貨物専用線になっても旅客運行を求める?
北海道新幹線新函館北斗-札幌間が開業すると、並行する在来線はJRから分離されます。今までなら第三セクターになるところですが、北海道の場合は極めて需要が少ないことから、函館-長万部間もごく一部の区間を除いてバスに転換されるようです。
しかし、この区間を考える上で忘れてはならないのが、貨物輸送の問題。貨物のことを考えると、線路を剥がすわけにはいきません。貨物列車は沿線のためにあるのではなく全国のためにあるので、新幹線上に貨物列車を走らせる技術が確立されるまでは国のお金で貨物線となった函館線を維持することはやむを得ないでしょう。
ところが、朝日新聞が沿線自治体の首長にアンケートしたところ、一部区間を除いて貨物専用線となる函館線なのに、駅の存続を求めている自治体があります。貨物を取り扱うのではありません。観光や通学のために駅を残したいといい、中には具体的な駅名を挙げているところもあります。
並行在来線の負担を国が行うのは、あくまでも国全体への影響が大きい貨物のためであり、ローカル輸送のためではありません。国のお金でバスで十分な程度のローカル輸送を維持させるのは間違っています。新函館北斗-長万部間の鉄路が残るのはあくまでも貨物のためで、ローカル輸送のためではありません。普通列車が欲しければ従来通り第三セクターの枠組みで対処するしかないでしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASQCH6KG2QCGIIPE004.html)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- 「ICOCA」エリア30日間乗り放題で5万円(2025.02.13)
「JR北海道」カテゴリの記事
- 「赤い星」と「青い星」はどこを走るのか?(2025.01.16)
- 2025年3月ダイヤ改正発表(1)(JR北海道)(2024.12.14)
- 稚内から現金専用の券売機がなくなる(2024.11.19)
「北海道・東北私鉄」カテゴリの記事
- 富谷市にロープウェー(2024.12.30)
- 大鰐線、2027年度末で休止へ(2024.12.29)
- 米坂線、上下分離にすると地元に最大17億円の負担(2024.11.27)
- 阿武隈急行、宮城県側も鉄路で存続(2024.10.19)
「整備新幹線」カテゴリの記事
- 北陸新幹線、小浜まで暫定開業?(2025.01.10)
- 北海道新幹線全線開業は2038年度か?(2024.12.28)
Comments
自治体の首長が何を考えてそのような事を言っているのかは分かりません。その主張ならば3セクを考えてもいいかもしれません。
同じような条件のいさりび鉄道は結構健闘しています。車両は古いですが社長みずから列車に乗り、利用者にご挨拶をされていた姿がとても印象的です。
自治体が国やJR任せにせず、自分たちで考えて本気で行動を起こせばそれなりに需要は作れると思います。場合によっては車利用者を取り込む事も可能でしょう。鉄道を街の起爆剤にもできるでしょう。その逆も然りです。
過去や現状の上に乗っかるのではなく、評論するだけでもなく、きちんと問題を解決する姿勢が道および各沿線自治体に問われていると思います。
Posted by: ゆめ | 2022.12.08 07:05 PM
ゆめさん、こんばんは。
* その主張ならば3セクを考えても
できるだけ人の金で鉄道を維持したいというだけでしょう。
函館線を残すのは貨物のためであって、ローカル輸送のためではありません。お金を出すのを拒否するのなら、目の前を貨物列車が通ることを甘受しなければなりません。
Posted by: たべちゃん | 2022.12.08 07:59 PM
目の前の現実から目を背け、様々な難題に対し見て見ぬフリをして、何もかもに諦め、行動しない。
沿線の自治体を見ての印象です。
どうしても旅客輸送を残したいなら3セクでも引き取る位の気概を持てば状況は違ってくると思います。
Posted by: 奏(KANADE) | 2023.01.01 10:38 PM
奏(KANADE)さん、おはようございます。
* どうしても旅客輸送を残したいなら
新函館北斗-長万部間で鉄道を残すのは貨物輸送のためであって、ローカル輸送のためではありません。しかも、新幹線で貨物を運ぶ技術が確立すれば、貨物鉄道すら要らなくなります。
地元自治体が相応の負担をしない限り、旅客営業が廃止になってもやむを得ないでしょう。
Posted by: たべちゃん | 2023.01.02 10:48 AM