熊本市交通局廃止か?
熊本の路面電車は熊本市交通局が運営しています。ところが、その熊本市電、上下分離を行うようです。
なぜ上下分離を行うのかと言えば、運転士の雇用問題があります。以前にも簡単に書きましたが、熊本市電の運転士は非正規職員なのです。人件費を抑制するために2004年度から正規職員としての採用を取りやめ、非常勤職員として採用してきました。それが20年近く続いた結果、2022年4月時点で85人いる運転士のうち81人が1年ごとに契約を更新する非常勤職員になりました。残る4人は再任用職員ですから、そのうち退職します。
非常勤職員だと当座のコストは抑えられますが、身分や給与が不安定だと新たな人材の確保や技術の伝承に支障を来します。ただ、熊本市は行財政改革を行っているため、業務職員の正規採用ができません。そこで公益性、安定性、ほかの市の事例から、熊本市が出資する一般財団法人にするのが適当と判断しました。運行はこの一般財団法人が行います。運転士は一般財団法人の正規職員になり(給料水準は熊本市の正規職員より低いでしょうが)、事務職や技術職を含めて180人体制とします。
インフラ部分については引き続き、熊本市が所有します。車両や施設は熊本市が保有し、一般財団法人に貸与します。車両の購入や施設の整備は公費で行います。こうなると交通局の役割は小さくなるので、交通局は廃止し(函館市は交通局ではなく、企業局交通部です)、ほかの公営企業に統合するか、市長部局に担当部署をつくります。
熊本市は上下それぞれの収支見通しなどをまとめた最終報告をつくり、12月の市議会で示す予定です。早ければ2025年度に移行する予定です。
(参考:熊本日日新聞ホームページ https://kumanichi.com/articles/806396)
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