西九州新幹線にフリーゲージトレインはやはり無理
西九州新幹線は秋に武雄温泉-長崎間が開業します。新鳥栖-武雄温泉間は着工もしていないので、離れ小島の新幹線となります。
このような事態を解消しようと思ったら、新鳥栖-武雄温泉間を早くフル規格新幹線で開業させるのがベストです。博多-長崎間が50分程度で結ばれ、そのスピードは他の交通機関を圧倒します。新大阪-長崎間も鉄道が有利になります。ただ、九州一の大都会福岡に近いことから現状に満足している佐賀県がこれに反対しています。
西九州新幹線はもともとフリーゲージトレインでつくる予定だったので、フリーゲージトレインが失敗した現状でも佐賀県はそれを導入することを求めています。フリーゲージトレインの最高速度を時速200キロに抑えればいいというのです。
しかし、以前にも書いたように国交省はそれに反対しています。その理由のひとつとして、時速200キロなら山陽新幹線に乗り入れることができないことを挙げていますが、これは間違いです。当初計画通り時速270キロであっても山陽新幹線には乗り入れできないのですから。「のぞみ」や「さくら」などのように、時速300キロを出さなければ話になりません。
佐賀県のフリーゲージトレインが実用化すれば、それなりに速くなり、博多-長崎間の直通ができます。ある程度の成果は得られますが、本来の能力を完全に発揮するものではありません。時間とお金はかかりますが、それをかけたら確実にできる新幹線の狭軌化とどちらがよいかという話です。短期的に見ればフリーゲージトレインやスーパー特急がよいでしょうが、広い目で見たらフル規格新幹線でないと未来はないので、難しいところです。
(参考:長崎新聞ホームページ https://nordot.app/864671299536879616?c=648454265403114593)
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Comments
佐賀県はもうフリーゲージを捨てた方が良いと思います。もし、新幹線建設に本当に反対ならばこんな案を出すべきではないでしょう。
自然科学や科学技術を軽視しているようにも聞こえる内容です。こだわるのはそこではないでしょう。
佐賀県の仕事は新幹線ができても在来線の利便性を損ねない事だと思います。もし在来線分離の話が出ても現行の利便性を確保するよう、国、JRに要望し、確約させる事だと思います。もちろん確約させるだけではなくて、自分の地域活性化を自分たちで行い続け、利用者を減らさない努力も行っていくべきでしょう。
一番良いのは県負担0、フル規格で新幹線を作る事だと思います。「よその地域と違う」という話もあるかと思いますが、フリーゲージが失敗したのは国の責任です。応分の負担は必要でしょう。
フリーゲージに対しては損切の発想も必要だと思います。佐賀県にはそこを考えてほしいところです。
Posted by: ゆめ | 2022.02.13 08:11 AM
ゆめさん、こんにちは。
* 佐賀県はもうフリーゲージを捨てた方が良いと思います。
佐賀県(佐賀市?)としては現状で満足しているのでしょう。福岡にはそれほど時間がかからず、しかも安価に行くことができます。「かもめ」で十分で、下手に新幹線ができたら困るのです。
長崎県や佐賀県でも西部のほうなら新幹線ができると便利ですが、そのあたりのことは考えていないでしょう。
* 佐賀県の仕事は新幹線ができても
むしろ条件闘争で佐賀県の負担軽減策を図ったほうが賢明です。国にもJR九州にも後ろめたいところはありますから、そこで好条件を引き出すことが求められます。
Posted by: たべちゃん | 2022.02.13 02:26 PM