城端線、氷見線の改良は新車の投入のみ?
城端線、氷見線はJR西日本の路線の一部ですが、北陸新幹線が開業した後も並行在来線でないことから分離を免れ、離れ小島の路線として残っています。
ただ、特急はなくなったものの貨物列車がある北陸線は第三セクターになったのに、枝線の城端線や氷見線がJRのまま残るというのもおかしいと言えます。離れ小島なので、効率も悪いです。そこで、城端線や氷見線をLRTなどに移行させるという話が出ていて、検討が行われてきました。
城端線、氷見線をLRTにした場合、高岡での南北直通がなく、ピーク時の運行間隔が今とほぼ同じ30分だった場合でも、240億円の事業費がかかります。輸送力が小さいので、積み残しの危険性があります。高岡での南北直通があって、かつピーク時の運行間隔が10分だった場合、事業費は435億円に膨れ上がります。南北直通にかかる費用は、ピーク時の運行間隔にもよりますが、30分間隔の場合は4億円、10分間隔での25億円です。そんなにかからないようです。LRTを架線レスにした場合、421億円です(南北直通あり、ピーク時の運行間隔10分)。架線があるときより、若干安くなります。バスを走らせるBRTにすると、223億円になります(南北直通あり、ピーク時の運行間隔10分)。
検討会の委員の中で評判が高かったのは、電気式ディーゼルカーなどの新型車両の投入だけで済ませる案。131億円で済みます。ほかの案に比べて事業費がかなり抑えられるのです。LRTの場合、輸送力に問題がありますが、新型車両なら今と同じ輸送力を保つことができます。また、車両の床が低いLRTは、積雪の影響を受けやすいというデメリットもあります。そういうわけでLRTを推す委員はなく、工事のための運休期間がない(LRTだと1~2年、BRTは3~4年)、新型車両の投入を行う案への支持が集まったのです。
LRTは短距離の路線だからできるのであって、城端線や氷見線といったある程度の距離のある路線では、通常の車両のほうが良いでしょう。それよりも重要なことは、車両以外の費用もかかりますが、増発を行い、30分以下の一定の間隔で走るパターンダイヤにして、時刻表を見なくても乗ることができるようにしたほうが良いでしょう。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/toyama/news/20230202-OYTNT50173/、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/toyama/20230202/3060012526.html、北日本新聞ホームページ https://webun.jp/item/7916565)
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