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February 2023

和田岬線の103系、引退

 かつては首都圏や関西圏を中心に走っていた103系ですが、新型車両の導入により数を減らしています。今残っているのは、JR西日本とJR九州のみです。

 その103系が走る数少ない線区のひとつが和田岬線。2001年の電化から走り続けてきました。ところが、その和田岬線の103系が、この3月18日のダイヤ改正で引退します。

 最終運行は3月18日に行う予定です。ダイヤ改正の初日ですが、距離が短いため新しい車両に置き換えても、所要時間が大幅に短縮するということはありません。和田岬線は沿線の工場への通勤路線ですが、最終運行を行う3月18日は土曜日なので、通勤客が迷惑にならない、ということを考えて決めたのでしょうか? 鉄道ファンによる混雑を防ぐため、最終列車の時刻については公表しません。ただ、3月18日の9:40ごろから兵庫の和田岬線ホームにおいて出発式を行います。このとき出発する列車は最終列車ではないことが明言されていますので、最終列車はそれよりも後ということになります。

 すでに奈良線からも103系が消えているので、ダイヤ改正後も103系が走るのは、加古川線、播但線、筑肥線。加古川線や播但線は投入時に大幅な改造をしていますし、筑肥線は103系の最末期なので、首都圏や関西圏で走っていた103系と比べるといろいろ違うところもあります。オリジナルに近い、スカイブルーの6両編成の車両が走るのはこれが最後です。

(追記)
 3月11日の午後から3月13日の午前まで、和田岬線の運用を変更し、103系での運転を行いません。

 不測の事態を防ぐためでしょう。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230227_00_press_skyblue.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230309_00_press_wada.pdf)

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小田急伊勢原-鶴巻温泉間に新駅か?

 小田急に新駅設置の計画があります。どこにできるのかと言えば、小田急小田原線の伊勢原-鶴巻温泉間。2004年に開業したはるひ野(川崎市)以来の新駅になります。

 伊勢原市内にできる新駅の近くには、車庫の機能もできます。現在、小田急の車両の検査や修理を行う総合車両所は相模大野に隣接したところになります。それを新駅の近くに移転させるという計画もあるようです。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20230224/1000090084.html)

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七隈線延伸直前に増便のダイヤ改正

 福岡市交通局の七隈線は3月27日に延伸しますが、その半月ほど前の3月11日にダイヤ改正を行うこととなりました(空港線や箱崎線のダイヤ改正は行いません)。

 七隈線は博多直結で利用者が増えると見込んでいるからでしょうか、強気のダイヤ改正です。平日、休日とも営業時間を30分拡大します。始発を15分ほど繰り上げ、最終を15分ほど繰り下げ、新幹線や特急との接続を図ります。平日のラッシュ時間帯の増発もします。朝(7:30~9:00)は2往復、夕方(16:00~17:00)は1往復増発します。

 先ほども書いたように七隈線は3月27日に延伸しますが、延伸があっても既開業区間の天神南-橋本間のダイヤは変わりません。天神南行きがそのまま博多行きになるだけです。延伸するまでの3月11日から26日までの間も延伸後と同じダイヤで走り、博多-天神南間は乗務員の訓練を兼ねて回送扱いとして走らせるのでしょうか?
(参考:福岡市交通局ホームページ https://subway.city.fukuoka.lg.jp/topics/detail.php?id=1732)

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弘南鉄道にお座敷車両

 弘南鉄道はこのたび、お座敷車両をつくりました。

 ベースは普通の通勤電車のようですが、和の雰囲気を出しています。窓に障子があるところもあります。2両編成のうち、1両はすでに畳が敷かれていますが、もう1両にも床面に畳を敷くことができます(2両とも、ロングシートの座席は残っています。座席の定員は96人のままで、変わりありません)。床面にはテーブルを置くこともできます。10卓置くことができます。

 車内には木彫りがあります。江戸時代の錦絵の絵師、歌川国芳の「きんぎょづくし」の絵を元にした彫刻ですが(なぜ金魚にしたのかと言えば、弘南鉄道は毎年夏、「金魚ねぷた列車」を走らせているからです)、それをつくったのはだんじりで有名な、岸和田の彫刻師。たんじりには立体的に見える彫刻が施されていますが、それが遠く離れた弘南鉄道でも見ることができるのです。弘南鉄道沿線の名所や名産物をアレンジしています。
(参考:弘南鉄道ホームページ https://konantetsudo.jp/event-train/、「鉄道ジャーナル」2023年4月号 鉄道ジャーナル社

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西武、7月1日から特急料金等を値上げ

 西武は7月1日購入分から、特急料金及び座席指定料金の値上げを行います。

 現在、特急料金は300円(事前に購入したときの値段、以下同じ)から710円までですが、新しい特急料金は400円から900円までになります。主な区間の特急料金は、池袋-所沢間が400円から500円、池袋-西武秩父間が710円から900円、西武新宿-本川越間が500円から600円になります。

 「拝島ライナー」は300円から400円に上がりますが、「S-TRAIN」は複数の鉄道会社を乗り継ぐことから、据え置きます。値上げするとさらに客が減りそうだからでしょうか?
(参考:西武ホームページ https://www.seiburailway.jp/file.jsp?newsroom/news/file/20230131_tokkyu_1.pdf)

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北海道新幹線、札幌の車両基地は高架上

 北海道新幹線は2030年度に札幌まで延びる予定です(遅れるというもありますが)。当然ながら終着駅の札幌には、車両基地が必要になります。駅の直前までトンネルが続くので、どこにその車両基地ができるのでしょうか?

 どうやら、駅の東にできるようです。在来線で言えば札幌と隣の苗穂の間に、細長い車両基地をつくります。高架の在来線に沿ってつくられるので車両基地も高架で、地上約22メートルの高いところに、幅13.2~30メートルの車両基地ができます。最大4編成を置くことができ、車両を雪から守るため、屋根や壁で覆います。

 ターミナル駅の車両基地がこの規模だと小さいように思われますが、都心にあるため用地に制約があり、かつ本格的な車両基地はすでに函館にあるため、最小限の設備で良いのでしょう。

 また、JR貨物が貨物新幹線を導入した場合、貨物駅は札幌の東側にある、札幌貨物ターミナルになることでしょう。東のほうに延伸することができるようにしておくことは、そのためにも好ましいことです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASR2R4Q76R2RULFA007.html)

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追加料金を払えばグリーン車2席占領

 普通、1人だといくらお金を払っても2人分の席を占領することはできません。しかし、JR東海は期間限定で、お金を払えば、1人で「のぞみ」のグリーン車2席占領できるようにします。「EXグリーンプラスワン」です。

 この切符は「EXサービス」会員限定の切符です。「スマートEX」及び「エクスプレス予約」で申し込むことができます。乗車は「EX-ICカード」もしくは交通系ICカードで行います(紙の切符に変えると、2人分の値段が請求されます)。設定期間は4月8日から6月30日まで。ただし、ゴールデンウィークの4月28日から5月7日の間は除きます。発売期間は4月8日から6月30日までで、乗車の2日前5:30から列車発車時刻の4分前までです。JR東海の立場で言えば、乗車日近くなっても空席が残っているときに、少々安くても2席一気に売ることができる、ということになります。なお、発売席数は列車ごとに限りがあります。

 設定は東京・品川-新大阪間、東京・品川-名古屋間など6区間。「のぞみ」のみです。値段は東京・品川-新大阪間の場合、23860円。グリーン車の正規料金は19590円ですから、2割少し高いお金を払えば、隣の席も占領できるのです。意外と安いです。

 需要の大きい東海道新幹線だからこそ、高級なサービスが求められます。また、そういうサービスを求める需要もあるでしょう。将来的には個室も欲しいところですが、すぐにはそういうわけにはいかないので、今はできるところをするしかないでしょう。高い値段を払う客がどれぐらいいるのか、テストをしている面もあると思われます。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000042578.pdf)

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JR四国が駅舎を簡素化へ

 JR四国で、昔からある木造の駅舎を取り壊して、アルミ製の壁と屋根程度の簡単なものにする動きが相次いでいます。バス停の待合室レベルです。JR四国には259の駅がありますが、このうち13駅がすでに建て替えられ、61駅について自治体と協議中です。

 それではなぜ、JR四国は駅舎を簡単なものにするのでしょうか? 今のままの駅舎では修繕費、定期検査代、耐震化費用のコストがかかるのです。どの駅にでも駅員がいた時代ならともかく、今は無人駅だらけです。JR四国の立場から言えば、立派な木造の駅舎を維持する必要はありません。そこで維持にかかる費用を軽減するために、駅舎を取り壊し、簡単なものにするのです。

 このような動きに対して、地元自治体の中には反対するところもありますが、JR四国に駅舎を維持させる必要性がない以上、仕方がないところでしょう。駅舎を簡単なものにするのはJR四国だけでなく、他社も行っています(例1例2)。昔からの味のある駅舎を維持してもらいたいのなら、地方自治体あたりがJR四国から駅舎を譲り受け、地方自治体で維持するのがいいのではないでしょうか? JR四国でもすでにそういう事例はあります。役所の出張所にしても良さそうです。平日の昼間限定ですが、障害者の乗り降りを役場の職員が手伝うということもできます。JRに負担を押しつけることなく、バリアフリーの向上に資することができます。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASR235CYMR21PTLC01G.html、https://digital.asahi.com/articles/ASR234TS3R1BPTLC00Z.html?iref=sp_nattop_feature_list_n)

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室蘭-青森間にフェリー

 津軽海峡フェリーは函館と青森、大間を結ぶ航路を運航していますが、このたび新たに室蘭(室蘭港フェリーターミナル)-青森(青森港フェリーターミナル)間の航路を開設することになりました。開設は10月を予定しています。

 ダイヤは室蘭20:00発青森翌3:00着、青森9:00発室蘭15:45着です。青森着の時間が早すぎますが、貨物の事情に合わせてダイヤを組んだのでしょうか? 夜中の3時でもタクシーはあるのでしょうか? ちなみに、青森港フェリーターミナルから青森駅までは徒歩45分、新青森駅なら徒歩40分です。室蘭発は日曜日、青森発は月曜日に運休するので、週6日の運航となります。

 使われる船は「ブルーマーメイド」。函館-青森間航路で使っている船を転用します。定員583人で、トラック71台または乗用車230台を積み込むことができます。元々4時間で結ぶ航路で使っていた船を転用するため、風呂やレストランの設備はありません。シャワーと売店ならあります。

 なお、室蘭-青森間航路の開設に伴い、現在8往復ある函館-青森間航路は、6往復に減ります。函館-青森間航路に使う3隻の船がドックに入っている間は、室蘭-青森間航路を運休し、3隻体制を維持します。
(参考:津軽海峡フェリーホームページ https://www.tsugarukaikyo.co.jp/topics/page/?id=1675047834RnehZ、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230202/7000054830.html)

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多摩動物公園が一部時間帯で無人化へ

 京王動物園線は、高幡不動からひと駅だけ延びる支線。終点は多摩動物公園です。

 この多摩動物公園ですが、京王は一部時間帯で無人にすることを考えています。新型コロナウイルスの影響で利用者が減り、将来的にも人口減少や人材確保の難しさから無人化を考えることにしました。多摩動物公園が選ばれたのは、支線の駅で利用者が少ないからです。

 駅員のいない時間帯はどうするのかと言えば、駅にテレビ画面があり、隣の高幡不動の駅員とやりとりします。この高幡不動の駅員は自動改札の遠隔操作もできます。耳の不自由な人のために、筆談用のボードも備えます。

 そもそも、利用者の少ない支線の駅だったら、分岐駅の高幡不動に改札の設備を集約することはできないのでしょうか? 東武の西新井みたいに乗換改札を設けるのです。これなら、動物園を訪れる人の多い時間帯を除いて、無人化ができます。いざとなれば、高幡不動から応援を出せばいいのですから。駅の案内図を見る限りでは中間改札をつくることができそうですが、それができない事情があるのでしょうか?
(参考:東京新聞ホームページ https://www.tokyo-np.co.jp/article/228827、京王ホームページ https://www.keio.co.jp/train/station/ko29_takahatafudo/index.html)

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瀬戸大橋の管理用通路から列車を撮影するツアー

 今年、2023年は、青函トンネルと瀬戸大橋が開業し、北海道と四国も鉄道でつながってから35年という記念すべき年です。

 これを記念してJR北海道とJR四国は、開業35周年記念キャンペーンを行います。その中で、JR四国が行うのは、普段立ち入ることができない瀬戸大橋の管理用通路から列車を撮影することができるツアーです。

 ツアーが行われるのは、4月9日の日曜日。午前に撮影できるコースと午後に撮影できるコースの2つがあり、定員はそれぞれ20人、最少催行人員はそれぞれ10人です。値段は大人30000円で、小学生以下は参加できません。中学生は18歳以上の大人の同伴で参加できます。

 撮影は北備讃瀬戸大橋で行います。児島-高松間の移動は、往路、復路のいずれかで、キハ185系「リバイバルうずしお号」に乗ります。列車撮影会場までの移動は屋根のないオープンタイプの2階建てバスに乗ります。瀬戸大橋を2階建てバスに乗って通るのです。撮影では、通常の列車のほか、「リバイバルうずしお号」もカメラに収めることができます。

 ただ、特殊な場所での撮影のため、いろいろ注意事項があります。一部だけ紹介すると、高所恐怖症や閉所恐怖症の人の参加はできません。落下防止のため、眼鏡、カメラ、双眼鏡、スマホ等は首から提げられる状態にしておく必要があります。眼鏡は日ごろ、首から提げられる状態にしていないので、特に注意が必要です。そのほかにも特殊な場所ならではの注意事項があるので、参加を考えている人は事前に注意事項を読んでおく必要があります。

 ツアーの申し込みは2月26日10時からです。
(参考:JR四国ホームページ https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2023%2002%2017%2002.pdf)

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2023年の「THE ROYAL EXPRESS ~HOKKAIDO CRUISE TRAIN」は稚内へ

 普段は伊豆を走っている「THE ROYAL EXPRESS」ですが、2020年から、夏は北の大地を走っています。そして、2023年も北海道を走ることになりました。7月から9月にかけて、9回運行します。

 これまで「THE ROYAL EXPRESS ~HOKKAIDO CRUISE TRAIN~」は道東方面を巡るものでした。しかし、2023年は初めて道北方面に向かうものもつくられます。「HOKKAIDO 日本最北端の旅」です。9月中に3回企画されます(そのうち2回は、出発前日に小樽の銀鱗荘に泊ることができます)。

 「HOKKAIDO 最北端の旅」のコース内容を紹介します。まず1日目は10:00ごろからJRタワーホテル日航札幌にて、ウェルカムセレモニーを行います。札幌駅出発は11:00ごろで、車内でフレンチを食べます。旭川からは専用バスで上川に宿泊します。夕食は「フラテッロ・ディ・ミクニ」で食べます。2日目は和寒から南稚内まで列車に乗ります。昼は車内で和寒町のかぼちゃを使った「かぼちゃ懐石」です。南稚内に着いてからは宗谷岬を観光し、夕食は名物のたこしゃぶです。終点のひとつ前の南稚内で降りるのは、稚内がホーム1本、線路1本の行き止まり駅で、機回しの設備がないためです。ただ、ホテルは稚内の駅の目の前です。3日目は稚内副港市場で海の幸の朝御飯を食べます。バスでオロロンラインを通り、豊富から旭川まで列車に乗ります。昼は車内で稚内の海の幸を食べます。3日目は富良野に泊まります。4日目は美瑛を通って、旭川から列車に乗ります。昼は車内で美瑛の野菜を使ったイタリアンです。札幌に着いた後はJRタワーホテル日航札幌でフェアウェルパーティーです。

 なお、「HOKKAIDO 最北端の旅」の値段は2人1室の場合、1人当たり税込88万円です。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/230125_KO_royal2023.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/124160)

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城端線、氷見線の改良は新車の投入のみ?

 城端線、氷見線はJR西日本の路線の一部ですが、北陸新幹線が開業した後も並行在来線でないことから分離を免れ、離れ小島の路線として残っています。

 ただ、特急はなくなったものの貨物列車がある北陸線は第三セクターになったのに、枝線の城端線や氷見線がJRのまま残るというのもおかしいと言えます。離れ小島なので、効率も悪いです。そこで、城端線や氷見線をLRTなどに移行させるという話が出ていて、検討が行われてきました。

 城端線、氷見線をLRTにした場合、高岡での南北直通がなく、ピーク時の運行間隔が今とほぼ同じ30分だった場合でも、240億円の事業費がかかります。輸送力が小さいので、積み残しの危険性があります。高岡での南北直通があって、かつピーク時の運行間隔が10分だった場合、事業費は435億円に膨れ上がります。南北直通にかかる費用は、ピーク時の運行間隔にもよりますが、30分間隔の場合は4億円、10分間隔での25億円です。そんなにかからないようです。LRTを架線レスにした場合、421億円です(南北直通あり、ピーク時の運行間隔10分)。架線があるときより、若干安くなります。バスを走らせるBRTにすると、223億円になります(南北直通あり、ピーク時の運行間隔10分)。

 検討会の委員の中で評判が高かったのは、電気式ディーゼルカーなどの新型車両の投入だけで済ませる案。131億円で済みます。ほかの案に比べて事業費がかなり抑えられるのです。LRTの場合、輸送力に問題がありますが、新型車両なら今と同じ輸送力を保つことができます。また、車両の床が低いLRTは、積雪の影響を受けやすいというデメリットもあります。そういうわけでLRTを推す委員はなく、工事のための運休期間がない(LRTだと1~2年、BRTは3~4年)、新型車両の投入を行う案への支持が集まったのです。

 LRTは短距離の路線だからできるのであって、城端線や氷見線といったある程度の距離のある路線では、通常の車両のほうが良いでしょう。それよりも重要なことは、車両以外の費用もかかりますが、増発を行い、30分以下の一定の間隔で走るパターンダイヤにして、時刻表を見なくても乗ることができるようにしたほうが良いでしょう。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/toyama/news/20230202-OYTNT50173/、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/toyama/20230202/3060012526.html、北日本新聞ホームページ https://webun.jp/item/7916565)

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南武線にE127系

 尻手と浜川崎を結ぶ南武線の支線には、205系の2両編成が行ったり来たりしています。2023年度中にこの205系が置き換えられることになりました。

 新しく導入される車両は、E127系。2両編成2本の4両で、2023年度運用開始予定です。E127系は元々新潟地区で走っていた車両ですが、大半はえちごトキめき鉄道に行き、ごくわずかなものだけ残っていました。それも2022年3月のダイヤ改正で定期運用を外れ、後は代走みたいなかたちで時々走るだけでした(2022年12月も朝の越後線で走っていました)。これが意外なことに首都圏で走ることになったのです。逆ならたくさん例がありますが、地方から逆に来るのは珍しいです。

 ところで、今回導入されるのは2両編成が2本。ところが、今南武線(尻手-浜川崎間)で走っているのは、205系の3編成です。1編成足りません。足らない1本をどうやって賄うのか公式な発表はありませんが、当面は205系も1本だけ残るようです。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2022/yokohama/20230217_y2.pdf、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/f55125a280938ad604cb65dcdacd70d1b5089619、「鉄道ファン」2023年3月号 交友社

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「レトラム」、空調取り付けで通年運行へ

 「レトラム」は元々、ドイツのシュツットガルトで走っていました。その後、土佐電鉄を経て、福井鉄道に来ています。

 ところがこの「レトラム」、これまで空調がありませんでした。そのため、春秋のみの運転に留まっていましたが、北陸新幹線敦賀開業に合わせて、空調の取り付けを行います。これにより暑い夏や寒い冬でも運行できるようになります。合わせて、電気設備の改修も行います。

 改修費用は約1.9億円で、福井県がこのうち2/3を負担します。残る1/3は国の負担です。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/e76879322aa505e795c4d806b2f59596c8cef0e7)

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「北陸おでかけパス」廃止

 JR西日本は、特別企画乗車券の見直しを行います。

 新規発売するもの、発売期間が延長されるもの、発売額等の見直しがあるものといろいろありますが、発売を終了するものもあります。そのひとつが、「北陸おでかけパス」。3日前までに買えば並行在来線を含む休日の北陸エリアが1日乗り放題になるというお得な切符でしたが、スマホに切り替わることになりました。3月23日(3月26日利用開始分まで)で発売を終了します。

 そのほか、名古屋と北陸の間を特急指定席でお得に乗ることのできる回数券、「名古屋指定席特急回数券」、「北陸指定席特急回数券」も3月17日(3月17日利用開始分まで)で発売を終了します。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230202_00_press_tokki.pdf、JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000042534.pdf)

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日進市バス実証実験

 昨日(18日)のことですが、名古屋市の東隣の日進市に行ってきました。そこで見た小さな車、実は自動運転のバスだったのです。

 日進市は1月26日から2月28日の間、自動運転バスの実証運転を行っています(1月は土、日曜日運休、2月は日、月曜日運休)。フランス製のアルマという11人乗りのバスを使っています。日進市役所と日進駅の間を6往復します。運賃は実証実験のため、無料です。

 折戸というバス停で時刻表を見ると、あと8分でバスが来るということだったので、そのまま待つことにしました。しかし、バスはなかなか来ません。10分ほど遅れてバスはやって来ました。バスは最高速度20キロと遅いので、後ろにほかの車が連なっています。渋滞になっているのです。

 しかし、バスは満員で、乗ることができません。実証実験なので、立つことができないのです。仕方ないので、次のバス停まで走って行くことにします。バスは遅いので、走っていくと抜かれません。余裕を持って次のバス停(おりど病院)に着くことができました。次のバス停では、幸い1組の家族が降りたので、乗ることができました。

 バスはかなり小さく、運転席はありません。ハンドルやブレーキもありません。無人運転をするための車両です。センサーで障害物を検知し、人工衛星と通信して自らの位置を把握して走行します。車内には係員が1人います。この人は名鉄バスの運転手で、非常時には代わって運転をします。とは言ってもハンドルやブレーキはないので、ゲーム機のコントローラみたいなものを持って操縦するようです。先ほども述べたようにバスは最高速度20キロと遅く、ノロノロと走ります。後ろにコミュニティバスも2台連なっています。次のバス停のスポーツセンターの近くに車を置いてきたので、そこで降りることにしました。

 無人運転のバスはまだまだ実験段階といったところで、実用化はまだ先でしょう。非常時用として運転士が乗らないといけないのですから、コスト削減効果はありません。公道を走るとあまりにも遅いので、渋滞を起こしてしまいます。無人運転のバスが走るまでに解決しなければならない課題は多いです。
(参考:バス車内でもらったパンフレット)

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敦賀の新幹線改札の数は19

 北陸新幹線は2024年春に敦賀まで延伸されます。その敦賀の新幹線駅舎が16日、報道機関に対して公開されています。

 新幹線ホームは3階に、在来線特急ホームは下の1階にあります。2階にあるのは乗り換えコンコース。敦賀に用事のある人よりも新幹線と在来線特急を乗り継ぐ人のほうが圧倒的に多く、しかも新幹線と在来線特急を乗り継ぐには改札を通らないといけないため、改札はたくさん用意されています。短い時間でスムーズに乗り換えさせないといけないので、改札の通路は19も用意されています。
(参考:福井新聞ホームページ https://nordot.app/999051331830726656?c=648454265403114593)

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玉名市、JR九州に往復割引切符を求める

 2月2日、藏原玉名市長はJR九州熊本支社を訪れました。そこで藏原玉名市長は、九州新幹線博多-新玉名間の値下げを求めました。

 いくらに値下げさせるのかと言えば、正規の往復運賃が7220円のところ、5140円。2000円以上安い値段で、2021年3月までJR九州が発売していた「日帰り2枚きっぷ」と同額です。インターネットでの購入を条件とするようです。

 ただ、正規運賃との差額は誰が負担するのでしょうか? 玉名市が負担してくれるなら何の文句も言いません。ありがたい話です。でも、そのような話は聞こえてこないので、おそらくJR九州に負担させようとしているのでしょう。

 これが熊本なら、高速バスなどライバルとの対抗上、JR九州が勝手にしてくれるかもしれません。ところが残念ながら玉名では宣伝価値があまりにも違います。また、博多の駅ビルの割引券をセットするなど、JR九州グループにメリットがあるならやってくれるかもしれませんが、玉名市が求めているのは単純な往復切符の割引ですから、そういうものではないようです。

 割引切符を実現するなら、少なくともある程度は玉名市の負担が必要でしょう。玉名市への観光客を増やすため、玉名市内の商店のクーポンを付けた博多発の割引切符をつくってもいいかもしれません。
(参考:TBS NEWS DIG https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/308303?display=1)

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TOKIOのチャイムは夏まで

 JR東海の新幹線の車内チャイムはTOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」。東海道新幹線の品川が開業し、「のぞみ」が大増発された2003年から使い続けられています。

 しかし、このTOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」ですが、変更されることになりました。JR東海は、新型コロナウイルスの影響で低下した新幹線のビジネス需要の回復を狙ってキャンペーンを行いますが、新幹線の車内チャイムも変更されることになったのです。

 新しい曲は、「会いにいこう」。音楽家岩崎太整が書き下ろした楽曲で、UAが歌います。夏ごろに変更されます。

 なお、車内チャイムが変わるのはJR東海の所有する車両だけで、JR西日本については特に発表がないことから、「いい日旅立ち・西へ」で変わらないものと思われます。

(追記)
 JR東海の新幹線の車内チャイム切り替えは7月21日に行われます。今のTOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」は7月20日までです。
(参考:中日新聞ホームページ https://www.tokyo-np.co.jp/article/231566、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20230615-2705140/)

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スマホでJR四国1日乗り放題

 JR四国は、スマホがそのまま切符になる、チケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」を導入しています。その「スマートえきちゃん」限定で、平日限定でJR四国全線の特急自由席が乗り放題になる、「スマえき 平日限定四国1日フリーきっぷ」を発売しています。児島-宇多津間を含むJR四国全線のほか、土佐くろしお鉄道窪川-若井間、ジェイアール四国バスの大栃線、久万高原線に乗車できます。

 「スマえき 平日限定四国1日フリーきっぷ」の発売期間は2月1日から3月20日まで(毎日2時から4時までのアプリメンテナンス時間の間は購入できません)。利用期間は2月1日から3月20日までの平日です。値段は大人7900円、子供は半額です(同一行程なら、ひとつの端末で複数人分購入することができます。子供は、ひとつの端末で大人と同時に購入する場合のみ購入できます)。
(参考:JR四国ホームページ https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2023%2001%2026%2001.pdf)

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大井川鐵道井川線、全線走るのは2往復のみ

 大井川鐵道は、3月13日から井川線のダイヤ改正を行います。

 現在、井川線は、千頭-井川間の全線を走るのが3往復、千頭-接岨峡温泉間が1往復です。このほか、千頭-井川間の全線を走る季節運転列車が1往復あります。1月から3月までのダイヤを見たところ、休日のみ走ります。

 このダイヤがどうなるのかと言えば、千頭-井川間の全線を走るのが2往復、千頭-接岨峡温泉間を走るのが3往復、となります。5往復とも毎日運転で、これまでのような季節運転列車はありません。

 井川まで行くのが3往復から2往復に減りますが、終点の井川での滞在時間がこれまでの30分程度から、1時間以上に広がります。井川まで行くことはめったにないことなので、井川での滞在時間が増えるのは良いことなのかもしれません。
(参考:大井川鐵道ホームページ https://daitetsu.jp/archives/156990)

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JR西日本、在来線4日間乗り放題9800円

 50歳以上ならJR西日本全線グリーン車2日間乗り放題2万円という、「西日本グリーンきっぷ」を発売しているJR西日本ですが、もうひとつお得な切符を売り出します。しかも、こちらは年齢制限はありません。

 鉄道開業150年を記念して売り出されるその切符の名前は、「西日本どこまで4DAYS」。JR西日本全線、智頭急行の普通列車(新快速、快速を含みます)とJR西日本宮島フェリーが4日間乗り放題です(IRいしかわ鉄道津幡-金沢間はJR西日本の路線を通過利用する場合に限ります)。「e5489」限定で発売します。1人でも利用できます。

 ただ、この切符が「青春18きっぷ」と違うのは、特急券を買えば、在来線の特急に乗ることができること(「サンライズ出雲」、「サンライズ瀬戸」、「WEST EXPRESS 銀河」は除きます)。特急に乗る回数は制限なく、「チケットレス特急券」の類も利用できます。ただし、追加料金を払っても新幹線は利用できません。運賃も払う必要があります。大糸線、高山線、氷見線、城端線、博多南線(博多南線は在来線特急扱いなので、特急料金を払えば利用できます)には乗ることができますが、JR西日本の在来線ではつながっていないので、新幹線の運賃、料金を別払いしないといけません。

 「西日本どこまで4DAYS」の発売期間は2月20日から3月17日まで、利用開始日の1か月前から前日までです(切符の引き換えは当日でも可)。利用期間は2月21日から3月21日までの連続する4日間です(3月18日利用開始分まで可)。値段は9800円なので、「青春18きっぷ」と同等で、結構お得です。効率よく在来線特急を使うのが、有効活用の近道かもしれません。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230213_00_press_4days.pdf)

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券売機専用「九州新幹線2枚きっぷ」

 JR九州は4月1日から、券売機専用の「九州新幹線2枚きっぷ」を発売します。「券売機だけ買える!九州新幹線2枚きっぷ」です。

 この「券売機だけ買える!九州新幹線2枚きっぷ」は、その名前の通り、駅の券売機だけでしか売っていません。自動券売機は博多(JR九州)のみ(九州新幹線の駅は準備でき次第追加します。5月ごろの予定です)、指定席券売機は九州新幹線各駅(博多はJR九州のみ)と香椎、千早、笹原、南福岡の各駅のみです。「みどりの窓口」や「JR九州インターネット予約」では発売しません。九州新幹線の自由席が使える、2枚綴りの回数券で、有効期限は購入から1か月です。

 ところがこの回数券、全然お得ではありません。九州新幹線の自由席を割引なしの値段で往復するのと同額なのです。全く割引がないのです。

 さすがにかつての「2枚きっぷ」のように、運賃とほとんど変わらない値段で特急に乗ることができるようなお得な価格設定は無理でしょう。そのあたりはインターネットに任せても良いでしょう。ただ、割引が全くないというのもおかしいです。「みどりの窓口」の利用者を券売機に誘導するためにも、少々は安くしたほうが良かったのではないでしょうか? どういう人にアピールしたいのか、わかりません。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2023/02/02/230202_kenbaiki_shinkansen2maikippu.pdf)

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西九州新幹線に期間限定回数券

 JR九州は2022年9月23日から2023年3月31日まで、諫早・新大村-長崎間において、設定区間に有効な定期券を持っている人のみ使うことができる特急料金回数券を発売しています。14日間有効で、4枚綴り3200円です。つまり、1枚当たり800円です。そのJR九州ですが、2月14日から28日までの期間限定で、さらにお得な諫早・新大村-長崎間の特急料金回数券を発売します。

 このさらにお得な特急料金回数券を使うことができるのは、これまでの特急料金回数券同様、設定区間に有効な定期券を持っている人のみ。有効期間も同じく、14日間です。違うのは値段で、4枚綴り2000円です。1枚当たりにすると500円です。

 かなりお得な回数券ですが、やはり800円だと高くて売れ行きが悪かったのでしょうか? 在来線時代の諫早-長崎間の自由席特急料金は500円でしたが、2022年3月まではたったの310円でした。新幹線になり速くなったのでしょうが、値段が上がりすぎたのでしょうか? ちなみに、諫早-長崎間の特急定期券の発売枚数は、在来線時代が144枚であったのに対して、西九州新幹線は2022年12月時点で105枚でした。西九州新幹線の特急料金回数券は、1月19日段階で455冊売れています。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2023/01/26/230126_nishikyushu_otoku.pdf、https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2022/12/20/221220_shinkansenteiki_enchou.pdf、長崎新聞ホームページ https://nordot.app/992265673651257344?c=174761113988793844)

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京都丹後鉄道、3月18日ダイヤ改正で朝の特急などのダイヤ変更

 京都丹後鉄道は3月18日にダイヤ改正を行います。

 朝の通勤ラッシュ時に特急「たんごリレー2号」(宮津6:44発、福知山7:14着)を走らせていますが、肝心のJRの特急が山陰線、福知山線ともに臨時列車です。これでは何のためのリレー特急かわからないので、設定時刻を変更します。ダイヤ改正後の時刻は宮津7:32発、福知山8:06着です。

 また、宮津8:19発福知山行きの快速は、特急用車両を使い、かつスピードが特急並み(以上?)に速いこともあり、快速列車でありながら300円の「ライナー券」が必要です。ただ、今回のダイヤ改正でこの有料の快速が廃止されます。後続の快速及び普通の時刻を若干繰り上げます。

 現在、西舞鶴発豊岡行きの「サイクルトレイン」は西舞鶴10:37発です。今回の改正では50分ほど繰り上げ、西舞鶴9:44発とします。1本前の網野行き普通列車と入れ替える格好になります。「海の京都」エリアの自転車での観光時間が増えます。

 普通列車については、西舞鶴-豊岡間を走るものと、西舞鶴-峰山・網野間を走るものを入れ替えるものがあります。夕方帰宅時間帯に豊岡発着となるのが増えるようです。
(参考:京都丹後鉄道ホームページ https://www.willer.co.jp/news/press/2023/0126_4991)

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近鉄、朝の桑名発近鉄名古屋行きの特急料金を割引

 近鉄名古屋線では、特急が主な都市に停まり、通勤やお出かけにも使われています。本数も多く、こまめに停まるので、使いやすいです。

 その近鉄ですが、3月1日から8月31日までのお盆期間を除く平日の朝、桑名発近鉄名古屋着の特急料金がお得になる、「桑名チケットレス特急割」を行います。

 この「桑名チケットレス特急割」は、桑名発7:30、7:49、8:09、8:22、8:35の5本の特急に乗って近鉄名古屋に行くときだけ有効です。それ以外の時間帯の特急や、反対方向は対象外です。本来、この区間の特急料金は520円ですが、400円に割引になります(子供の設定はありません)。駅では販売せず(予約のみをインターネットで行い、支払は駅でする場合も対象外です)、「近鉄特急チケットレスサービス」で買う場合のみ、安くなります。会員登録は必要ありませんが、会員登録すればさらに購入金額の10%をポイントで還元します。

 急行等なら座席の保証はありませんが、特急ならお金を出せば席が確保されます。近鉄は通勤時間帯にも特急がたくさん走っていますので、この機会に特急券を買ってもらって通勤してもらうことを習慣づけてもらいたいのでしょうか?
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/kuwana_ticketless.pdf)

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「新幹線オフィス車両」は「TRAIN DESK」に

 2021年11月から、JR東日本、JR北海道、JR西日本は、東北、北海道、上越、北陸の各新幹線の8号車において、WEB会議や通話ができる、「新幹線オフィス車両」のサービスを行ってきました。この「新幹線オフィス車両」が3月20日からパワーアップします。名前も「TRAIN DESK」になります。

 どういうところが変わったのでしょうか? 今までは一部の列車を除いて自由席でしたが、設定のある全ての列車で指定席になります。設定があるのは3月20日以降の休日と最繁忙期(ゴールデンウィーク、お盆、年末年始)を除いた平日で、「つばさ」、「こまち」、「つるぎ」を除いた、東北、北海道、上越、北陸の普通車指定席のある列車です。原則として指定席になるので、乗ったときから降りるときまで、まるまる仕事ができるのです。また、車両の位置も変わります。これまでは8号車だったのですが、東北、北海道新幹線は7号車、上越、北陸新幹線は9号車になります。あらかじめ該当する号車の指定席を買っておく必要があり(一部の列車では特定特急券、自由席特急券、新幹線定期券でも利用できます)、その席の切符を持っていない限り、「TRAIN DESK」は利用できません。「TRAIN DESK」の料金は特になく、普通車指定席と同額です。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2022/20230124_ho01.pdf)

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「SL人吉」が夜行に

 本来は肥薩線を走る「SL人吉」ですが、その肥薩線が豪雨で不通になっているので、名前はそのままで鹿児島線を走っています。SLは2024年3月に運転終了になりますが、客車がどうなるのかは分かりません。

 そんな中、2月25日から26日にかけてですが、「SL人吉」の客車を使ったツアー形式の夜行列車が運行されることになりました。門司港発八代着で、かつて門司港から鹿児島線、肥薩線、吉都線経由で都城まで走っていた1121列車をイメージしています。九州の鈍行の夜行は門司港-長崎・佐世保間を1984年まで走っていた「ながさき」が有名ですが、1121列車は「ながさき」のように寝台車を連結することがなく、1972年に廃止されました。ツアーの名称も「郷愁の客車夜行『1121列車』の旅」です。なお、牽引するのは蒸気機関車ではなく、ディーゼル機関車です。

 当日のダイヤは次の通りです。門司港を23:30ごろに出発し、途中、鳥栖、大牟田、熊本に停まります。鳥栖には約40分、大牟田には約1時間半、熊本には約40分停まります。鳥栖や大牟田では、ホームから列車の撮影ができます。終点八代には6:20ごろ到着します。

 このツアーは1月26日から発売しているので、すでに満席になっています。そのため今から申し込むことはできませんが、参考として旅行代金を紹介します。4人ボックスシートが1ボックス当たり31800円(1~4人で利用可能)、ボックスシートの前向きが16000円(1~2人で利用可能)、ボックスシートの後ろ向きが13000円(1~2人で利用可能)です。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2023/01/25/230125_SL_1121.pdf)

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東武は高校3年生無料

 新型コロナウイルスは、若い人に大きな制約をもたらしました。新型コロナウイルスがどういうものかわからない最初のころはともかく、ある程度分かってからもだらだらと続いた厳しい行動制限は、高齢者を中心とした死亡者の減少につながったかもしれませんが、その分若い人の活動の機会を失い、学校行事も中止になるものが相次ぎました。そこで東武は、この春高校を卒業する高校3年生を対象に、3月22、23日の2日間、東武全線の運賃を無料にすることにしました。「#みらいエールきっぷ」です。

 「#みらいエールきっぷ」は駅で自由に買えるものではありません。事前の申し込みが必要です。それも個人個人ではなく、学校単位で申し込みます。クラブなど、学校の一部だけで申し込むことはできません。学校単位で申し込んだ「#みらいエールきっぷ」は、学校を通じてこの春高校を卒業する高校3年生全員に配ります。

 無料になる3月22、23日は、最初に使うときに「#みらいエールきっぷ」のほか、高校3年生であることを証明する書類(生徒証など)の呈示が必要となります。駅係員が所定の位置に押印しますので、2回目以降は「#みらいエールきっぷ」のみを呈示するだけで済みます(自動改札機を通ることはできません)。「#みらいエールきっぷ」で無料になるのは運賃だけで、特急料金等は通常通りかかります。また、東京スカイツリーなど、一部の施設が入場無料になります。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/news/3229/)

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鋼製の415系が定期運用を失っていた

 交直流の415系は、国鉄末期につくられた一部を除いて、鋼製です。

 JR九州にはステンレス製のほかに鋼製の車両もありました。2022年9月のダイヤ改正の直前には、大分車両センターに16本64両、鹿児島車両センターに5本20両ありましたが、ダイヤ改正で21本84両全てが定期運用を失いました。ダイヤ改正で新車が入り、古い車両が追い出されたわけではありません。列車の本数を減らしたので、古い車両が余ったのです。

 しかし、ダイヤ改正後、苦情が相次いでいます。もし解体されずに残っているものがあったら、暫定的に復活させて使ってみてはいかがでしょうか?
(参考:「鉄道ジャーナル」2022年12月号 鉄道ジャーナル社

 

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青函トンネル記念館のケーブルカー、経営危機でクラウドファンディング

 龍飛埼にはケーブルカーがあります。青函トンネル記念館が運営するもので、記念館に隣接する青函トンネル記念館駅と海面下140メートルの体験坑道駅との間を約7分で結んでいます。1998年7月の開業から2022年まで、約135万人が利用しました。

 この青函トンネル記念館のケーブルカーですが、新型コロナウイルスの影響で観光客が減少し(2022年度は2019年度の約6割でした)、収入が減っています。それなのに、車両整備の費用はいつも通りかかります。青函トンネル記念館のケーブルカーも鉄道事業法に基づいて運行されているため、車両の検査が必要です(検査は青函トンネル記念館が閉まっている、冬季に行います)。特に2023年は車両を分解しての検査があるので、レール修理の費用と合わせて約1000万円が必要です。しかし、その費用が捻出できません。このままでは東北運輸局から運行が認められない危険性があります。そこで青函トンネル記念館はクラウドファンディングの手法で整備費を確保しようとしています。2月1日から行い、300万円を集めることを目標としています。

 ただ、青函トンネル記念館のある龍飛埼には行きにくいです。青森から津軽線の列車を乗継ぎ、三厩からはバスに乗り換えます。しかも、津軽線の蟹田-三厩間は廃止の話もあります。津軽線の見直しとともに、途中にある新幹線の駅からのアクセスを向上させることも求められているかもしれません。

(追記)
 1日から始まった青函トンネル記念館のクラウドファンディングですが、たった10日間で目標の300万円が集まりました。また、青函トンネル記念館のある外ヶ浜町は、車両整備のための補助金900万円を出すことを議会で可決しました。これにより、2023年度のケーブルカー運行の目途が立ちました。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/a0a26b1bc9b615e70e8bc9b7e8c381dea4790226、https://news.yahoo.co.jp/articles/9583bf8f80aa630a533ed64ac43e7c0e31af87a3)

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50歳以上ならJR西日本2日間全線乗り放題2万円

 JR西日本は現在、JR西日本が全線乗り放題となる「西日本グリーンきっぷ」(「おとなび」会員限定)を発売していますが、2人以上でないと使えないという制約があります。ところがこのたび、「おとなび」会員なら期間限定で1人でも利用できる「西日本グリーンきっぷ(特別版)」を発売します。

 「西日本グリーンきっぷ(特別版)」も、これまで発売している「西日本グリーンきっぷ」と同じく、JR西日本(智頭急行、JR西日本宮島フェリーを含みます)が全線乗り放題で、新幹線や特急にも自由に乗ることができます。グリーン車や普通車指定席も6回までなら乗車できます。「西日本グリーンきっぷ(特別版)」の発売期間は1月30日から3月13日までで、利用開始日の1か月前から7日前まで発売します。利用期間は2月8日から3月21日までの連続する2日間で、3月20日利用開始分まで発売します。値段は1人当たり20000円。新大阪-広島間の「のぞみ」普通車指定席が10630円(通常期)なので、往復するだけで元が取れます。

 「おとなび」の会員になるには、「J-WESTネット会員」への登録が必要です。ただ、費用はかからないので、年齢が条件を満たしていれば、検討する価値はあるでしょう。

 JR東日本も期間限定のフリーパスはあります。こちらは年齢制限はありません。フリーパスの名前は「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」です。JR東日本、青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道、三陸鉄道、北越急行、伊豆急行、富士急行、えちごトキめき鉄道(直江津-新井間)の新幹線、特急の普通車自由席が3日間乗り放題です。あらかじめ座席の指定を受けると、普通車指定席に4回まで乗ることができます。利用期間は3月2日から3月15日の間の連続する3日間。利用開始日の1か月前から3日前まで、「えきねっと」で販売します。値段は大人22150円、子供10150円です。秋に発売していた切符の復活です。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230124_00_press_otonabi.pdf、JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2022/20221226_ho01.pdf)

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車道と軌道の両方を走ることのできるバス

 鉄道にもバスにもなることができるDMVは徳島と高知の県境で走っていますが、その路面電車版が開発されています。

 開発をしているのは、岡山電気軌道。岡山電気軌道によれば、路面電車もバスも同じ道路を走りますが、路面電車のほうが交通渋滞の影響を受けにくいようです。特に東山電停付近の渋滞に巻き込まれ、バスの定時運行が難しくなっていることから、バスが軌道上を走るようになれば、朝の通勤通学時間帯の輸送がスムーズになると考えています。

 実験は終電の終わった深夜に行いました。試験車両は保線作業用のトラックです。タイヤの代わりに特殊な車輪を出して、軌道上を時速15キロの速さで走りました。

 岡山電気軌道は既存のバスを改造するなどの方法で3~5年後の実用化を目指しています。架線から電気を取り入れ、その電気で動くようにバスを改造することも考えています。でも、実際に実用化しているDMVはキャパがあまりにも小さく、通勤通学客で混雑する路線では使い物にならない危険性が高いです。単純に軌道を舗装して、路線バスを走らせる方法ではいけないのでしょうか?
(参考:山陽新聞digital https://www.sanyonews.jp/article/1355857)

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つくばエクスプレス、ホーム延伸工事のため徐行運転

 つくばエクスプレスは3月18日にダイヤ改正を行います。

 今回のダイヤ改正から、多くの列車の所要時間が1~2分伸びます。なぜかと言えば、一部区間で徐行運転を行うからです。なぜ徐行運転を行うのかと言えば、つくばエクスプレスで8両編成化するためです。地下区間の青井、六町でもホーム延伸工事を行いますが、地下だと通過列車による風圧があります。これを軽減するため、2024年春まで、この両駅を含む約1.7キロの区間において、時速75キロ以下の徐行運転を行います。また、休日の21時台において、減便を行います。

 話は変わりまして、茨城県内の延伸について。茨城県内への延伸は4案が考えられていましたが、土浦に絞られることになりました。建設する距離が短く、常磐線に接続でき、今でもつくば市内や土浦市内では慢性的な渋滞があることから選ばれることになりました。

 もっとも、延伸を実現するためには、国の交通政策審議会で取り上げてもらうとともに、茨城県とともに株主であるほかの都県などの理解を得る必要があります。実際に土浦に延びるのはまだ先の話です。
(参考:つくばエクスプレスホームページ https://www.mir.co.jp/assets_rti/pdf/8269f3be2d7103fa6f2bd35de788cc2b.pdf、朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASR1R5TNYR1RUJHB00C.html)

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埼玉高速鉄道、岩槻延伸時に快速運転

 以前、埼玉高速鉄道の岩槻延伸についての記事を書きましたが、その続報です。

 埼玉高速鉄道の延伸事業では、都市鉄道等利便増進法の適用を受ける予定です。その適用を受けるためには、事前に地元自治体が、整備期間や費用などについての計画素案をつくり、鉄道事業者に事業化を要請することが必要です。さいたま市は2023年度にその要請を行う計画で、今のところ遅れる見込みはないようです。

 そして、埼玉高速鉄道の延伸事業では、採算を取るため、快速を走らせます。埼玉高速鉄道内を通過運転し、途中、鳩ヶ谷、東川口、浦和美園に停まります。赤羽岩淵-岩槻間の所要時間は21分、各停に比べて5分速く走ります。ピーク時もオフピーク時も毎時3本走ります(各停は区間運転も含めて、ピーク時13本、オフピーク時7本の想定)。ところが、待避設備は設けません。待避設備を設けると緩急結合により、快速通過駅でにも速達効果を及ぼすことができますが、事業費が増え、採算性が悪化するからです。

 もっとも、想定が出されたときから、事情が変わっています。埼玉高速鉄道は2019年のダイヤ改正で、日中12分間隔となっています。想定のままだと倍になるので、実際にこの想定通りになるかは不透明なところです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/saitama-kosoku-enshin2023/)

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貨物新幹線を導入するかどうかは2030年に決定

 現状では旅客しか運んでいない新幹線で、貨物を運ぶ話が出ています。北海道新幹線が全線開業すると、少なくとも旅客面では在来線を維持することができないからです。

 貨物新幹線ができるとすれば、それを運行するのはJR貨物になるようです。東北新幹線、北海道新幹線で走らせ、札幌に貨物ターミナルを設けることを想定しています。そのJR貨物ですが、貨物新幹線を導入するかどうか、2030年を目途に判断するようです。と言うことは、実際に貨物新幹線が走るとしてもそれより先のことになるでしょう。

 また、貨物新幹線を走らせることになれば、JR東日本やJR北海道から線路を借り、新たな車両をつくらないといけません。線路を使用する交渉を行うとともに、車両開発に関しても協力を求めていくことを考えているようです。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC189AK0Y3A110C2000000/)

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「WEST EXPRESS 銀河」と熊野のトロッコに乗る(2)

 通路が明るくなった。アナウンスがあり、間もなく串本到着とのこと。携帯の万歩計を見ると、どうやら途中で2時間近く停まっていたようだ。時間調整のため、乗務員交代を行う紀伊田辺で停まっていたのだろうか? 串本では橋杭岩の観光を行う。観光バスに乗り、橋杭岩に行く。現地ではジオパークのガイドが橋杭岩の説明をしてくれる。杭みたいに見えるのは、マグマの固まったもので、だんだん崩れて今のようなかたちになったのである。伝説では空海が一晩でつくろうとしていた橋脚とも言われている。ちょうど日の出のころで、大島から出る朝日を眺める。再びバスで駅に戻り、車内で朝食の弁当を受け取る。漁師の朝御飯がコンセプトで、鯛めしがメインとなっている。3号車のリクライニングシートではむしろ机が遠くて食べづらいので、隣の4号車の「遊星」で食べる。食べている途中、串本から3駅目の紀伊田原で停まる。運転停車だが、ここで後から出た普通に抜かれる。「WEST EXPRESS 銀河」は料金設定上、特急扱い。いくら急がない列車とは言え、普通に抜かれるとは異例だ。最後の停車駅、紀伊勝浦を出てから、車内の散歩に出かける。2号車は女性専用車で入ることができないので(リクライニングシートと「クシェット」から成り立っている。「クシェット」の説明は後で行う。なお、1号車はグリーン車で、かつての開放式A寝台みたいな構造になっている)、6号車のほうに行く。3号車はリクライニングシートとグループ用の「ファミリーキャビン」、4号車がフリースペースの「遊星」で、5号車が先ほども触れた「クシェット」、2段式のB寝台みたいな構造で、完全に横になることができる。これも座席扱いなので、「ノビノビ座席」と言ったほうが正確か。6号車がグリーン個室で、運転席の近くに「彗星」という小さなフリースペースがある。

 「WEST EXPRESS 銀河」は終点、新宮に到着した。徐福茶の振る舞いがあり、地元の物産の販売所ができている。買い物をしている人もいた。私が次に目指すのは、熊野の山奥のトロッコで行く温泉だが、それに乗るには熊野市からコミュニティバスに乗る必要がある。本来ならJRで行けばいいのだが、ちょうどいいのがない。しかし、熊野市までなら並行して走る路線バスがある。三重交通のバスで1時間に1本程度ある。これに乗ることにした。駅の向かいの観光協会と同居している建物の前から出発。基本的に国道42号線を走る。バスの乗客は5人。県境の熊野川を渡ったところで1人降りたが、それ以外はあまり動きがない。JRがない時間帯なので、長距離輸送も担っているようだ。

 先ほども書いた通り、温泉に行くには、熊野市からコミュニティバスに乗ればよい。そのバスは11:25に出るので、少し時間がある。駅前の土産物屋で下調べをしておく。 駅前のバス停で待つが、時間になってもバスが来ない。よく見ると、ロータリーの反対側にバスが停まっていた。あわてて走り、何とか間に合う。バスは三重交通の小型のバスだった。バスは山間部に入っていき、路面にも雪が積もっている。とても南紀とは思えない。バスに乗って50分余り、ようやくトロッコ乗り場のある瀞流荘に着いた。先ほども書いたようにバスは三重交通のもので、交通系ICカードの読み取り機もあるが、コミュニティバスの扱いなので使えないようだ。

 乗り場には駅舎があるが切符売り場がなく、切符は近くの瀞流荘で買わないといけない。トロッコとトロッコで行ったところにある湯ノ口温泉の入浴券とのセットを買う。時間に余裕があれば、瀞流荘での食事や入浴もしたかったが、バスやトロッコの時間が合わないので、それは止めた。トロッコは1日6往復で、次は13:00発。元々このあたりに鉱山があり、その輸送手段としてつくられたのがトロッコである。そのため機関車はバッテリーで動くようになっており、後ろに5両の客車をつないでいる。線路の幅は狭く(610ミリか?)、客車は腰を曲げないと入ることはできない。時間になり、発車した。線路の状態は悪く、ガタガタと揺れる。音もかなりうるさい。観光施設としての存在で、トロッコに乗るのが目的なので許されるものだろう。トロッコの軌道はほぼトンネルの中。10分で湯ノ口温泉に着いた。このトロッコが再び瀞流荘に戻るまでの1時間の間に、温泉に入る。湯ノ口温泉は歴史ある温泉で、瀞流荘にもお湯を供給しているようだ。予定通りのトロッコとバスに乗って、熊野市に戻る。

 熊野市から名古屋には、三重交通の高速バスで戻る。切符は事前にインターネットで予約し、パソコンに送られてくるメールを携帯電話に転送すればよい。駅から少し離れたバス停で待つ。新宮方面からバスがやってきた。ところが、バスには誰も乗っていない。どうやら客は私ひとりのようだ。熊野市から尾鷲の間は無料の高速に乗る。尾鷲市病院前で6人乗ってきて(最終的には乗客は10人になった)、ようやくひとりだけの状態ではなくなる。この高速バスは急行なので海山からずっと高速道路を走るのだが、道路の工事を行うとのことで次のインターチェンジで下ろされ、並行して走る国道に迂回することになる。そのため定刻から若干遅れて、終点の名鉄バスセンターに着いた。

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「WEST EXPRESS 銀河」と熊野のトロッコに乗る(1)

 国鉄時代、京阪神の輸送は私鉄が圧倒し、長距離輸送中心の国鉄は持てる力を発揮することができなかった。しかし、全国どこでも同じような車両を走らせてきた国鉄が、新快速用の車両をつくった。2扉転換クロスシートの117系だ。これまでほとんどなかった座席配置の車両で、沿線の人気者となった。その後、分割民営化により京阪神の鉄道を引き継いだJR西日本は、この117系の後継車両として、221系、223系、225系といった転換クロスシートの車両を次々と生み出し、私鉄王国の関西で逆に勝利を収めるほどとなった。

 さて、117系はと言えば、後継車両の登場によって京阪神の新快速から追われ、中には関西からも出て中国地方で働くものもいたが、さすがにデビューから40年以上が経過し、数は減っている。そんな中、JR西日本が117系を改造してつくったのが、「WEST EXPRESS 銀河」。夜行にも使うことができるようになっていて、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」に手を出すのは無理でも、「WEST EXPRESS 銀河」なら手を出すことができるぐらいの価格設定となっている。「WEST EXPRESS 銀河」はこれまで現地でのホテル宿泊とセットになったプランしかなかったが、ようやく片道だけ乗るタイプのツアーが発売されるようになったので(ただし、リクライニングシートしか利用できない。なお、2月からは全ての席が普通の列車と同じように「みどりの窓口」で購入することができるようになるが、そのころは仕事が忙しくなるので、それまで待つこともできない)、申し込むことにした。電話で申し込み、代金は申し込み時にクレジットカードの番号を伝えたら、引き落とされていた。その後、自宅に切符やパンフレットが送られてきて、当日それを持って行くこととなる。

 「WEST EXPRESS 銀河」は天王寺から乗ることにしたので、近鉄で行く。最初は急行に乗っていたが(名古屋線の急行としては珍しく、オールロングシートの急行だった)、津からは「ひのとり」に乗る。コンビニで買った夕食の弁当(コンビニの中でつくっている)も、「ひのとり」の車内で食べる。今回はレギュラーシートに乗ったが、金曜日の夕方ということもあって、よく乗っていた(意外にも大和八木で降りる人が多く、隣に座っていた人も降りた)。

 鶴橋でJRに乗り換え。天王寺での集合場所は大和路線のホーム上。送られてきた乗車券は大阪市内発となっているので、鶴橋から使うことができる。乗車券は普通の長距離切符と同じく、自動改札機も通ることができる。ツアーなので遅れてはいけないと思い、集合場所の天王寺のホームには1時間ほど前に着いてしまった。集合時間は22:10なので、それまでの間、構内を歩いて、時間をつぶす。夜遅いので、和泉府中行きの普通とか、東岸和田行きの快速とか、珍しい列車を見ることができる。集合時間が近づいたので、大和路線ホームに行く。階段の下に係員が立っていたので、そこで検温する。検温が済んだら、発車時間までは自由だ。車内販売はないので、飲み物などは乗車前に購入するように言われる。ちなみに今日の「WEST EXPRESS 銀河」の乗客は44人、このうち天王寺から乗るのは5人だ。

 15番線に「WEST EXPRESS 銀河」がやってきた。車両は117系を改造したものだが、徹底的に改造されていて、先頭の顔と各車両の少し中ほどにある両開き扉ぐらいしか117系を感じさせるものはない。4号車から車内に入る。1両まるごとフリースペースになっている4号車で和歌山と串本での観光についてのパンフレットをもらい、指定された3号車のリクライニングシートに座る。リクライニングは4列シートだが、前後の間隔は広く、リクライニングの角度も大きい。毛布のサービスもある(ちなみに隣は乗ってこなかったので、隣も自由に使えることができた)。車内は暗いので、何かしたいときはフリースペースを使う。3号車にも小さいながらフリースペースはあり、「明星」と名付けられていた。かつてのブルートレインの名前だ。マークもブルートレイン時代のものをイメージしている。「WEST EXPRESS 銀河」は阪和線を走る。阪和線にはよく乗ったが、「WEST EXPRESS 銀河」から見る阪和線は違う。ダイヤを縫って走るためか、あまりスピードは出ない。

 1時間ほどで和歌山に到着。ここで約1時間20分停まる。ここでの楽しみは、和歌山ラーメン。駅を出てすぐのラーメン屋に行き、あらかじめ用意されていたテイクアウト用のラーメンを受け取る。外で食べても良いが、小雪が舞うほど寒かったので、4号車のフリースペース(「遊星」)で食べる。発車時刻の1:00になり、「WEST EXPRESS 銀河」は再び走り出す。車内は通路を含めて暗くなる。(続く)

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「WEST EXPRESS 銀河」と熊野のトロッコに乗る(0)

 1月27日から28日にかけて、「WEST EXPRESS 銀河」に乗ってきました。その時の様子を明日、2回に分けて書きます。

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日通、北海道発着の危険品輸送に船と鉄道を組み合わせる

 本州と北海道の間を鉄道で行くとき、必ず通るのが青函トンネル。ところが、全ての貨物が青函トンネルを通ることができるわけではありません。火薬類などの危険品は青函トンネルを通ることができないのです。

 そこで、NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社、日本通運は、北海道発着の危険品輸送ができる、鉄道輸送と海上輸送を組み合わせた国内複合一貫輸送サービス、「Sea&Rail DG」を2022年12月から始めています。

 青函トンネルをどうやって回避するのかと言えば、船を使います。危険品積載スペースのある内航船「ひまわり」と鉄道輸送を組み合わせます。細かいところはよく分かりませんが、東京-苫小牧、釧路間は船で運び、道内は鉄道やトラックで運ぶようです。日本通運の独自コンテナであるRSVコンテナは、鉄道、海上双方で利用可能な12トンハイブリッドコンテナで、港で荷物を取り出して積み替える必要がありません。効率的に運ぶことができます。

 ところで、この動きは、北海道新幹線全線開業で函館線などにおいて在来線の維持ができなくなったときのことを見据えてのことでしょうか? 函館線新函館北斗-長万部間は特急があるからJR北海道が運営していますが、新幹線開業によって新幹線がなくなったら、旅客需要はほとんどありません。巨額の負担を嫌って第三セクター化しないのは理解できますが(ただしこの場合は旅客輸送はバスになることを甘受しなければなりません。決して人の金で旅客輸送をしてもらおうと思ってはいけません)、貨物については何らかの手当てをしないといけません。新幹線による貨物輸送が実用化するまで、国や北海道がお金を出して貨物鉄道として存続させるのが妥当でしょうが、それがうまくいかなかったときのことも考えておいたほうが良いでしょう。
(参考:NIPPON EXPRESSホームページ https://www.nipponexpress-holdings.com/ja/press/2022/20221221-1.html)

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神戸空港に地下鉄

 神戸空港と都心の三宮との間は、ポートライナーで結ばれています。その神戸空港ですが、2030年ごろに国際線も乗り入れるようです。

 そうなるとまず、神戸空港の利用者が増えます。これまで最高だった2019年の年間旅客数は329万人ですが、国際線が就航すれば、神戸空港の年間旅客数はその倍以上の700万人(うち、国際線は190万人)になると予測されています。

 神戸空港の利用者が増えるということは、ポートライナーの利用者も増えるということです。ポートライナーの乗客は1日約5000人増えると試算されています。神戸空港が国内線だけの今の状態でも朝夕のラッシュ時は混んでいますが、この状態で国際線が就航すると、さらに状況が悪化します。しかも、神戸空港の周辺には未利用地がたくさんあります。ここが開発されると、そこへの利用者もポートライナーに乗ることになります。

 そこで神戸市は、神戸空港と三宮を直結する地下鉄をつくることを考えているようです。途中、大学のあるポートアイランドの西側を通るか、企業の進出を期待してポートアイランドの中央部を通るかは不明です。最大の課題は建設費で、三宮付近では深い位置につくらないといけないようです。神戸市営地下鉄海岸線の総事業費、約2400億円を上回るとも言われています。このため、運賃収入では採算が取れず、沿線の開発を行うことでカバーしないといけないとも言われています。そのほか、既存のポートライナーとの役割分担も考えないといけないでしょう。昔のようにポートライナーをポートアイランド内でぐるっと回って三宮に戻るルートだけにするのでしょうか?

 神戸市は、2023年から地下鉄についての需要調査を始めるとのことです。
(参考:神戸新聞NEXT https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202301/0015933654.shtml)

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京都市交通局、「バス1日券」を廃止

 京都を公共交通機関で観光するなら、まず手にするのが京都市交通局の「バス1日券」。京都市交通局等のバスが700円で1日乗り放題。いくつかの観光スポットを訪れるのなら、確実に元が取れるお得な切符です。しかしそのため、バスはかなり混雑し、市民から改善を求める声が上がっていました。

 そこで京都市交通局は、「バス1日券」を廃止することにしました。9月で発売を終了し、2024年3月で使用もできなくなります。その後は、1100円と少々高いものの、地下鉄にも乗ることができる、「地下鉄・バス1日券」の利用を勧めています。地下鉄は階段の上り下りが要るものの速く、空いているのが特徴です。京都市交通局としては、観光客からそれなりのお金を取ることができるというのもメリットのうちでしょう。

 もっとも、京都の場合、地下鉄はあまり充実していませんが、バスは結構充実しています。しかも、京都駅などのターミナルに乗り入れてくれます。この構造を変え、沿線以外には地下鉄とバスを組み合わせていくように持っていかないと根本的な解決にならないでしょう。

 京都市交通局にはもう一つニュースがあります。京都市交通局は経営が厳しいため、地下鉄やバスの運賃を値上げする計画でした。ところが地下鉄については、国の特例債の延長などの財政支援措置があるため、値上げは行わないようです。ただバスについては、燃料費や人件費が上がっているため経営は苦しく、値上げは行う予定です。

(追記)
 新型コロナの前、京都市交通局の「バス1日券」の年間売上は約330万枚であるのに対して、「地下鉄1日券」は約120万枚(かつては六地蔵から京都の都心まで往復するだけで元が取れたため、宇治市方面からの利用者が多かったようです)、「地下鉄・バス1日券」は約70万枚でした。しかも、「バス1日券」の9割は観光客の利用で、京都市民はたったの1割でした。

 また、「バス1日券」の廃止により、地下鉄の利用が増えるので、年間2.9億円の増収を見込んでいます。バスのほうも、元々「バス1日券」では4~5回使っていた人が多かったことから、そのまま1回230円の運賃を払う人もいると見られ、約1000万円の増収を見込んでいます。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230201/k10013967981000.html、https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20230125/2010016505.html、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/124155/2)

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「まほろば」もうめきた乗り入れ

 新大阪と西九条を結ぶ貨物線が地下化され、3月18日、うめきたエリアに駅ができます。大阪です。

 このうめきたエリアの大阪には、「くろしお」、「はるか」のほか、おおさか東線も乗り入れますが、新大阪-奈良間をおおさか東線経由で走っていた臨時特急、「まほろば」も乗り入れることになりました。

 「まほろば」が運転されるのは、3月25日から4月23日までの休日と、5月27日から6月11日までの休日、合わせて16日間です。287系の3両編成で、全車指定席です。ダイヤは奈良行きが大阪9:58発、新大阪10:04発、奈良10:56着。大阪行きが奈良17:41発、新大阪18:36着、大阪18:42着です。

 「まほろば」の特急料金は50キロを超えることもあり、1730円もしますが、「e5489」限定の「チケットレス特急券」が発売されます。「まほろばチケットレス特急券(大阪~奈良)」と言い、値段はほぼ半額の860円です。なお、乗車にはこれに加えて乗車券が必要です。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230120_00_press_mahorobaunten.pdf)

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