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豊肥線、全線復旧して2年になるが、旅客は回復せず

 豊肥線は2016年の熊本地震の影響で不通となっていましたが、2020年8月に復旧しました。あれから2年、豊肥線はどうなったのでしょうか?

 実は回復していないのです。地震前の2015年度の肥後大津-宮地間の輸送密度は1854人。しかし、復旧後の2021年度の肥後大津-宮地間の輸送密度は65%減の644人に留まっていたのです。JR九州も輸送密度が減ることは予想していましたが、ここまでとは思っていなかったようです。

 ただ、地震後、JR九州はこの区間の代替輸送を本格的にやっていなかったという問題があります。基本的には通学の生徒用のバス輸送で、学校が休みの日祝は完全運休します。観光需要や(熊本と大分とを結ぶ)ビジネス需要は無視していたのです。こんな状況で、復旧したからと言って、すぐ鉄道に戻ってくると考えるのは難しいでしょう。豊肥線全体としては、分割民営化時点からの輸送密度の減少が15%ほどに抑えられていますが、これは熊本近郊の輸送密度が倍増したおかげです。2021年度の輸送密度が129人しかない宮地-豊後竹田間あたりは、次に大きな災害があれば廃止になっても文句が言えないレベルです。

 熊本県では、三角線の輸送密度も低迷しています。2021年度は776人。その三角線の観光列車は「A列車で行こう」ですが、その「A列車で行こう」、乗車率が20%と低迷しているのです。9月23日のダイヤ改正で途中駅の停車時間を増やすという見直しを行いますが、それでも効果がなければ、「はやとの風」のように消えてしまう危険性もあるでしょう。
(参考:テレビくまもとホームページ https://www.tku.co.jp/news/?news_id=20220831-00000012、JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/company/info/data/pdf/2021senku.pdf、https://www.jrkyushu.co.jp/byarea/kumamoto/info/__icsFiles/afieldfile/2017/05/09/170508houhihonnsennbasuyusou.pdf)

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Comments

ビジネス、観光、通勤需要をこれから取り込んでいく必要があると思います。

2016年まであった普段使いの需要が今どうなっているのか、どうすれば取り込む事ができるのか、JR九州は分析をして行動を起こしてほしいところです。同年にあった完全民営化後、その努力が行われていないように感じます。(上場前のJR九州には地方交通線であっても乗客を取り込む意欲を感じたものでした。)

熊本県をはじめとする沿線の自治体も今のうちからJR九州と共に豊肥線について考えてほしいところです。鉄道会社任せにしすぎて手遅れにならないうちに。

Posted by: ゆめ | 2022.09.06 10:23 PM

 ゆめさん、こんばんは。

* 同年にあった完全民営化後、その努力が行われていないように感じます。

 JR九州の場合、完全民営化して良かったとは決して言えないでしょう。

Posted by: たべちゃん | 2022.09.07 09:43 PM

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