« しなの鉄道、2023年3月ダイヤ改正で減便 | Main | 「ラピート」車両使用の「泉北ライナー」と「ひのとり」の「プレミアム車両」に乗ってきました »

北陸新幹線、2023年度初めの新規着工はなし

 北陸新幹線は2024年春に敦賀まで開業するので、残る区間は敦賀-新大阪間となります。この残る区間は2023年度に着工する予定でしたが、一部地域で環境アセスメントが進まず、予定していた2023年度の着工は消えました。国交省は着工後に行う予定だった、詳細な地質調査や地下水への影響分析などを前倒しして行うようです。

 本来ならば、京都に駅ができることによって利益を得る京都府や京都市が先頭に立って、新幹線建設に反対している地区への説得を行うとともに、必要ならば金銭での補償を行うべきでしょう。亀岡に駅ができるはずなのを京都に引っ張ってきたのですから。

 もっとも、「小浜-京都ルート」にこだわって新幹線ができないのであれば意味はありません。肝心なのは、北陸(富山)-大阪(新大阪)間を直通することのできる新幹線をつくることです。品川から新大阪までのリニアが完成するのはお金も時間もかかりますから、敦賀からあともう少しつくれば完成する北陸新幹線は、非常時には東海道新幹線の代替ルートにもなります。

 また、明治時代の古い規格でつくられた在来線は、災害にも弱いです。先週、新潟で大雪がありましたが、そのときでも新幹線は平然と走っていました。在来線を大改良して災害に強くするようにすることは正論なのですが、あまりにも費用が高くつきます。整備新幹線の建設費用は高いですが、特急だけに絞って高速化しているから、まだ安くついているのです。普通列車も貨物列車も高速化すると、はるかに高くなるのです。採算も今以上に取れないでしょう。

 仮に北陸新幹線を「米原ルート」でつくる場合、JR東海を説得して、北陸新幹線の列車を通す枠を確保しないといけません。北陸からの列車が遅れるのが心配なら、東京から直通させるのを止め、かつ米原の手前で時間調整で数分停めておいたほうがよいでしょう。利益がJR東海に吸い取られるJR西日本への補償も必要です。東海道新幹線の新駅を潰した滋賀県が建設費の負担に応じるとも考えられません。滋賀県内に東海道新幹線を含めて永久に新幹線の駅を追加しないことを条件に(もし駅が増えた場合は、利息をつけて負担してもらいます)、ほかの府県にお願いするのでしょうか? 「小浜-京都ルート」なら小浜に駅ができますが、「米原ルート」ならどうやっても若狭に駅をつくることができません。整備新幹線のお金で近江今津と若狭とを結ぶリゾート新線をつくりましょうか? 「米原ルート」は安上がりなので、これぐらいつくっても十分おつりが出ます。JR東海、JR西日本、沿線府県を説得してまとめることができたら、国交省、国交相らしい立派な仕事をしたと言えますが。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221214/k10013922801000.html)

| |

« しなの鉄道、2023年3月ダイヤ改正で減便 | Main | 「ラピート」車両使用の「泉北ライナー」と「ひのとり」の「プレミアム車両」に乗ってきました »

鉄道」カテゴリの記事

整備新幹線」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« しなの鉄道、2023年3月ダイヤ改正で減便 | Main | 「ラピート」車両使用の「泉北ライナー」と「ひのとり」の「プレミアム車両」に乗ってきました »