JR東日本も100円稼ぐのに22149円
JR東日本にも、利用者が著しく少ないローカル線はたくさんあります。そのローカル線について、JR東日本も収支を公表しました。公表の対象となるのは、2019年度の輸送密度が2000人未満の線区です(只見線会津川口-只見間、上越線越後湯沢-ガーラ湯沢間を除きます)。35路線、66線区が対象です。
JR西日本同様、厳しい数字です。どこの営業係数もかなり高いです。特に新型コロナウイルスの影響で利用者が激減した2020年度で一番悪い数字は、陸羽東線鳴子温泉-最上間の22149です。100円稼ぐのに22149円もかかります。新型コロナウイルスの影響がほとんどない2019年度においても、営業係数が1000以上のところが多く、10000以上のところもあります。100円稼ぐのに10000円以上かかるのです。2019年度で一番数字が悪かったのは、久留里線久留里-上総亀山間の15546です。
これでJR東海を除く5社のローカル線の収支が明らかになりました。JR東海が公表しないのは、このようなローカル線が名松線ぐらいしかないので、東海道新幹線の利益でやっていけるのでしょう。ローカル線だらけの他社とは違うのです。話を元に戻します。今回公表された区間の中には、羽越線村上-鶴岡間など、特急や貨物列車がたくさん走っているところもあります。ここの区間の赤字額は約56億円(2019年度)と公表された66線区で最大ですが、この羽越線村上-鶴岡間を廃止してバスに転換するのが望ましい姿とは思えません。広域的に与えるマイナスの影響が大きいからです。普通列車はともかく、特急と貨物は維持しないといけないでしょう。これに対して、ローカルの需要しかない線区については、ある程度需要のあるところは第三セクター化、それすらないところはバスに転換となってもやむを得ないでしょう。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220728_ho01.pdf、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220725/k10013735601000.html、朝日新聞7月29日朝刊 中部14版)
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