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「PASPY」は2025年3月までに廃止

 広島の路面電車やバスに乗ることのできるICカード、「PASPY」。2008年にサービスを開始しました。ところが以前に記事にした通り、廃止されます。機器が老朽化したため更新が必要になってくるのですが、それには多額の費用がかかるので、「PASPY」そのものを廃止することにしたのです。

 さて、「PASPY」を使っている会社はどうするのでしょうか? 対応は2つに分かれます。広電は2024年10月(予定)に新しい乗車券システムを導入します。スマホに表示されたQRコードや専用の新たなICカードを使ったABT方式と言われるものです。ABT方式は利用者の情報を車載器ではなくクラウドサーバで管理します。現在のICカードシステムでは車載器で運賃計算やICカードへの情報の書き込みを行いますが、このABT方式では車載器は利用者の情報を読み取るだけで、それ以外の処理はクラウドサーバで行います。システムの費用が安くなるのがメリットで、ABT方式が商用化されるのは国内で初めてです。

 その広電が導入する新乗車券システムでは、どうやって乗車するのでしょうか? まず乗車前にスマホやパソコンで会員登録をする必要があります。会員登録をするときには、クレジットカードまたは銀行口座の登録が必要です。会員登録をすれば、スマホやパソコンからチャージや定期券の購入ができます。利用履歴を見ることもできます。路面電車やバスを利用するときは、乗車時及び降車時にスマホに表示させたQRコードを車載器にタッチします。スマホを持っていない人は、スマホの代わりに専用の新たなICカードをタッチします。新しい乗車券システムでは、定期券やいろいろな割引制度にも対応させます。時間帯や曜日によって運賃を変えることもできます。

 これに対してアストラムは、2024年度に「ICOCA」及び「ICOCA定期券」を導入します。広電の新しい乗車券システムは地元の人でないと使えず、出張や観光などでたまに広島を訪れる人には使いづらいです。これに対してアストラムは素直に「ICOCA」を導入するので、広島に住んでいる人でなくても使えます(沿線に用事のある人がどれくらいいるかはともかくとして)。ある意味、広電は大きいので、独自のシステムを開発することができるのでしょうか?
(参考:PASPYホームページ https://paspy.jp/news_20220304/、広島電鉄ホームページ https://www.hiroden.co.jp/topics/2022/0304-newticketingsystem.html、広島高速交通ホームページ astramline.co.jp/220304_icoca.donyu.pdf、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC042P10U2A300C2000000/、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/116254)

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