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長崎電気軌道の新型路面電車、実は世界初

 長崎電気軌道が3月24日に運行を開始させた最新型の車両、6000形。ロングシートの単車です。

 これだけならどこにでもあるような路面電車ですが、全低床車です。出入口がノンステップなので、車椅子やベビーカーでもスムーズに乗り降りすることができます。実は、ロングシートの単車で、しかも全低床車となると、世界初の存在なのです。全低床車の場合、車輪の部分が客室に干渉します。これまではその車輪の部分をクロスシートにして、目立たないようにしていたのです。ロングシートの6000形の場合も、座っている人が足を置く部分は、床よりも一段高くなっています。色を黄色に塗って、一段高いことをアピールしています。

 ただこれは、乗車時か降車時のどちらかは運転士の目の前で運賃を払わないといけないという、日本ならではの事情もあります。「信用乗車」も広電ぐらいです。さすがに現金の人は危ないですが、ICカードを持っている人ぐらいは「信用乗車」の導入を考えても良いでしょう。それができると、全低床車にこだわる必要がなくなります。コストが安い部分低床車でも十分なのです。また、運賃を少々値上げしてでも一日乗車券を割安にして、車内で現金を払う人の割合を減らすのも良いでしょう。「信用乗車」が普及したら単車でなくてもいいですし、連節車なら同じ1人の運転士で一気に多くの人を運ぶことができます。

 バリアフリーに優れた全低床車が普及するのは良いことでしょうが、ただ考えさせられることもあったので、書いてみました。

(追記)
 長崎電気軌道の6000形ですが、今までの全低床車に比べて床面が高いので、車椅子での乗り降りがしにくいようです。また、中扉付近の折りたたみ椅子を除けば、座席の足を置く部分が一段高くなっているので、本当に座りたい人が座りにくい状態になっています。
(参考:長崎電気軌道ホームページ https://www.naga-den.com/pages/27/detail=1/b_id=688/r_id=52/、「鉄道ジャーナル」2022年6月号 鉄道ジャーナル社

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