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July 2022

「坊っちゃんエクスプレス」にノンストップの特急便

 高松と松山とを結ぶ伊予鉄道等の高速バス、「坊っちゃんエクスプレス」。1日12往復しています。

 この「坊っちゃんエクスプレス」ですが、9月1日にダイヤ改正を行います。12往復のうち4往復を、高速道路上をノンストップ運行する特急として走らせるのです。高松側は高松駅前高速バスターミナル、県庁通り、高松中央インターバスターミナルの3か所、松山側は松山インター口、松山市駅、JR松山駅の3か所のみに停まります。これにより所要時間が短縮され、高松駅前高速バスターミナル-松山市駅間の所要時間は、各駅に停まる普通便が2時間42分であるのに対して、ノンストップの高速便は20分短縮の2時間22分となります。

 ライバルの鉄道(「いしづち」)は、高松-松山間を2時間30分程度で結ぶので、特急便なら所要時間の面でも鉄道より速いということになります。今治を経由せずにまっすぐ進むのが有利に働いているのでしょう。この高松-松山間には中小都市がこまめにありますので、そういう中小都市の需要を拾っていくのが、鉄道の役割になるとも言えます。
(参考:伊予鉄道ホームページ https://www.iyotetsu.co.jp/topics/22/0901takamatsu.html)

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JR東日本、山形付近の21駅で「Suica」利用可能に

 奥羽線福島-新庄間は山形新幹線を使わない限り、仙台近郊区間に入りますが、福島と山形を除いて「Suica」は使えません。ところが2024年春以降、山形付近の21駅で「Suica」が使えるようになります。

 「Suica」が使えるようになる21駅は、奥羽線かみのやま温泉-村山間の各駅(山形を除く)と、左沢線の北山形-寒河江間の各駅。山形付近の今回導入された駅同士のほか、仙台など仙台近郊区間の「Suica」導入駅との間で「Suica」が使えます。「Suica定期券」はかみのやま温泉-村山間及び北山形-寒河江間のみ使え、仙台-北山形間のように「Suica」が導入されていない駅が含まれている場合は使えません。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2022/sendai/20220722_s01.pdf)

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大井川鐵道、金谷-新金谷の区間便をバスで代行

 大井川鐵道のSLやELは、JRとの接続駅、金谷に乗り入れません。SLやELの始発駅、新金谷までは区間運転の普通列車でつなぎます。

 しかし、7月16日から9月25日までの間の休日と8月8日から10日、8月12日は、金谷-新金谷間の普通列車の一部をバスで代行運転します。車両運用の都合です。

 バスで代行運転するのは、新金谷10:01発金谷行き、金谷10:18発新金谷行き(この2本は「きかんしゃトーマス号」運転日のみ運行します)と、新金谷11:12発金谷行き、金谷11:26発新金谷行き(この2本はEL急行「かわね路1号」運転日のみ運行します)です。先ほども書いたようにバスで代行するのは休日が主体なので、平日は一部を除いてSLやELに接続するための列車が走ります。

 代行バスは大鉄観光バスの観光バスが使われます。乗り場は金谷が駅前のバスロータリー、新金谷が駅前です。車掌が乗りますので、乗車券は車掌に呈示します。
(参考:大井川鐵道ホームページ https://daitetsu.jp/archives/125563)

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国交省、新幹線に貨物線用車両導入を検討か?

 トラックドライバー不足が問題となって久しいです。これを解決する方法のひとつとして、貨物列車を走らせるという方法があります。貨物列車なら少ない人数で多くの貨物を走らせることができるからです。トラックに比べて鉄道は二酸化炭素の排出量が少なく、環境面でも優れています。

 ただ、今の在来線の貨物列車は、荷主の期待に応えられるものではありません。そこで実用化することが期待されているのが、新幹線の貨物列車です。28日に開かれた有識者会議でも取り上げられました。

 新幹線でも少量の荷物を運ぶ例はありますが、本格的に貨物を運ぶなら、専用の車両が必要です。2022年度中に国、JR貨物、JR旅客鉄道会社などで検討を進めます。貨物列車を新幹線から在来線に積み替えるための専用ターミナルを設けるのか、旅客ダイヤに支障がないかなどの課題があります。また、専用車両だけで走らせるのか、それとも今のように客車と一緒に走らせるのかもこれから決めます。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/ae3a177e9118c41253f03f5de89f619def2ccbea)

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東横線にも「Qシート」

 大井町線で走っている有料着席サービス、「Qシート」。以前にも記事にしましたが、ほかの路線にも拡大します。

 そのほかの路線とは、東横線。2023年度以降に拡大されます。一部の10両編成車両のうち、4号車、5号車を「Qシート」にします。該当する車両には、「Qシート」であることが分かるように、ラッピングを施します。

 東横線にはすでに西武の「S-TRAIN」が走っていますが、本数が限られています。「Qシート」が走れば、本格的な有料着席サービスの導入となります。東横線での運行開始時期、運行区間、種別、料金、購入方法については、決まり次第発表されます。

(追記)
 東横線の「Qシート」車両は10月24日から走り始めましたが、サービス開始まではロングシートにして走ります。
(参考:東急ホームページ https://www.tokyu.co.jp/information/list/Pid=post_644.html、https://www.tokyu.co.jp/image/information/pdf/221021_toyokoline_SEAT.pdf)

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JR東日本も100円稼ぐのに22149円

 JR東日本にも、利用者が著しく少ないローカル線はたくさんあります。そのローカル線について、JR東日本も収支を公表しました。公表の対象となるのは、2019年度の輸送密度が2000人未満の線区です(只見線会津川口-只見間、上越線越後湯沢-ガーラ湯沢間を除きます)。35路線、66線区が対象です。

 JR西日本同様、厳しい数字です。どこの営業係数もかなり高いです。特に新型コロナウイルスの影響で利用者が激減した2020年度で一番悪い数字は、陸羽東線鳴子温泉-最上間の22149です。100円稼ぐのに22149円もかかります。新型コロナウイルスの影響がほとんどない2019年度においても、営業係数が1000以上のところが多く、10000以上のところもあります。100円稼ぐのに10000円以上かかるのです。2019年度で一番数字が悪かったのは、久留里線久留里-上総亀山間の15546です。

 これでJR東海を除く5社のローカル線の収支が明らかになりました。JR東海が公表しないのは、このようなローカル線が名松線ぐらいしかないので、東海道新幹線の利益でやっていけるのでしょう。ローカル線だらけの他社とは違うのです。話を元に戻します。今回公表された区間の中には、羽越線村上-鶴岡間など、特急や貨物列車がたくさん走っているところもあります。ここの区間の赤字額は約56億円(2019年度)と公表された66線区で最大ですが、この羽越線村上-鶴岡間を廃止してバスに転換するのが望ましい姿とは思えません。広域的に与えるマイナスの影響が大きいからです。普通列車はともかく、特急と貨物は維持しないといけないでしょう。これに対して、ローカルの需要しかない線区については、ある程度需要のあるところは第三セクター化、それすらないところはバスに転換となってもやむを得ないでしょう。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220728_ho01.pdf、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220725/k10013735601000.html、朝日新聞7月29日朝刊 中部14版)

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新駅をつくっても八木西口は廃止せず?

 以前にも記事にしましたが、近鉄橿原線に新駅をつくる話があります。橿原市にある奈良県立医科大学とその付属病院が今の位置から南西方向に約1キロ移転するため、その新病院の近くに駅を設けるのです。

 ここで問題になるのが、八木西口の存廃。八木西口は新駅予定地の約800メートル北にあり、新駅をつくってかつ八木西口を存続させるとなると、駅が多すぎということになります。橿原市は新駅をつくっても八木西口を存続させることを求めていましたが、近鉄は八木西口を廃止する意向でした。

 ところが、どうやら近鉄は態度を軟化させているようです。八木西口を廃止することを新駅設置の条件とせず、費用負担等の協議次第では八木西口を存続させてもよいとのことのようです。
(参考:毎日jp https://mainichi.jp/articles/20220721/k00/00m/040/076000c)

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「海里」が夜行列車に

 羽越線を走るハイブリッドの観光列車、「海里」。この「海里」が鉄道開業150年を記念して、新潟-青森間で夜行運転をします。「夜想<ノクターン>海里」です。

 「夜想海里」が走るのは、出発日基準で8月16日と8月17日。8月16日は新潟22:05発発青森6:58着、8月17日は青森22:05発新潟6:48着のダイヤで走ります。夜食とお菓子の用意があり(始発駅を出発後に各席に届けられます。なお、お菓子は青森発のみです)、車内で仮眠がしやすいようにアイマスクと耳栓が各席に用意されています。3号車の売店は出発直後から到着直前まで深夜も開いていて、オリジナル商品、ドリンク、お菓子などを購入することができます。

 この「夜想海里」は団体専用列車です。通常の「海里」と違って乗車券と指定席券だけで乗車することはできません。上越新幹線とセットになった、東京-青森間(新潟経由)の片道ツアーとして7月19日から販売されています。大人1人30000~32000円です。

(追記)
 8月の催行は大雨の影響で中止となりましたが、11月28日、29日に再設定されることになりました。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220719_ho02.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2022/20221017_ho01.pdf)

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JRの普通回数券、廃止へ

 10回分の値段で11回乗ることができる回数券。毎日ではないが、ある程度使う人にはお得な切符です。

 ところが新型コロナウイルスで経営状況が悪くなったのか、回数券が次々と廃止になっていきます。ついにJR北海道も11月末で回数券を廃止にすることを発表し、JRから回数券が消えることになります。障害者や通信制の学校への通学のための回数券は残りますが、10回分の値段で11回乗ることができる普通回数券はJRからは消えることになります。

 会社によっては、ICカードのポイントサービスなどの代替サービスがあるところもありますが、回数券ほどお得なわけではありません。本来、回数券はある程度利用する人のために用意されたものですが、金券ショップなどでばら売りされることが多く、本来の意味から乖離することも多かったのは事実です。ただそれなら、ICカードのポイントサービスを充実するなどの対応策はなおさら必要だったでしょう。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/77edeff491e8f096f12384550fda6fffad28462d)

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備後庄原-東城間の鉄道、バスが2日間乗り放題

 広島-三次間で、ライバルの鉄道と高速バスに1回ずつ乗ることができる、「バス&レール どっちも割きっぷ」というものがあります。今回は少し舞台を変えて、フリー切符を売り出しました。

 備北交通とJR西日本が売り出しているフリー切符の名前は、「夏休みバス&レールどっちも乗り放題パス2デイ”庄原⇔東城”」と言います。備北交通の庄原駅-東城駅前間の高速バス(庄原市内の循環路線も利用できます)と芸備線備後庄原-東城間が2日間乗り放題のフリー切符で、7月23日から8月31日の間発売しています(広島バスセンターでも購入できます。また、利用期間は7月23日から9月1日までです)。値段は大人2000円、子供1000円です。庄原-東城間の運賃はバスが1360円、鉄道が990円なので、往復するとほぼ元が取れます。

 フリーエリアが狭いので、地元以外の人は使いづらいでしょうが(と言うより、この区間だけのフリー切符を使う意義が見いだせない)、地元の人なら時間に応じて使い分けることができるでしょう。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220714_17_hiroshima.pdf)

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「とやま1日乗り放題きっぷ」は小杉からのバスが利用可能に

 あいの風とやま鉄道の富山-高岡間、万葉線、富山ライトレール(現:富山地方鉄道)、射水市のコミュニティバス(「海王丸パーク・ライトレール接続線」)を使って富山の鉄道を一周することのできる、「とやま1日乗り放題きっぷ」というフリー切符があります。ところが、海王丸パークと岩瀬浜を結ぶコミュニティバス、「海王丸パーク・ライトレール接続線」 は2021年9月に廃止になってしまいました。

 さて、「とやま1日乗り放題きっぷ」は2022年度も発売されています。4月2日から9月25日の休日に利用できるのですが、「海王丸パーク・ライトレール接続線」が廃止になった今、どうやって一周するのでしょうか?

 代わりのバスが用意されています。小杉から新湊東口、クロスベイ新湊(万葉線西新湊が最寄りです)への射水市コミュニティバスが使えるのです。所要時間は小杉-クロスベイ新湊間が約50分、小杉-新湊東口間が約40分です。ただ、運行本数には注意が必要です。クロスベイ新湊へは1日7往復、新湊東口へは1日4.5往復しかありません。事前にホームページなどで調べておいたほうが良さそうです。
(参考:富山県ホームページ https://www.pref.toyama.jp/documents/25675/4kouhou.pdf、射水市ホームページ https://www.city.imizu.toyama.jp/appupload/EDIT/100/100455.pdf、https://www.city.imizu.toyama.jp/appupload/EDIT/108/108625.pdf)

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弘南鉄道大鰐線、11月まで休日100円均一

 大鰐線の経営状況が危ないというは以前から当blogでも取り上げていますが、その大鰐線で7月16日から11月末までの休日に限り、乗車区間にかかわらず、大人100円、子供50円で乗車できるようになっています。本来だと440円かかる中央弘前-大鰐間も100円です。弘南鉄道は9月7日に開業95周年を迎えますが、その感謝としての位置づけだそうです。

 また、駅から離れたところでも大鰐線が使えるように無料駐車場のサービスも行っています。大鰐など5駅で、11月30日まで駐車場の無料開放を行っています(一部は利用できる曜日や時間の制限があります)。中央弘前でも、休日に限り、指定された駐車場が3時間まで利用できます。
(参考:弘南鉄道ホームページ https://konantetsudo.jp/2022/07/07/owani-100en/)

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神戸-淡路島間高速バス、4社共同運行へ

 関西から淡路島、四国方面への高速バスはその経緯からJRグループと私鉄グループに分かれて運行するケースが多いです。グループが違うと乗車券の相互利用ができず、不便な状態が続いていました。地元自治体からは共通乗車ができることを求める要望書も出されていました。

 そこで、神戸と淡路島を結ぶバスを運行している4社(西日本ジェイアールバス、本四海峡バス、神姫バス、淡路交通)は、2023年春を目途に共同運行を行うことに合意しました。これまでは西日本ジェイアールバス、本四海峡バスのグループと神姫バス、淡路交通のグループに分かれていましたが、一体となって運行するのです。共通乗車ができるので、実質的に使える便が増えるということになります。
(参考:西日本ジェイアールバスホームページ https://www.nishinihonjrbus.co.jp/news/detail/1382)

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JR北海道、宗谷線等の廃止は考えず

 留萌線も段階的に廃止されることになり、JR北海道の輸送密度200人未満の路線については消えることとなりました。

 ただこれで、JR北海道のローカル線問題が全て解決したわけではありません。輸送密度2000人未満だと鉄道としての特性を活かすことができず、国交省でさえ輸送密度1000人未満の場合は運行見直しの協議に入ることを容認する方向です。

 JR北海道で輸送密度200人以上2000人未満の線区は8線区あります。再掲すると、宗谷線名寄-稚内間、石北線新旭川-網走間、富良野線旭川-富良野間、根室線滝川-富良野間、根室線釧路-根室間、釧網線釧路-網走間、室蘭線沼ノ端-岩見沢間、日高線苫小牧-鵡川間です。輸送密度200人未満の線区に目途が立った今、輸送密度200人以上2000人未満の線区についてどうなるかという話が出てきますが、綿貫JR北海道社長によれば、これら8線区については廃止することは考えていないとのことです。

 これにより稚内、網走、根室に行く路線は国家の骨格を成すとして、今後も鉄路が維持されます。このこと自体は喜ばしいことです。ただ、これらの路線も赤字路線であり、輸送密度からして鉄道の特性を活かすことができるとは決して言えません。国交省の提言がまとまり次第、鉄道を維持するための協議に入りたいとJR北海道は考えています。具体的には上下分離が考えられています。国の骨格を成す宗谷線、石北線、根室線釧路-根室間は(特急やそれに準ずる快速に限りますが)国も関与する必要がありますが、それ以外の路線については北海道や地元市町村が積極的に関与する必要があるでしょう。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/jrh8senku/)

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阿佐海岸鉄道、3か月しかDMVを走らせていないのに売上58%アップ

 2021年12月25日に世界初となるDMVを導入した阿佐海岸鉄道。その阿佐海岸鉄道の2022年3月期の決算が明らかになりました。

 阿佐海岸鉄道の乗客数は23362人なので、前期に比べて半分以下の48%になりました。しかし、このうちの53%、12530人は、DMV運行開始後の3か月あまりの間に乗りました。DMVに乗ること自体が目的の人が多いため、全線通して乗ることが多く、またDMV運行開始に合わせて値上げされたため、旅客運輸収入は大幅に上がりました。前期の699万円から1107万円に58%も上がったのです。

 2022年3月期でDMVが走ったのは3か月あまりで、その間新型コロナウイルスの影響で外国人観光客が来ることはなく、国内も感染拡大で団体客のキャンセルが相次ぎました。経常損益は8139万円の赤字ですが、その赤字額は1割ほど縮小しました。つまり、3か月のDMVで収支が900万円改善したということです。徳島県は2021年度から2028年度まで、DMVの運行で収支が年間約1400万円改善するとみていたので、3か月で900万円という数字は良い数字とも考えられています。

 DMVでは、関連グッズも売れました。前期は約16万円しかなかった関連グッズの売り上げですが、2022年3月期は約325万円と20倍にもなりました。DMVとなった阿佐海岸鉄道は、公共交通機関というよりは観光施設のアトラクションみたいなものなので、来る人を飽きさせないようにしていく努力が必要なのでしょう。
(参考:毎日新聞ホームページ https://mainichi.jp/articles/20220714/k00/00m/040/159000c)

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「スペーシア X」は2023年7月15日運行開始

 東武の特急の新型車両についての続報です。

 N100系が使われる東武の新特急の愛称が決まりました。「スペーシア X」です。「スペーシア」の伝統を維持・継承するとともに、新型車両に期待される役割の象徴として「X」を加え、「スペーシア」を正しく進化させたものであることを思い出させる意図があるようです。

 その「スペーシア X」ですが、運行開始日等も決まりました。運行開始日は2023年7月15日です。運行区間は浅草-東武日光・鬼怒川温泉間で、JRには乗り入れません。「スペーシア X」は観光に便利な時間帯に走ります。毎日2~4往復走りますが、4往復走るのは週末などに限られます。停車駅はとうきょうスカイツリー、北千住、春日部、栃木、新鹿沼、下今市、東武ワールドスクウェア(鬼怒川温泉発着のみ)です。希少な存在の「スペーシア X」になったからと言って停車駅が減るわけではないようです。

 ただ、特急料金は現在の「スペーシア」より上がります。現在は平日が1360円(浅草-東武日光間、以下同じ)、休日が1470円ですが、「スペーシア X」のスタンダードシートは1940円です。プレミアムシートは2520円です。特別座席料金については、コックピットラウンジが1人用200円、2人用400円、4人用800円、2人定員のボックスシートが1室400円、4人定員のコンパートメントが1室6040円(現在の「スペーシア」は平日1室3150円、休日1室3770円)、7人定員のコックピットスイートが1室12180円です。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/20220714145639kM21uyWeaNPoTNtDiNssEw.pdf)

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JRの廃止対象は輸送密度1000人未満?

 株式を上場しているJRは当然のこととして、赤字であっても許される第三セクターでもやっていけないような路線が、JRにはたくさんあります。本来なら現状にあった輸送手段にすべきなのですが、JRのままだと地元の負担は全くありませんので、ただ単に廃止に反対し、負担をJRに押しつけるだけになっています。使えない交通機関が残り続けるだけの結果となっています。

 国交省もこの地元自治体の動きを助長するようなことをやっていましたが、先ほども書いたように、それでは使えない交通機関が残り続けるだけです。そこで国交省の有識者検討会は、一定の条件で半強制的に運行見直しの協議に入らないといけないようにすることを国交省に提言します。

 その条件とはどのようなものでしょうか? 輸送密度が1000人未満で、かつピーク時の1時間に片方向への旅客が500人未満、そして複数県にまたがるなど広域的な調整が必要なところが協議の対象となります。協議の対象となったところは、3年で結論を出します。全国のネットワークに影響する、特急や貨物列車のある路線、代替道路のない路線(国鉄末期ならともかく、今どきあるのでしょうか?)は協議の対象外です。また、どの駅間で見ても1列車の乗客が50人に達しないようなところはバス転換の対象とします。もし、鉄道で残す場合は、上下分離方式の採用などで地元自治体に積極的な関与をさせます。

 ローカル輸送しかない路線については、地元が赤字をかぶってでも鉄道を維持したいのならともかく、そうでない限りはバス転換や第三セクター化は避けられないでしょう。わざわざ鉄道に不得意な分野を押しつけてはなりません。鉄道が得意とするのは新幹線などの高速輸送や大都市の大量輸送であり、決してローカルの少量輸送ではありません。そういうところは車に委ねて結構です。世の中にはいろいろな交通機関がありますから、それぞれ得意とするところを分担するようにすれば良いのです。
(参考:中国新聞ホームページ https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/188980、https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/189430)

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「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」、9月1日から販売再開!

 JR北海道全線が6日間乗り放題の「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」。8月末まで発売する予定でしたが、補助金を元に算定した発売予定枚数が上限に達したので、7月8日で発売を終了しました。

 しかし、この「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」ですが、また復活します。9月1日から発売を再開し、9月2日から2023年1月31日まで利用できます。値段や発行枚数などの詳細は後日、発表されます。

(追記)
 「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」は、販売予定枚数が上限に達したので、10月21日をもって販売を終了しました。
(参考:北海道新聞ホームページ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/705346、JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/news/pdf/KO_pass_hatsubaisyuuryou.pdf、https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/news/pdf/KO_lovepass_mikomi.pdf)

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森前富山市長、地方鉄道について学術誌に査読付き論文

 設備投資が適切に行えず、厳しい経営状態にある地方の私鉄。どうすればよいのでしょうか? なかなか難しい話ですが、在任中にJRのローカル線をLRTとして再生した実績のある森前富山市長が論文を書きました。

 森前富山市長など、富山市や富山大学の専門家が書いた論文(筆頭著者は森前富山市長)は地方鉄道に関するもの。タイトルは「地方自治体による鉄軌道政策の成果と課題に関する研究」です。査読付き論文として学術誌に掲載されたとのことなので、一定の評価が得られた論文ということになります。

 その「地方自治体による鉄軌道政策の成果と課題に関する研究」とは、どのような論文なのでしょうか? 簡単に書くと難しいですが、どうやら単に自治体が赤字を補填するだけでは不十分で、都市経営戦略としての積極的な投資をしなければならないというものです。JRについても例外ではなく、鉄軌道全般について国や地方自治体の適切な参画を可能とする制度が必要だとしています。

 確かに赤字の補填がなされれば、鉄道会社としては経営に苦しむことはありません。しかし、このままでは事態は改善されず、ジリ貧です。それを考えると、鉄道が便利になるような適切な投資が必要なのです。鉄道会社に委ねると当然採算の取れる範囲でしかできませんので、便利なものにするためには公共投資で対応しなければならないのです。また、JRについては負担をJRに押しつけるだけでは何の改善にもなりません。ジャンボタクシーで十分なぐらい需要が少ない路線でも、平気でJRに要求します。こういうところはJRで残す必要はありませんので、地元自治体が主体となって、現実を見据えた適切な交通政策が必要でしょう。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC089PR0Y2A700C2000000/、「実践政策学」ホームページ https://policy-practice.com/第8巻%e3%80%80第1号/)

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JRでもVisaのタッチ決済

 南海などで行っているVisaのタッチ決済ですが、JRでも実証実験が行われることになりました。

 実証実験を行うのは、JR九州。7月22日から2023年3月31日まで、鹿児島線の香椎から博多までの5駅(一部、利用できない改札口があります)で試行します。Visaのタッチ決済対応カードやスマホを、自動改札機に設置されている専用端末にかざすことにより、利用できます。5駅相互区間内のみ利用でき、福間や南福岡など、それ以外の駅では使えません。

(追記)
 12月5日から、JCBやAmerican Expressでもタッチ決済できるようになります。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2022/07/07/20220707_jrkyushu_visa.pdf、https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2022/12/01/221201_fare_credit_card.pdf)

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西鉄、8月28日に高架化&ダイヤ改正

 西鉄天神大牟田線の雑餉隈付近が高架化になるという話は以前に記事にしましたが、8月28日に高架に切り替えられます。19か所の踏切がなくなります。

 この高架化のため、8月27日夜から翌28日朝にかけて切替工事を行います。西鉄福岡(天神)-筑紫間及び太宰府線において、列車の運休があります(筑紫-大牟田間及び甘木線は通常通りのダイヤで走ります)。27日夜の最終は西鉄福岡(天神)22:30発大牟田行き急行です。28日は7:30ごろから順次運行を開始します。最初の列車は大牟田6:25発西鉄福岡(天神)行き急行です(この急行は、筑紫で時間調整のため、約12分停車します)。

 また、切替日の8月28日には、西鉄天神大牟田線のダイヤ改正を行います。高架化により、高架化される区間の所要時間が最大2分短縮されます。日中(10~17時)において、特急(福岡-大牟田間)の所要時間が下り64分、上り62分から下り62分、上り60分になります。急行や普通もスピードアップがなされます。

 一部時間帯において、利用状況に合わせた減便もあります。甘木線、太宰府線を合わせた西鉄天神大牟田線全体において、平日は4%、土曜は2%、日祝は1%ほど減ります。
(参考:西鉄ホームページ https://www.nishitetsu.co.jp/release/2022/22_027.pdf)

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スマホのアプリで北陸鉄道とバス、8時間乗り放題

 北陸鉄道石川線の厳しいところは、金沢側のターミナルが街の中心部から離れた、野町であること。繁華街の香林坊などへは、バスに乗り継がないといけません。

 そこで、金沢市などは7月4日から、石川線と香林坊-野町間のバスが8時間乗り放題のスマホ限定の切符、「石川線-香林坊マル得乗継きっぷ」(「マル得」は得を丸で囲んだもの)を発売しています。この切符は駅で買うのではなく、「のりまっし金沢」というサイトに事前にアクセスに、アプリに利用者情報を登録しておきます。乗車の前にクレジットカード決済で購入し、「利用開始」のボタンを押すと8時間乗り放題です。運転士や駅係員には求められたらスマホの画面を呈示します。

 値段は鉄道の乗車区間によって異なります。5段階に分かれていますが、一番安い野町-新西金沢間だけ乗ることができるものだと大人500円、子供250円ですが、石川線全線を乗ることができるものだと大人1000円、子供500円です。鉄道の乗車区間にかかわらず、バスは香林坊-野町間に乗り放題です。これで、香林坊や片町に買い物やランチに行くことができますし、反対に白山比咩神社に観光に行くこともできます(鶴来からのバスは別払いです)。
(参考:金沢市ホームページ https://www4.city.kanazawa.lg.jp/material/files/group/8/ishikawasen-bus-noritugienkatukajikken.pdf)

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保護者と一緒なら大阪市内の小学生、Osaka Metro無料

 Osaka Metroはこの夏から年明けまで、一定の条件の下で小学生に対して無料となるキャンペーンを行います。

 大阪市内に在住もしくは在学している小学生(約12万人)に対して、学校から「おでかけKID’S PASS」の引換券付ガイドブックが配付されます。引換券を保護者がOsaka Metroの駅長室等で「おでかけKID’S PASS」に引き換え、これを持って、保護者と一緒に乗れば(保護者1人につき小学生3人まで利用できます)、Osaka Metro、大阪シティバス(一部を除きます)、「いまざとライナー」が無料になります。保護者と一緒に乗るのが条件なので、子供が単独で乗る通学や通塾などでは使えません。無料になる期間は7月20日から2023年1月9日までと約半年間もあります。

 子供は「おでかけKID’S PASS」で無料になりますが、親は切符を買う必要があります。この分の収入が入ります(定期券等を持っている場合もありますが)。また、短期的な利益にならなくても、子供に地下鉄などの公共交通機関を使うきっかけになります。
(参考:Osaka Metroホームページ https://subway.osakametro.co.jp/news/news/other/20220629_kidspass_haifu.php)

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10月1日只見線復旧後のダイヤ

 以前にも記事にしましたが、只見線は10月1日に全線復旧します。豪雨から11年、ようやくの運転再開です。

 7月13日のことですが、JR東日本から全線復旧後のダイヤが発表されました。以前にも記事にした通り、会津若松-小出間の直通列車が1日3往復します(このほか、会津若松-会津川口間、大白川-小出間には区間運転の列車があります)。ダイヤは下りが会津若松6:08発小出10:41着、会津若松13:05発小出17:47着、会津若松17:00発小出21:26着、上りが小出5:36発会津若松10:32着、小出13:12発会津若松17:24着、小出16:12発会津若松20:55着です。新しい車両になったので、国鉄型車両が使われていた豪雨前に比べ、最大30分ほど速くなっています。

 また、会津若松-只見間でワンマン運転を行います。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2022/sendai/20220713_s03.pdf、「鉄道ファン」2023年7月号 交友社

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HC85系に乗ってきました

 今日(17日)の午後、7月1日にデビューしたばかりのHC85系に乗ってきました。

 乗ったのは美濃太田14:19発の「ひだ10号」。通常4両編成ですが、三連休のため、6両編成に増結されています。ただし、自由席は1両のままで変わりません。美濃太田から乗る客は試乗目的の家族連れや鉄道ファンのようで、短距離のこともあり、自由席に並びます。高山方面からの旅行客で自由席は満席(指定席には若干余裕があります)、美濃太田から乗ってきた人は座れず、デッキに立ちます。デッキには沿線の工芸品を飾っているコーナーがあり、隣の3号車には一位一刀彫がありました。

 次の鵜沼で降りる人がいて、座ることができました。HC85系はハイブリッドのディーゼルカーなので、車内にいるとエンジンの音はあまりしません。電車みたいです。高山線の電化は考えられないので、こういう方法で快適さをアップさせているのです。

 岐阜で向きを変え、次の尾張一宮で降りました。終点の名古屋に向けて「ひだ10号」は発車しましたが、エンジンの音は結構出ていました。やはりHC85系もディーゼルカーの仲間なのでした。

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留萌線石狩沼田-留萌間、2023年3月に廃止か?

 JR北海道が利用者が極めて少ないとして即時の廃止を考えている路線は5線区ありましたが、留萌線深川-留萌間を除いて、廃止もしくは廃止されることが決まっています。そして、残る留萌線深川-留萌間も、ようやく方針が決まりました。

 留萌線の廃止は2段階に分けて行います。まず2023年3月に石狩沼田-留萌間を廃止します。残る深川-石狩沼田間は少なくとも3年は存続しますが、その後廃止され、バスに転換します。通学需要があるため廃止に反対していた深川-石狩沼田間については廃止を遅らせるのです。現在中3の生徒も、高校卒業までは鉄道が使えるのです。石狩沼田の折り返し設備はないため、3年間程度のために新たに折り返し設備をつくる必要があります。深川-石狩沼田間を存続させると年間3.45億円の赤字が発生し、また石狩沼田止まりとなることにより工事費用が4000万円かかりますが、これらの費用はJR北海道が負担します。

 また、2023年3月の段階で廃止される石狩沼田-留萌間をカバーするため、バスを走らせる必要があります。とは言っても、留萌から石狩沼田に行く需要はなさそうです。留萌の人にとっては、深川に直行するバスを充実させるほうがありがたいです。部分廃止時点でとりあえず石狩沼田-留萌間にバスを走らせ、3年間で利用状況を見て、全線廃止時点で実情に合ったバスをつくるのがいいかもしれません。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220716/7000048658.html、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/rumoisen-haishi/)

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ローカル私鉄の過半数の車両が車齢31年以上

 ローカル私鉄(中小民鉄及び第三セクター)は、首都圏の大手私鉄とは違って、新車をバンバン投入することができません。どこかから中古の車両をもらって対応しています。そのため、ローカル私鉄は老朽化した車両の割合が高くなっています。

 交通政策白書によれば、2020年度末のローカル私鉄の所有車両は2813両。このうち、車齢51年以上が660両(23%)、車齢31年以上50年以下が911両あります。つまり、過半数(55%)の車両が車齢31年以上です。車両だけでなく、トンネルや橋梁も老朽化が進んでいます。トンネルや橋梁を経過年数別に分けてみると、どちらも2つの山があります。81~100年と41~60年の山です。後者は高度成長期に「我田引鉄」でつくられた国鉄路線なのでしょうか?

 そして、輸送人員についてはピーク時からは大幅に減ったものの(2019年度の輸送人員はピーク時の約22%です)、新型コロナウイルスの影響がある2020年度を除いては、21世紀に入ってからはほとんど減っていません。意外なことです。ただ赤字の事業者は多いので(経常収支が赤字の事業者は2019年度で全体の79%です)、地元が支える姿勢が必要なのですが、どう支えれば良いかについては興味深いものがありますので、別記事で取り上げることにします。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/localrail2022/)

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JR西日本、「のぞみ」、「みずほ」の指定席特急料金値上げ

 これまで割引切符の見直しを中心に行ってきたJR西日本ですが、ここで正規の新幹線の特急料金を値上げすることになりました。

 値上げは2023年4月1日購入分からで、山陽新幹線(新大阪-博多間)の「のぞみ」、「みずほ」の指定席特急料金だけ110~420円の範囲で値上げします。グリーン車に乗った場合や、東海道新幹線、九州新幹線にまたがって乗った場合も値上げになります。自由席特急料金や「ひかり」、「さくら」、「こだま」については変更ありません。例えば、現行15600円の新大阪-博多間は16020円になります(運賃込みの金額です)。

 ただし、「エクスプレス予約」や「e5489」などのネット予約の切符は基本的には値上げになりません。「みどりの窓口」が縮小を続ける中、窓口ではなく、インターネットで切符を買うメリットをさらに出しているのです。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220713_01_sanyou.pdf)

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キハ281系は9月まで、キハ183系は2022年度まで、キハ283系が定期運用復活

 JR北海道の特急列車として長い間活躍してきた、キハ281系とキハ183系が引退することになりました。

 まず、9月末で定期運行を終えるのは、キハ281系。現在、函館線の特急「北斗」が函館-札幌間を3往復していますが、9月30日で定期運行を終えます。10月1日からはキハ261系に代わります。以前にも記事にした通り、キハ261系に統一されるのです。なお、10月22、23の2日間、「スーパー北斗」の名前でラストランを行います。函館-札幌間で停まるのは東室蘭、ただひとつのみ(ただ時間は結構かかるようです)。車両も特急らしく8両編成です。8号車には最初につくられた試作車のキハ281-901を使う予定です。また、キハ281-901については8月下旬ごろから塗装やロゴマークを導入初期のものにします。

 そして、2023年度中にキハ183系の定期運行を終えます。国鉄時代から使われ、今は石北線の特急「オホーツク」や特急「大雪」として使われている車両ですが、それが定期運行を終えるのです。代わりに走るのが、この3月まで根室線の特急「おおぞら」に使われていた、キハ283系。このまま引退するのかと思っていましたが、定期運行が復活することになりました。かつてのように高速で飛ばすわけでも、振り子機能を目一杯使うわけでもなく、ただ新しい車両というだけですが、キハ183系があまりにも古いので、利用者にとっては改善になります。

(追記)
 283系のグリーン車は全て廃車になったので、石北線で使われるときは、グリーン車なしになります。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/220713_KO_183.pdf、https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/220713_KO_281.pdf、「鉄道ジャーナル」2022年10月号 鉄道ジャーナル社

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長万部-小樽間、バスにすると4分割

 北海道新幹線が全線開業すると、函館線函館-長万部-小樽間はJRから分離されます。このうち、貨物列車が走らず、純粋にローカル需要しかない長万部-小樽間については、比較的利用者の多い余市-小樽間を含めて、全区間バスに転換されます。この長万部-小樽間のバス転換後の姿はどのようになるのでしょうか? 7日にブロック会議が開かれ、転換バスのルートなどの概要が明らかになりました。

 長万部-小樽間は140キロもあり、しかも直通する需要は皆無と考えられますので、(1)長万部-黒松内間、(2)黒松内-倶知安間、(3)倶知安-余市間、(4)余市-小樽間の4つにわけて考えています。まず、(1)の長万部-黒松内間については、熱郛に乗り入れない代わりに、道の駅くろまつないに停めます。また、長万部から徒歩20分かかる長万部高校への対策として、長万部温泉入口を設けます。長万部高校まで徒歩5分です。(2)の黒松内-倶知安間については、(1)同様、熱郛の代わりに道の駅くろまつないに停まります。比羅夫に相当する停留所がどこになるかは不明です。また、厚生病院や倶知安高校は倶知安から徒歩15分かかりますが、それぞれに近いところに九号線十字街、(仮)倶知安高校前を設けます。九号線十字街から厚生病院まで徒歩3分、(仮)倶知安高校前から倶知安高校まで徒歩1分です。バスの増便も考えられているようです。なお、蘭越-小樽間に高速バスを走らせる話もあります。(3)の倶知安-余市間については、小樽の通学生に考慮して、小樽まで乗り換えなしに直通するバスを走らせます。通学時間帯には、小樽潮陵高校など小樽の高校の近くに直通するバスが走ります。銀山と然別については駅に乗り入れず、国道沿いの上山道と然別(国道)に停まります。既存の駅との間には地域バスの「ニキバス」が走ります。銀山付近では無人のバスが走る話もあります。(4)の余市-小樽間については、(3)同様、通学時間帯には、小樽潮陵高校など小樽の高校の近くに直通するバスが走ります。塩谷については国道から離れているため、既存バス路線を駅前まで延伸します。なお、札幌への直通は需要の把握をしていないため、まだ走るかどうか決まっていません。
(参考:レスポンスホームページ https://response.jp/article/2022/07/11/359583.html)

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JR貨物が使われないのはなぜか?

 国交省の主催で、「今後の鉄道貨物物流のあり方に関する検討会」が開かれています。3月から7回の予定で開催され、鉄道貨物輸送について考えていきます。その検討会のために資料が配付されましたが、これがJR貨物にとって厳しい内容だったようです。

 どういう資料なのかと言えば、JR貨物に関係のある官庁や企業からの厳しい意見が書かれた資料なのです。意見を出したのは、防衛省、JR3社(東日本、東海、西日本)、日本通運、ヤマト運輸、日本オイルターミナル、ホクレン、三菱商事、F-LINE(味の素、ハウス食品、カゴメなどでつくる合弁食品物流企業)などです。これらの企業等からは、自然災害に弱いこと、復旧に時間がかかること、振替輸送が十分でないことについての批判が多かったです。

 また、ヤマト運輸からは、ちょうどいい時間の便が少ないという意見が出ました。宅配便は日中に集荷し、21時ごろに遠方に向けての輸送を行います。しかし、このあたりの時間帯はほかの宅配便会社も使いたい時間帯で、そのような需要に応える列車が少ないという意見です。また、F-LINEからは、鉄道貨物の使いかた自体がわかりにくいという意見が出ました。ホクレンからは、JR貨物は国鉄時代から5トンコンテナを使っていますが、トラック輸送の大型トレーナーに合わせた規格でないと使いづらいという意見がありました。

 ただ、これらの改善は難しいです。JR貨物が走るのは在来線なので、明治時代の古い規格です。旅客輸送は新幹線に移行して便利になりましたが、貨物は古いままなので、災害に弱いです。また、貨物列車が走ることができる線路は限られているので、それなりの幹線でないと貨物列車を走らせることはできません。いくらレールの幅が同じでも、1両のディーゼルカーが走るようなローカル線に貨物列車を走らせることはできないのです。さらに言えば、JR貨物は自前の線路を持たず、基本的にはJR東日本など旅客鉄道会社の線路を借りて走らせています。線路を借りている以上、柔軟なダイヤは組みづらいです。もっとも、JR西日本の場合は、姫路以西なら山陽線は空いているので、積極的に使ってほしいとのようです。新幹線よりも在来線を使ってほしいようです。

 こういうことを考えると、現状ではJR貨物は厳しいと言わざるを得ません。本当ならCO2をたくさん出し、しかもドライバーもたくさん使うトラック輸送の比率を減らして、貨物列車のシェアを上げる必要がありますが、政治家の認識不足もあり、なかなか上手くいっていないのが現状です。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/120090、「鉄道ジャーナル」2022年10月号 鉄道ジャーナル社

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上越新幹線でホットコーヒー復活

 車内販売は縮小傾向にありますが、JR東日本は2019年にホットコーヒーの販売を取りやめています

 とは言っても、ホットコーヒーを販売して欲しいという要望は結構あるようです。そこでJR東日本はこの7月8日から当分の間、上越新幹線でホットコーヒーの販売の試行を行っています。

 ホットコーヒーの販売を行うのは、上越新幹線「とき」のうち、下り14本、上り17本。朝夕の列車が多いようです。深いローストによるコクと苦み豊かなストロングタイプのコーヒーを販売します。1杯250円です。だ、販売数量に限りがあるようで、注文が多いと売り切れになります。

 上越新幹線での試行結果によっては、ほかの線区でも販売するようになるようです。

(追記)
 上越新幹線での試行が好評だったため、ほかの新幹線においてもホットコーヒーの販売を行うことになりました。東北新幹線は11月1日から、北陸新幹線は10月7日から販売します。

 また、アイスクリーム等、要望が多い商品についても、販売線区の拡大を検討するとのことです。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220701_ho01.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2022/20221005_ho01.pdf)

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長野-草津温泉間にバス

 長電バスはこの7月1日から、長野駅東口-白根火山間を走っている急行バスについて、草津温泉まで延伸しています(11月3日までの運行です)。志賀高原や白根火山を経て、草津温泉に行きます。

 ダイヤは長野駅東口10:30発草津温泉13:06着、草津温泉14:00発長野駅東口16:31着。長野駅東口-草津温泉間の運賃は3500円です。
(参考:長電バスホームページ https://www.nagadenbus.co.jp/news/2022/06/71.php)

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「信用降車」普及で7月2日から一部の駅での集札廃止

 以前にも書きましたが、広電は3月12日以降、対応工事が終了した車両からICカードを持っている人に対する「信用降車」を30メートル級の連節車両に拡大しました。これまでは「グリーンムーバーLEX」だけでしたが、「信用降車」できる車両が増えたのです。

 そこで広電は7月2日から一部の駅において駅での集札を廃止することにしました(7月22日までの平日に限り、暫定的に集札を行う駅もあります)。7月2日以降、駅での集札が廃止されるのは、広電宮島口、広電五日市、広電西広島、土橋の各駅です。紙屋町西は平日のみになります。広島、横川については現行と変わりません。
(参考:広島電鉄ホームページ https://www.hiroden.co.jp/topics/2022/0629-haisatuhaishi.html)

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お菓子が切符に

 伊賀鉄道は7月2日から、3種類のデジタル1日フリー乗車券を発売しています(「第3弾」なので、デジタル1日フリー乗車券自体はすでに発売しています)。駅ではなく、RYDE PASSアプリで購入するものです。購入すれば、購入日を含めて28日間の間に使用しなければなりません(手数料を払えば、払い戻しも可能です)。

 まずひとつは、「100周年限定『かたやきっぷ』」。発売は7月2日から行っていますが、使えるのは7月17日からです。限定100枚のフリー切符です。この「100周年限定『かたやきっぷ』」は、通常の1日フリー乗車券に100周年として(伊賀鉄道はこの7月18日に全線開通100周年を迎えます)、伊賀の「かたやき」がついたものです。上野市でデジタル1日フリー乗車券を呈示すると、「かたやきっぷ」がもらえます。この「かたやきっぷ」、中身は「かたやき」なので食べることはできるでしょうが、食べてしまったら切符としてのかたちが残らないので、悩ましいところです。値段は大人850円、子供450円です。

 残る2つは、沿線の飲食店とのコラボです。ひとつは「キッチンユノ☆から揚げ2個サービス付き☆」、もうひとつは「カラカッタ伊賀上野店☆お食事5%OFF割引券付き☆」です。いずれも7月2日から発売していて、値段は大人740円、子供370円です。「キッチンユノ☆から揚げ2個サービス付き☆」」は西大手から徒歩5分のところにある肉料理のキッチンユノで、ランチを注文すれば、から揚げ2個をサービスしてくれます。「カラカッタ伊賀上野店☆お食事5%OFF割引券付き☆」は広小路下車すぐのところにあるカレーのカラカッタ伊賀上野店で、食事をすると5%割引になります。
(参考:伊賀鉄道ホームページ https://www.igatetsu.co.jp/?p=551)

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月曜日の「36ぷらす3」は肥前浜経由で佐世保へ

 JR九州の787系改造の観光列車、「36ぷらす3」は月曜日に長崎に行きますが、西九州新幹線開業後は行くことができなくなります。長崎線自体はJRのまま残りますが、非電化になってしまうので、行きたくても行けないのです。そこでJR九州は西九州新幹線開業後、月曜日のルートを変更することにしました。新しい行先は佐世保です。

 それでは、新しい月曜日のルートについて説明しましょう。行きは博多を11:22に出ます。出発後、西九州の食材をふんだんに使ったランチを楽しみます。佐賀に停まった後、長崎線に入り、電化が維持されている肥前浜まで行きます。肥前浜でのおもてなしは好評なようで、新幹線が開業しても寄り続けるのです。約50分間、まちなみ散策をしたり、日本酒飲み比べの体験をしたりすることができます。その後、江北(現:肥前山口)まで折り返して、佐世保線に入ります。武雄温泉では西九州新幹線に乗り換えることもできます。その後、次の停車駅の上有田までの間で、西九州のすべてを詰め込んだ「車内体験メニュー」を行います。山間に囲まれた、風情ある木造駅舎がある上有田には、15分ほど停まります。駅構内にあるカフェを楽しむこともできます。その後、早岐に停まり、佐世保には16:13に着きます。帰りは一直線に博多に戻ります。5、6号車のみ発売し、1~3号車の個室は発売しません。お食事付きプランはなく、ビュッフェのみ営業します。佐世保17:31発博多20:06着で、途中、早岐、有田、武雄温泉、江北、佐賀、新鳥栖、鳥栖にも停まります。値段は、行きのみあるランチプラン(個室)は乗車区間にかかわらず18300円(3号車の個室を1人で利用するときは10500円増)、行き、帰りともにあるグリーン席プランは博多-佐世保間7270円です(グリーン席プランは区間料金あり)。

 なお、現在の長崎へのルートは9月19日までで、9月26日は報道向けの試運転を行います。新しいルートで走るのは、10月3日ということになります。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2022/06/30/220630_36plus3_getsuyouroute.pdf)

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日田彦山線BRT、開業時には25駅を増設

 日田彦山線BRT(BRTひこぼしライン)は、2023年夏に開業する予定です。

 この日田彦山線BRTですが、駅が増えます。鉄道の駅をつくるのは難しくても、バスの停留所なら簡単にできます。この特徴を活かして、学校や病院に近いところにBRTの駅を設けて、使いやすい交通機関にします。

 それでは、どれくらい増えるのでしょうか? 現在、添田-日田間には両端や久大線の駅(添田、夜明、光岡、日田)を含めて、12の駅があります。ところが、BRTが開業すると37にまで増えます。現状の代行バスでもバス停が増えていますが、さらに増えるのです。専用道区間の彦山-宝珠山間を除くと、大体今の鉄道駅の間に3つぐらいの駅が増えます。なお、BRT化に伴って増える駅のうち、光岡-日田間の林工西口、昭和学園前、日田市役所前の3つについては、朝夕の一部のみ停まります。鉄道があっても駅がなければ意味がありません。バス停をきめ細かくつくり、利用しやすくなることが大切なのです。

 なお、ダイヤ、所要時間、運賃、車両についてはまだ決まっていません。決まり次第、発表されます。

(追記)
 筑前岩屋-大行司間にできる予定だった棚田親水公園ですが、地元の東峰村から設置中止の申し出があり、駅はつくられないことになりました。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2022/06/30/220630_BRThikoboshiline_37eki_1.pdf、https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/info/list/__icsFiles/afieldfile/2023/02/09/230209_BRT_hikoboshi_oshirase.pdf)

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東京メトロ、8月27日に減便のダイヤ改正

 少し前に名古屋市営地下鉄東山線の減便ダイヤ改正についての記事を書きましたが、東京メトロはもっと大規模な減便ダイヤ改正を行います。ダイヤ改正を行うのは8月27日、銀座線、丸ノ内線、東西線、千代田線が対象です。利用状況に合わせたダイヤ改正を行うということです。始発の繰り下げや終電の繰り上げは行いません。それでは、どのような改正内容になるのでしょうか? 各線ごとにみていきます。

 銀座線は、平日10~16時、休日8~20時の昼間時間帯を、1時間18本から12本に減らします。3月に1時間20本から18本に減らしたばかりなのに、さらに減ります。2回のダイヤ改正で3分間隔から5分間隔に広がります。平日朝夕のラッシュ時も減ります。例えば、8時台は渋谷方面、浅草方面ともに30本から26本に、18時台は渋谷方面行きが27本から25本に、浅草方面行きが26本から24本に減ります。

 丸ノ内線は、平日10~15時、休日10~20時の昼間時間帯を、池袋-中野坂上間は1時間13本から12本に、中野坂上-荻窪間は1時間11本から10本に減らします。平日朝夕のラッシュ時も減ります。例えば、8時台の池袋方面から新宿方面行きは31本から28本に減ります。休日の6~10時、20~23時も減ります。なお、丸ノ内線は中野坂上-方南町間で3両編成の運転がありましたが、今回のダイヤ改正でなくなります。その影響もあり、中野坂上-方南町間の減便度合が大きくなっています。

 東西線は平日7~11時の時間帯で本数を減らします。千代田線も平日7~9時の時間帯で本数を減らします。

 先ほども書きましたが、銀座線などで減便をするのは、新型コロナウイルスの影響で鉄道の利用が減っているからです。在宅勤務の人も増えています。それならば、銀座線など今回ダイヤ改正を行う4路線だけが利用者が減っているとは考えられません。しかも、大幅な減便を行うのは他社への乗り入れがない銀座線や丸ノ内線だけで、他社との乗り入れがある東西線や千代田線は小幅なものに留まっています。ダイヤ改正の時期が中途半端なので、今回は自社で完結する路線を中心に行い、次に他社がダイヤ改正を行うときに合わせて、再度大幅な減便ダイヤ改正を行うのでしょうか? いくら変動費の割合が小さい鉄道でも、利用者が減って本数が減れば、それに合わせて長期的には車両を減らすことができ、コストの削減につながりますから。
(参考:東京メトロホームページ https://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews220707_38.pdf、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20220707/1000081965.html)

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東武、新卒初任給などを引き上げ

 日本経済が低迷している原因はいろいろありますが、給料が上がらないというのもそのひとつと言えます。給料が上がらないのでできるだけ節約しようとします。個々人としては正しい行動ですが、全体としてみた場合は、国内の消費が少なくなり、経済はさらに冷え込みます。給料を上げることはさらに難しくなります。

 この悪循環を防ぐためには、誰かがきっかけをつくらないといけません。そしてそのきっかけになるかもしれない動きが、東武及び東武グループにあります。東武及び、東武の鉄道事業にかかる業務を受託する機能別会社4社(東武ステーションサービス、東武エンジニアリング、東武インターテック、東武シェアードサービス)は、新卒初任給等を引き上げます。

 新卒初任給は2022年度と2023年度の2回に分けて引き上げます。2022年度は4月1日に遡って引き上げます。2021年度の東武鉄道(ポテンシャル採用(大卒総合職))と機能別会社(高卒)の新卒初任給はそれぞれ218500円、181500円でしたが、2023年度にはそれぞれ230000円、200000円にします。高卒の場合、約10%の賃上げです。新卒初任給以外でも、若年層については基本給を引き上げます。定期昇給相当と合わせて、2022年度、2023年度の2年で約1割、基本給を引き上げます。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/20220620120257vJ2Wej8NeWXFHaviMlqO1A.pdf、https://www.tobu.co.jp/recruit/)

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引退したはずの新潟のE127系が復活

 新潟地区のE127系は、北陸新幹線開業に伴う並行在来線分離で、大半がえちごトキめき鉄道に行きました。残った一部のE127系は新潟地区で走っていましたが、この3月のダイヤ改正で引退しました。ところがこの引退したはずのE127系ですが、6月末から上越線で走っています。

 なぜでしょうか? 実は6月27日に落雷があり、新型車両のE129系の車両の一部が使えなくなりました。電気系統の一部に不具合が生じたのです。これだと列車の本数を減らさないとやっていけないので、引退したE127系を引っ張り出して、使っているのです。

 引退した車両を再び使うのは珍しいですが、E127系も、そんなに古い車両ではありません。1995年にデビューした車両なので、このまま廃車にするのはもったいないとも言えます。ダイヤ改正から3か月あまり過ぎているのですから、もし不要ならば、解体されていてもおかしくありません。どこかほかの路線で使うために改造されるのを待っていたのでしょうか?
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASQ6Y4G3DQ6YUTIL00Q.html)

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名古屋市営地下鉄東山線、9月に減便のダイヤ改正

 名古屋市営地下鉄の看板路線は東山線。ターミナルの名古屋駅、中心部の栄、東部の住宅地を串刺しにする、メインの路線です。新型コロナウイルスの感染が広がる前までは、東山線で市営地下鉄の営業利益の9割を稼いできました。

  ところが、この東山線も、新型コロナウイルスの影響で利用者は減っています。新型コロナウイルスの感染が広がる前の7~8割程度になっています。これに伴い、名古屋市交通局は9月17日にダイヤ改正を行い、東山線の本数を減らすことにしました(ほかの路線についてもダイヤ改正を行うことを検討しています)。

 とは言っても、始発や最終、平日の朝ラッシュについては変わりません。見直されるのはそれ以外の時間帯で、平日は1日50本、休日は1日46本減らします。平日の昼間は5分間隔から6分間隔に、平日の深夜は8分間隔から10分間隔になり、その分本数が減ります。途中に折り返し設備がないので無理でしょうが、以前から利用者の少ない名古屋以西のみを減らすというようにできればよかったのですが。
(参考:TBS NEWS DIG https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/86749?display=1、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD04B4Q0U2A700C2000000/)

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行先はサイコロが決める

 JR西日本は、7月29日から「サイコロきっぷ」を発売します。

 どういう切符かと言えば、この「サイコロきっぷ」は行先が決まっていません。行先はアプリの中でサイコロを振って決めるのです。

 出発は大阪市内のみですが、行先は7つあります。白浜、餘部(城崎温泉で途中下車可)、東舞鶴(西舞鶴で途中下車可)、倉敷(岡山で途中下車可)、芦原温泉(福井で途中下車可)、尾道、博多です。確率は尾道が5/36、博多が1/36で、そのほかは全て1/6です。

 この切符を買うには、まずエントリーが必要です。1人あたり1回4500円を払います。エントリー期間は7月19日から9月30日までです。その後、「サイコロきっぷ」を購入することができます。エントリーしてから「サイコロきっぷ」を購入することができるまで、最大10日間かかる可能性もあります。「サイコロきっぷ」は7月29日から10月29日までの間(利用開始日の1か月前から当日まで発売)、購入することができます。「サイコロきっぷ」の代金は500円、エントリーと合わせてちょうど5000円です(子供料金の設定はありません)。7か所とも新幹線あるいは特急の普通車指定席が使えるので、どこ行先でも赤字になるということはありません。利用期間は7月29日から10月31日までの連続する3日間です。10月29日利用開始分まで発売されます。なお、人数分の切符があればエントリー1回で6人まで同じ行程で旅行できます。1人2回まで「サイコロきっぷ」を買うことができます。「サイコロきっぷ」を買うには、「J-WESTネット会員」の登録やWESTERアプリのダウンロードが必要です。支払はクレジットカードのみです。また、WESTERアプリがないとこの切符は使えません。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220701_07_dice.pdf)

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仮設住宅は寝台車

 ロシアのウクライナ侵攻により、ウクライナの住民は国を出て避難していましたが、再びウクライナに戻ってきている人もいます。しかし住宅が破壊され、住むところがありません。

 そこでウクライナ国営鉄道会社などが代わりに用意したのが、寝台車。キーウ近郊のイルピン駅そばの空き地に設置されています。7両ありますが、1両は食堂車、1両はシャワー室で、残りの5両が寝台車です。寝台車は個室構造で、各個室には上下二段ベットが2つあります。かつてブルートレインであった「カルテット」みたいな構造で、1つの部屋で4人が寝泊まりできます。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20220621-WZAQ2QLMEFPHLL27HYXW66KD44/)

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大阪ガスと共同で強風予測

 湖西線は関西と北陸を結ぶ重要な路線ですが、最大の敵は風。強い風が吹いて、運転見合わせや徐行といった運転規制がかかることがあります。米原経由で迂回することもありますが、時間がかかります。また、米原経由にすることによって、新快速などほかの列車にも影響を与えます。

 JR西日本は強風による規制を少なくするため、防風柵を設置していますが、このたび意外な会社とタッグを組むことにしました。それは大阪ガス。大阪ガスはガスファンヒーターの売れ行き予測や気温、気圧で出力が変化する天然ガス発電所へのデータ提供のため、2008年から独自の方法で気象予測を行っており、AIの活用によってその精度向上を目指しています。2018年には気象予報業務の許可も得ています。その大阪ガスの気象予測技術とJR西日本のAI開発技術を組み合わせて、湖西線沿線において従来よりも的確に強風の予測ができるシステムを開発し、試験導入を行うための契約を締結しました。秋に試験導入を行い、2023年度に本格導入を目指します。

 これまでJR西日本は、気象庁のデータを基に運転見合わせをするかを決めています。しかし、予測が外れて強い風が吹いたり、逆に運休させたが風が吹かなかったりしたこともあります。大阪ガスの予測では範囲を5キロ四方の気象庁より細かくすることによって(2.2キロ四方)、精度を上げます。新しいシステムでは、不要な運休や迂回を7割減らすことができるとみています。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220615_03_daigas.pdf、ニュースイッチホームページ https://newswitch.jp/p/14413、ひょうご経済プラスホームページ https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/202206/0015391698.shtml)

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「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」、メインがピザでなくなる

 西鉄の食事付き観光列車、「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」ですが、9月1日から大きく変わります。

 まず、コースはランチ2便になります。ディナーがなくなります。ダイヤは福岡発着の「地域を味わうアーリーランチ」が西鉄福岡(天神)10:10発(休日は10:11発)、花畑で折り返して、西鉄福岡(天神)12:50着(休日は12:33着)です。福岡発大牟田行きの「地域を味わうレイトランチ」が西鉄福岡(天神)13:40発(休日は13:23発)、大牟田16:05着(休日は15:29着)です。こちらは西鉄柳川で途中下車できますが、前途無効となります。なお、運行日はこれまでの金曜日と休日に加えて、木曜日も増えます。また、9月1日以降の予約受付は専用ホームページのほか、西鉄旅行天神支店でもできるようになります。

 メニューも変わります。新たに3人の料理監修者を迎えて、筑後の食材を中心に、九州各地の旬の食材を加えて、趣向を凝らした料理を提供します。これまではピザがメインとした特殊なものだったのですが、前菜、魚料理、肉料理(メイン)、デザートというコース仕立てとなります。なお、ピザ用につくられた窯は今後も活用されるようです。新しいメニューでも活用されているようです。
(参考:西鉄ホームページ https://www.nishitetsu.co.jp/release/2022/22_021.pdf)

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西九州新幹線フル規格に賛成の佐賀県民は意外と多い?

 サガテレビは、6月25日と26日に、佐賀県内の18歳以上の男女300人に対して、無作為抽出による電話での聞き取りというかたちで、世論調査を行いました。この中から、西九州新幹線関連の内容をピックアップして、記事にします。

 まず、9月23日に開業する西九州新幹線について、期待すると答えた人は39.9%、これに対して期待しないと答えた人は59.8%もいました。ある意味、これはやむを得ないでしょう。長崎のほうは乗り換えが要りますが、所要時間は短縮します。ただ、佐賀の人にとっては先のほうの話なので、使うことは少ないです。「かもめ」が消える肥前鹿島あたりを除いて、博多方面に関しては今までと変わらないので、実感がわかないのもある意味当たり前です。

 これに対して、整備方式がまだ決まっていない新鳥栖-武雄温泉間の整備方式については意外な結果が出ました。新鳥栖-武雄温泉間のフル規格化に賛成する人が42.8%と、反対の29.3%を大きく上回っています。佐賀県にはフル規格に強硬に反対しているというイメージがあったのですが、意外な結果になりました。

 ちなみに、賛成の人が挙げた理由として多かったのが、地域活性化につながることと、関西方面に行きやすくなること、反対の人が挙げた理由として多かったのが、多額の財政負担と在来線の減少です。佐賀県は、国、長崎県、JR九州に対して条件闘争でデメリットを小さくしつつ、フル規格化を受け入れるようにしたほうが良いでしょう。
(参考:サガテレビホームページ https://www.sagatv.co.jp/news/archives/2022062810001)

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東急は子供100円で乗り放題

 東急は2021年11月、60歳以上の人のみが対象の切符、「東急線乗り放題パス(over60)」を発売しました。東急沿線に住んでいる60歳以上の人を対象に、1000人を上限に1か月間2000円で東急全線が乗り放題となる電子乗車券を発売したのですが、想定を大きく上回る約3800人の応募がありました。

 この「東急線乗り放題パス(over60)」は東急にもメリットがありました。平日日中や休日といった、利用者の少ない時間帯での利用が増えました。407人が回答した利用者アンケートによれば、「東急線乗り放題パス(over60)」をきっかけに67%の人の鉄道利用の頻度が増えたと回答しました。61%の人が普段行ったことのない駅、普段行ったことのない場所に行くようになったと回答しました。56%の人が途中下車が増えたと回答しました。主な目的先として87%の人が挙げたのが、百貨店や映画館を含む、商業施設。東急の商業施設なら、グループ全体が得します。

 そこで東急は、第二弾のお得な切符をつくることにしました。第二弾のターゲットは子供。子供の定期外利用は休日に多いので、休日がお得になります。6月18日から8月28日までの休日限定で、子供が100円で全線乗り放題になる、「東急線キッズ100円パス」を発売します。通常の「東急線ワンデーパス」の子供の値段は340円なので、約7割引です。東急は親子で楽しむことができるスタンプラリーやグループ施設との連携によって、需要を喚起することも考えています。

 子供だけでなく、大人も一緒に行動すれば、大人からは正規運賃がもらえます(定期券を持っている人もいるでしょうが)。また、近くの小田急は子供片道50円という、衝撃の運賃政策を行っています。その小田急に対抗する意図もあるのでしょうか?
(参考:東急ホームページ https://www.tokyu.co.jp/company/news/list/Pid=post_423.html)

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くま川鉄道、2025年度に全線復旧

 くま川鉄道は2020年7月の豪雨で大きな被害を受けました。比較的被害が小さかった肥後西村-湯前間については2021年11月に運転を再開しましたが、根元の人吉温泉-肥後西村間は被害が大きいため、運休したままです。

 しかし、残る人吉温泉-肥後西村間も復旧の見通しが立ちました。流出した球磨川第四橋梁の架け替え工事の目途が立ったためで、2025年度に運転を再開します。当初の見込みからは若干遅くなっているようです。全線復旧にかかる費用は約50億円で、見積もり段階で出ていた約46億円から若干増えるようです。

 もっとも、資金分担の目途も立っています。国が事業費の97.5%を実質的に負担する大規模再開の特例支援措置が使えます。残る2.5%は、熊本県や沿線の市町村が負担します。くま川鉄道の負担はありませんが、国の特例措置を受けるため、上下分離が導入されます。自治体などが鉄道の施設や用地を保有します。
(参考:熊本日日新聞ホームページ https://kumanichi.com/articles/698845)

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