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August 2022

最長片道切符の終点は新大村

 同じ駅や区間を二回以上通らないようにすれば、非常に長い片道切符をつくることができます。現時点での最長片道切符は、稚内から肥前山口までの片道切符ですが、9月23日の西九州新幹線開業以降は、最長片道切符のルートが変わります。

 どのようなルートになるのでしょうか? 大村市によれば、次のようなルートになります。肥前山口(新幹線開業後は江北)から先のみを書きます。肥前山口から長崎線で諫早、諫早から大村線で早岐、早岐から佐世保線で武雄温泉、そこから西九州新幹線で新大村に行くのが最長片道切符のルートなのです。稚内発新大村行きが最長になるのです。今までより18.5キロ長いルートになります。

 余談になりますが、西九州新幹線の運賃は、武雄温泉-諫早間は大半の整備新幹線と同じく実際の距離、諫早-長崎間は東海道新幹線などと同じく並行する在来線の営業キロを基に計算します。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/railway/ticket/rule/transport/20220801_conditions_of_carriage_01.pdf、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/68b0bda52a5530351a9ce06dd41b7f7d18d7e66e)

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奥羽線の全線復旧まで数か月

 8月に東北地方の大雨の影響で、一部の路線で運転を見合わせています。秋田支社管内では奥羽線鷹ノ巣-大館間、五能線岩館-鰺ケ沢間が大きな被害を受けて、運休しています。被害が深刻なので、運転再開まで奥羽線は数か月、五能線は見込みすら立っていません。観光列車はあるものの、輸送密度が低い五能線はともかく、奥羽線の運休の影響は広範囲に及びます。貨物列車が走っているからです。秋田貨物-大館間が運休しています。関西-北海道間の列車にも影響が及びます。

 そこでJR貨物は16日から、迂回列車を走らせています。関西-北海道間の貨物列車を東海道線、東北線、いわて銀河鉄道線、青い森鉄道線経由で1往復運転しています。20両でコンテナ100個を積むことができます。17日からは関西-秋田貨物間及び仙台貨物ターミナル-大館間(東青森経由)で折り返し列車を走らせています。関西-秋田貨物間は20両、仙台-大館間は11両です。トラックによる代行輸送も行っています。5日から秋田貨物-大館間及び仙台貨物ターミナル-秋田貨物間で1日最大5個を運びます。トラックの輸送量の小ささが伺えます。

 23日からは船舶による代行輸送も行っています。秋田港-石狩湾新港間を船で運びます(秋田貨物-秋田港間及び石狩湾新港-札幌貨物ターミナル間はトラック)。1日80個を運びます。

(追記1)
 このほか、8月の大雨で、津軽線蟹田-三厩間、花輪線鹿角花輪-大館間、米坂線今泉-坂町間、磐越西線喜多方-山都間が運休しています。

(追記2)
 奥羽線は10月中旬に復旧する予定ですが、ほかの路線については復旧の目途は立っていません。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2022/akita/20220825_a01.pdf、https://www.jreast.co.jp/pdf/saikaijoukyou_tohoku.pdf、JR貨物ホームページ https://www.jrfreight.co.jp/info/2022/files/20220825_01.pdf、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC050QG0V00C22A9000000/)

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JR四国、2023年春値上げ

 JR四国の値上げは以前からはありましたが、ついに実施されることになりました。26日のことですが、国交相に運賃改定の申請をしたのです。消費税の引き上げに伴うものを除いて、1996年1月以来の値上げです。

 値上げされるのは、主に運賃。100キロまでの運賃については、賃率ではなく、ほかの交通機関を考慮した運賃水準にします。101キロ以上の運賃はキロ数に賃率を乗じて算出しますが、101キロ以上200キロまでの賃率を3円引き上げます。201キロ以上の賃率は現状通りです。初乗りは170円から190円になり、平均改定率は12.51%です。

 定期については、割引率の見直しも行います。1か月の通勤定期の割引率は現行の52.9%から48.0%に引き下げます。通学定期も割引率を引き下げます。通勤定期の改定率は平均28.14%、通学定期の改定率は平均22.43%です。

 特急料金については、50キロまでのものについてのみ、見直します。25キロまでの自由席特急料金は330円から450円に引き上げます。50キロまでの自由席特急料金は現行の530円から、A特急料金と同額の760円になります。25キロまでの指定席特急料金は現行の1070円から、A特急料金と同額の1290円になります。51キロ以上については、負担が重くなる上、バス等との競争を考えて、特急料金の値上げはしません。

 この値上げによって、運賃はどうなるのでしょうか? 高松を基準にすると、坂出までが460円から530円になります。岡山までが1550円から1660円になります。松山までが3560円から3960円になります。琴平までが870円から980円になります。高知までが2790円から3190円になります。志度までが360円から430円になります。徳島までが1470円から1640円になります。

 なお、この値上げによって、老朽化した多度津工場の近代化を行い、キハ40形等の取替用の新型ローカル気動車を開発・導入します。8000系特急電車は電子機器等の老朽更新に合わせ、大幅なリニューアルを行います。駅については、信号設備の老朽更新に合わせ、一部の駅において駅舎側のホームに発着する列車を増やします。階段の上り下りなく、列車に乗ることができるのです。

(追記)
 JR四国は2023年5月20日購入分から値上げすることになりました。
(参考:JR四国ホームページ https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2022%2008%2026%2006.pdf、https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2022%2012%2009.pdf)

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9月11日朝の「ICOCA」利用に御注意

 9月11日の朝(8時ごろまで)ですが、「ICOCA」等の利用に一部制限があります。システムメンテナンスのためです。

 「ICOCA」の発売や払い戻し、「SMART ICOCA」のクイックチャージ、ポイントチャージなどができなくなりますが、気をつけないといけないのが、「ICOCA」等の交通系ICカードで乗車した後に、新幹線乗換駅の改札内にある「みどりの券売機」で新幹線の切符を買い求めるケース。新幹線の切符を買うことができないのです。乗換改札内の「みどりの窓口」では切符を買うことができますが、混雑が予想されます。事前に切符を書いておいたほうが良さそうです。

 なお、ICカードでの乗車や買い物、現金でのチャージは通常通りできます。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220822_03_press_shisutemumennte.pdf)

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盛岡-青森間の直通快速、10月に追加

 以前、IGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道の開業20周年を記念しての臨時快速について記事にしましたが、その続報です。7月から運行を始めた快速「青森・盛岡ライナー」は好評のようです。そこで、10月の三連休にも追加されることになりました。

 追加されるのは10月8~10日。これまでと同じ青い森鉄道の青い森701系2両編成(セミクロスシート)で、青森8:25発盛岡11:22着、盛岡17:55発青森20:44着です。途中停車駅は、滝沢、好摩、いわて沼宮内、一戸、二戸、三戸、八戸、三沢、野辺地、浅虫温泉、東青森、筒井です。

 逆に、10月22、23、29、30日の4日間は盛岡発で企画されます。快速「あおもり」(青森行き)、「もりおか」(盛岡行き)です。IGR7000系2両編成を使い(営業運転としては初めて、IGRの車両が青森まで乗り入れます)、盛岡9:04発青森11:55着、青森14:30発盛岡17:22着です。途中停車駅は、滝沢、好摩、いわて沼宮内、奥中山高原、一戸、二戸、金田一温泉、三戸、八戸、三沢、野辺地、浅虫温泉です。「青森・盛岡ライナー」と停車駅が異なりますので、注意が必要です。

 この「あおもり」、「もりおか」についても、「青森割引きっぷ」、「盛岡割引きっぷ」、「もりもりフリーパス」が使えます。
(参考:IGRいわて銀河鉄道ホームページ https://igr.jp/wp-content/uploads/2022/06/20220819【プレスリリース】青森・盛岡間直通臨時列車の追加運転について.pdf)

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近鉄、松阪-賢島間にサイクルトレイン

 近鉄は4月から期間限定で松阪-賢島間においてサイクルトレインの試行を行ってきましたが、この9月3日から多客期(年末年始、ゴールデンウィーク等)を除いて通年で実施することになりました。平日は五十鈴川-賢島間の上下21本(9~14時台)で、休日は松阪-賢島間の上下44本(8~17時台)で行います。上下とも後ろの車両がサイクルトレインとなります。事前予約は不要で、乗車券以外の追加料金は要りません。なお、一部の駅では利用できなかったり、利用できる改札に制限があったりします。

 沿線ではレンタサイクルのサービスもあり、サイクルトレインで自転車を固定するための器具の貸し出しも行っています。駅と駅の間は自転車を借りたまま近鉄を使い、駅から離れたところは自転車で移動する、といったこともできます。
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/cycletrain_shima.pdf)

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有楽町線支線は、有楽町線と直通あり

 東京メトロ有楽町線の豊洲で分岐して、住吉まで行く有楽町線支線をつくる話が進んでいます。豊洲-住吉間5.2キロに枝川、東陽町、千石(いずれも仮称)の3駅ができます。豊洲と住吉の間は約9分で結ばれます。

 この有楽町線支線なのですが、どうやら有楽町線と直通するようなのです。21日に行われた千石地区の住民向け説明会の質疑応答の中で明らかになったのですが、一部が有楽町線と直通するようなのです。運行本数は通常8本、ピーク時12本で考えています。なお、住吉で半蔵門線と接続しますが、こちらは直通運転することはないようです。なお、支線には加算運賃は課されないようで、また支線の開業により豊洲-新木場間の本数は減便になります。

 話は変わりますが、分岐駅の豊洲は現在でも2面4線となっています。1番線が新木場方面行き、4番線が和光市方面行きで、間の2番線、3番線は今のところ使われていません。そこで線路を塞いで、ホームとして使っています。これまで、この2番線、3番線が住吉方面のホームとして使われると思っていましたが、1番線の北側に新たにホームをつくり、3面4線の駅とするようです。利用者が増えて現在の2面4線では足らないと考えているようです。この新たに追加されるホームには、改札も新設されます。現在の改札とは別のところにできるので、どうやって今の2面4線の駅と使い分けるのでしょうか?
(参考:とよすとホームページ https://toyosu.tokyo/news/yurakucho-toyosu-station-new-home-plan/、東京都都市整備局ホームページ https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kiban/pamphlet/pdf/kaito_08gou01.pdf)

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野岩鉄道、クラウドファンディングで6050型改修

 浅草から日光、鬼怒川方面への快速用車両としてつくられた6050型。6050型は野岩鉄道を通って、会津鉄道の会津田島まで乗り入れました。南の端とは言え、東北まで直通していたのです。

 これまで無料の速達列車として活躍してきた6050型ですが、2017年に浅草から直通の快速がなくなりました。老朽化もあり、こうなると6050型の存在意義がなくなります。新型コロナウイルスの影響で観光需要が激減したこともあり(もともと野岩鉄道の観光利用の割合は98%もあったようです)、6050型を保有していた東武、野岩鉄道、会津鉄道の3社のうち、東武と会津鉄道は運用から外し、定期運用に使っているのは野岩鉄道の1社のみです。元々3社合わせて33編成あったのですが、実際に使っているのは2編成だけなのです。

 その唯一定期運用を残している野岩鉄道のみですが、クラウドファンディングの手法を使って6050型を改修することにしました。目標金額は1500万円で、All-or-Nothing形式のため、目標金額に達しない場合は改修そのものを行いません。改修を行うのは61103編成で、改修の内容は、(1)模擬運転台の設置 (2)畳座席の設置 (3)自転車スペースの整備 (4)多機能スペースの整備 です。募集金額によっては、野岩鉄道のジオラマをつくり、その中で模型の電車を走らせることも考えています。

(追記)
 野岩鉄道のクラウドファンディングは、9月13日、目標額の1500万円に達しました。
(参考:野岩鉄道ホームページ www.yagan.co.jp/information/0000000869/detail.html、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGKKZO64295900T10C22A9L61000/)

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小田急、10月に特急料金値上げ

 小田急は10月1日から特急料金を値上げします。小田急の特急料金は1995年以降、消費税の増税に伴う分以外は値上げしていませんでしたが、久しぶりの本格的な値上げとなります。

 310円から910円まで7段階に分かれていた特急料金は500円(新宿-町田間など)、650円(新宿-本厚木間など)、750円(新宿-片瀬江ノ島間など)、1000円(新宿-小田原間など)の4段階に簡素化されます。新宿-箱根湯本間は1200円です。また、特急券を購入せずに車内で購入した場合、これまで310円の車内特急料金が追加でかかっていましたが、それが350円に上がります。

 そして今回の値上げから、オンラインサービスで電子特急券を買った場合に適用される、チケットレス特急料金というものができます。チケットレス特急料金は本来の特急料金から50円引きです。すなわち、450円、600円、700円、950円の4段階です。箱根湯本まで乗ると紙の特急券と同じように、200円が加算されます。
(参考:小田急ホームページ https://www.odakyu.jp/news/d9gsqg0000000v38-att/d9gsqg0000000v3f.pdf)

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西武新宿線高架で上石神井2面4線に

 西武新宿線は立体交差化が進まず、都内でも地上を走っていますが、立体交差化の動きがあります。中井-野方間は地下化の工事が行われています(ただ、予定より遅れているようです)。

 今回取り上げる区間は、井荻-西武柳沢間の約5.1キロ。この区間は高架化されます。井荻を出て環八通りを越えたところから高架化が始まり、都立東伏見公園の手前で終わります。上井草、上石神井、武蔵関、東伏見の4駅が高架化されます。踏切は19か所なくなります。

 この高架化される4駅ですが、8日、東京都建設局等が説明資料を公開しました。それによれば、相対式2面2線の上井草、武蔵関は島式1面2線になります。東伏見は現在と同じ、2面4線です。残る上石神井は2面3線の駅ですが、これが2面4線になります。西武には時々2面3線という、大都市圏の私鉄には珍しい配線の駅がありますが、2面3線だと上下線で同時に緩急接続を行うことができません。ダイヤ作成のネックになります。2面4線だと上下線で同時に緩急接続でき、ダイヤ作成のネックが解消します。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/121268)

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北海道新幹線新函館北斗-札幌間は年間約620~690万人が利用する

 北海道新幹線が全線開業すれば、どれくらいの人が使うのでしょうか? 国交省が駅間ごとの年間輸送人員の予測を明らかにしました。

 それによれば、新函館北斗-新八雲間は約620万人、新八雲-長万部間は約650万人、長万部-倶知安間は約690万人、倶知安-新小樽間は約660万人、新小樽-札幌間は約630万人です。1日当たりにすると17000~19000人になります。東北新幹線盛岡-八戸間の輸送密度が16608人(2019年度)なので、それよりも若干多い利用を見込んでいるということになります。2019年度の函館線函館-長万部間の輸送密度は3397人なので、新幹線開業に伴い航空機、バス、車からの需要を奪い、さらに新たな需要を生み出すと考えているのでしょう。いくら新函館北斗での乗り換えが要るとは言え、1時間半程度で結ぶ交通機関は新幹線以外ありません。値段は少々高くても、圧倒的なスピードを武器に、ほかの交通機関を圧倒するでしょう。

 E5系の定員は約720人なので、平均して半分が乗るとすると、1日25往復が必要となります。現在13往復走っている「はやぶさ」のうち、早朝・深夜を除いて札幌まで走り、朝や晩など「はやぶさ」が走らない時間帯や「はやぶさ」の間隔が開いている時間帯に、新函館北斗-札幌間の区間便が走ることになるのでしょう。両方合わせて、1時間に1~2本の新幹線が走るということになります。なお、駅間ごとの年間輸送人員が1割程度の幅に収まることから、基本的には区間運転はないものと考えて良いでしょう。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/70968f531ee6baf49085dd9782e167d0385bc89c、JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/rosen_avr/pdf/2016-2020.pdf、JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/210604_KO_Senkubetusyushi.pdf)

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藤城線は第三セクターに引き継がれずに廃止か?

 北海道新幹線が開業すると、函館線の函館-長万部間は第三セクターに転換されます。ところが、函館-長万部間の全区間が第三セクターに引き継がれるわけではないようです。

 第三セクターに転換されない可能性がある区間は、藤城線と言われる区間。ここは主に貨物列車が通る区間で、旅客列車は3本だけしか通りません。北海道新幹線新函館北斗開業までは札幌方面への特急列車が通っていましたが、北海道新幹線新函館北斗開業で新函館北斗を通るようになったため、藤城線を通る旅客列車は激減しました。北海道新幹線が札幌まで全線開業すると函館線から特急が消えるので、藤城線がなくても旅客列車を走らせることができるのです。

 しかし、函館-新函館北斗間を除けば利用者は非常に少なくなります。わざわざ赤字確実のローカル線を残す必要はありません。そう考えたら、旅客よりも貨物のことを考えて線路を残したほうが賢明とも言えます。以前にも書いたように、むしろ勾配の緩い藤城線を残し、新函館北斗-大沼間を廃止したほうが良いのかもしれません。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASQ8M5H5XQ8MIIPE001.html)

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JR四国は「しこくスマートえきちゃん」

 JR四国も、「みどりの窓口」を減らしています。JR西日本の「e5489」がありますので、駅に行かなくても切符が買えるようにしています。

 そのJR四国ですが、10月ごろに新たなアプリをリリースすることにしました。「しこくスマートえきちゃん」です。手持ちのスマートフォンで切符を買うことができます。クレジットカード等で決済し、スマートフォンの画面を呈示して列車に乗ることができます。駅で切符に引き換える必要はありません。

 また、JR四国はこのアプリのリリースに合わせて、1枚から買うことのできるお得な片道切符を販売します。「スマえき Sきっぷ(片道)」等です。「しこくスマートえきちゃん」専用の切符で、期間限定の切符や利用日、利用資格に制約のある切符を除くと、一番安い切符になります。

 JR四国は、2023年春以降、このような企画切符以外にも、乗車券、定期券、自由席特急券も取り扱う予定です。スマートフォンで乗車券を買うことができるのは、JR四国が初めてのようです。本四備讃線でも使えるよう、JR西日本とも調整しています。

 JR四国にはほとんどICカードが使えないので、スマートフォンで完結する切符が求められるでしょう。パソコンでもプリントアウトした画面を呈示できるようにすれば良いでしょう。QRコードに対応した自動改札があれば、駅員がいなくてもチェックできます(JR四国も検討しているようです)。決済については、クレジットカード以外でも、コンビニ払いができると良いでしょう。スマートフォンの切符をお得にすることによって、わざわざ「みどりの窓口」に行かなくても済むようになります。今後のJRの切符に求められる方向のひとつなのかもしれません。

(追記1)
 チケットアプリの「しこくスマートえきちゃん」ですが、問題が発生したため(システム開発の問題でしょうか?)、サービス開始時期が延期になりました。11月中旬以降になるようです。また、これに伴い、10月ごろに見直される予定だった一部のお得な切符の見直しも11月中旬以降に延びます。

(追記2)
 「しこくスマートえきちゃん」の発売開始は11月24日、フリー切符タイプの利用開始は11月28日、片道タイプの利用開始は12月1日からになりました。また、見直し時期が延期されていた紙の切符についても、11月30日発売分をもって終了することとなりました。
(参考:JR四国ホームページ https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2022%2008%2010%2001.pdf、https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2022%2009%2022%2002.pdf、https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2022%2011%2008%2001.pdf、https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2022%2011%2008%2002.pdf、朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASQ8K7FTDQ8BPTLC017.html)

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アメリカで航空機の座席の広さを見直しへ

 アメリカ連邦航空局は今、国民から機内の座席面積の最低基準についての意見を求めています。

 なぜ意見を求めているのでしょうか? 別に乗客の快適さや便利さのためではありません。最低基準を設置するのは安全のためで、どれくらい狭いと緊急のときの避難に悪影響を与えるのかということなのです。

 実は座席の狭さと避難については、過去にも調査を行っています。そのときの結論は、座席の狭さは緊急時の避難に悪影響を与えないということだったのですが、そのときの調査では、子供、高齢者、障害者はいませんでした。今回はそういう人がいた場合のことも考えないといけません。

 もし最低基準が設けられ、座席が広くなれば、安全性が高まり、快適な空の旅ができることでしょう。ただ座席が広くなると、その分定員が減り、運賃が上がることも考えられます。単純に座席が広くなればいい、というわけでもないようです。
(参考:FNNホームページ https://www.fnn.jp/articles/-/401996)

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長良川鉄道がビール列車の練習

 長良川鉄道は秋に、ビール列車を走らせる予定です。

 そのときにビールサーバーを持ち込んで、飲み放題にしたいと考えています。初めての試みですが、なぜこれまでビールサーバーを持ち込まなかったのかと言えば、電源の問題があったからです。今回はポータブル電源を持ち込んで対応しようと考えているようですが、本番でトラブルが起きては困ります。

 そこで長良川鉄道は27日、関駅構内において、ビール列車の練習を行うことにしました。畳敷きの601号を下り1番線に据え置き(車両は動きません)、18時から20時までの2時間で実施します。値段は1日フリー切符がついて6000円です。1日フリー切符は有効期間内であれば任意の日で使えます。募集人員は25人で、10人未満の場合は中止となります。予約は観光列車「ながら」予約センターに電話で行います。

 ただ、練習のため、ビールサーバーの不具合や電源トラブルがあっても、参加費の返金はしません。1人当たり3.5リットルのビールを用意していますが(SNSでアンケートを取りました)、ビールがなくなっても参加費の返金をしません。ただ、何らかのかたちで補償は行うようです。その他色々条件がありますので、参加する前に参考にしたホームページを見ておいたほうが良いです。
(参考:長良川鉄道ホームページ www.nagatetsu.co.jp/info/4127/)

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ゴルフカートがバス

 バスが必要なほどの需要はありませんが、それでも公共の交通手段が求められることがあります。そんな中、ヤマハ発動機は、ゴルフ場などで使われている低速の電動カート(4~7人乗り)を公共の交通手段として売り込もうとしています。

 実際に運行をしているところもあります。場所は河内長野市の住宅地、南花台。郊外の住宅地で、古いニュータウンです。河内長野駅などへのバスはありますが、バス停がきめ細かいわけではなく、住宅地内のちょっとした移動には使いづらいです。高齢化が進む現状では、住宅地内を走る交通手段も欲しいのですが、バスでは過剰です。

 そこで登場するのが電動カートですが、平日は住宅地の中ならタクシーのように乗り降りできます。1回100円です。そして土曜日は住宅地にあるスーパーを起点に、1周約4キロのコースを自動運転します。道路に埋め込まれた電磁誘導線に従って15分で走ります。乗り降りする人がいる場合や、コース上に路上駐車の車がいる場合は、自動運転では対応できず、手動運転に切り替え、地元のボランティアが対応します。実証運転の間は無料です。

 ヤマハ発動機はこのような電動カートによる公共交通を全国に広めたいとしています。6月にはJAFと協業契約を結びました。JAFは観光振興などで全国600以上の自治体と協定を結んでいて、自治体とのつながりが強いです。また、全国でロードサービスを行っているため、メンテナンスが得意です。
(参考:朝日新聞8月16日朝刊 中部14版)

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ネット予約が基本にならないと、「みどりの窓口」を求める人は減らない

 「みどりの窓口」がどんどん減っています。JR西日本の場合、代わりに「みどりの券売機プラス」を置いている駅もありますが、その「みどりの券売機プラス」の評判が悪いのです。自ら操作するほか、オペレーターと話をしながら切符を購入することもできますが、機械の操作が難しく、オペレーターとの対応が必要な学割やキャンセルなどは時間がかかります。「みどりの券売機プラス」がひとつしかないところは、いったん時間のかかる人がいれば、後ろの比較的簡単な切符を買いたい人も待たされます。

 今更人的コストがかかる「みどりの窓口」を増やすことはできないでしょう。大体、JR西日本は「みどりの券売機プラス」の利用者そのものを減らしたいと考えています。紙の切符だと改札機のメンテナンスが要るので、紙の切符そのものを減らして、チケットレスを加速させます。当面の対策としては、オペレーターの人数を増やし、駅員に操作の補助をさせることが求められるでしょう。

 しかし、根本的な解決は、JR西日本も認識しているように、紙の切符を減らすことなのです。「みどりの窓口」や「みどりの券売機プラス」を使わなくても、インターネットでの切符の予約、インターネットでのクレジット決済もしくはコンビニでの支払ができないといけません。切符もプリントアウトした画面やスマホで済ませます。フリー切符の類もプリントアウトした画面やスマホで対応します。QRコードがあれば、自動改札でも対応できます。切符のキャンセルや変更も、インターネットで行い、駅では返金せず、代金は振り込みにすれば良いのです。また、学割については、検札で学生証を呈示させればいいのです。

 そのためには、JR全社で切符の制度を抜本的に変えないといけません。短距離はICカードでいいですが、長距離は正規料金(特に運賃)を高くして、航空機みたいにインターネットで割引切符を買うのが当たり前、というようにしないといけません。例えば、東京-大阪間の新幹線の切符を「みどりの窓口」で買うといつでも高値の2万円、インターネットだと状況によってお得になるぐらいでないといけません。条件次第では1万円を切るような設定があってもいいでしょう。今後も「みどりの窓口」に行くような人や複雑な切符を求める鉄道ファンからしっかりお金を取り、安さを求める人にもアピールできます。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/fb952a4920e0017672e4a3684570945139268f23)

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品川区、羽田空港アクセス線に新駅設置か?

 東京の都心と羽田空港とを結ぶ、羽田空港アクセス線。これまで羽田空港以外の駅はできないとされていましたが、途中駅をつくるという話があるようです。品川区議会は令和4年度品川区一般会計補正予算に羽田空港アクセス線新駅可能性検討業務委託に関する費用として770万円を計上しています。

 品川区としては、区民の交通利便性のさらなる向上と、都市の持続可能な発展を目的に、新駅の可能性を検討するとしています。どこが候補地になるのかは全く分かりません。これからのようです。
(参考:品川区議会ホームページ https://gikai.city.shinagawa.tokyo.jp/wp-content/themes/shinagawakugikai/pdf/2022.06.27ken03.pdf)

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西武、すとぷりのドームツアーに合わせてスタンプラリー

 すとぷりというインターネットを中心に活動しているグループがあります。主にインターネットで動画の配信を行っているようですが、時々インターネットから外に出て、ライブ活動を行います。小学生から高校生ぐらいの女の子に人気のようです。

 そのすとぷりですが、8月27、28日に、ベルーナドームでライブが行われます。1月から始まった5大ドームツアーのファイナルを飾るものです。これを記念して西武は8月18日から9月19日まで、「すとぷり DOME TOUR 2022『すとろべりーめもりー Vol.Next!!!!』The Final! 西武線アプリスタンプラリー」を開催します。スマートフォンを活用したデジタル形式のスタンプラリーとなります。

 このスタンプラリーに参加するには、事前に西武線アプリをダウンロードしておく必要があります。切符は西武の駅の自動券売機で買います。「西武線アプリスタンプラリー1日おでかけきっぷ(クリア賞引換券付)」を買います。スタンプラリーの対象駅は池袋、西武球場前など6駅あり、6駅に掲示されているポスターのQRコードを読み取ると、各駅ごとに異なる、6種類のスタンプを手に入れることができます。6種類のスタンプを手に入れることができたら、スタンプラリーの対象駅でスマートフォンの「スタンプラリークリア画面」を呈示します。クリア賞引換券1枚につき、オリジナルスタンプカードがもらえます。クリア賞の引き換え時間は、6駅とも9時半から17時の間です。

 ここで、「西武線アプリスタンプラリー1日おでかけきっぷ」について説明しておきます。この切符の発売期間は8月18日から9月19日までで、発売時間は始発から16時までです。高麗-西武秩父間及び多摩川線を除く西武線が1日乗り放題で、値段は大人1000円、子供500円です。武蔵横手-西武秩父間、小竹向原、多摩川線各駅を除く西武線各駅の自動券売機で発売します。発売当日限り有効で、前売りはありません。

 すとぷりのファンでない限り関係なさそうな切符ですが、所沢の南あたりの複雑な路線網を効率的に乗るなら、このようなフリー切符はありがたいのかもしれません。聞いたことのないグループかもしれませんが、そういうのもチェックしていれば、掘り出し物が見つかるかもしれません。
(参考:西武ホームページ https://www.seiburailway.jp/file.jsp?newsroom/news/file/20220812_strawberryprince.pdf)

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キハ143形の置き換えは737系

 以前から取り上げてきたですが、JR北海道に新しい電車が登場します。これまでJR北海道の普通電車は3両編成、6両編成など全て3の倍数でしたが、今回登場する737系は、1M1Tの2両編成です。

 なぜ737系は2両なのでしょうか? それは老朽化したキハ143形等の置き換えとしてつくられる車両だからです。50系客車をディーゼルカーにしたキハ143形ですが、現在は基本的に室蘭線苫小牧-室蘭間で使われています。それを置き換えるためにつくられるのが、737系なのです。3両編成だと過大なので、2両編成で走る車両が求められたのでしょう。

 737系は、先ほども書いたように、1M1Tの2両編成です。最大6両まで増結できます。最高速度は時速120キロで、車内はロングシートです。ワンマン運転に対応した車両なので、扉の位置が端に寄ります。2扉です。定員は2両合計で269人(うち座席93人)なので、キハ143形(2両合計244人、うち座席96人)に比べると若干増えています。なお、キハ143形に比べて床面が19センチ低くなっています。乗降口のステップがなくなっています。車体は先頭部以外、アルミでできていて、側面は淡いピンクで塗られています。

 737系は2022年冬から2023年春にかけてつくられます。2023年春から室蘭線苫小牧-室蘭間で走り始めるのですが、737系は13編成、26両もつくられます。キハ143形の数に比べて、737系は多すぎます。室蘭線だけでなく、函館線岩見沢-旭川間など、比較的利用者の少ない区間でも使われるのでしょうか?
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/220817_KO_737.pdf)

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佐世保線、特急のダイヤ見直し

 9月23日の西九州新幹線の開業に伴い、佐世保線のダイヤも変わります。線路の改良や885系の導入で、最速の「みどり」は9分の短縮となりましたが、全体としては高速化の効果はありませんでした。平均所要時間で見ると、武雄温泉-佐世保間の所要時間は今よりも延びます。約2分増加します。武雄温泉-佐世保間では約6割の便で所要時間が増えます。博多-佐世保間で見ても昼間の所要時間の短縮度合が小さく、長崎県や佐世保市は不満です。

 そこでJR九州は、ダイヤ改正前にダイヤを見直すことにしました。上下32本の特急列車のうち、5本について所要時間を1分短縮します。もっとも、5本の所要時間を見直しても、武雄温泉-佐世保間の平均所要時間は増加したままです。今回の見直し自体は地元も一定の評価を与えていますが、完璧なものではないので、地元としてはJR九州に更なる改善を求めています。

(追記)
 このように武雄温泉-佐世保間の平均所要時間が延びたのは、最速の便の所要時間短縮を優先させた結果だそうです。
(参考:長崎新聞ホームページ https://nordot.app/930268688170434560、https://nordot.app/921216828109324288?c=174761113988793844)

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宇都宮のLRTは2023年8月に全線一括開業

 宇都宮のLRTは2023年3月に開業する予定でしたが、1か所工事が遅れているところがあり、開業が遅れることになりました。

 一時は、工事が遅れている箇所が終点に近いところだったので、途中までを暫定開業させるというもありましたが、結局は全線を一括で開業させることにしました。新しい開業時期は、2023年8月。一緒にLRTをつくっている芳賀町との関係や費用対効果などを総合的に勘案して、5か月遅れで一括開業させることにしました。なお、5か月遅れることによる追加の負担増はないとのことです。

 宇都宮のLRTは、宇都宮駅から東のほうだけつくるのではありません。西のほうもつくるのです。宇都宮市駒生一丁目の県教育会館まで延伸します。概算事業費は400億円程度で、2030年代前半の開業を目指します。
(参考:下野新聞ホームページ https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/622652、https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/624179)

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相鉄・東急直通線の加算運賃

 2023年3月に開業する、相鉄・東急直通線。2019年11月に開業した相鉄・JR直通線と同じように、加算運賃が設定されることになりました。

 加算運賃が設定されるのは、東急新横浜線新綱島-新横浜間と、相鉄新横浜線新横浜-羽沢横浜国大間。東急は70円、相鉄は40円が加算されます。通勤定期券、通学定期券も加算されます。相鉄新横浜線羽沢横浜国大-西谷間ではすでに30円の加算運賃が課されていますので、加算運賃は合計140円ということになります。ICカードを使ったときの運賃は、東急の渋谷-新横浜間が358円(2023年3月の値上げ後の金額です)、相鉄の新横浜-海老名間が384円です。

 また、相鉄・東急直通線の開業に伴い、東急、相鉄それぞれに特例ができることになりました。まず東急から説明します。東急新横浜線日吉-新綱島間は新規開業路線ではありますが、加算運賃の設定がありません。新綱島は既存の東急東横線の綱島とほぼ同じ場所にあるからです。わずかな距離の差で運賃が変わらないように、東横線、目黒線方面の運賃は綱島も新綱島も同額とします。また、日吉-綱島間を含む定期券を持っている人は新綱島でも追加料金なしでの乗り降りが可能になり、日吉-新綱島間を含む定期券を持っている人は綱島でも追加料金なしでの乗り降りが可能になります。

 相鉄は、IC通勤定期券の券面表示区間に相鉄新横浜線新横浜-西谷間を含む場合、追加料金なしで横浜での乗り降りが可能になります(横浜-西谷間の途中駅での下車は追加料金が必要です)。平日に相鉄新横浜線経由で通勤している人が、休日に横浜に買い物に出かけるときに使えます。なお、このサービスは、IC通学定期券の場合及び磁気定期券の場合、対象外となります。
(参考:東急ホームページ https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20200809-1.pdf、相鉄ホームページ https://cdn.sotetsu.co.jp/media/2022/pressrelease/pdf/r22-120-cup.pdf、https://cdn.sotetsu.co.jp/media/2022/train/fare/kasan_2022.pdf)

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東京九州フェリーと新日本海フェリーの船を交換

 横須賀と北九州を約21時間で結ぶ東京九州フェリー。2021年7月に運航を開始しました。この東京九州フェリーですが、新造船の「はまゆう」、「それいゆ」が使われています。ところが、11月から当分の間、使われる船が代わります。

 何に代わるかと言えば、「すずらん」と「すいせん」。同じSHKライングループに属する新日本海フェリーの敦賀-苫小牧東航路で使われている船です。「はまゆう」、「それいゆ」は新日本海フェリーの舞鶴-小樽間航路に、舞鶴-小樽間航路の「はまなす」、「あかしあ」は敦賀-苫小牧東航路に使われます。3つの航路で船を入れ替えるのです。

 この船の入れ替えで、東京九州フェリーは、定員が大幅に増えます。268人から613人になるので、倍以上になります。東京九州フェリーは年末年始や年度末に上下便とも満席になることが続いたので、この入れ替えによって、満席で予約が取れないことが減ると思われます。もともと、東京九州フェリーの船の定員は600~700人ほどとされていたので、就航直前に船の定員を減らしたことは失敗だったのでしょうか?
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/121284)

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「ラピート」にデジタル切符

 鉄道の切符をQRコード対応にする動きが出ていますが、南海も実証実験を行い、新たな切符をつくりました。

 その切符とは、「ラピートデジタルきっぷ」。8月8日から12月10日まで発売しています。南海はすでに難波・新今宮・天下茶屋・堺-関西空港間で「ラピート」に乗ることができる「関空トク割ラピートきっぷ」がありますが、そのデジタル版です。QRコードを用いて乗車券と特急券を発売するのは日本初の試みです。

 「ラピートデジタルきっぷ」は、難波・新今宮・天下茶屋・堺-関西空港間の片道、「ラピート」の「レギュラーシート」に乗ることができます。購入した日の翌日から起算して1か月以内の好きな日に乗ることができます(利用可能期間は8月9日から12月11日まで)。また、購入日の翌日から乗車5分前までなら、スマートフォン等で乗車する列車を指定できます。値段は堺-関西空港間が1100円、難波・新今宮・天下茶屋-関西空港間が1200円なので、前日までに買わないといけませんが、「関空トク割ラピートきっぷ」の1290円より安くなっています。

 なお、この「ラピートデジタルきっぷ」ですが、座席の予約は、「南海・特急チケットレスサービス」のシステムを使います。今後、このシステムを使って、特急に乗ることのできるデジタル切符の発売を検討していきます。

 さて、Visaのタッチ決済を使って泉北に乗る場合ですが、8月1日から一部取り扱いが変更されています。南海・泉北・南海フェリーに乗り継ぐ場合、「スマート好きっぷ」が適用されなかったのですが、使えるようになりました。泉北部分は運賃の支払が必要ですが、南海部分が970円から無料になるのです。わざわざ中百舌鳥で降りる必要がなくなったのです。
(参考:南海ホームページ https://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/220805_1.pdf、https://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/220805.pdf)

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JRはローカル線を運営するのに適していない

 JRになって35年経ちました。JRに移行するときに赤字ローカル線が大幅に廃止されましたが、JRになってからは鉄道が廃止されることは少なく、黒字路線の利益で赤字ローカル線を維持してきました。しかし、物事には限度があります。JR東海以外の5社はローカル線の状況を公開し、ローカル線の存廃についての議論を起こしています。はっきり言って、全てとは言いませんが、そのうちの一部路線については、廃止やむなしというのが正直なところです。

 ところがこの動きに異議を唱える人が2人います。ひとりは、鳥塚えちごトキめき鉄道社長。現在、北陸新幹線開業に伴って分離された、えちごトキめき鉄道を経営している鳥塚氏は、かつて第三セクター鉄道のいすみ鉄道の社長でありました。その鳥塚氏が主張するのは、高コスト体質で、やる気を出せば赤字はもっと圧縮できるはずだと言うのです。確かに人件費は第三セクター鉄道よりは高くつきます。しかし、全国有数の鉄道であるJR東日本の従業員が、ローカル線で勤務しているからと言って、給料を大幅に減らすということはできないでしょう。木更津市の人口が13.5万人いますが、久留里線沿線の人以外は、全く関係がありません。車両もローカル私鉄なら中古で許されるものの、JRならレベルの高いものが求められます。JR西日本エリアだと、新快速風の転換クロスシートが求められます。

 輸送密度が85人(2019年度)の久留里-上総亀山間はともかく、1425人の木更津-久留里間は直ちに鉄道を廃止しないといけないほど悲惨な数字ではありません。一番の問題は全国組織のJRがローカル線の久留里線を運営していることなのです。いすみ鉄道のような第三セクター鉄道であれば、コストは地元企業の水準に抑えられますし、今までは内房線などほかの路線と一緒になっていた収入も区分することができます。もし赤字でも、地元自治体が存続させる価値ありと判断すれば、補助金がもらえます。黒字路線の黒字で維持するのが当然だと言われるJRでは、できない話です。

 もうひとりは、斉藤国交相。国交省の有識者検討会では、輸送密度が1000人未満の鉄道について運行見直しの協議を始めることを求めていますが、国交相は輸送密度1000人未満のうち、半分以上は残るという見解を出しています。もちろん、輸送密度1000人未満の鉄道でも、幹線の一部を成すなど、単純に輸送密度だけで考えてはいけない区間があります。ただし、特急や貨物列車がないなど、幹線としての機能がない区間については、第三セクター化やバス転換などを考えないといけないでしょう。国交相の地元である広島県で言えば、芸備線の新見-備後庄原間を無理に維持するのではなく、三次-広島間をいかに使える鉄道にすることのほうがはるかに重要なことです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/torizukaakira/20220801-00308226、https://news.yahoo.co.jp/articles/e1bbc396bcdc2d81a6750039713b22fc57198f4c)

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五稜郭車両所、2023年3月で廃止

 五稜郭に隣接して、JR北海道の車両工場、五稜郭車両所があります。1911年に開設され、100年以上北海道を走る鉄道車両の修繕や検査を行ってきました。現在の位置には1922年に移りました。

 ところが、この五稜郭車両所、2023年3月で閉鎖されます。経費削減の一環で、残るJR北海道の車両工場は苗穂工場と釧路運輸車両所の2か所となります。

 なぜ五稜郭車両所が閉鎖されることになったのでしょうか? 五稜郭車両所では函館と札幌を結ぶ特急、「北斗」で使われるキハ281系の整備を行ってきました。しかし、9月末でキハ281系の定期運行を終えます。それを機会に、五稜郭車両所は閉鎖されることになったようです。
(参考:北海道新聞ホームページ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/713867、https://www.hokkaido-nl.jp/article/26093、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGKKZO63190830U2A800C2L41000/)

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Osaka Metro、阪急、阪神、京阪等、バリアフリーのため10円値上げ

 JR東日本など首都圏では、バリアフリー整備のために10円だけ値上げする動きが出ていますが、関西ではそのような動きはありませんでした(なお、JR西日本近鉄は2023年4月に値上げを行います)。ところが、Osaka Meiro、阪急、阪神、京阪などの関西私鉄が相次いで、バリアアリーのために値上げすることを発表しました。

 Osaka Metro、阪急、阪神、京阪、神戸電鉄、山陽電鉄ともに、値上げは2023年4月1日に行います(一応、バリアフリー料金収受期間が定められていますが、期間終了後も継続予定です)。神戸高速と京阪の大津線、鋼索線は値上げの対象外です。いずれも値上げ幅は10円で、通勤定期券は1か月の場合、380円上がります(京阪は370円、山陽電鉄は360円)。子供の運賃はバリアフリー料金として10円を加算した後の大人運賃の半額(10円未満の端数は切り上げ)となります。ただし、通学定期券については、大人も子供も加算はありません。

 余談ですが、Osaka Metroは1933年の御堂筋線梅田-心斎橋間開業時から、エスカレータがあったそうです。
(参考:Osaka Metroホームページ https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20220810_osakametro_barrierfree_fare.php?_ga=2.80038992.658995649.1660358521-1474479560.1651232397&_gl=1*14w8h9a*_ga*MTQ3NDQ3OTU2MC4xNjUxMjMyMzk3*_ga_LT5TV95QB9*MTY2MDM1ODUyMS45LjAuMTY2MDM1ODUyMS42MA..、阪急ホームページ https://www.hankyu.co.jp/files/upload/topics/220803/2022-08-03_bl.pdf、阪神ホームページ https://www.hanshin.co.jp/company/press/pdf/20220803-keikakubu-barifuri-2.pdf、京阪ホームページ https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/220805_keihan-barrierfree.pdf、神戸電鉄ホームページ https://www.shintetsu.co.jp/release/2022/220804.pdf、山陽電鉄ホームページ https://www.sanyo-railway.co.jp/media/1660107710.pdf)

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阪急、阪神も「ICOCA」でポイント還元サービス

 「PiTaPa」が導入されている関西の私鉄でも、クレジットカードがないといけないという「PiTaPa」の敷居の高さからか、「ICOCA」も発売しています。「ICOCA」なら、クレジットカードがなくても駅で簡単に買うことができるからです。

 JR西日本への対抗意識からか、なかなか「ICOCA」導入に踏み切らなかった阪急及びそのグループの阪神ですが、回数券廃止の代替商品として、「ICOCA」によるポイント還元サービスを行うことになりました。ポイント還元サービスの開始時期は、神戸高速線を除く阪急が2023年4月1日から、阪神と神戸高速線が9月1日からです。先ほども書きましたが、これに伴い、回数券(一部を除きます)の発売を終了します。阪急は2023年4月30日、阪神は9月30日です。

 ただ、以前にも書きましたが、回数券の代替となるポイント還元サービスの付与率は低いのです。1か月の間に11回以上使わないとポイントは付かず、しかも11回目以降付くポイントも利用額の10%しかありません(阪急は31回以上だと15%のポイントがもらえます)。明らかに回数券より悪く、昼間や休日だからと言って付与率が上がるわけでもありません。

(追記)
 同様のポイント還元サービスは山陽や能勢電鉄でも始まります。
(参考:阪急ホームページ https://www.hankyu.co.jp/files/upload/pdf/2022-08-08_i2.pdf、阪神ホームページ https://www.hanshin.co.jp/company/press/pdf/20220808-keikaku-pointo.pdf、https://www.hanshin.co.jp/company/press/pdf/20220310-tosikoutu-kaisuukenhaisi.pdf)

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武生-敦賀間に災害時緊急バス

 4日から5日にかけての大雨で、北陸線武生-敦賀間は10日まで運休することになりました。特急「サンダーバード」や「しらさぎ」は運休していますが、代わりに金沢-福井間に「ダイナスター」を増発し、21本を走らせています(8日以降の数字です。また、このほかに定期運行の2往復があります)。すでに10日までの「サンダーバード」や「しらさぎ」の切符を持っている人については、特急券さえ新たに買えば東京経由、中央西線経由、高山線経由で北陸と関西、名古屋方面とを行き来することができます。

 さて、運休している武生-敦賀間ですが、8日から10日まで、福井県が無料の災害時緊急バスを走らせています(実際の運行は福井鉄道が行います)。運賃を無料にしたのは、有料にすると、道路運送法上の許認可手続きがかかるためです。8日は国道8号線を走り、9日からは北陸道を使います。途中の停車駅はありません。ノンストップです。ダイヤは武生、敦賀ともに同時刻で出発します。6時、7時、8時はバス10台で出発し、10時、12時、14時、16時はバス5台で出発します(9日からバスが2台から5台に増えました)。17時半、18時半、20時は再びバス10台です。需要の大きさがうかがえます。これだけバスを多く使うので、何とかして早期に復旧させたかったのでしょう。

 それにしても思うのが、在来線の脆弱さ。この区間もあと2年後には新幹線が通るので、旅客に関しては何とかなるでしょう。ただし、貨物に関しては東海道線経由にしない限り、迂回路はありません。国鉄時代は在来線についても線路改良があり、北陸トンネルもそれで開通しました。JRになってからはそのような改良は、採算が問われるのでできません。明治時代のままの線路なのです。特急や貨物列車が走ったり、利用者が多かったりするような路線については、国費を投じてでも在来線の改良を行わないといけません。国道の改良をするのと同じ理屈なのです。
(参考:福井県ホームページ https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/sokou/koukyoukoutuu/kinkyu-bus.html、JR西日本ホームページ https://trafficinfo.westjr.co.jp/dat/images/kana/suigai5.pdf、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/239e09ac865a38fdb5c105f0292373cf1d1bf19b)

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「ICOCA」エリアと「SUGOCA」エリアにまたがった定期券をつくることもできる

 JR西日本は2023年春に「ICOCA」エリアを下関まで拡大します。「SUGOCA」エリアとくっつくことになります。そうなったら、宇部-小倉間のように、「ICOCA」エリアと「SUGOCA」エリアにまたがった利用はできるのでしょうか?

 定期券ならば、両エリアにまたがった利用ができます。「SUGOCA」エリアにまたがる在来線定期券を、ICカードでつくることができるのです。ただ、定期券以外では、両エリアにまたがった利用はできません。「Suica」エリアと「TOICA」エリア、「TOICA」エリアと「ICOCA」エリアをまたがる場合と扱いは同じです。

 「FREX」、「FREXパル」も扱いも変わります。現在、新大阪-新岩国間で発売している「ICOCA FREX定期券」、「ICOCA FREXパル定期券」の発売区間を山陽新幹線全線(新大阪-博多間)に拡大します。定期券区間内に新幹線停車駅が2駅以上含まれる在来線IC定期券を持っている人は、新幹線の自動改札機にタッチすれば、定期券区間内の新幹線(普通車自由席)に乗ることができます(特急料金は、チャージ額から自動的に差し引かれます)。この「新幹線乗車サービス」の利用可能区間も新大阪-徳山間から新大阪-博多間に拡大されます。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220728_00_press_teikikenn_2.pdf)

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神戸市営地下鉄、西神車庫を廃止

 北神線が市営になったので、西神・山手線、北神線の車庫は名谷、西神、谷上の3か所あることになりました。ところが、この3つある車庫のうち、西神車庫を廃止し、名谷と谷上の2つにします。

 西神車庫が廃止されるのは2025年度の初めになります。2022年度は民間事業者に調査を委託し、廃止する西神車庫の利活用を考えていきます。実際の利活用は車庫が廃止された後の、2026年度以降ということになります。

 神戸市交通局は、西神車庫用地の一部を利活用することによって、西神中央エリアの活性化を図っていきたい考えのようです。
(参考:神戸市ホームページ https://www.city.kobe.lg.jp/documents/51085/r4kotsusyusei.pdf)

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富山地鉄、立山へ2種類の臨時列車

 4月15日のダイヤ改正で特急が消えた富山地鉄ですが、アルペンルートの観光シーズンであるため、電鉄富山及び宇奈月温泉から立山への臨時列車が走ります。

 電鉄富山からは7月20日から10月31日の毎日、走ります。立山行きは電鉄富山9:46発(休日は9:48発)で、途中、寺田と五百石だけに停まります。特急ではないので、運賃だけで乗車することができます。反対の電鉄富山行きは立山11:08発(休日は11:06発)で、こちらは各駅停車です。車両は元西武の「ニューレッドアロー」が使われます。

 7月30日から10月30日までの休日には、宇奈月温泉からの直通列車も運行します。宇奈月温泉9:05発の立山行きで、反対方向の運転はありません。途中停車駅は、新黒部、電鉄黒部、新魚津、電鉄魚津、中滑川、上市、寺田です。こちらも特急ではないので、運賃だけで乗車することができます。なお、この臨時列車は「アルプスエキスプレス」を使いますが、2号車はツアー客専用の席なので、使えません。運賃だけの客は、1号車か3号車に乗ることになります。

 なお、宇奈月温泉からの臨時列車は立山に11:05に着きます。休日は立山発電鉄富山行きの臨時列車は11:06に出るので、1分間だけですが、新旧西武の特急車両が並ぶということになります。
(参考:富山地鉄ホームページ https://www.chitetsu.co.jp/?p=62023、https://www.chitetsu.co.jp/?p=62143、railf.jp https://railf.jp/news/2022/08/01/161000.html)

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「和歌山特急ニュースター号」、復活!

 大阪バス等の「和歌山特急ニュースター号」ですが、新型コロナウイルスの影響で長い間、運休していました。その「和歌山特急ニュースター号」が、7月15日から運行を再開していたのです。

 運転を再開した「和歌山特急ニュースター号」は、1日4往復。大阪バスとクリスタル観光バスが2往復します。大阪空港と和歌山駅東口を結びますが、3往復は大阪駅を経由し、残り1往復は桜島駅、ユニバーサルスタジオジャパンを経由します。運賃は大阪空港-和歌山駅東口間が大人1500円(9月30日までは1200円)、大阪市内-和歌山駅東口間が1200円(9月30日までは1000円)で、学割、早割の設定もあります。運休する前は大阪空港-和歌山駅東口間が2400円、大阪駅-和歌山駅東口間が2200円だったのですが、再開後の運賃が妥当な水準で、元が高すぎたと思われます。
(参考:大阪バスホームページ www.osakabus.jp/news/和歌山特急ニュ-スタ-号!運行再開!-2/)

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「つどい」が5年ぶりに伊勢志摩に

 普通列車を改造してつくった、観光列車「つどい」。2013年から2017年まで伊勢市-賢島間で定期運行をしてきました。その後は湯の山線で「足湯列車」として走ったこともありましたが、最近はどうしているのか分からないような状態でした。その「つどい」が伊勢志摩に戻ってくることになりました。8月20日から9月25日までの間の8日間、「海女さん列車」として、伊勢市-賢島間を走ります。

 「海女さん列車」とはどういうものでしょうか? 「つどい」の車内に志摩の海女小屋の象徴である「いろり」の模型を設置します。志摩の海岸などの風景の写真や資料の展示も行います。また、現役の海女さんが乗車します。志摩の魅力や海女の仕事について話してもらうほか、記念撮影も行います。乗客にはあおさ汁の振る舞いや海女の衣装の体験、クイズ、抽選を行います。バーカウンターでは、志摩市観光協会が特産品の販売を行います。

 「海女さん列車」の運行日は、8月20日、27日、9月17日、18日、19日、23日、24日、25日です。伊勢市-賢島間を1日2往復します。途中停車駅は、宇治山田、五十鈴川、鳥羽、鵜方です。運賃のほか、観光列車料金として大人510円、子供250円が必要です。定員は1列車60人です。観光列車の切符は近鉄主要駅で乗車日1か月前から購入することができます。

 なお、「海女さん列車」の運行は、志摩市の鉄道利用促進事業負担金で行います。

(追記)
 車両の不具合のため、8月20日の運行は中止になったようです。
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/amasanressha.pdf、https://www.kintetsu.co.jp/all_info/news_info/220825_amatrain.pdf)

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祝日は深名線無料

 かつて深名線というJRのローカル線がありました。あまりにも利用者が少なかったため1995年に廃止され、その後はジェイ・アール北海道バスが走っています。深川から名寄まで約120キロありますが、経由する自治体は深川市、幌加内町、名寄市の2市1町しかありません。

 その経由する自治体のひとつである幌加内町ですが、新型コロナ感染症対応地方創生臨時交付金を活用して、7月から2023年2月までの祝日を中心に、「ジェイ・アールバス無料DAY」というものを実施します。

 無料の対象となる日は、7月31日、8月11日、9月19日、9月23日、10月10日、11月3日、11月23日、2023年1月9日、2023年2月11日、2023年2月23日の10日間です。ただし、財源の臨時交付金を活用した事業であるため、予定額に達すれば途中でも終了となります。また、無料となるのは、乗車または降車の停留所が幌加内町内(幌加内峠下-幌加内-朱鞠内-牧場前)にある場合です。幌加内町のみの利用の場合も無料となります。反対に、深川市内、名寄市内で完結する場合は無料とならず、通常の運賃を払う必要があります。なお、深名線のバスは幌加内で乗り換えとなるため、深川と名寄を通しで乗車しても無料となると思われます。
(参考:ジェイ・アール北海道バスホームページ https://www.jrhokkaidobus.com/wp/wp-content/uploads/2022/07/220722horokanaimuryoubasu.pdf)

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東海道新幹線、繁忙期は値上げか?

 東海道新幹線の指定席特急料金は乗車する日によって、3段階に分かれています。通常期、閑散期、繁忙期の3段階です。安い閑散期と高い繁忙期とでは、400円の差があります。

 その東海道新幹線を運営するJR東海は、ゴールデンウィークや年末年始など利用が集中する期間を分散させることを目的として、指定席特急料金の幅を広げる考えを明らかにしました。JR東日本などのように、ピーク時にさらに高い料金を設定するのでしょうか? もっとも、その東日本でも安い閑散期と一番高い最繁忙期との差は600円です。何千円も差があるならともかく、たったの600円ならピーク時を避けて利用しようとする人はあまりいないと思われます。乗車日によって指定席特急料金を微妙に変えるのではなく、正規の運賃や料金を値上げする代わりに、閑散期にインターネットで買う人に対して、格安の切符を用意したほうが良いと思います。

 さて、話は変わりまして、ローカル線の輸送密度について。JR東海で2019年度の輸送密度が2000人未満なのは、名松線、飯田線、紀勢線、参宮線の4路線です。このうち、1000人未満なのは、名松線だけです。JR東海の場合は輸送密度が路線単位でしか明らかになっていないため、全区間で輸送密度が低いのか、一部の区間だけが低いのかはわかりません。そこがわからないと正確な判断ができないのですが、JR東海は新幹線で儲かっているからでしょうか、現時点では協議会の設置を求めることはしないとのことです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/c49c77726c91fdf4aff128f02c4bd561320341ea、朝日新聞8月5日朝刊 中部14版)

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上野で「カシオペア」の体験

 豪華寝台列車の「カシオペア」。北海道新幹線が開業する前までは、上野と札幌の間を結んでいました。今も走っていますが、乗るにはツアーに参加しないといけません。

 その「カシオペア」ですが、8月に2回、上野で乗車体験をすることができます。まず、子供向けの「day-time edition for kids」から紹介します。「day-time edition for kids」は8月13日、20日の10:30~15:30に行われます。「カシオペア」の個室体験、尾久までの往復乗車、車掌室での放送体験ができます。弁当はこだわりの駅弁と「カシオペア」の朝食として実際に提供している弁当を1つずつもらえますが、車内で食べることのできる弁当や軽食の販売も行います。食堂車では実際に車内販売で出しているアイスの提供もあります。小学生とその保護者の1組2人で申し込むことができ、各日とも先着35組限定です。値段は1組34000円(1階)、36000円(2階もしくは車端室)です。

 大人向けの「mid-night edition」は深夜に行います。8月13日、20日の1:20~4:40です。朝には終了しますので、時間には注意が必要です。「カシオペア」の個室体験、駅を消灯しての撮影タイム、深夜の駅構内を巡るツアー、JR東日本社員による座談会、構内店舗(「Bravo」)または車内で食べることのできる軽食の販売も行います。各日とも先着35組限定です。時間帯が時間帯なので、18歳以上の大人限定で、1組1人または2人で参加します。値段は1組34000円(1階)、36000円(2階もしくは車端室)です。

 この2種類のイベント、7月24日から申込を受け付けていましたが、8月4日現在、満席で申し込むことはできません。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2022/tokyo/20220721_to01.pdf)

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ニセコ町、倶知安との間に新交通システムをつくる?

 北海道新幹線が札幌まで全線開業すると、ローカル需要しかなく貨物列車のない函館線長万部-小樽間は廃止され、バスになります。しかし、この長万部-小樽間にあるニセコ町は、代わりに新交通システムをつくることを考えています。新幹線の停車駅の倶知安との間を結ぶようです。

 しかし、新交通システムやモノレールを新たにつくるとお金がかかります。新交通の広島のアストラムは西広島への延伸事業を行っていますが、7.1キロに約570億円かかります。東京ディズニーリゾートをぐるっと回るモノレールの舞浜リゾートラインの事業費は5キロで約370億円です。新交通システムもモノレールも莫大な事業費がかかるので、それなら鉄道の赤字を負担したほうがお金がかからなくて済みそうです。

 それなのになぜ新交通システム等の導入を考えているのかと言えば、倶知安とスノーリゾートを結ぶ足がバスだと、バス運転士不足に対応することができないと考えているからです。ただ、鉄道がそれなりに利用されていたならば、新幹線開業後も第三セクターの鉄道として生きることができたでしょう。需要が大きく増えるわけではないのに、なぜ多額のお金を出して新交通システムやモノレールをつくる必要があるかは、よくわかりません。何か勝算があるのでしょうか?
(参考:東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/606366)

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「SANZEN-HIROBA」に5000系

 京都と大阪のほぼ中間、枚方市のくずはモールには「SANZEN-HIROBA」というものがあります。往年の名車である旧3000系が保存されています。

 2023年春、この「SANZEN-HIROBA」に新しい車両が加わります。それは5000系。ラッシュ時には5扉でスムーズに乗降することができ、それ以外の時間帯は3扉になる車両です。使われない2つの扉のところには、ちゃんと上から座席が降りてきて、座ることができます。1970年の登場以来、通勤通学輸送などに活躍してきましたが、ホームドア設置のために扉位置を統一させる必要があり、2021年9月に引退しました。この5000系のうち、先頭車の5551号車の半両分を「SANZEN-HIROBA」内に展示します。車両の塗装や座席の色など車内、車外の設備を、デビュー当時の姿に戻して展示します。座席の昇降もできます。

 また、長い間京阪で走っている2600系の先頭部分カットモデルも合わせて展示します。「SANZEN-HIROBA」には合わせて3両が展示されることになります。
(参考:京阪ホームページ https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/220728_keihan.pdf)

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西武から秩父鉄道への夜行列車

 西武、秩父鉄道、日本旅行の3社は、8月1日からクロスシートの西武4000系を使った夜行列車のツアーを発売します。「臨時夜行急行『奥武蔵51号』西武鉄道線周遊・秩父鉄道線周遊 西武秩父行の旅」です。

 ツアーが行われるのは、9月17日から18日にかけて。池袋を21:14ごろに出て、豊島園、西武球場前、所沢を経て、御花畑から秩父鉄道に入ります。長瀞では夜鳴きそばの販売があり(日本旅行の夜行列車企画ではおなじみのイベントのようです)、三峰口まで行ってから、西武秩父に翌5:55ごろに着きます(途中、何駅か扉扱いをする駅があります)。「西武秩父駅前温泉 祭の湯」での入浴と朝食の後、解散になります。2日目は西武鉄道と秩父鉄道のフリー切符がもらえるので、好きなところに寄ってから帰ることができます。

 プランは3つあります。クロスシート1人分の席が用意されたプランは大人16000円、クロスシート2席占有プランは大人24000円、ロングシート2席占有プランは大人18500円です。子供はいずれも1000円引きです。1人でクロスシートを占有したい人は、クロスシート2席占有プランを2人分予約します。
(参考:西武ホームページ https://www.seiburailway.jp/file.jsp?newsroom/news/file/20220728_okumusashi51.pdf)

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