのかと言えば、道路トンネルの建設に支障するため。陸羽西線には並行して国道47号が走っていますが、脆弱なところがあるので部分的に地域高規格道路の建設が進んでいます。新庄酒田道路というもので、これから取り上げる高屋道路もそのひとつです。

 高屋道路の高屋トンネル(仮称)は、陸羽西線古口-高屋間のトンネルの真下を通ります。鉄道トンネルのすぐ下を道路トンネルが通るため、道路トンネルの工事期間中、列車が通常通り走行しても問題がないかが気になります。国交省主催の学識者等による施工技術検討委員会で安全対策の検討を行い、かつJR東日本でも検討した結果、工事期間中の列車運行の安全対策には技術的な課題が多いという施工技術検討委員会での意見を元に、陸羽西線の全列車の運転を取りやめ、バスで代行輸送することにしました。

 運転を取りやめる期間は5月14日から2024年度中までの約2年間、陸羽西線の全列車が対象になります。酒田まで直通する列車は余目-酒田間も運休します。代わりに新庄-余目・酒田間で代行バスが走ります。代行バスのダイヤは後日発表されますが、利用者の多い朝夕は本数を増やす予定です。代行バスは列車よりも遅く、交通事情により代行バスが遅れて接続が上手くいかないこともあるようです。運賃は列車と変わりません。

 このように約2年運休という思い切った措置がとれるのは、陸羽西線の利用者が少ないからです。2020年度の輸送密度は163人、新型コロナウイルスの影響がない2019年度でも343人です。JR東日本の路線の中では、山田線に次いで2番目に数字が悪いです。約2年間のバス代行輸送はある意味実験でしょう。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/sendai/20220222_s01.pdf、https://www.jreast.co.jp/rosen_avr/pdf/2016-2020.pdf、一般国道47号 高屋道路ホームページ https://www.thr.mlit.go.jp/yamagata/ir/hyouka/takaya/160930youten2-3takaya.pdf)

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鶴見の中間改札、2月末で撤去

 鶴見線への乗り換え駅、鶴見。京浜東北線から鶴見線に乗り換えるとき、同じJR東日本の路線であるにもかかわらず、改札を通ります。

 なぜここに改札があるのかと言えば、合理化のため。鶴見を除く鶴見線の各駅には、駅員がいません。しかし鶴見線は工業地帯なので、線内で完結する利用は少なく、鶴見できちんとチェックすれば問題はありません。しかも鶴見線への利用者の多くは工場地帯に通勤する人で、彼らは通勤定期を持っています。不正乗車の危険性は低いのです。鶴見の中間改札は1971年に置かれました。当時は当然ながら駅員が改札をしていましたが、今は自動改札機が並んでいます。

 ところがこの鶴見線へ乗り換える途中にある改札、2月末で撤去されます。なぜ撤去されるのか理由はよく分からないのですが、ICカードが普及したため、無人駅であってもICカード専用の改札機を置いてチェックすることが可能になったからでしょうか?
(参考:鉄道ホビダス https://rail.hobidas.com/news/373472/)

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「やくも」に制御付自然振り子方式による新型車両

 伯備線の特急「やくも」は1982年の電化以来、国鉄型の381系で運転されていました。

 しかし、分割民営化から30年以上が過ぎ、381系は古くなってしまいました。この「やくも」の置き換えの話は以前からありましたが、正式にJR西日本から発表がありました。

 新しい「やくも」用特急車両は273系と言います。参考にしたプレスリリースではシルエットしか分かりませんが、JR西日本の特急によく見られるようなかたちになっています。そして、カーブの多い伯備線に対応するために、振り子方式を採用しています。国内初の車上型の制御付自然振り子方式というものを採用しています。これまでの制御付自然振り子方式とどかが違うのかと言えば、これまでのは列車の位置情報を得るのにATSの地上子を使っていました。それに対して273系は、車上の曲線データと走行地点のデータを連続して照合し、適切なタイミングで車体を傾斜させます。JR西日本、鉄道総合研究所、川崎車両の共同開発によるものです。

 JR西日本で381系を使っていた列車のうち、紀勢線の「くろしお」は287系など、振り子方式でない車両で置き換えました。紀勢線電化時に線路を改良したこともあり、白浜までなら振り子方式でなくてもそんなに遅くなりません。白浜から先は需要が少なく、保守コストの高い振り子方式を入れるのはもったいないです。しかし、伯備線の需要は終点の出雲市までそこそこあるので、最新式の振り子方式の車両を入れることにしたのでしょう。振り子方式には低コストの空気ばね車体傾斜方式もありますが、それを採用しなかったのは、空気ばねでは対応できないと考えたからでしょうか? ただ投入車両数は381系の約60両に比べて44両(4両11編成)と少なくなっています。通常なら4両で間に合いそうですが、多客時の増結をどうするのかは分かりません。投入時期は以前の話の通り、2024年春以降です。約160億円かかります。

 なお、話は変わりまして、現行の381系のうち1編成を懐かしい国鉄色に変更します。3月19日から「やくも」のうち2往復で走らせます。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220216_03_yakumo.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220216_07_kaiken.pdf、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/yakumo273/)

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マンションがリニア関連施設に

 神奈川県のリニアの駅は相模原市の橋本にできます。そして、その相模原市内のマンション(橋本駅から西に約1キロ)の中に、超電導リニア関連施設があります。JR東海が1月30日にオープンさせた「さがみはら リニアブース」というものです。「さがみはら リニアブース」のあるマンションに入ると、エントランス部分にL0系の模型、リニアに関する資料などがあります。なぜ駅前ではなく、駅から離れたマンションにそういう施設があるのでしょうか?

 実はこのマンション、人は住んでいません。築17年なので、老朽化したわけではありません。地下10~20メートルのあたりをリニアが通りますが、このマンションの基礎杭が支障するので、JR東海が買い上げたのです。リニアは駅付近では大深度地下ではなく、比較的浅いところを通るので、こういうことがあり得るのです。

 ただ、トンネルの工事まではまだ時間があります。そこでそのマンションを活用して、リニア説明用のブースにしたのです。このような常設の説明用ブースができるのは、この相模原が初めてです。月3回程度施設をオープンさせ(オープンする日はJR東海のホームページなどで告知されます)、そのときはJR東海の社員がいて、質問することもできます。入場は無料です。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/114845、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC253M50V20C22A1000000/)

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西九州新幹線は9月23日開業へ

 武雄温泉と長崎とを結ぶ離れ小島の新幹線、西九州新幹線。これまで2022年秋開業とされていましたが、どうやら9月23日に開業する方向で話が進んでいるようです。

 当初、西九州新幹線は秋の台風シーズンを考慮して、10月に開業する案がありました。しかし、佐賀、長崎両県とJRグループ6社は10月から大型観光キャンペーンを行うことを予定しているため、少し前の9月下旬の3連休初日に開業することにしたのです。

 西九州新幹線には最終的なかたちが決まらないという、重要な問題が残っていますが、ともかく開業は喜ばしいことです。正式にJR九州から発表があれば、ダイヤや料金などの具体的な話も少しずつ出てくることでしょう。
(参考:西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/878408/)

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阪神、7月に磁気定期券の発売を終了

 阪神は3月と7月の2段階に分け、障害者用など特殊なものを除いて、磁気定期券の発売を終了します。IC定期券に一本化されます。

 まず3月14日に、10駅にある自動定期券販売機において磁気定期券の発売を終了します。その後、7月31日に、6駅にある係員定期券発売所において磁気定期券の発売を終了します。8月以降も障害者用など特殊なものは、係員定期券発売所で発売します。一部例外を除いて磁気定期券を廃止するのは、京阪に続いてのことで、ほかの関西の鉄道会社でもIC定期券への移行を勧めています。

 なぜ磁気定期券を廃止するのでしょうか? 磁気の切符には大きな弱点があります。インターネットで購入することができないのです。有料の特急がない阪神では必要ないかもしれませんが、特急券などはインターネットで発売すると、磁気の切符では対応できません。印刷した紙やスマートフォンの画面で対応するか、駅で磁気の切符に替える必要があります。駅の窓口で替えるのなら、切符売り場の人員を減らすことはできません。「みどりの窓口」みたいなものも残す必要があります。自動改札もネックです。磁気の切符に対応するには、複雑な機構が要求されます。保守にもお金がかかり、券詰まり等のトラブルもあります。ICカード専用ならその心配は要りません。

 QRコードは今のところ処理時間が若干かかるので、近距離の切符には不向きです。阪神も、当分の間は普通乗車券等は磁気の切符です。ただ、近鉄はこの春からQRコードでの切符を発売しますし、長距離のものから順々に磁気ではない切符が普及していくのかもしれません。
(参考:阪神ホームページ https://www.hanshin.co.jp/company/press/pdf/20220131-unyu-jikiteikikennhaisi-2.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/115061)

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東急とみなとみらい線の連絡定期も値上げ

 2023年3月に値上げする予定の東急。ところがそれより1年前の3月12日(ダイヤ改正日です)に、一部値上げを行います。

 3月12日に値上げとなるのは、東急とみなとみらい線にまたがる通勤定期。2004年のみなとみらい線開業からこれまで、東急とみなとみらい線にまたがる定期券は割引をしていました。1か月定期、3か月定期は東急とみなとみらい線のそれぞれの定期券の金額の合計から1割引き、6か月定期は2割引きになっていました。この割引を縮小し、1か月定期と3か月定期は廃止(単純に東急とみなとみらい線の金額を合算)、6か月定期は1割引きにします。例えば、渋谷-元町・中華街間の通勤1か月定期が16330円から18140円になります。11%ほどの値上げとなります。なお、通学定期は値上げの対象外です。つまり、1か月定期と3か月定期は1割引きのまま、6か月定期は2割引きのままです。
(参考:東急ホームページ https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20200203-1.pdf、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC032NT0T00C22A2000000/)

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3月12日から山田線平津戸駅全列車通過

 3月12日のダイヤ改正で宮古方面の始発が大幅に繰り上がる山田線。ところがその恩恵を受けない駅があります。

 それは平津戸。現在、山田線の始発は盛岡11:06発ですが、その列車と次の列車は快速なので、平津戸を通過します。下りで最初に停まるのは盛岡18:03発、平津戸発は19:09です。これが3月12日のダイヤ改正で大幅に繰り上げると思ったら、平津戸はそのダイヤ改正から全便通過になるのです。

 平津戸が全便通過になるのは、利用者が少ないため。1日平均乗車人員が1人未満の状態が続いていました。駅から400メートルほど離れたところに5世帯ほどの集落があるだけなのです。今は休止の段階ですが、地元との調整がつけば、赤岩などのように廃止になってしまうことでしょう。

 なお、駅の近くには「106急行」のバス停があり、平日は5往復、休日は3往復のバスが停まります。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/morioka/20220209_mr02.pdf、岩手日報ホームページ https://www.iwate-np.co.jp/article/2022/2/10/109446)

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「HOKKAIDO CRUISE TRAIN」に新プラン

 いつもは伊豆急を走っている「THE ROYAL EXPRESS」。2022年も夏に北海道を走ります。

 2022年は8月から9月にかけて8回運行します。そのうち5回は「HOKKAIDO CRUISE TRAIN」(そのうち2回は旅行代理店が販売する予定です)、そして残りの3回は2022年からの新プランの「HOKKAIDO CRUISE LIMITED~壮大な大地を感じる美しさ煌めく旅~」です。どういうものかといえば、より北海道の自然・大地とふれあい、ゆったりとした滞在時間を過ごすことができるのです。

 「HOKKAIDO CRUISE LIMITED」がどういうものか、スケジュールを見ていきましょう。1日目はJRタワーホテル日航札幌でのウェルカムセレモニーの後、札幌から帯広まで乗車します。夕食は上士幌町しんむら牧場での夕暮れと大地を感じるPremium Dinnerです。十勝川温泉に泊まります。2日目はバスでの移動です。昼は屈斜路湖畔オーベルジュSORAでのフレンチ(残りの3日間はいずれも車内でお昼を食べます。1日目は寿司、3日目は懐石、4日目はイタリアンです)、その後は阿寒摩周国立公園でのカヌーです。阿寒湖に泊まります。3日目は北見から旭川まで乗車します。富良野に泊まります。4日目は美瑛の丘でガイド付きでの散策を楽しみ、旭川に戻ります。札幌まで乗車し、JRタワーホテル日航札幌でフェアウェルセレモニーを行います。希望者は専用バスで新千歳空港まで送ります。

 「HOKKAIDO CRUISE TRAIN」は抽選での販売です。申込期間は2月14日~4月17日ですが、「THE ROYAL EXPRESS」に2回以上乗った人は、2月14日~28日の先行販売に申し込むことができます。料金はいずれも2人1室利用の場合で、「HOKKAIDO CRUISE TRAIN」が73万円、「HOKKAIDO CRUISE LIMITED」が77万円、「HOKKAIDO CRUISE LIMITED」の出発の前日に小樽の銀鱗荘で泊まるプラン(銀鱗荘に泊まるプランは2021年からあります。8月4日泊の設定はありません)は89万円です。募集人員は1回あたり最大15組30人(最少催行人員16人)、銀鱗荘に泊まるのは1回あたり最大5組10人です。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/220208_KO_TRE.pdf)

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芸備線の利用促進策で休日の利用者は増えたが

 一部区間の利用者が著しく少ない芸備線。そこで利用促進のため、いろいろな利用促進策がとられました。

 その利用促進策の結果、利用者が大きく増えました。備後落合-備後庄原間で休日の利用者が前年同期に比べて2.3倍に増えたのです。

 もっともJR西日本はそのことについて評価していません。増加したのは旅行客などで、地元住民の利用者は増えていないというのです。廃止がアナウンスされる前に乗っておきたい、という鉄道ファンもいたことでしょう。地元自治体の掛け声はともかく、すでに地元住民からは見放されているのです。

 芸備線でJR西日本に任せておいても問題ないのは狩留家-広島間ぐらいで、三次-狩留家間でも大幅な改善をしないと危ないでしょう。備後庄原以東に至ってはいつ廃止になっても文句は言えないです。廃止されたくなかったら、JR西日本に押し付けるのではなく、税金垂れ流し覚悟で地元が引き受けないといけないのです。
(参考:広島ニュースTSS https://nordot.app/863342443951570944?c=648454265403114593)

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西九州新幹線にフリーゲージトレインはやはり無理

 西九州新幹線は秋に武雄温泉-長崎間が開業します。新鳥栖-武雄温泉間は着工もしていないので、離れ小島の新幹線となります。

 このような事態を解消しようと思ったら、新鳥栖-武雄温泉間を早くフル規格新幹線で開業させるのがベストです。博多-長崎間が50分程度で結ばれ、そのスピードは他の交通機関を圧倒します。新大阪-長崎間も鉄道が有利になります。ただ、九州一の大都会福岡に近いことから現状に満足している佐賀県がこれに反対しています。

 西九州新幹線はもともとフリーゲージトレインでつくる予定だったので、フリーゲージトレインが失敗した現状でも佐賀県はそれを導入することを求めています。フリーゲージトレインの最高速度を時速200キロに抑えればいいというのです。

 しかし、以前にも書いたように国交省はそれに反対しています。その理由のひとつとして、時速200キロなら山陽新幹線に乗り入れることができないことを挙げていますが、これは間違いです。当初計画通り時速270キロであっても山陽新幹線には乗り入れできないのですから。「のぞみ」や「さくら」などのように、時速300キロを出さなければ話になりません。

 佐賀県のフリーゲージトレインが実用化すれば、それなりに速くなり、博多-長崎間の直通ができます。ある程度の成果は得られますが、本来の能力を完全に発揮するものではありません。時間とお金はかかりますが、それをかけたら確実にできる新幹線の狭軌化とどちらがよいかという話です。短期的に見ればフリーゲージトレインやスーパー特急がよいでしょうが、広い目で見たらフル規格新幹線でないと未来はないので、難しいところです。
(参考:長崎新聞ホームページ https://nordot.app/864671299536879616?c=648454265403114593)

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JR西日本、車両側面のカメラでホーム上の安全確認

 現在、ワンマン運転の場合、ワンマンミラーやホームカメラといった地上設備を使って安全を確認しています。ところがJR西日本はこれらの地上設備がなくても安全確認ができるかどうか検証することにしました。

 何を使って安全を確認するのかといえば、車両の側面についているカメラ。そのカメラでホーム上を撮影します。撮影された映像は運転席のモニタで投影されます。運転士はそのモニタ映像を使ってホームの状況を確認するのです。なお、車両の側面についているカメラで得られた映像は現行のホームカメラと同じく、発車時のホームでの安全確認のために使われるものであり、特定の個人を識別するためのものではありません。

 検証は1月26日から行われています。227系を使って、山陽線(福山-徳山間)、可部線、呉線で行われています。参考にしたプレスリリースによれば、2両目も車両の側面のカメラで撮影しています。検証に使われる車両や区間を考えると、ICカードが備えられていて、車内で運賃の収受がいらない、都市型ワンマンの路線での実用化を目指しているのでしょうか?
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210124_02_camera.pdf)

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西鉄バス、3月に値上げ

 西鉄グループのバスは、3月1日と3月19日に値上げを行います。

 まず3月1日には、赤字幅の大きい路線を中心に、高速バス8路線の値上げを行います。値上げの対象は、福岡-熊本間、福岡-北九州間、福岡-佐賀間など比較的短距離のものが中心で、福岡-熊本間は2280円(片道運賃、以下同じ)から2500円に、福岡-北九州間は1150円から1350円に、福岡-佐賀間は1050円から1100円になります。回数券も合わせて値上げになります。

 福岡-宮崎間、福岡-岡山間では運賃制度が変更になります。福岡-宮崎間はダイナミックプライシングになります。回数券の類が一切なくなり、直近の予約状況に応じて柔軟に運賃を変動させます。現行の片道運賃は4710円ですが、ダイナミックプライシングでは3500円から6000円の幅で変動します。なお、65歳以上の人にはシニア割があり、4500円均一です。福岡-岡山間はカレンダー運賃になります。現行の片道運賃は7540円ですが、カレンダー運賃では6600円から9100円の幅で変動します。

 3月19日には路線バスの運賃も変わります。変わるのは、都市高速を通るバス。これまで都市高速を通るバスは一般道を通るバスよりも安い運賃になっているものがありましたが、それを一般道経由と同等の運賃に変更します。そもそも、都市高速を通って速いのなら少々高くても不思議ではないのですが、これまで西鉄バスは逆に都市高速経由のほうが安かったのです。何か理由があったのでしょうか? また、ほかの公共交通機関との対抗上、割安な運賃設定を行っていたところがありましたが、そこについても見直します。

 同じ3月19日には福岡地区で路線バスのダイヤ改正も行います。詳しい内容は決まっていませんが、一部都市高速経由のバスが廃止されます。
(参考:西鉄バスホームページ https://www.nishitetsu.co.jp/release/2022/21_089.pdf、https://www.nishitetsu.co.jp/release/2022/21_088.pdf、https://www.nishitetsu.co.jp/release/2022/21_090.pdf)

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嵯峨野観光鉄道、4月1日に値上げで880円に

 山陰線(嵯峨野線)の複線電化に伴って廃線になった保津川沿いの区間を観光目的の鉄道として再生した、嵯峨野観光鉄道。2013年度以降のインバウンドの波にも乗り、年間100万人以上の利用がありました。

 しかし、新型コロナウイルスの影響でそのようなインバウンド需要が消えました。2020年度の輸送人員は前年度の36%にまで落ち込み、約2.7億円の営業損失になりました(2020年度は約0.7億円の営業利益)。2021年度も状況は変わらず、営業損失はむしろ拡大しています。

 そこで嵯峨野観光鉄道は4月1日に値上げをすることにしました。1991年の開業以来初めての大幅値上げで、改定率は39.6%、現行630円の運賃が880円になります。250円の値上げになりますが、通勤通学客がいない純粋な観光鉄道なので、問題はないでしょう。新型コロナウイルスの前までは、外国人客が乗客の7割を占めていました。新型コロナウイルスが収束することが唯一の解決策でしょう。
(参考:嵯峨野観光鉄道ホームページ https://www.sagano-kanko.co.jp/img_news/1642492171366367.PDF、京都新聞ホームページ https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/714355)

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北海道新幹線長万部-余市間、新幹線開業前に廃止か?

 北海道新幹線が開業すると、函館-小樽間はJRから分離されます。このうち、貨物列車の運行がなく、旅客需要も少ない長万部-余市間はバスに転換することが決まっています。余市-小樽間は輸送密度が現時点で2000人以上あることから、余市町はこの区間の存続を強く主張しています。小樽市は住民説明会を行ってから判断するため保留している段階ですが、小樽市にとっては市の西部から鉄道が消えるだけですから、町そのものから鉄道が消える余市町とは違って、どうしても残したいという考えはないでしょう。

 さて、長万部-余市間では別の動きがあります。長万部町や倶知安町からは、新幹線駅の整備やまちづくりの観点から、早期の廃止を求めています。新幹線開業前に鉄道を廃止してバスに転換するのです。鉄道が廃止されることが決まっているならば、わざわざその廃止される鉄道のために道路を立体交差にする必要もなくなります。合理的な話なので、新幹線開業前に長万部-余市間が廃止されることも十分あり得るでしょう。
(参考:レスポンスホームページ https://response.jp/article/2022/02/10/354122.html)

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名金線、金沢や福光に行かなくなる

 国鉄バスの名金線は、元々その名の通り名古屋と金沢を結ぶ路線でした。国鉄時代末期の時刻表(1984年7月号)を見ると、美濃白鳥駅-鳩ヶ谷間にも国鉄バスが走っていて、そのうち1往復は名古屋駅まで乗り入れていました。5時間半近くかけて名古屋と白川郷の間を走っていました。しかし白川郷へのバスは今は消えてなくなり、金沢駅-福光間のバスだけがJRバスとして残っています。行き止まりの城端線も、このバスと組み合わせることによって高岡まで戻らずに金沢へショートカットすることができます。「青春18きっぷ」を持っている人にはバスの運賃を割り引くキャンペーンも行っていました。

 ところが名金線のバスも4月と7月の2回に分けて縮小されます。まず4月1日には、金沢駅への乗り入れを止めます。森本駅発着になります。現在8便ある名金線は2便だけになります。そして7月1日からは福光への乗り入れを止め、不動寺止まりになります。石川県内で完結する路線になります。金沢付近のJRバスの路線のうち、才田線、中尾線、医王山線、牧線についても4月1日に金沢駅の乗り入れを止め、7月1日に路線の短縮を行います。イオン金沢への乗り入れもなくなります。本数も4月と7月の2回に分けて減ります。西日本ジェイアールバスのプレスリリースでは平日のことだけしか書かれていませんが、休日も同様になるようです。

 金沢-福光間にはほかに加越能バスも走っていますし、最近は買い物用の無料バスまで走っています。加越能バスはともかく、無料のバスは痛かったのでしょう。
(参考:西日本ジェイアールバスホームページ https://www.nishinihonjrbus.co.jp/upload/news/content/kanazawa.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/115320)

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下関まで「ICOCA」

 これまで「ICOCA」は南岩国までしか使えませんでしたが、3月12日からは徳山まで使えるようになります。そしてついに2023年春、徳山-下関間等でも使えるようになります。

 2023年春から「ICOCA」が使えるようになるのは、新南陽(徳山の西隣の駅)から下関までの20駅と、山口線の湯田温泉、山口の2駅。山口線の2駅は利用者が多いために選ばれたようです。ただ山口線の2駅では、「ICOCA」は切符としてしか使えません。定期券として使えないようです。なお、今回「ICOCA」が導入される22駅では自動改札機を設置し、自動券売機を改修するため、約10億円の費用がかかります。

 実は下関は、すでにJR九州のICカード、「SUGOCA」のエリアに入っています。「ICOCA」のエリアが西に延びることにより、「SUGOCA」とつながります。下関では、会社の境を越えてICカードを使うことができるのでしょうか? 改札機のシステムが異なるため、下関以外のJR西日本の駅とJR九州の駅との間の利用ができるかどうかは決まっていません。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220209_01_icoca.pdf、朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASQ29758ZQ29TZNB005.html、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20220210/4060012575.html)

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JR西日本、新幹線の車掌を減らす?

 以前、JR東海の車掌の減員について記事にしましたが、JR西日本の新幹線でも車掌の数を減らす話があります。3月以降に変更するようで、すでに労働組合にはその話を伝えています。

 どのようになるのでしょうか? これまで16両編成の山陽新幹線では、新大阪-広島間で3人の車掌が乗っていました。これが2人に減ります(広島-博多間は2人のままです)。12両編成の北陸新幹線では、車掌を2人から1人に減らします。運転士の数は変わりません。在来線も9両編成の「サンダーバード」などで乗務員を減らす予定です。

 少ない数の車掌で対応するためJR西日本は、車内検札の省力化を図ります。指定席の販売データと着席状況を照合することによって済ませます。JR西日本では全車指定席の特急が増える傾向にありますが、全車指定席だと車内検札が楽になります。安全面については、防犯カメラの設置を進めます。
(参考:「鉄道ファン」2022年3月号 交友社

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白山-新潟間に新駅

 新潟市とJR東日本は7日、越後線白山-新潟間に新駅を設置することで正式合意しました。

 新潟市中央区にできる新駅の名前は上所(仮称)と言います。周辺に高校などがあり、利用者が見込めます。1日約4600人の利用が見込め、この数字は新潟市内の駅でも上位に入るものです。約30年前から新駅の構想がありましたが、このたび駅の設置が決まりました。新潟県内でJRの在来線の新駅は、2005年開業の内野西が丘(新潟市西区)以来です。

 越後線は全線単線と思われがちですが、実は信濃川橋梁を渡ったところから先は複線になっているのです。新潟の高架化工事に合わせて複線になりました。新駅はこの複線区間にできます。2面2線の駅で、既存の地下道を通路とします。ホームへはエレベータも整備されます。駅は新潟市が要望してつくる請願駅のため、新潟市が全額を負担します。駅前広場を覗いて約27億円かかるとみられています。駅名については新潟市の意向を踏まえて、JR東日本が決めます。

 新駅は2025~2026年の開業を目指します。

(追記)
 越後線白山-新潟間にできる新駅の駅名が上所<かみところ>に決まりました。2024年度末に開業する予定です。
(参考:新潟日報ホームページ https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/23704、https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/3653、https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/23681、JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2023/niigata/20230601_ni01.pdf)

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なぜ新幹線の座席は7つ減ったのに定員は4人減で済むのか?

 16両編成の東海道・山陽新幹線で車椅子用の座席があるのは11号車。12Cと13Cの2席を潰して、車椅子を置くスペースとしています。車椅子の利用者は隣のB席に座るという想定です。

 ところが、車椅子のスペースが増えることになりました。東海道・山陽新幹線の場合、2席から6席に増えます。これに伴い、11C、11D、11E、12D、12E、13D、13Eの7席が消えましたが、定員は4人減るだけです。なぜ座席は7つ減るのに、定員は4人しか減らないのでしょうか?

 実は、D席、E席にできた車椅子スペースでは、車椅子に乗ったままなのです。車椅子がそのまま座席代わりになるのです。車椅子に乗ったままの席が3つあるので(11~13列のD、E席)、定員は4人しか減らないのです。なお、11Cについては、これまで通り、隣の11Bに座ることになります。
(参考:「鉄道ファン」2022年3月号 交友社

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岡山にプラネタリウム付き路線バス

 1月13日から25日までの間、両備バスは「幸運のプラネタリウムバス」というものを走らせていました。

 「幸運のプラネタリウムバス」とは、プロジェクターで星空などを映し出したもの。ハイブリッドバスを改装したものを使いました。

 ダイヤも決まっていました。平日は西大寺19:00発、岡山駅19:55発。休日は西大寺17:00発、岡山駅18:05発でした。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/114500)

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近鉄、神戸市営地下鉄の駅業務を受託

 神戸市営地下鉄の駅業務が近鉄に委託されます。

 これは、神戸市営地下鉄の業務改善及び市民サービスの維持向上を狙ってのもので、委託期間はこの4月からの3年間です。近鉄ともう1社の2社が受託に応募し、学識経験者、弁護士、公認会計士、他公営交通従事者、交通局職員(2人)で構成された選定検討委員会によって近鉄が選ばれました。近鉄は神戸に拠点のない企業のため地元企業の観点からの評価は低いものでしたが、そのほかの点についてはもう1社よりも評価が高く、受託候補者に選ばれることになりました。

 いくら近鉄が阪神に乗り入れ、神戸でも近鉄の車両を見ることはできるものの、あくまでも他社の線路に乗り入れているだけの存在です。その近鉄が神戸市営地下鉄の駅業務を行うとは、意外です。
(参考:神戸市ホームページ https://www.city.kobe.lg.jp/a24278/kurashi/access/kotsukyoku/subway/news/2021/20211222_press.html)

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大阪城からUSJに船

 USJに行くには、電車やバスに乗っていけばいいのですが、水の都らしく船で行く構想があります。

 USJに行く船が出るのは、大阪城。大阪城もUSJも新型コロナの前には多くの人が訪れていた観光名所です。大阪城の近くにホテルがあるホテルニューオータニ大阪が計画を進めています。大阪城とUSJの直線距離は9キロ。寝屋川、土佐堀川、堂島川など大阪市中心部の川を通ればほぼ直線に近いかたちで行くことができます。大阪城公園には2023年春に船着き場が整備されます。これを活用して航路をつくります。

 すでに大阪府との間で航路の開設について合意がなされていて、これから運航事業者を決め、詳細な運航計画を立てていきます。リーガロイヤルホテルなど川沿いのほかのホテルが計画に加わる可能性もあります。

 船の運賃は電車やバスより高くなるようなので、ターゲットは訪日外国人。新型コロナウイルスが収束した後に向けてのものです。2025年の万博に向けての動きのようです。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220101-OYT1T50024/)

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「Suica Light」

 JR東日本のICカード、「Suica」。交通系ICカードの代表格です。

 しかし、ほかの交通系ICカードもそうですが、購入時に500円のデポジットが生じます。利用者は交通事業者に預け、交通事業者にとってはいずれ返さなければならないお金です。ところが、JR東日本はこのたび、デポジットのない交通系ICカード、「Suica Light」の販売を開始しました。ICカードにはそれなりのコストがかかるはずなのですが、なぜデポジットを取らないのをつくったのでしょうか?

 「Suica Light」は、地方自治体での交通費補助事業等で使われることを想定しています。また、6か月の有効期限を設けることによって、一定の期間内にお金を使わせるという効果もあります。よって、入金金額の払い戻しは行わず(払い戻しの手間が省けます)、再発行は行いません。修学旅行のような短期の団体旅行でも、この「Suica Light」のシステムは使えます。なお、「Suica Light」は通常の「Suica」と同じように、全国の交通系ICカードが使える鉄道やバスで利用することができます。店舗などで電子マネーとして使うこともできます。

 ただし、この「Suica Light」、地方自治体での交通費補助事業等や修学旅行等の短期の団体旅行での利用を想定しているため、個人で購入することができません。地方自治体や旅行代理店等、法人のみに販売します。販売は株式会社びゅうトラベルサービスが行います。

 「Suica Light」第一号は四街道市。新型コロナウイルスの影響で規制することが困難な、四街道市出身で千葉県外に居住している18歳から25歳までの学生に対して、1月下旬から「Suica Light」と四街道市の特産品等を配布します。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/20220112_ho01.pdf、ニュースイッチホームページ https://newswitch.jp/p/30497)

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「WEST EXPRESS 銀河」、2022年度は山陰と南紀へ

 117系を改造した「WEST EXPRESS 銀河」。2022年度の運行方面が決まりました。

 2022年度は4月に車両メンテナンスを行いますので、5月から運行を開始します。5月から9月までは、山陰に行きます。京都-出雲市間を伯備線経由で走ります。上下とも夜行で走ります。10月から2023年3月までは、京都-新宮間を阪和線、紀勢線経由で走ります。新宮行きが夜行、京都行きが昼行で走ります。このほかにも、臨時的にほかの地域へ「WEST EXPRESS 銀河」が走る計画があるようです。

 山陰や紀南へは2021年度も走っていますが、いくつか変更点があります。山陰については、上りの終着駅を大阪から京都まで延長します。紀南については、車窓から紀南の魅力的な海の景色を楽しむことができるよう、沿線の景観改善を行い、窓から直接海の景色を楽しむことのできる席の数を大幅に増やします。上りの京都到着時刻を早めて、首都圏方面に帰りやすくします。上りは運行曜日ごとに途中停車駅を変えます。両コースともにおもてなしの内容をリニューアルし、沿線の新しい魅力を楽しむことができます。

 なお、運転日、運転時刻などの詳細は決まり次第、改めて発表されます。

(追記)
 その「WEST EXPRESS 銀河」ですが、当初は若者や女性に利用してもらうことを狙っていました。しかし現状は、男性の一人旅が主体のようです。自分の席から動くことも少ないようです。旅行商品扱いとなって高額になり、抽選結果を待たないといけないのが災いしているようです。仕方のないことかもしれませんが、気軽に利用できないのです。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220125_02_ginga.pdf、「鉄道ジャーナル」2021年11月号 鉄道ジャーナル社

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大糸線についても協議会

 中国地方の山間部以外にも、利用者の少ない路線はあります。北陸の大糸線もそのひとつ。JR西日本の路線は北端の南小谷-糸魚川間だけですが、その区間の輸送密度(2019年度、以下同じ)は102人です。ピークの1992年度に比べて1割以下に減っています。

 これまでJR西日本は沿線自治体と一体になって、大糸線活性化協議会等を通じて、大糸線及び大糸線沿線地域の活性化の取り組みを行ってきましたが、3月からは維持可能な路線としての方策について幅広い議論を行うことにしました。芸備線の一部区間に続いての動きです。

 正直言って現状では鉄路の維持は厳しいでしょう。すでに大糸線では増便の実験も行っていて、その結果も踏まえてのことでしょう。また、電化区間のJR東日本でも、一部区間は似たようなものです。大糸線は南ほど利用者が多く、輸送密度は松本-豊科間が9229人、豊科-信濃大町間が3777人、信濃大町-白馬間が762人、白馬-南小谷間が215人です。特に白馬-南小谷間は安心できるような状況ではありません。信濃大町以北の輸送密度が低いのは、北陸新幹線の開業で白馬へは長野からバスに乗ったほうが速くなったということも影響していると思われます。

 北陸ならではの問題もあります。北陸新幹線が開業し、北陸線は第三セクターになり、枝線だけが残されました。枝線だけというのはあまりにも非効率です。その枝線がそこそこ利用者がいるのならともかく、バスで十分な程度ならわざわざ飛び地の路線を維持する必要はありません。それなりに利用者がいる城端線や氷見線すら分離しようとしているのですから(ただ分離されることによって小回りの利く鉄道になるでしょう)、大糸線が分離されるのは厳しい言いかたですが、ある意味当然のこととも言えます。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220203_01_ooito.pdf、https://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/pdf/data2020_08.pdf、JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/rosen_avr/pdf/2016-2020.pdf)

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常磐線に様々な臨時列車

 21日のことですが、JRグループから春(3月1日から6月30日まで)の臨時列車についての発表がありました。その中でJR東日本の臨時列車が気になったので、それを取り上げていきたいと思います。

 早春は日本三名園、偕楽園の梅が見ごろを迎えます。それに合わせて臨時駅の偕楽園を開設します。しかし、偕楽園は下りしか停車しない駅なので、仙台方面から直接行くことができません。そこで運転される列車が、仙台発偕楽園行きの特急「ひたち92号」、3月5日に走ります。E657系10両編成です。当日は仙台を8:36に出て、水戸に11:59に着きます。水戸からは快速「水戸偕楽園号」になり、偕楽園のひとつ上野寄りの駅、赤塚まで行って折り返し(赤塚では乗降できません)、下り線を偕楽園まで走ります。偕楽園到着は12:27です。偕楽園まで乗る人は赤塚までの乗車券が必要になります。快速「水戸偕楽園号」は全車自由席です。水戸から偕楽園までのみを利用する人はグリーン車には乗車できません。大宮からは3月5、6日に武蔵野線経由の特急「水戸梅まつり号」が運転されます。ダイヤは大宮8:08発勝田10:02着、勝田13:53発大宮15:55着。E653系7両編成で、全車指定席です。下りのみ偕楽園にも停まります。大宮-勝田間(武蔵野線経由)には国営ひたち海浜公園のネモフィラの見ごろに合わせて、特急「春の絶景ネモフィラ号」が走ります。ダイヤは大宮8:16発勝田10:07着、勝田16:24発大宮18:14着。 E653系7両編成で、全車指定席です。4月中旬から5月上旬のネモフィラの見ごろに合わせて走りますが、具体的な運転日は3月下旬ごろに発表されます。浜通りが桜の開花を迎える4月2、3日には、八王子からいわきまで武蔵野線経由で直通の特急、「いわき」が走ります。4月2日は八王子からいわきまで行き、3日はいわきから八王子に戻ります。E653系7両編成で、全車指定席です。

 常磐線からほかの地域に行く列車もあります。5月7日には日光に行く特急「常磐日光号」が走ります。水戸線経由です。ダイヤは高萩7:13発日光10:49着、日光18:07発高萩21:12着です。E653系7両編成で、全車指定席です。4月9日には日本さくら名所100選に数えられる「白石川堤一目千本桜」を車内から見ることができる臨時列車も走ります。特急「宮城・福島花めぐり号」です。ダイヤは水戸7:54発福島12:30着、福島15:54発水戸20:47着です。岩沼で折り返します。E653系7両編成で、全車指定席です。なお、車窓から桜を楽しむことができる大河原-船岡間では、速度を落として運転します。

 この3月27日で、水郡線の全線運転再開から1年を迎えます。それを記念して、3月26、27日に快速「水郡線復旧記念感謝号」が走ります。DLが牽引する12系客車3両編成で、全車指定席です。3月26日に「水郡線復旧記念感謝1号」が水戸から常陸大子まで、「水郡線復旧記念感謝3号」が常陸大子から郡山まで走ります。翌日の3月27日に「水郡線復旧記念感謝2号」が郡山から常陸大子まで、「水郡線復旧記念感謝4号」が常陸大子から水戸まで走ります。

 また、千葉方面へ走る「B.B.BASE」については、もともと旅行商品として発売されていましたが、2021年9月から一部座席を「みどりの窓口」で発売していました。そしてこの3月から、「B.B.BASE」は全ての座席を「みどりの窓口」で発売します。旅行商品での発売を終了します。ほかの列車同様、乗車日の1か月前10時から発売します。指定席料金は大人840円、子供420円で、年間を通じて同額です。また、3月の運行からは、全ての座席で自転車を解体せずに持ち込むことができるようになります。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/springextratrain/index.html/、https://www.jreast.co.jp/press/2021/chiba/20220121_c01.pdf)

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「DL大樹」が会津田島へ

 2月12日、「DL大樹」が野岩鉄道、会津鉄道に乗り入れます。構想は当初からありましたが、営業運転として初めて「DL大樹」が会津田島に乗り入れるのです(展示だけなら、2021年11月に会津田島でSLやDLの展示がありました)。

 2月12日の会津田島乗り入れは、旅行商品のかたちで発売されます。当初はいろいろなツアーが用意されていましたが、新型コロナウイルスの影響で現地フリープランのみ発売することとなりました。距離がいつもよりも長い分、客車列車の旅を楽しむことができます。

 もっとも、今回乗り入れる野岩鉄道や会津鉄道は、もともと国鉄線として計画されていたり、かつては国鉄であったりした路線。今市と会津若松を結ぶ計画だったのです。DLの牽引する客車が走ったかはともかくとして、キハ58などのディーゼルカーが走ったとしても不思議ではなかったでしょう。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/news/20220120154823Kfs00Jz99bv2x7TveocUJQ.pdf、https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/news/20220128105245s5V7uNlHKc3HKWDGp5qThQ.pdf)

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三宮-神戸間にLRT

 神戸にLRTを走らせるという構想があります。

 LRTが走るのは、三宮と神戸の間。三宮からいったん南に向かい、阪神高速にぶつかったところから阪神高速に沿って神戸に向かいます。

 なぜLRTをつくるのでしょうか? 神戸の中心、三宮の復興を図るためです。阪神大震災以降、神戸はパッとしません。かつての神戸を取り戻すため、長い間必要性を認識していながらできなかった神戸市中心部の再整備を行うのです。震災前から構想があった三宮の再整備をようやく行うことができるようになったのです。三宮を中心に北野の異人街から旧居留地、元町などに至る回遊ルートを整備して、「歩いて楽しめるまち」を目指します。

 「歩いて楽しめるまち」をつくるためには、今の車中心の道路からの転換を図らないといけません。今は幅の広い道路が目立っていますが、段階的に車道を減らし歩道を増やします。最終的には公共交通機関以外は車道を利用できないようにします。その一環としてLRTがあるのです。

 もっとも、LRTは線路を敷けば終わりではありません。整備する工場も必要になり、三宮-神戸間といった短い距離なら非効率になる危険性もあります。神戸にLRTをつくるのなら、海岸線を地下鉄ではなくLRTでつくったほうが良かったのかもしれません。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20220112-RVOFEYGJYROTDAMJLNTXRVPYDE/)

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