内部補助はどんな路線でも当てはまるものではない
11月30日、JR西日本は輸送密度2000人未満の17路線、30区間について、2019~2021年度の3年間の平均収支を発表しました。山口県で該当するのは、5路線、6区間です。この中で赤字額が大きいのは、山陰線益田-長門市間で12.4億円です。
これに関して村岡山口県知事は、地方のローカル線は赤字が当たり前で、新幹線の利益で補う仕組みになっているので、今後もそれを維持することを望んでいるという趣旨の発言をしています。暮らしや仕事、通院などに必要なので、国やJRに鉄道の必要性を訴えていきたいとしています。
鉄道は赤字なら即要らない、ということはありません。赤字の額で言えば今回公表されていない、輸送密度の大きい路線のほうが大きいかもしれません。必要な路線なら黒字路線の内部補助で賄っても良いでしょう。ただ、どんな路線でも内部補助が許されるわけではありません。バスでは難しいほどの輸送密度があるとか(ただ、普通列車しか走らないような枝線なら、JRから好条件をもらって第三セクター化したほうが便利な交通機関になる可能性はあります)、特急や貨物列車が走る区間は残しておいたほうが良いでしょう。そうでない限りはJRで維持する必要はなく、第三セクター化やバス転換を考えないといけないでしょう。大体、輸送密度が低いということは、暮らしや仕事、通院などで使われていない証拠なのですから。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20221201/4060015520.html)
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Comments
新幹線の利益で補う仕組みであるのは事実でしょうが、現状を維持するのではなく、JRも山口県も困らない仕組みを考えていくことだと思います。
特に地方に住んでいても車が持てない人(経済・障害的な面で)、都市部からの観光客に対する公共交通の利便性をどう高めるのかをしっかりと議論し、具現化してもらいたいです。
現状維持にこだわるのではなく将来を考えていく態度がこれからは必要になると思います。
Posted by: 奏(KANADE) | 2022.12.05 11:34 AM
奏(KANADE)さん、こんばんは。
* 現状を維持するのではなく、
現状を維持し続けた結果がこれです。道路が整備され、鉄道には投資されなかったので、どんどん利用者が減っています。
* 現状維持にこだわるのではなく
JRのネットワークに残すべき路線は少ないでしょう。あっても必要なのは特急や貨物列車で、普通列車ではありません。
ローカル輸送については経済的に成り立ちませんから、県や市町村が主体となって考えていかないといけないでしょう。
Posted by: たべちゃん | 2022.12.05 09:17 PM