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北海道新幹線の開業時期が遅れる?

 これまで、北海道新幹線新函館北斗-札幌間は2030年度末に開業する予定となっていました。ところが、これが遅れるようなのです。

 なぜ遅れるのかと言えば、土砂の受け入れ先が決まらない、巨大な岩があるといった理由で、一部の工区に3~4年の遅れが生じているからです。2030年度末の開業は大変厳しい状況で、(オリンピックの是非はともかくとして)2030年に札幌でオリンピックをすることが決まったとしても、長野のときのように間に合わせることができません。

 また、北海道新幹線新函館北斗-札幌間の事業費はこれまで1.67兆円とされていましたが、6450億円増え、2.31兆円となります。1.4倍に増えます。トンネル工事に伴う土砂の処理、資材価格の高騰、人件費の増加が原因です。土砂の処理で2700億円、資材価格の高騰で2050億円上がりました。さらに言えば、資材の価格が年2%の想定を上回って上がった場合、0.1%上がるごとに70億円ずつ増えていくようです。

 とは言っても、新幹線はつくらないといけません。在来線特急は遅すぎ、高速道路を走る車に対抗できません。新幹線が開業すれば値段は上がりますが、車では決して出すことのできないスピードを出すことができます。北海道新幹線の場合、在来線特急で3時間半から4時間かかる函館-札幌間に新幹線ができることによって、鉄道の競争力は高まります。新幹線ができても4時間半はかかる東京-札幌間を乗り通す人は少ないでしょうが、元々のパイが大きいので、空港から遠い大宮の利用客などを拾うだけでも十分です。雪などで空港が使えないときのカバーにもなります。新幹線が開業すればかなりの人に利用されるというのも頷けるところです。

 鉄道の得意とするところは新幹線のような高速輸送と大都市圏の大量輸送です。在来線特急はジリ貧で、このままでは緩慢な死を迎えるだけです。高い事業費に気を取られてしまいますが、この根本原則を踏み外してはいけないでしょう。
(参考:朝日新聞12月8日朝刊中部14版)

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