「Suica」で新型コロナ後の山手線利用者数を分析
新型コロナウイルスによって、鉄道の利用者数はどのように変化したのでしょうか? JR東日本は、「Suica」のデータを基に山手線の朝通勤時間帯(7~10時)の変化を分析しました。自動改札を通過するときに「Suica」のデータが記録されますが、それを個々人のデータが分からないようにして使用しています。
新型コロナウイルスによって、鉄道の利用者は明らかに減りました。新型コロナの感染が広がる前の2020年1月20日の数字を100とすると、その後は減り、分析対象の2021年9月までの間、感染状況により変動はありますが50~70の間で推移しています。3~5割減った状態が続いているのです。ちなみに、2020年の春は7割減のときもありました。2021年7月のデータを基に、性別、年齢別で見ると、男女ともに30代、40代の減りが大きく、約4割減っています。意外と減りが少ないのは60代以上ですが、感染リスクの高い世代の減りが少なくて大丈夫でしょうか?
それでは、駅の性格によって、減少度合は変わるのでしょうか? 山手線の駅を2種類に分けました。東京、新橋、品川といったオフィス利用主体の駅と渋谷、新宿、池袋、上野といった商業施設主体の駅とに分けます。その結果、オフィス主体の駅が42~52%減ったのに対して、商業施設主体の駅は16~30%減と小さくなっています。仕事がテレワークになったら、鉄道を使う回数が減り、その分鉄道の利用も減ります。また、多くの駅で、ラッシュのピークの8時台の減少度合に比べて、その前後の7時台や9時台の減少度合は小さくなっています。少し早めか遅めに動いて、ピーク時を避けようとしているのでしょう。
毎日通わなくなったら、通勤定期を買う必要がなくなります。2020年1月に東京駅着の定期券を持っていた人のうち、2020年10月でも定期券を持っていたのは90%でした。1割の人は定期券を買うのを止めたのです。その1割の人の利用状況を見ると、月1~5日に留まる人が2/3もいて、週1回以下にまで利用が減っています。定期券がなくなったので、プライベートでも鉄道を利用することが減ったのでしょうか?
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/20211104_ho04.pdf、「鉄道ジャーナル」2022年1月号 鉄道ジャーナル社)
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