« JR九州、10月15、16日は子供150円、ペット0円 | Main | JR西日本、熊本・鹿児島キャンペーンで長崎-熊本間割引切符 »

中国地方のローカル線、分割民営化後本数大幅減

 中国地方にある利用者が極めて少ないローカル線。分割民営化時の1987年と比較して、運行本数はどのように変わったのでしょうか?

 中国地方にある19区間について見ていくと、芸備線東城-備後落合間、木次線出雲横田-備後落合間でいずれも上下合計16本から6本に減り、福塩線府中-塩町間は上下合計27本から12本に減りました。これらを含めて5区間で50~63%減っています。10区間で8~44%減っています。1区間が横ばいで、3区間は逆に9~37%増えています。無人駅も増え、4区間では全駅が無人駅になりました。19区間全体で見ても、9割近くの駅が無人駅になっています。交通系ICカードもごく一部の区間を除いて、使えません。

 これだけ見れば、醜い状況でしょうが、参考にした記事には肝心な情報が欠けています。利用者数(輸送密度)です。国鉄時代はそれほど悪くなく、鉄道として存続させるのが妥当だったところでも、分割民営化をしてから35年経った今となっては、誰がどうやっても鉄道として存続させるのが無理という状況になっています。特に芸備線東城-備後落合間は、1987年度の輸送密度が476人であるのに対して、2019年度は11人、2%にまで減っています。

 JR西日本は株式を上場している民間会社なので、こんな悲惨な状況のローカル線を維持する必要はありません。ライバルの道路はどんどん整備が進む中(公共事業で高速道路も整備されました)、よく鉄路を維持してくれたと言ってもいいぐらいの状況です。どうしても鉄道を残したかったら、地元自治体がお金を出して高速化したり、増発分の費用を出したりすればいいのではないでしょうか? もちろん、このような方策が採れるのはある程度需要がある区間に限られ、芸備線備中神代-備後庄原間あたりはどうやっても鉄道を存続させることは無理でしょう。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/2c472a453bc8b8ed47a287d4c1325498a1e3ad4b、JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220411_02_local.pdf)

| |

« JR九州、10月15、16日は子供150円、ペット0円 | Main | JR西日本、熊本・鹿児島キャンペーンで長崎-熊本間割引切符 »

鉄道」カテゴリの記事

JR西日本」カテゴリの記事

Comments

芸備線沿線の自治体はどうして本数・利用者が減ったのかをきちんと分析してほしいです。

完全民営化をした以上、本数減はJR西日本だけの責任では無いと思います。

過疎化・マイカー移行の一言で済ませる意見も見受けられますが、なぜ定住人口が増えないのか、なぜ本数を減らさなければならない事態になったのかきちんと分析してほしいです。

35年の間でも利用促進策は出来たと思います。
(パーク&ライド、高速化等)
実態としては立派な高規格道路は作ったものの、店は郊外型となり、定住・地域活性化にはつながらず、駅前商圏はさびれ、鉄道・バスなどの交通機関は不便になり、人が離れてしまいました。

国土交通省があるべき国土交通の形を未だに考えようとしていないのも一因ですし、それを自治体は放置してきました。本数減の責任はその二者にもあるでしょう。

だからこそ揉めるのではなく、早く地域交通の最適な形を考えてほしいと私は思います。

Posted by: アナスタシア | 2022.09.23 12:50 PM

 アナスタシアさん、こんにちは。

* 芸備線沿線の自治体はどうして本数・利用者が

 高速道路などの道路を整備し、鉄道は口だけなら、鉄道も町も寂れるのは当たり前です。栄えるのはロードサイドの店ばかりでは、町は薄く拡散し、車がないと生活できません。

 新幹線や特急、貨物列車といった幹線鉄道網は国の責任ですが、ローカル鉄道は地元の責任です。鉄道を残したかったら、それなりの行動を取らないといけません。

Posted by: たべちゃん | 2022.09.23 02:17 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« JR九州、10月15、16日は子供150円、ペット0円 | Main | JR西日本、熊本・鹿児島キャンペーンで長崎-熊本間割引切符 »