JR西日本、次世代バイオディーゼル燃料導入の実証実験を行う
ディーゼルカーは軽油で動きますが、その軽油を燃やすときに二酸化炭素が発生します。しかし、JR西日本では2021年に環境長期目標「JR西日本グループ ゼロカーボン 2050」を策定し、2050年にグループ全体の二酸化炭素排出量を実質的にゼロにすることを目指しています(2021年度は約5.5万トンを排出していました)。需要の少ない路線もあることから全線を電化することは実質的に不可能で、列車の運行を続ける以上、ディーゼルカーから出る二酸化炭素の排出量をいかに少なくするかが重要です。
そこでJR西日本が行おうとしているのが、次世代バイオディーゼル燃料を使った走行実験。次世代バイオディーゼル燃料とは、軽油とほぼ成分が似ているため、軽油から100%置き換えることができるとされているバイオディーゼル燃料です。次世代バイオディーゼル燃料も燃焼時には軽油とほぼ同等の二酸化炭素を出しますが、次世代バイオディーゼル燃料は軽油とは違って、微細藻類や植物でできています。これらが成長するときには光合成により二酸化炭素を吸収するので、二酸化炭素排出量は実質的にゼロとみなされます。
実験は2022年度から3年かけて行います。まず初年度の2022年度はエンジン性能の確認試験を行います。車両は使わず、エンジンだけの試験です。次世代バイオディーゼル燃料を5%混合させるところからはじめ、段階的に100%まで引き上げていきます。2023年度は走行試験です。山陰線など、主にディーゼル車両が走る線区で行います。試運転列車に次世代バイオディーゼル燃料100%を入れて、1日1往復走らせます。通常期、夏季、冬季の3シーズンで1か月程度ずつ走らせます。車両はDEC700またはキハ40などを使います。2024年度は長期走行試験です。通常の営業列車に次世代バイオディーゼル燃料100%を入れて、1日200キロ程度走らせます。問題がなければ2025年度に本格的に導入します。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220824_03_press_baio.pdf)
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